目が覚めたら難易度ナイトメアの世界です   作:寝る練る錬るね

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 今話は、とある大罪司教をイメージしてみました。
 満足のいく出来にならず、少しだけ遅れてしまいました。
 申し訳ありません。



下姉様(したねえさま)

 レムにとって。

 

 レムという、劣等生命にとって。

 

 弟は、守るべき存在だった。同時に、守ってくれる存在だった。

 

 様々な意味で、何物にも変えがたい存在だった。

 

 夢を、見たことがある。

 

 昔、優秀な姉に勝とうとして家事の手伝いを買って出た日。結局雷雨になって、満足に材料を調達することもできなかった日。両親は、夕食の準備が失敗したことを責めず、レムの無事を心から喜んでくれていた。

 

 けれど、夢はそうではなかった。

 

 両親も、友達も、族長も。知り合いの人たちが全員、寄ってたかってレムのことを責め立てた。お前がいなくなってしまえばよかった。優秀な姉が残って、自分は消えて仕舞えばよかったのだと。口々にレムに言い捨て、次第に追い詰められていく夢。

 

 暗闇に閉じ込められて、自己嫌悪に陥って。

 

 けれど、その中で手を差し伸べてくれる存在が、二人だけ。

 

「レム、怖い夢を見たのね」

 

「レムお姉ちゃん、大丈夫だよ」

 

 悪夢から目が覚めたとき。両隣から、二人が手を繋いでくれていた。姉と、もう一人。

 

「大丈夫よ、レム。ずっとそばにいるから」

 

「お姉ちゃん。大丈夫。リルは、お姉ちゃんのこと、大好きだよ」

 

 弟。いつもは違う寝台で寝ているはずのリルは、レムが眠るまでずっと手を握って。頭に手を置いて。隣にいてくれた。姉と弟で、川の字になって眠ると、これ以上ないほどに安心できた。

 

「──お姉ちゃん……リル……」

 

 ───大好き。

 

 

 弟は、鬼族の中でも変わっていたと思う。

 

 昔からずっと、レムのことを真っ直ぐ見てくれていた。角が一本だなんてことを気にしなかった。姉の妹ではないレムを見てくれた。

 

 家族だから、当然は当然だったけれど。

 

 力を重視する周囲とは違って、弟は素晴らしく身内贔屓だった。お姉ちゃんお姉ちゃんと、ラムとレムに区別なく寄ってくる小さな弟。……姉の次に愛おしい、守るべき対象。

 

 弟は、期待しないということを知らなかった。いつもレムのことを見てくれていて、頑張れ、頑張れ、と。いつも飽きずに声をかけてくれていた。

 

 ………三本目の角がある、と発覚しても、それは変わらなかった。

 

 リルは、自分より遥か高みにいた。とっくに追い越されて、見えなくなった姉の近くに、弟はひと息に行ってしまった。才能という、どうしても埋められない差でもって。

 

 村民はみんなしてリルを避けたが、それもリルの実力を知ってのことだ。弱いことを理由にやんわりと距離を置かれるレムとは違う。圧倒的な強者が故の孤高。

 

 それでもよかった。弟は、そんなことを感じさせなかったからだ。愚直に、実直に。どれだけ悪いところを見せても。どれだけカッコ悪いところを見せても。レムのことを褒めて、期待して、一緒にいて、嫌わないで、いてくれて。レムに、守らせてくれていた。

 

 ──それが幼い弟が与えてくれていた大切なものだと、どうして思えなかったのか。

 

 弟の三歳の誕生日を祝って、すぐのことだ。

 

「………あ……そ、の………お、おはよう…………下……姉様」

 

 最初は、誰のことを呼んでいるのだろう、と思った。しばらく話して、その余所余所しい単語が、自分のことを表しているのだと理解した。

 

 ……………弟が、永遠に自分のことを「お姉ちゃん」と呼び続けてくれるはずがないのはわかっていた。

 

 姉の友人も言っていた。最近、弟が格好をつけ始めて、自分をお姉ちゃんじゃなく名前で呼び始めた、と。

 

