神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚   作:謎のコーラX

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2話構成です、続きは一時間後に


第12回

(わたくし)は、先生に感謝している、殺すこと以外に生きる理由が無かった(わたくし)に、先生を助けるという理由が生まれた、ただ最近になって、不思議な夢を見ることがある、あの野郎をマスターと呼び慕って、昔の数倍の人間を殺す夢、そこにはアイアン・メイデン、首つり台、そして火炙り柱という(わたくし)がまだ知らない娘、たった4人で、肌が先生のような姿で殺戮を行っていた……もし、先生がいなかったら、こうなっていたんだろう、いや、これは過去だ、今(わたくし)は仲間を探し、先生を守ることだけを考えているべきだろう。

 

「どうしました?、ギロチン」

 

「あ、いえ、すみませんマス、先生」

 

「ふむ、マスター、師匠、いいいい響きだ」

 

なんか先生、気に入られたみたいだけど、あの呼び名は不快感があって拒否したい、そうだ、(わたくし)は先生が今の恩人だ、こんなこと考えていないで前に進め、ギロチン。

 

 

「……また来たか、弱者」

 

和と呼ぶべき大きな家に、いつも通り(わたくし)達より一段高い場所であぐらをかき見下ろす、いや、見下している、(わたくし)より大きな体格に、先生のような角が2本生えた、まるで先生から聞いた牛に似た姿、本当に少女だろうか?、前は不覚をとったが、今日こそは、(わたくし)達が勝ちます。

 

「で、わっちは前に言ったはずだが、弱いやつの下にはつかんと」

 

「……ファナリス、でしたっけ、私は改めて自己紹介するけど先生と呼ばれています、貶すわけではないですが、強さというのは単に力だけではないのです、精神面、技術面から見て」

 

「力だけではない?、弱者のよくする言い分だな、力がなければ奪われ、貶され、淘汰される、何ならここでお前の命を奪ってやろうか?、あ?」

 

「あはは、やはり難しい――ギロチン?」

 

――あ?、何を言ってんだこの()()は、先生を殺す?、奪う?、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ、あぁ、イライラする。

 

「ほう……面白い、また痛めつけてやろうと思っていたが、ギロチンだったか、そなた、無意識に()()してるな?」

 

「制限?、何を言ってるんです」

 

「はは、ならわからせておこう、こい、ギロチン、お前だけを相手してやる」

 

ファラリスはそう言って、立ち上がり、部屋の奥に進んでいく。

 

「おい、どうするつもりだ、俺はやめておいたほうが良さそうだが」

 

ノコギリは止めようとしてるが……(わたくし)はこのままあのゴミをそのままにしておくのは我慢ならない。

 

「いえ、乗りましょう、良いですよね、先生」

 

先生は少し身体を震わせた、なんだろう、少し……怯えている?。

 

「あぁ、良いよ、ギロチン、一つ言っておく、あまり怒るな、私のためとはいえ」

 

怒ってる、まさか、いや、確かに怒ってるんだろう、だが、抑えられないほとではない。

 

「……はい、すみません、ですが、仕方ないかと、(わたくし)はあなたの娘なんですから」

 

「……危なくなったら逃げてね」

 

「はい、それでは」

 

(わたくし)は奥へと足を運ぶ、長い道を進んでいくと、太陽の光がさしこむ、外だ、広い空き地に、ファラリスが中央に立ち、待っていた。

 

「来たな、ギロチン」

 

「えぇ、来ましたとも」

 

(わたくし)は武器を構え、ファラリスは徒手を構えた。

 

「……ふっ!」

 

間髪入れず、先に仕掛けたのはファラリスだ、前に知った攻撃、紙一重で避け、(わたくし)は首……腕に目掛け、攻撃する。

 

「躊躇してんじゃないよ!」

 

ファラリスはそれを(わたくし)の武器を掴み防ぎ、武器ごと(わたくし)を持ち上げて、地面に叩きつける。

 

「ぐあっ!……」

 

「なんだなんだ?、その程度か?、なわけないでしょ!それともあの偽善者に殺すなとか言われているのか?」

 

そうだ、殺せば先生が悲しむ、だからもう(わたくし)は人を殺すことはしないと誓った。

 

「はははは!、馬鹿じゃないか?、せっかくの力があるのにそれを抑えるなんて馬鹿でしかねぇの!」

 

「……」

 

我慢だ

 

「とんだ偽善者に拾われたんだなぁ、所詮ジェノサイド・ピンクは殺戮するために生まれた偽の人、それを殺すなとか生きる意味がねぇよ!、わっちはそんな馬鹿なやつにはついていけないなぁ!、どうせ他のやつらも馬鹿な考えを植え付けられているんだろ?」

 

「………!」

 

我慢だ!

