吸血鬼Vtuberになる直前に自分のアバターに襲われて本物の吸血鬼になった   作:稲光結音

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お別れは突然に―永遠なれヴァンパイア―

 結局ナインの血を吸う事は出来た。おもちゃで処女を破った場合、処女判定でいいらしい。男と絡むのが駄目なようだ。

 その後も自分を俺様と呼ぶ尊大な美少女、千鶴木ユズリハから血を吸い。

 日真コノエは明るく元気なゲーマー少女で動く的に当てるのを得意としているのを野球ゲームで知った。吸血には消極的だったので見送った。他の人達次第でOKするかもという内容だった。

 ここから三期生。刃ココロは忍者で、ござる口調の少女。紅白ミイコは生真面目で、自分の立ち絵が常に刀を構えている事を視聴者にいじられる。霧野アルケはアルケミスト、錬金術師……というなのカプ厨。この辺は初心だったのでセクハラでムードを高めて吸血した。

 ダー・バーテンは一度後回し。男二人はそんな扱いだ。

 四期生一人目はメイドッグ。名前の通り、メイドで犬耳。リスナーをご主人様と呼ぶ。麻雀、カードゲームなどを一度に複数プレイして尚且つ勝率がいいというマルチタスクだった。脱衣麻雀で勝負して勝ったので吸血。

 黒井ネココ、こいつは苦労した。というのも滅茶苦茶忙しいらしく、コラボの時間を作るのに大変だったようだ。あまりに珍しい猫耳少女なため、枠が始まるとおかえりで埋まるとか。順番としては他の面子終わってネココ、バーテン、サイバ、お母様である。眷属になれば働く必要が無いと分かったら喜んで吸血させてくれた。この時初めてアバターモエクスのメンバーを眷属化し、眷属にする時アバターの見た目に外見を作り変えた。猫耳少女の完成だ。

 角田ウサミ。一角の角をウサミミを身に付けたアニソン大好き少女。高音がめちゃくちゃ出せる。一生歌ってられるよと言ったら喜んで眷属化。

 意外だったのはハム☆スター。五万人記念に来た時のあの姿とは打って変わって、リアルで会うと丁寧でどこか怯えてる様子のまさに小動物。どうにもネット弁慶だったらしい。

 ダー・バーテンとの再会はオンラインで。それでも荒れたのだが……彼は少しずつまた受け入れて貰うからと前向きな姿勢だった。

 サイバ、彼は私の下僕となる事を条件に眷属化。ネット回線を通って直接会いに行った。身体を作り変えて銀髪褐色巨乳眼鏡の女に変えた。立ち絵も眷属一号が書いた狼女に変更だ。まだ動かせはしなかったのでただのpngだが。いずれは百合花社長を通じてあれを公式に動かせるようにしてもらう。ただ女になった。それだけで彼に対する評価はぐるりと変わった。ゲーム下手なのも頑張っていると評価されるようになり世の中の視線というものの単純さを味わった。

 そして、お母様だ。彼女は全員とコラボした私の努力を認め、抱きしめてくれた。一応、自分で描いただけあって私の見た目は好みだったらしい。吸血もさせてくれて――これにより、私の吸血鬼力が限界まで高まり、常時大人化できるようになったのだ。

 

 アズキとのリベンジマッチ。舞台は……アズキの得意なビーペックスレジェンズ。その個人サーバーに、あくまで個人サーバーだけという条件でゲーム内に入る許可を会社から出してもらった。

 そこでの戦いは、結末のところだけ話すと建物内に立てこもる私の前に堂々と姿を現すアズキ、銃を放つがすべてオート霧化で無効にする。大人状態はダメージ無効という訳だ。

 しかしそこはアズキ、無策ではなかった。建物上部に投げものを投げつけ、建物を破壊した。一部露出する建造物から太陽光が降り注ぐ。弱体化する私。

 しかし、待機させておいた蝙蝠の集団に指示を出し、建物から溢れ出る光を塞ぐ。復活した私はもうアズキに次の手を打たせない。拳一撃で沈めて終わりだ。

 

 ダー・バーテンを除くすべてのアバターモエクスは吸血、眷属化、見た目の立ち絵風変更まで済ませ我々は永遠に続く配信者となった。

 くじらサーバーは私が支配者となり、三期生、四期生も入れてやることにした。なぜなら眷属相手にそういう事するからだ。眷属同士でやる事も許可しているのでアズキがハッスルしている。

 なにせ、忘れているかもしれないが私は電脳空間に屋敷を持っている。そこで全員が暮らしているからだ。

 

 そのうち、人間だったダー・バーテンは人間であることを誇ったまま死んでいった。それは眷属となった者達に差し出させたもの、死ぬ自由。

 それまでに六期生や七期生、八期生とどんどん増えていくアバターモエクス。これらもすべて眷属へと変えてやり、アバターモエクスの天下は私が取っていた。

 

 一からゲームを作る事にも成功した。誰もが憧れるVRMMOだ。私はこれを公開し、一般人共と一緒にプレイをしながら配信していった。

 

 そして私の力で永遠の命を得られることを知ると、著名人が私に接触してくるようになる。気を良くした私は自分を楽しませてくれた者には褒美として永遠の命をやろうと宣言し、必死な彼らを笑ったものだ。

 

 今、私の生はこんなにも楽しい。そして、これからも。

 ライバルなんて対等なものはゲーム内で作ればいい。圧倒的な現実における力。ついぞ私を倒せるだけの存在が二度と現れる事も無く、私は配信者として毎日を謳歌している。


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