 その話に姉と自分は目を見合わせて笑って。

 

 リルにもいつか、そんな日が来るのかしらだなんて。そんな風に、笑っていた。

 

 そのときは、どんな呼び方をしてくれるのだろう。姉さんでも。姉ちゃんでも。なんなら、レムと呼び捨てにするかもしれない。

 

 姉はそんなことになったら、一から矯正すると張り切っていたけれど。

 

 だけど、その日はきっと、新しい呼び方を心に刻んで。その呼び方ですぐに反応できるように、その言葉を反芻して、噛み締めて。新鮮さを感じるのだと。そう信じていた。

 

「下姉様」

 

 冷たい。

 

 苦しい。

 

 違う。その呼び方は、いやだ。

 

 下姉様だなんて。そんな。それは、だって。

 

 姉がいることが前提の、呼び名だから。

 

「下姉様?」

 

 やめて。

 

 そんな他人行儀な呼び方は、いやだ。

 

 お姉ちゃんが、いないと成り立たない名前は。

 

 もう、名前を呼んでくれない。

 

「レム」の二文字を、もう。

 

 リルの口からは、聞けない。

 

 

 世界が、色褪せてしまったように感じた。

 

 

 ───レムは、この時のレムを許せない。

 

 

 訓練には身が入らなくなった。弟が応援してくれることはあっても、それは今までよりも、何倍も空虚なものに感じた。

 

 

 ───違う。リルは、リルだ。例え呼び方が変わって、口数が少なくなったとしても。弟は、弟なのだ。

 

 結局、どれだけ頑張っても姉には追いつけない。どころか、弟にすら、追いつくことはできないと知った。

 

 ───だから、許せない。

 

 

 村が燃えた。魔女教徒が、村を襲った。

 

 弟に起こされて、焼ける村で。ただ泣き喚いて、敵を集めた。

 

 そのせいで、リルは傷を負った。生々しい叫び声が、耳の中に永遠にこだまするようだった。

 

 ───レムは、一生許さない。

 

 

 姉が来た。もう大丈夫だ。心配いらないと。そう言って、抱きしめてくれて。

 

 弟は、血相を変えて飛び出した。どこかへと向かって、最近は見ることもなかった激情を滾らせて。

 

 

 止める間も無く、次の魔女教徒達が迫っていた。

 

 姉が自分を庇って、何かを言っていた。

 

 でも、大丈夫。姉がいるなら、きっともう。大丈夫。

 

 だから。

 

 姉の角が、赤い月を背景に空へと飛んだとき。

 

 レムは────

 

 

 

 魔法使いが、角を無くした姉を抱えていた。

 

「契約は成った」と。そう告げて、おかしな格好をした魔法使いは、あっという間に魔女教徒を焼き払った。

 

 もう大丈夫だよ、と男が言う。

 

 圧倒的な強さを携えた、男が言う。

 

 だが。

 

 

「…………上姉様を、離せっ!!」

 

 聴き慣れた声が聞こえた。

 

 思わず、そちらを向く。

 

 そこには、見知った弟の姿。

 

 見知った。

 

「………あぁ」

 

 角が、たった一本になった。

 

 全身が血だらけの、弟が──

 

「やっと、折れてくれた」

 

 ───これでもう。

 

 期待され(頑張ら)ずに、済む。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 ──期待に応えなくては。

 

 他の誰がレムを裏切ったとしても。姉と弟は、決して自分を裏切らない。

 

 ───応えなくては。

 

 あの二人からの信頼を失うことは、レム自身にとっての死を意味する。レムという存在が、呆気なく消えてしまう。

 

 ──リルを、守ってあげなくちゃ。

 

 ──姉様に、並んでやるんだ。

 

 期待に応えなくては。

 

 裏切るな。裏切るな。

 

 ───辛い、辛い。苦しい。

 

 才能が足りないなら努力で補えばいい。

 

 力が足りないなら思いで補強する。

 

 ───姉様も、リルも、みんなも。レムが何日もかかる壁を、ほんのちょっとで飛び越えてしまう。

 