 

「どうせならわっちが1から教えてやろう?、あんな偽善者、生きてる価値なんてないだろ?、守られ、力が無いなんて、どうせ命が危なくなったら逃げるに……あれ?」

 

――駄目だな、このゴミ虫だけ―――許せねぇよなぁ!!。

 

「これは、うし」

 

(わたくし)はこのゴミの背後を取り、武器でその醜い腕を一本切断してやった。

 

「ぐぁ……!」

 

「おいおいどうした!、大口叩いておいて、その程度なのかよぉ!」

 

「てめぇ……いつの間にか()()()()()()姿()()鎧なんかつけやがって」

 

「なに言ってんだよ!ゴミクズが!」

 

そのまま何度も攻撃する、死なないように、苦しむように。

 

「ぐっ、ぐぉっ!」

 

「ほらほらほらほら!、力が凄いんだろ!、なら仕掛けてみろよなぁ!」

 

「ちぃ、なめ――るな!」

 

ゴミは何処からともなく大きな牛を(わたくし)の真下に出現させて、その中に(わたくし)をその中に閉じ込めた、瞬間、中の温度が上がっていく。

 

「ははは!、わっちにこれを使わせるなんてなぁ、これでわっちの」

 

まぁ、その程度のもの、切ればいいんですがね。

 

「は?、超硬度のわっちの牛が――」

 

「おらぁ!」

 

一閃、ゴミの身体を斜めに切り裂き、鮮血が舞う……あぁ()()()()、もうずっと前なのに、これが当たり前のことのように、その血液はとても見慣れたモノだと感じられた。ゴミは数歩後退りながら、倒れる、途端に、息が浅くなっていく。

 

「トドメを刺してあげましょう」

 

「――は、ははは!、やっぱりそなたもこっち側だ!、殺戮を楽しむ、非情で冷酷な化け物の一匹だ!、さぁ!わっちを殺してこっち側に戻ってこい!、楽しいぞ殺しは」

 

「ゴミが、良いでしょう、望み通りに殺してあげましょう!」

 

そのまま、(わたくし)の武器がゴミの心臓に

 

「ギロチン!」

 

――ゴミと(わたくし)の間に、()が割って入り、守るように両手を横に伸ばして大の字で立つ。

 

「そ、そなた、何をしてやがる!、死にてぇのか!」

 

「退け、そいつは殺さないと」

 

「……ギロチン、私のために怒ってくれたんだね、嬉しいよ、そんなに私を慕ってくれて、そんなにも精神を荒ませて、けど、駄目だよ、やっぱり殺しは」

 

「偽善者が!、そんなことしたって止まんねぇぞ!」

 

ゴミが声を荒げる。

 

「退きなさい」

 

「ギロチン、私ね」

 

人が近づいてくる、一歩ずつ、一歩ずつ、あぁ、駄目だ、(わたくし)は人殺しなんですよ。

 

「退けぇぇぇ!!」

 

(わたくし)は武器を人に向けて突いた、心臓を貫通し、人は血反吐を吐き、(わたくし)はそれを浴びた。

 

「ギロチン、私は孤独だったの、孤児院に離れるって決めたとき、悲しかった、けど、今はあなたが、みんながいる、人を殺すことが何故悪いか、言ってなかったね……人は誰であろうと繋がりがある、その繋がりを断つのはいけないことなんだ、それを殺すという、殺すことを覚えてたらいつかは繋がりが無くなって、一人になっちゃう、だからね……やめよう、ギロチン」

 

「――せん、せい」

 

身体からあれほど高まっていた力が抜けていく、同時に悲しみが、涙が、溢れてくる。

 

(わたくし)……!、(わたくし)、駄目な子です!、こんな、こんな……先生の言いつけを守れないなんて」

 

「姿が……力が、無くなっていく?」

 

「そい」

 

ファラリスの首に、注射器が脳天に刺さり、気絶した、あぁ、薬ですね、凄いですね、(わたくし)が入ってきたところから放ったようですが、精度凄いです、うん。

 

「……先生、これからも、ついていっていいですか?」

 

「……勿論だ、あなたは自慢の娘なんだか――ら」

 

――そのまま、先生は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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