神獄塔メアリスケルターAnotherFinale 獄中血刑前夜譚 作:謎のコーラX
二人はごく普通の人間だった。
二人は幼馴染で、女のほうの家族は汚染動物となって、既に死んでおり、今は男のほうの家に住んでいる、二人は何時も一緒に遊び、親も特に目立った仕事とは言えない、このまま二人は結婚などもして、普通に死んでいくのだろう、と、おもわれていた。
ある日、二人は、いや、男のほうは、好奇心から処刑道具があるという場所に向かった、度胸だめしも兼ねていて、そこまで言って、そこにある物を取りに行く、ただそれだけだった、女のほうは止めようとはしたが、男は聞かずに、向かった、女のほうも、渋々ついていく形となった。
二人がそこまでたどり着くと、古びた処刑道具の一部を取り、帰ろうとした、しかし、二人は球根を見つけた、不思議に思い、それに近づいた、それが二人の運命を左右した。
一瞬、謎の根が見え、いつの間にか、二人は気絶していた、起き上がると、特に二人には異常は無く、そのまま二人は家に帰っていった。
その次の日、家に汚染動物が何体も現れた、二人は親ではなんとかならない量に恐怖……していたが、汚染動物の血液が顔にかかると、二人は瞳をピンク色に輝かせ豹変、すぐさま汚染動物を殺しきって見せた。
正気になり、二人が親のほうを見ると、親は恐怖の眼差しでこう言った。
『ジェ、ジェノサイド・ピンク!』
親もまた豹変し、二人に武器を向け、化け物と、罵る、親の祖父と祖母は汚染動物となり、ジェノサイド・ピンクに殺されていた、この反応は普通なのかもしれない、しかし二人にはどうしてかなど、わからない、急な親の豹変に、汚染動物以上の恐怖を覚え、二人は親のもとから去っていった。
それから3年、二人はジェノサイド・ピンクが、汚染動物を殺す存在、そして人々から崇め奉られる存在だと、何人もの人々を見てきたが、反応はどれも悪い、崇められるか、忌避されるか、あるいは憎悪を向けられるか、そうして二人は人間不信に陥り、日々場所を転々としていった、人の食べ物を奪いながら、それはサンソンらと同じだ、だが二人には親がいた普通の家族だけあって、絶望の質が違う。
そして、二人はある家にたどり着く。
「ね、ねぇ、ノコギリ、やっぱりやめない?、わたしここの噂知ってるよ、人食いの家だって」
リッサ、リッサの鉄棺(iron coffin of lissa)と言われる拷問具の概念が、彼女に宿っている、広い観点から見れば処刑台少女なのだろう、アイアン・メイデンも同じく、拷問具なのだから、リッサは怯えた様子で、ノコギリを止めようとはしているが、最早奪った食材も尽きて、なりふりはかまってられない。
「大丈夫だリッサ、割と俺やれるんだぜ?、俺には名前と同じノコギリがあるんだ、そんじゃそこらのジェノサイド・ピンクにだって勝ってきたんだ、今回だってやれるさ!」
ノコギリもまた
「さぁて……」
ノコギリは戸を叩く、するとすぐに戸は開かれて、一人の少女が顔を出す、茶髪で黄色の瞳で、年は6歳ほどだろうか、少女は笑顔で二人に頭を下げて挨拶をする。
「こんにちは、わたしは首つり台!、お兄さん達もしかして孤児かな?」
首つり台という名前に彼女もまたジェノサイド・ピンクだと気づき、少し驚いた、ノコギリはこのままこの娘を人質にとろうと考えたが、時期尚早だと思い直し、笑顔で応対する。
「そ、そうなんだよ、割と俺ら腹が空いていてな、どうか恵んでくれないか?」
「うんいいよ!」
首つり台は魔を置く事なく、すぐに答えた。今までならもう少し反応が遅いが、ここが何か違うと、二人は思える、同じジェノサイド・ピンクだというのもあるが、二人は警戒しつつ、中に入った。
道中、リッサは、首つり台に話しかけた。
「あの首つり台さん」
「首つりちゃんでいいよー」
「じゃあ首つりちゃん、あなた以外に何人いるのかな?」
「ギロチン姉さんと、メイ姉さん、あと先生かな」
「そ、そうなんだ」
先生、やはりここには親がいるとわかり、更に警戒心を抱きつつ、二人は首つり台の案内のもと、食事場らしき場所にたどり着く、そこには暗い青髪のボブカットで緑眼の少女に、年長らしき身長の黒髪の少女、そして明らかに人間ではない角と肌色をした女性が椅子に座って待っていた。