 遠い。遠い。

 

 みんな、なんて遠いところにいるのだ。

 

 重い。心が重い。

 

 止まりたい。休みたい。

 

 もういい。もう十分だ。もうわかった。

 

 もう、生まれ持ったものの差は。生まれてきてしまったことの罪は、十分に。

 

『下……姉様』

 

 ────あぁ。

 

 ───やっと、これで。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 次に目が覚めたときには、自分は見知らぬ部屋にいた。あの時の魔術師が助けてくれたのだと、金髪のメイドは言った。

 

 隣に眠る姉から無くなってしまった角が、あの炎が夢でないことを教えてくれた。

 

「リルは……!リルは、どこ!?」

 

「お、弟君は……その……傷が深いので、今は目が覚めておらず……」

 

 意識が消える前に見た姿は全身が見えないほど血塗れだった。傷を負っていたのだろう。……けれど、生きている。生きているのだ。姉と、弟は。こうして生きている。そう無邪気に喜んだ。

 

 ───今更、どの口がそんなことを言うんだろう。

 

 愚鈍。一言で表せば、それに尽きる。何も見ていなかった。都合が良いものばかりを受け入れて、それ以外を拒絶して、何も起こらなかったかのように明るく考えていた自分。

 

 姉が起きたことにさらに喜んで、嬉々としたまま話しかける。

 

「お、お姉ちゃん……あ、あのね!リルはここにいないけど、ちゃんと無事なんだって!今日は、まだ寝てるらしいんだけど……」

 

「……そう。じゃあ、本当に助かったのね……良かったわ。レムとリルが無事で、本当に」

 

 そう言って抱きしめてくれた姉。

 

 ………けれど。

 

 けれどけれどけれど。

 

 その、横顔に。陰りがあったことを、レムは鮮明に覚えている。

 

 角を失ったことによるマナ不足が、姉の体を蝕んでいたのだ。

 

 姉の角がなくなっていることを、姉が起きている状態で確認することで。レムは自分がどれほどの罪を犯してしまったかに気がついた。

 

 そこからは、泣いて謝った。「ごめんなさい、お姉ちゃん」と。姉は笑って許してくれて、レムが無事なら安いものよ、と。同じ言葉を繰り返す。

 

 後から部屋に入ってきたクリンドという執事から伝えられたのは、リルの無事と、目を怪我しているから、今日ちゃんと治して会いたいということ。それから……

 

「『上姉様、下姉様が無事でよかった』とのことです。伝言」

 

 呼び方は、やはり少しだけチクリとしたけれど。泣き腫らした目で、姉と二人目を見合わせて笑った。

 

──それがどれだけ、優しい嘘だったのか。レムは、思い知ることになる。

 

 

 その日の夜。

 

 

 リルは、忽然と屋敷から姿を消した。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 家の主、ロズワールに許可を取り、リルを探すのは容易だった。幼いリルが、魔獣除けの結界を張ってある森に逃げ出したということは簡単にわかったからだ。

 

「リル、いるの……?」

 

 燃えていた。

 

 森は、その中にある泉を中心として、黒煙を上げて燃えていたのだ。その元凶は、まず間違いなく。

 

「ねえ、様……?」

 

 森の暗いところから、若木や落ちた枝木を踏む足音と、聴き慣れた声が聞こえた。顔は見えないが、間違えようのない声だった。

 

「リル!あなた、なんでこんな……」

 

 姉が、問い詰めようとした。

 

 …………絶句、せざるを得なかった。

 

 月明かりと揺れる炎に照らされて、森の影から出てきた存在が、全く別人に見えたから。だって、彼は、弟は───

 

「リル………なの……?」

 

 見知った紫の髪と、お揃いの桃と水色ではなく。全く見覚えのない白金の髪と、深い海のような蒼を湛えていたのだから。

 

「上、姉様……」

 

 その呼び方と声で、相手が弟だと確信する。安堵と驚きが混じった感情で、弟の何かを恐れるような顔を見た。

 

「リル……!その髪と目は、一体……」

 

