神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
それから更に一年、首つり台も加えた6人での授業が始まった、サンソンとギロチンは同い年くらいだったからか息が合うようで、よく話し合っている、アイアンメイデンと双子も一緒に遊ぶようになり、先生は首つり台の子守をしていた。
しかし、そんな平和な日々にも終わりが来る。
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某氏には懸念事項があった、もし処刑台少女達が自分に反逆してきたなら、あっという間に自分は骸とかすだろう、だからこそ先生を引き入れ、教育する者として、そして処刑台少女の
あれから3年、どうやらギロチンはやつを信用してる様子だった、そのやつ、まだ自分になにかを隠している節がある、何かまではわからないが、泳がせてはいるが、本人は尻尾を出す気配がない。
だから某氏は処刑台少女のアイアン・メイデンにそれとなく聞いた、結果としては口を滑らせた、やはり隠し事があったようだ、それも自分の知らない処刑台少女を匿っていたなど、それだけいれば火炙り柱を待たずとも計画を進められる、某氏は銃をとり、やつのいる場所に向かった。
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「……やはりバレてしまったか、まぁ時間の問題だったし、子供に隠し事は酷か」
「ご、ごめんなさい、メイがもっとしっかりしてれば」
自室にアイアンメイデンとギロチン、赤子の首つり台、そして某氏の目的の3人が集まっていた、3人にはある程度の荷物を持たせている。この場から逃げるために。
「何故、何故僕達を逃がそうと、別にあんなやつ僕達で殺せるでしょう」
「かもしれないね、でも、私としては……私自身がなんとかしないといけないの、それに、やつも丸腰で私と会う気は無いだろう、たぶん武器を持ってる、それも拳銃辺りの確実なやつをね」
先生としてはボウガンのほうが後々処置がしやすいからそっちのほうが好ましい、が、某氏がどんな人物かは軽くだが理解している、流石にマシンガンは無いとは思うが。
「……本当に貴方でないといけないんですか」
「えぇ、大人は大人がなんとかしないと、ギロチンも理解してくれるかな」
「……私は、あの人に拾われた身です、微かだけど恩があります……ですから……」
ギロチンは困った様子だった、自分がどうすればいいのか、わからない、どちらを選べば良いのか、道具としてか、それとも生徒としてか。
「……そろそろ来る頃かな、それじゃあ私が選んだ隠しルートから出ていってくれ、そのまままっすぐ行くと、廃都市があると思うから、そこに私の名前を言えば、わかると思う」
「わかりました……また、会えますよね、先生」
「ぼくもまた会いたい」
「わたしも……また会いたいよ!」
3人は自室に用意した抜け道から涙目になりながら、出ていった。
「良い子達だ……ギロチン、メイ、きみらは」
「私は残ります」
「メイもー!」
先生は驚いた、ここにいることになんのメリットが無いからだ。
「私は死ぬか人質にされるかもしれない、いや、もしかしたらやつは」
「あなたを殺せと命令するかもしれない、でしょ」
「そう、だから」
「だけど、私は残ると決めたの……ここには……あなたとの思い出があるから」
ギロチンから思いがけない言葉を聞いて、先生は嬉し泣きをした、ここまで信用されているとは思ってもいなかった、そして先生は、だからこそ、自分でやらないと、そう決めた。
「……良い子に育ったね、ギロチン、そんな良い子だから、私はもう人殺しをさせたくない、これ以上、きみの手が人の血で汚れてほしくない」
「先生……。――先生、これを」
ギロチンは持っていたナタを渡す、何人もの汚染動物と化した人間、普通の人間を殺した武器だ。
「……ありがとう、ギロチンだと思って持っておくよ」
先生はナタを腰の袋に入れた。
「――時間かな、行ってくる、3人とも……また会いましょう」
先生は一人、部屋から出ていく、それをギロチンとアイアンメイデン、首つり台は見守られながら。
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先生は外に駆け出した、それに続いて某氏も拳銃を持って現れる。
先生は裏口から出ていった3人を一瞬見た後、某氏に向かっていく、拳銃はリボルバー式、6発装填型だ、先生は相手の腕の位置から予め横に移動してなんとか避けていく、そして尽きた辺りで一気に詰め寄り、組伏せ……られなかった、某氏は懐からもう一つの拳銃、今度は自動拳銃で先生の肺のあたりに撃ち放った。
迂闊だった、平常時なら、相手の動き、服の揺れ方などを見れば何か隠してあるとわかっていた、先生は唇を噛み締め、行動を急ぎすぎたことを、自身の未熟さを噛み締めながら、ある場所に向かって走り出した。
某氏は以前、自動拳銃を撃ってくる、なんとか足と頭だけは狙われないように動いてはいたが、それでも先程の当たりどころが悪かったのか、多量の血液が流れる。
それでも先生は走り続ける、一世一代の
某氏は既に勝ったと確信していた、相手の血液はもう既に限界だ、後数秒で息絶えるだろう、しかし、油断はしない、拳銃のマガジンを入れ替えながら、先生を見定める。
これが終われば逃げた3人の居場所をギロチンらから聞く、いや、もしかしたら言わないだろうから、目の前のやつをなんとか生かす、あの球根を使えばなんとか――、ここで今先生が向かっていたところに気がついた。
汚染動物に変える球根、やつはそこに向かっていたのだ。
先生は息絶え絶えながらも、なんとか球根に触れようとするが、それを見逃さなかった某氏の拳銃が……先生の頭を貫いた。
先生は後一歩のところでそこで息絶えた、しまったと思いながら、某氏は勝ったと思い、踵を返し、引き返そうとする。
――もう少し、先生を見ていたなら、その結果は違っていたのかもしれない、先生はその時、完全に死亡していた、だが、球根――
――この結果になるのは必然だったのかもしれない。
「がっ――ごふっ」
完全に油断していた某氏の胸に深々と、ギロチンが持っていたであろうナタが刺さっていた、何が起こったのか理解が追いつかない、某氏は倒れる、そしてなんとか身体を仰向けにして、目の前のやつを見る。
そこに立っていたのは貫かれた右の額からは角が生え、肌は灰色になり、目も青くなってはいるが……先生であった。
「……はは、ははは!!」
某氏は笑う、聞いてはいた、成長した人間にも寄生し、それがジェノサイド・ピンクになることを、火炙り柱もそれで産ます予定だった、しかし、大人がなったという例はあまり見なかった、しかし、事実、目の前に結果がある。
「貴様は化け物だ!、この先――まともな生をおくれると思うな――」
某氏はそれだけ言うと、生命活動を停止する、すると、先生の頭に歓喜の声が響き渡る、それにつられ、先生も喜びの感情が湧く。
「………はは、嬉しいはずがない、こんな、こんな――」
先生は、そこで、力無く倒れる。
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次に目を覚ますと、そこには見慣れた、処刑台少女と過ごした家の天井があった。
「やはり……生きてるみたいだね、私は」
「先生!」
目を覚ましたことに気がついた、ギロチンが、先生に飛びついた。
あの後、先生は追いかけていたギロチンによって救出され、ここまで運んでこられた、そのことを聞いた先生は、何時もの笑顔を見せる。
「……ありがとう、ギロチン、ありがとう……」
先生はギロチンを抱き返し、しばらくお互い泣いた、その、様子を、アイアン・メイデンは、美しい、そう思えたのであった。
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――これにて第1幕は終幕を迎える。