神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
「どうしました?、ギロチン」
「あ、いえ、すみませんマス、先生」
「ふむ、マスター、師匠、いいいい響きだ」
なんか先生、気に入られたみたいだけど、あの呼び名は不快感があって拒否したい、そうだ、
○
「……また来たか、弱者」
和と呼ぶべき大きな家に、いつも通り
「で、わっちは前に言ったはずだが、弱いやつの下にはつかんと」
「……ファナリス、でしたっけ、私は改めて自己紹介するけど先生と呼ばれています、貶すわけではないですが、強さというのは単に力だけではないのです、精神面、技術面から見て」
「力だけではない?、弱者のよくする言い分だな、力がなければ奪われ、貶され、淘汰される、何ならここでお前の命を奪ってやろうか?、あ?」
「あはは、やはり難しい――ギロチン?」
――あ?、何を言ってんだこの
「ほう……面白い、また痛めつけてやろうと思っていたが、ギロチンだったか、そなた、無意識に
「制限?、何を言ってるんです」
「はは、ならわからせておこう、こい、ギロチン、お前だけを相手してやる」
ファラリスはそう言って、立ち上がり、部屋の奥に進んでいく。
「おい、どうするつもりだ、俺はやめておいたほうが良さそうだが」
ノコギリは止めようとしてるが……
「いえ、乗りましょう、良いですよね、先生」
先生は少し身体を震わせた、なんだろう、少し……怯えている?。
「あぁ、良いよ、ギロチン、一つ言っておく、あまり怒るな、私のためとはいえ」
怒ってる、まさか、いや、確かに怒ってるんだろう、だが、抑えられないほとではない。
「……はい、すみません、ですが、仕方ないかと、
「……危なくなったら逃げてね」
「はい、それでは」
「来たな、ギロチン」
「えぇ、来ましたとも」
「……ふっ!」
間髪入れず、先に仕掛けたのはファラリスだ、前に知った攻撃、紙一重で避け、
「躊躇してんじゃないよ!」
ファラリスはそれを
「ぐあっ!……」
「なんだなんだ?、その程度か?、なわけないでしょ!それともあの偽善者に殺すなとか言われているのか?」
そうだ、殺せば先生が悲しむ、だからもう
「はははは!、馬鹿じゃないか?、せっかくの力があるのにそれを抑えるなんて馬鹿でしかねぇの!」
「……」
我慢だ
「とんだ偽善者に拾われたんだなぁ、所詮ジェノサイド・ピンクは殺戮するために生まれた偽の人、それを殺すなとか生きる意味がねぇよ!、わっちはそんな馬鹿なやつにはついていけないなぁ!、どうせ他のやつらも馬鹿な考えを植え付けられているんだろ?」
「………!」
我慢だ!
「どうせならわっちが1から教えてやろう?、あんな偽善者、生きてる価値なんてないだろ?、守られ、力が無いなんて、どうせ命が危なくなったら逃げるに……あれ?」
――駄目だな、このゴミ虫だけ―――許せねぇよなぁ!!。
「これは、うし」
「ぐぁ……!」
「おいおいどうした!、大口叩いておいて、その程度なのかよぉ!」
「てめぇ……いつの間にか
「なに言ってんだよ!ゴミクズが!」
そのまま何度も攻撃する、死なないように、苦しむように。
「ぐっ、ぐぉっ!」
「ほらほらほらほら!、力が凄いんだろ!、なら仕掛けてみろよなぁ!」
「ちぃ、なめ――るな!」
ゴミは何処からともなく大きな牛を
「ははは!、わっちにこれを使わせるなんてなぁ、これでわっちの」
まぁ、その程度のもの、切ればいいんですがね。
「は?、超硬度のわっちの牛が――」
「おらぁ!」
一閃、ゴミの身体を斜めに切り裂き、鮮血が舞う……あぁ
「トドメを刺してあげましょう」
「――は、ははは!、やっぱりそなたもこっち側だ!、殺戮を楽しむ、非情で冷酷な化け物の一匹だ!、さぁ!わっちを殺してこっち側に戻ってこい!、楽しいぞ殺しは」
「ゴミが、良いでしょう、望み通りに殺してあげましょう!」
そのまま、
「ギロチン!」
――ゴミと
「そ、そなた、何をしてやがる!、死にてぇのか!」
「退け、そいつは殺さないと」
「……ギロチン、私のために怒ってくれたんだね、嬉しいよ、そんなに私を慕ってくれて、そんなにも精神を荒ませて、けど、駄目だよ、やっぱり殺しは」
「偽善者が!、そんなことしたって止まんねぇぞ!」
ゴミが声を荒げる。
「退きなさい」
「ギロチン、私ね」
人が近づいてくる、一歩ずつ、一歩ずつ、あぁ、駄目だ、
「退けぇぇぇ!!」
「ギロチン、私は孤独だったの、孤児院に離れるって決めたとき、悲しかった、けど、今はあなたが、みんながいる、人を殺すことが何故悪いか、言ってなかったね……人は誰であろうと繋がりがある、その繋がりを断つのはいけないことなんだ、それを殺すという、殺すことを覚えてたらいつかは繋がりが無くなって、一人になっちゃう、だからね……やめよう、ギロチン」
「――せん、せい」
身体からあれほど高まっていた力が抜けていく、同時に悲しみが、涙が、溢れてくる。
「
「姿が……力が、無くなっていく?」
「そい」
ファラリスの首に、注射器が脳天に刺さり、気絶した、あぁ、薬ですね、凄いですね、
「……先生、これからも、ついていっていいですか?」
「……勿論だ、あなたは自慢の娘なんだか――ら」
――そのまま、先生は目を閉じた。