神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
彼女らには親がいない、3人は同じ場所で生まれ、旅をして、人間から食べ物を取って暮らしていた、自らがジェノサイド・ピンクだと気づく前は人間達は優しく接してくれるが、メルヒェンなどを倒した時、人々は忌避して、石を投げる、そんな日々を3人はおくり、隠れて過ごすことが多かった、日に日に強くなる殺したいという感情、もし従えば楽になるであろう、しかし、そうなれば自分達に居場所が無くなる、誰かから
○
「うっ……な、なんなんだ、貴様は」
「うぅ、なんで強いのかな、ハリー」
「わからないよ、スコッチ」
3人は一人の浮浪者のような人間を前に地に伏していた、何時ものように奪うつもりで動いたが、人間は軽々と彼女らをあしらった。
「ふふ、私孤児院の院長してたからね、そういう悪党に対する動きは師匠から習っていたんだよね、それにしても君ら……」
人間は、彼女らを見やる、ボロボロな衣服と行動、木の棒の武器、明らかに孤児である、そして身体の至るところにある生傷、他者から虐げられた痕、しかし他の血の匂いがしないことから人殺しはしてないと、人間は直感する。
「……ねぇ、君達」
「ギギィ!」
人間が手を差し伸べようとしたとき、メルヒェンが奇声をあげながら接近してくる。
「あらー、見つかってしまったか」
「くっ……スコッチ、ハリー、やるぞ!」
「うん、仕方ないよね、やろうハリー」
「うん、やろうスコッチ」
3人は立ち上がって、メルヒェンに攻撃を仕掛けた。
数分でメルヒェンは死体となり、彼女らの身体にはメルヒェンの血液が付着する、そして、同時に瞳がピンク色に輝く。
「……なるほど、ジェノサイド・ピンクだったのか」
「ならわかっただろ人間、僕達は去る、どうせ貴様も同じなんだろう」
人間は、ため息を吐いて、年長の子供の頭を撫でた。
「なっ!、貴様何を」
「他の人がどう接するかなんて私には関係ないよ、子供は皆同じ子供、可愛くて、か弱くて、愛に餓えてる愛しい存在」
人間は他の二人を手招きして、3人を抱きしめた。
「私は君達を愛するよ、どんな境遇でも、どんなに強くても、私は君らを忌避などしない」
「……なんなんだ、なんだよ貴様は!」
「「うっ、うえぇぇ!」」
3人には初めてのことだった、ジェノサイド・ピンクだと知れば、忌避していた人達、その前だってただの同情だったが、今目の前にいる人間はどちらでもない……言葉にするなら、それは慈しみというもの、慈愛なのだろう3人は未知の感情を抑えきれず、涙を流した。
泣き終えた辺りで、人間は抱くのをやめた、少し不満そうな3人だが。
「君ら、名前はなんて言うのかな」
「僕は処刑人の剣、サンソンで呼んでほしい」
中性的でひと目では男とも女ともとれる見た目をしている。
「サンソンね、わかった、二人はなんて言うのかな」
「わたしはハリファックス断頭台、ハリーって呼んで」
「ぼくはスコッチ・メイデン、スコッチでいいよ」
二人は同じ顔をしているが、ハリーは黒髪、ハリーは白い髪である
「ハリーにスコッチね、ふむ、どれも処刑道具か、不思議な名前だね」
「不思議で済ます辺りの
「うん、ある人のところにね、何でもかなり狂った人だとか……一応ついてくるならその人には姿を見せてはいけないよ、私は一人、そのほうが警戒はさほどされないから」
「ふむ……隠れるなら任せて下さい、まだ短い人生ですが隠れることには自信があります、でも貴方、僕達がついていかないと死にそうですよね、メルヒェンとか、よくここまでこれましたよね」
「これでも隠れる術は持ってるから、それで、来るのかな」
「行き場所無いからね、行くつもりだよ、ハリー、スコッチは?」
「もちろん行くよ、スコッチは?」
「いきますよ、ハリー、僕達は一緒だよ」
「……決まりかな、僕達3人は貴方と一緒に、そういえば貴方、名前は?」
人間、その人は笑みを浮かべて、再び3人を抱きしめた。
「――だよ」
○
そして、3人は隠れながら、その人についていった、そして目的地にたどり着く、血の匂いが漂うその場所に。
目的の人物はすぐに姿を見せた、最初こそその人に警戒心を持っていたが、その人の言葉巧みに、その人に対しての警戒心は緩和され、その人を中に入れた。
某氏は、その人を教育係、奴隷兼監視役と3つの役目を与えた、そして某氏はある場所に案内する、扉を開けると、そこには、長く濃い黑い髪の少女、そして赤子がそこにはいた。
――これが、始まりの処刑台少女と、その人の出会いでした。