神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
ジェイル
突如として空から飛来した種から生まれ、寄生、あるいは擬態化と呼ばれるもので世界を蝕む存在、高い建築物に寄生した監獄塔、それがジェイルの本体、その塔は膜のようなものの上にある白い月を目指し、それが塔にたどり着くことによって、ウィッチクラフトと呼ばれる、特別擬態化の強い白き核が生まれる。
核は願いを紆余曲折の果てに叶える存在であり、地上はそれを求めて争うこともある。
そしてメルヒェン、そしてナイトメア、それらは擬態化よによって変質した生物であり、童話に擬えた姿をしている、メルヒェンは肉食動物程度だが、ナイトメアは不死の怪物、人々はそんな怪物達に日々を恐怖の中ですごしていた、そこに現れたのは、メルヒェンの腹から生まれる特異存在、ジェノサイド・ピンク、魔法少女から童話、特撮、様々なものの概念を宿した人間の姿をした少女達であり、人々を護ってくれる、だが彼女らは傲慢で自己中心、例え自我を薄々ながら宿した母親、それを護る子供を殺す、まるで魔女狩りのような存在である。
そんな時、そんな彼女らを制し、聖女のようなジェノサイドピンクが現れた。
血式少年少女戦線、通称血戦。
過去に黎明と名乗っていたが、マリアチャイルドの手によってその上層部は粛清、新たに血式少女と少年達がトップに立つことになった。
血式少女という名は、フユという研究者が持ち込んだものであり、本来はジェノサイド・ピンクであり、血戦都市の外ではそう呼ばれている。
血戦は都市を作り出し、そこに優秀を人々を集めて、メルヒェン、及びナイトメアの掃討を行っている、ナイトメアに唯一有効打のあるのはマリアチャイルドのメアリガン、血の弾丸をくらったナイトメアは身体の内側から破裂するように息絶える。
血戦が設立してから6年、マリアチャイルドによって文明の後退は止まり、少しずつだが前進を始めた、そして、彼女らはジェイルの攻略を始めた、メルヒェンとナイトメアを
しかし、それは未来の出来事、今語られるのは、ある一人の孤児院の経営者と、殺すことしか知らない少女達の物語。
○
その人は、貧困な家庭の生まれだった、パンも固く、飲み物も水で、濁っていた、そんな時、テオフェル、ジェイルの種が世界に降り注ぎ、世界はその人のレベルにまで堕ちていった。
既に母も父も他界し、その人は一人、親を無くした子供達を助けていた、親から言い聞かされていた言葉、『誰かを守れる、救ってあげられる子に育って』、それがその人の目指すものだった。
黎明に入り、孤児院を開いて、その人は日々働きながら、子供達を養っていた。
ある日、経営が安定してきた時、一人の少女が、孤児院に訪れ、客間でこう言った。
「きみに、スパイをお願いしたい」
それがその人のこれからの運命を決定づけるものだった。