食堂に向かって僕とベルファスト姉さんは歩き始めた。
「ベルファスト姉さん。今日の昼食は何?」
「今日はハンバーガーでございます。」
「ハンバーガー?」
「ユニオンのソウルフードと聞いております。ユニオンのKAN−SEN達はハンバーガーが大好きだとか。」
「へぇ〜。早く食べてみたいな。」
「はい。では少し急ぎましょうか?」
「あぁそうだね。」
少し早足で食堂に向かう。
途中、ネルソンさんとシリアスにすれ違った。
お互いに挨拶を交わして通り過ぎた。
シリアスから少し黒いモヤみたいなのが見えたけど気のせいだよね。
そんな事を思いながら歩いていたらすぐに食堂に着いた。
「案外近かったね。」
「近道しましたから。」
当然といった表情でベルファスト姉さんは答える。
「葵もマドラス基地の構造は覚えたほうが良いですよ。」
「…はい」
来てそんなに時間は経っていないはずなのにもう基に基地の構造を覚えたみたい。
…正直こんな事は何回もあったので、驚きはしない。
「では入りましょうか。」
ベルファスト姉さんが両開きのドアを開ける。
中はシンプルな食堂で、長机と椅子が複数置いてあるだけだった。
ドリンクバーも完備されており、空調設備も完璧だ。
壁は海が見えるようにオーシャンビューになっていて、テラスがあり、外で食事を取ることも可能なようだ。
おー紅茶の茶葉やコーヒー豆も置いてあるんだ。
食堂を見回した後にKAN−SEN達が居るかどうか見てみたが、KAN−SEN達は誰もいなかった。
まだ各陣営のKAN−SEN達が到着していないから、静かだ。
これから騒がしくなるのかな?
「この食堂では饅頭達に注文すれば、大体の食事は作ってくれます。なので、早速頼みに行きましょう。」
厨房では饅頭がせっせと働いていた。
コックの姿の饅頭達が食材を切ったり、身の丈ほどあるフライパンを使っていたり、少し大変そうだったが饅頭達はとても楽しそうだった。
「すみません、ハンバーガーを2つください。」
「ピヨッ!」ビシッ
【かしこまりました。】
注文を聞いた饅頭は振り返り、コック饅頭に声をかけた。
「ピヨヨッ!」
【ハンバーガー2つー!】
「ピヨ!」
【了解!】
そんな会話を見ていると、ベルファスト姉さんが、
「出来るまで座って待っていましょうか。」
「いや、僕は少し作る所を見ていたいな。ハンバーガー、自分でも作ってみたいし。」
「分かりました。先に席を取っておきますね。」
それでは、とお辞儀をして、ベルファスト姉さんは席を取りに行った。
そして、僕の興味はハンバーガーに釘付けになった。
パテを焼ける匂いやバンスの小麦の匂いが漂ってくる。
(うわっ見ただけで美味しそう。)
お腹が早く食べさせろと抗議している。
僕がハンバーガーに夢中になっていると、
「指揮官さんはっけ〜ん〜!」
不意に声をかけられた。
聞き覚えの無い声だ。
少なくともロイヤルにいたときには聞いていない。
「誰ですか?」
そう言って、僕は振り返る。
そこには150センチ位で、髪の先端が少し赤みがかっている銀髪の少女がいた。
頭には丸い耳のような物がついており、脇と太ももを多いに露出した白いセーラー服を着ていた。
「こんにちは!指揮官さん。私はフレッチャー級17番艦ハウゼー・パウエル。ユニオンから派遣されて来たの。パウエルって呼んでね!」
と自己紹介をしてくれた。
そしてこちらも、
「こんにちは。このマドラス基地の指揮官の葵と言います。よろしくね。」
「所でもう全員着いたの?」
「いいえ。私は駆逐艦だから早く行くように言われたの。他のみんなはもう少しかかるみたい。」
「そうなんだ。報告ありがとうね。」
そう言うとニコッと笑って、
「うん!」
と元気よく返事をしてくれた。
「もうお昼だしお腹空いてない?」
「うーん確かにお腹空いた〜。」
そう言って、お腹を擦るハウゼー・パウエル。
「良かったら一緒に食べない?」
「えっ良いの!?」
目を輝かせこちらを見てくる。
よほどお腹が空いていたようだ。
「大丈夫だよ。ハンバーガーで良い?」
「お願いしまーす。」
饅頭達におねがいし、ベルファスト姉さんが待つ席へと向かった。
席に着くとベルファスト姉さんは、紅茶を飲んでいた。
「あら、葵。見慣れぬKAN−SENがいらっしゃいますが……。」
そう言ってベルファスト姉さんは立ち上がった。
「あぁ彼女はハウゼー・パウエル。ユニオンから派遣されて来た駆逐艦だって。」
「こんにちは〜。」
「こんにちは。私はベルファスト。葵の姉です。」
パウエルへ優雅にカーテシーをする。
「ええッ〜!指揮官ってお姉ちゃんいたの?」
パウエルは(全然似てないな〜)という表情でベルファスト姉さんと僕を見比べる。
「義理だけどね。」
「あっ、やっぱりそうなんだ。」
パウエルは納得したような表情を浮かべる。
「葵、他の皆様は?」
「まだもう少しかかるって。」
「そうですか。なら昼食を取る時間がございますね。」
「せっかくだから、ハウゼー・パウエルも一緒に食べても良いよね?」
「私は構いませんよ。」
「じゃあ席について待っていようか。」
ガタッ
椅子を引いて席に座る。
そしてタイミングよくハンバーガーが運ばれてきた。
「ピヨピヨ〜」
【お待たせしました。ハンバーガーです。】
ユニオンサイズのハンバーガーは少し大きめで、野菜の間に挟まったパテから肉特有の食欲をそそられるいい匂いがした。
「ん〜〜!とっても美味しそう!」
パウエルは目を輝かせ、涎が垂れそうになっていた。
「これがハンバーガーですか、美味しそうですね。」
ベルファスト姉さんは微笑んだ。
「でも、これどうやって食べるの?」
「こ〜やって食べるんだよ!」
そう言うとパウエルはハンバーガーを両手で持って美味しそうに食べ始めた。
それを真似して僕もハンバーガーを頬張る。
うっ、うまい……!
バンズの食感、そして新鮮な野菜とジューシーなパテがとても良く合う!
「ベルファスト姉さん…。これとっても美味しいよ!」
「では、私も…。ハムッ 確かに美味しいですね。」
「でしょ〜!ハンバーガーはユニオンのソウルフードなんだから!」
とドヤるパウエル。
パウエルがドヤッている間にふと、ベルファスト姉さんの方を向くとベルファスト姉さんのハンバーガーはお盆から消えていた。
「ベルファスト姉さん食べるの早くない!?」
ふふっと笑ったベルファスト姉さんは
「これもメイドの嗜みですよ。」
「そんな嗜み聞いたことないよ!」
僕はおもわずツッコミを入れてしまった
「あら、そうしている間にユニオンの他のKAN-SENたちが到着すると思われる時間ですよ。」
「もうそんな時間か……。早く食べないと!」
「私も急がなくちゃ〜!」
僕とパウエルは急いでハンバーガーを頬張る。
確か、後来るKAN-SENは軽巡二人と戦艦が一人だったかな?
どんな人が来るかとても楽しみだ。
アッアッど、どうも主です。
生きてます。
どう考えてもサボり過ぎですね、本当にありがとうございました。
じ、次回は早くあげられるように頑張ります。