 その言葉も、最後まで語られることはなかった。今まで見えなかった体が見えることで、より一層、その異常が明らかとなったのだから。

 

「リ、ル………その、腕……!」

 

 どうして、今まで気が付かなかったのだろう。レムは一度、燃える村で確かに弟の姿を見ていたはずだったのに。

 

………弟の体からは、あるべき右腕が、根元から喪われていた。

 

「平気。平気、だから……こないで……」

 

「そんな!平気だからこないでって……!なんで、そんなことに!?」

 

 平気なはずがない。体の一部を、僅か3歳の子供が失ったのだ。

 

 姉が、リルを無視して詰め寄る。何故、そんなことになったのか。それを聞き出すために、残った左腕を掴もうと……

 

「こないでったらこないで!!」

 

「……ぇ……?」

 

 その手は、他ならないリルによって無理やり振り解かれた。明らかな拒絶。リルは今確かに、姉という存在を拒んだ。

 

 絶叫。自分も姉も呆然として、ただ震えて、らしくもなく感情を爆発させる弟を眺める。

 

「違う……見ないで!こんな……こんな髪!こんな目……!一緒の色の髪も!姉様とのお揃いの目も!違うよ…」

 

 現実逃避するように、錯乱する。自分自身を隠すように、片手で顔を覆ってしゃがみ込む。怖がるようにガクガクと震えて、あまりにも悲痛な叫び声で、リルは……弟は、何よりも自分自身(・・・・)を否定する。

 

「違う!違う!リルじゃない!こんなの!リルじゃない!!姉様の……弟じゃない!!」

 

 ………それは、今まで堪えられてきた、感情の濁流だった。

 

 弟は、ずっと支えにしていたのだ。レムとラムの、弟であるという事実を。他の大人たちが、自分をラムの妹として見ていたように。弟は、自分自身を『ラムとレムの弟』として見ることで、なんとか自分を支えていたのだ。そう律することで、己を守っていた。

 

 それは、その事実は。自分の腕なんかよりも、よっぽど弟にとって………

 

「違うよ!こんな色じゃない!こんなの、姉様の弟じゃないよ……!リルは……リルは……!」

 

 そして、弟は唯一の支えを失った。何よりも大切で、何よりも重要だった自身を構成する『弟の自分』の容姿が揺らいだことで、自暴自棄になっているのだ。

 

 知らなかった。あんなにも気丈に振る舞っていた弟が。

 

 こんなにも、脆かっただなんて。

 

「姉様……姉様……!違う!違うの……リルは、リルだから……こんなでも、姉様の、弟で………!」

 

 わかっている。そんなことは、わかっている。声が変わっていない。呼び方が変わっていない。目の前で苦しんでいる存在は、かけがえのない弟だ。

 

 髪も、目の色も、腕も───匂い(・・)も。全く、別物になってしまっただけで。

 

 それだけの虚飾(違い)が、進むべき、抱きしめてあげようと動く足を止めさせる。

 

 ───臭い。

 

 魔女の、臭い。

 

 目の前の弟からは、村を襲ったあの覆面たちと、全く同じ香りがする。寧ろ、濃くてむせ返りそうなほどの臭い。弟を見つけられたのも、その臭いが濃かったからだ。

 

 本当に、それだけの違いが。

 

「………ぅ……」

 

 頭に、疑念を植え付ける。

 

 ───本当に、目の前の子供は自分の弟なのか?

 

 ──実は弟はちゃんと無傷で、別の誰かが成りすましているんじゃないか?

 

 都合のいい事実が、次々と頭に浮かんでくる。もし、そうであったなら。レムは、本当に。

 

「姉様……!姉様……!」

 

 ………目の前で助けを乞う、全く別の容姿に変わった弟の手を、取るべきなのか?

