神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
――そこは赤い、赤い世界、見渡す限り、赤以外の色はない、そこに二人だけ、そこに立っている、一人は泣いている、青年ほどの年齢に見える容姿のその少年は、首から血液が流れ続ける。
『イタイ、イタイヨォ、クルシイヨォ』
そんな少年に、先生は、優しく抱き寄せる。
「大丈夫だよ、もう貴方を非難する声はない、貴方を認めない罵声はない、貴方を騙す笑い声はないよ」
『ウゥ………ホントウ?』
「本当だよ、これからは私と一緒、いつか開放されるその時まで、私は貴方に慈悲を与えましょう」
『……アリ、ガトウ』
少年は、先生の中に還っていった……また少し、この赤も薄まったような気がする。
○
「……うーん」
先生は目を覚ます、ふと、壁の時計を見る。
「……8時?――えぇ!!」
寝坊したと、焦り、急いで身支度を始める、先生は早歩きで、食事場まで行くと、既にそこには……9人皆席について、何時ものスープが10人分あった。
「おや、今日は遅かったですね、先生」
「ギロチン……えっと、このスープは?」
「はい、わたし達が作りました」
ギロチンは何時も無表情だが、今の顔は、先生には褒めてと言ってるように感じた。
「そう……ありがたいね」
先生はギロチンの頭を撫でた、その顔は無表情だが、やはり喜んでいるように思えた。
「あ!、ずるーい!、あたしにもお願い!」
「メイにもメイにも!」
首つり台とアイアン・メイデンも所望に、先生は応える、二人を撫でると、先生は自分の席に座る。
「それじゃあ……」
「「「いただきます!!」」」
――食事を終えて、皆皿洗いに言ってるとき、薬はすぐに洗うのを終わらせて、先生のところに来た。
「ね!ね!、今日は遅かったけど、今日もあの夢を見たのかな!」
薬の言う今日の夢、毎日、夢に見る赤い世界、そこにいる老若男女の様々な傷跡がついた人々を、先生はなだめている。薬はそれを、処刑された人々だと気づく、先生の行う行為に意味があるかはわからないが、面白いものだと、薬は好奇心が湧いている。
「えぇ、子供だったわ、青年の姿の」
「ふむ、今度処刑された人々の記録を探して見ようかな、ふふ、アタシ、頑張るぜぇ」
「ははは……」
先生には苦笑いしか出ない、だが、楽しそうな薬の姿は良いな、そう思っていると、他の皆が皿洗いから戻ってくる。
「んー?、なんの話をしてたの?」
首つり台はそう言いながら、先生に抱きついた。
「とっとと、首つりちゃん、危ないよ」
「あはは!ごめんね!、あ、杭、武器できた?」
首つり台は、先生の場合は甘えんぼだが、新しく入ってきた少女達には、結構ドライ、先生が仲良くしろと言えば仲良くするが、いないところだと何時ものドライさだ、先生はあまり強制は好きではないので、今の感じで良いとしている。
「んー?、あぁ、できてますぜ、欲しいやつはついてきてくだぁさい」
杭は、最近できた簡易的な工房まで皆を連れてくると、自慢げに、ドヤ顔で、用意した武器を見せた。
「ふっふっふ、要望通りのモノを作ってやったぜ、じゃあまずは……一番楽だったノコギリ!」
「おう」
杭は、大きな鋸を、ノコギリに渡した、白い刃に、本体は青で構成されている。
「ふむ……」
ノコギリは軽くそれを振るう。
「良いじゃん、しっくりくる、はは、やるね杭」
ノコギリは満足げに笑う。
「ふふん、わてにかかればこんなものよ、まぁ簡単な造りだったから良かった、うん、じゃあ次は、リッサ」
「ワタシ?」
「うん、ある意味簡単なやつだったよ」
リッサには鉄棺、鎖がついており、白と青で構成されている。
「え、それ武器なの?」
先生は最初聞いたときはどんなのだろうと思っていたが、完全に棺であることに若干驚いた。
「はい、寝るときにも使えますし、なかなかの重量なので汚染動物を潰せます」
「はぁ……もう驚かないよ、次はなにかな、杭」
「へい、次は……と、その前に、キイ、その車椅子の乗り心地は良さそうかな?」
キイは電気椅子の愛称だ、そして、杭が最初に造ったのがキイの車輪がついた椅子だ、身体にできるだけ合わせており、キイの成長の度に、いろいろと変えている。
「大丈夫ですよ、自分まだ成長期ではないみたいだから」
「それは良かった、のかな?、じゃあ次は……」
それから杭は一人ずつ渡していった、それからの先生は驚きの連続だった。
薬の注射器型の銃、これはまだ良い、残りの最初期の3人がやばい。まず首つり台の武器は、長いTの字型の白い棒に、杭が造った特殊な青い糸、そしてそこの先にある白い首輪がついた謎のもの。
「え、なにこの……武器?」
「あはは、これは綺麗に首が釣れそー!」
「汚染動物……だよね?」
次に先生が驚いたのは、アイアン・メイデン、覚悟していたがまるっきりアイアンメイデンだった、顔が上部につき、細かく分かれる胴体、本体は白く、中は青く、水色の鋭い棘がついている。
「武器というか、なんだろこれ、なんだろう……」
「うふふ、良く血液が出せそーねぇ」
そして、最後にギロチン、かなり武器ではあるが、白の本体と黒の刃、構造は、ギロチンの機構の丸い首をはめるところと刃がつき、先には槍の刃がついた、ギロチンと槍が合体した仕様となっている。
「殺意が凄い」
「大丈夫ですよ、できるだけ殺さないようにしますので」
「まぁ……それなら良いけどさ、強制はしないから」
「ふぅ……これで全員の武器が揃ったわけだけど、そろそろ
「……そうだね、あまり先送りにするのも悪いし、行こうか……ファラリスのところに」
ファラリスの雄牛、真鍮の雄牛の形をした処刑道具であり、人を中に入れ、火で熱することで、その中で苦しむ人の声が、空気を入れる管から牛のような声が聴こえるらしい。
ファラリスは、かなりの強さだった、ギロチンらで挑んだことがあるが、傷一つつけれなかった。
今回は、武器がある、強くもなってる、彼女は、再戦の準備が整ったため、ファラリスが支配する、村へ向かうことに決めたのだった。