 

「助けて……!姉様……!」

 

 泣きながら。弟は、縋るように手を伸ばす。泥だらけの手を、弱々しく伸ばす。失っていないもう一つの手を、必死に。

 

「お願い!姉様………!」

 

 その手を取るだけで、弟は、救われる、はずなのに……………

 

 

 

「──お姉ちゃんっ!!」

 

 

 

 

 

 抱きしめた。

 

 ────ラムが、リルを。

 

 

「大丈夫」

 

 レムは、動けない。体が、動いてくれない。大好きな弟へと、走れない。

 

 姉は自分の服が汚れることも厭わず、きつく弟を抱きしめた。

 

「ラム、お姉ちゃん……!」

 

「たとえ見た目が変わっても。体が変わっても。リルはラムの弟よ。大丈夫だから」

 

 ただ、一人の鬼が救われる光景を、外から見ているだけ。姉が抱きしめて、弟が救われるだけの世界を。

 

「ごめんね、リル。すぐに助けられなくて……!抱きしめてあげられなくて……!ごめんね……!ごめんね……!」

 

「お姉ちゃん……お姉ちゃんっ!!」

 

 泣いている。ラムも、リルも、レムも。ずっと、抱きしめ合って泣いている。………レムだけは、ただそれを遠くから眺めながら。

 

 夜が明ける。朝日が、燃えていた夜の終わりを告げる。

 

 永遠の後悔が、楔となって胸を打つ。

 

 つまり。つまり。

 

 結局。その夜の最後の最後まで、レムは。

 

 ───レムは、その手を取れ(弟を信じられ)なかったのだ。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

「───ぇ?」

 

「言った通りよ。………リルの角は、二本が折られたの。残ったのは、この一本だけ」

 

 弟の角が折れて、一本になっていたことを知ったのは、それから1日経った後だ。

 

 気づくことすらできず、姉に知らされるという最悪の形で、レムは弟の欠損を知った。───都合の悪いことを、忘れていた、罰として。

 

 弟は、とても朗らかに笑った。本当に、何も気にしていないのであろう、さっぱりとした笑顔で。

 

「………大丈夫、上姉様」

 

 守れなかった。

 

 守る対象などと嘯きながら、レムは。

 

 自分は一切、負担を負うことなく。

 

「ほら、姉様。………これでリルも、お揃い、だよ?」

 

「───う、あぁぁぁぁぁっ!!」

 

 弟に、決して離れない十字架を、背負わせてしまったことを知った。

 

 ───許さない。

 

 ───レムは、一生許せない。

 

 大切な弟を言い訳に使った自分を。

 

 研鑽を怠った自分を。

 

 守るべき相手に、守らせてしまったことを。

 

 弟と姉の可能性を摘んでしまった、自分自身を。

 

 そして。

 

 ───弟の手を取れなかった、あの日のレムを。

 

 




 リル「いける。レムならやれるって(結構応援してるけどいつ折れるんだろうな……)」

 レム「弟が応援してくれてるから頑張るぞい!」

 あ、リルくんのはもちろん全部演技です。見た目が変わったことに関しては「うへぇ」ぐらいにしか思ってません。

 原作では姉様との実力差を見て諦めてしまっていたレムですが、リルが下手に応援してしまったことで姉との競争意識がさらに高くなり『諦める』という選択肢が出来なくなってしまい、リルの性格が変わったことを言い訳にしてしまいました。

 結果としてレムは守ると意気込んでいたはずの弟に守られ、誇りとしていた姉の角を失い、弟はあって当然の(・・・・・・)腕を無くし、さらには魔女の匂いを漂わせるようになり、自暴自棄に陥ってしまった。どころか、容姿すら見知らぬ誰かのものになってしまった。

 その時、魔女の香りがわかってしまったことで差し伸べられた手を取れず、決して背負って欲しくなかった自分と同じ十字架を背負っていることを知って永遠に抜けない楔が刺さり続けることになったわけです。なお、一度村で角が折れたのを見て悦びを感じたことは、あってはならないことなので記憶の彼方に封印されていましたが、折れた角を見たことでその記憶をなくしていたことごと思い出してしまいます。

 うーん。

武器はどうする?

  • 筋肉は全てを解決する 素手
  • ドーマン!セーマン! お祓い棒
  • 上姉様下姉様と聞いて 鎖付き短剣
  • こんにち死ね ワイヤー

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