そこは、かつて行われた万博会場であった…。
そこで、自分と旅の仲間達が出会ったのは…。
何故か…。
『これって【けものフレンズ】に出てきそうだ。』
と、思えネタにしましたw
登場人物の元気さを表現出来ない作者なので…。
読者様の脳内での、元気さと仕草を再生をお願いします。
画面の中では、フレンズ達が気ままに躍動していると思います。
よろしければ、お付き合いください。
何事も無く進む乗り物は、長閑(のどか)と快適を友にしていた。
ここにいる旅の仲間達が、元気に賑やかなのは、もはや日常の光景である。
それは…。
いつの間にか、乗り物の周囲に纏わり着いていた。
最初は気が付かない程に薄く。
次第に、密度を増し濃度を上げていき白い闇となった。
天を見上げると、円く明るい部分が見えたのは、今が日中だという証であった。
そこを進む恐怖は無かった…。
不思議という感覚の中に、何故か少しだけの期待…。
いや…。
ワクワクの方が正しい表現のような気がする。
無限に続くと思われた白い闇。
突如、乗り物の屋根の上に乗る仲間が声を上げた。
その声にアクセルからブレーキへと踏む力が代わり、乗り物を停止させた。
見付けた仲間の声と指先に導かれ皆が見たのは…。
白い霧のスクリーンに浮かび上がる巨大で歪な黒い影達。
それは、かつて建物だったモノの成れの果てであった。
皆の催促でハンドルを黒い影へと向けられたのは、合唱にも似た声の圧力であった。
そして、諦めがゆっくりとアクセルを踏ませる。
暫く…。
そんな言葉がぴったりくる程の時間を進むと見えてきたのは…。
聳(そび)える巨大な半円。
更に近付くと、その正体が巨大なアーチだと判った。
それは…。
こちらからは入口。
向こうからは出口。
外と中を隔てる結界であった物。
だが、今は朽ち果てた姿を遺すのみ。
アーチの手前でブレーキを踏み止まるのは…。
お約束?
警戒?
そんな気持ちを知らずか、乗り物を降りる仲間達は大はしゃぎしている。
この先は乗り物では行けない作りになっていた。
それを判ってか、旅の仲間達は運転席の窓から手を伸ばし、早く早くと引っ張り出そうとする。
その結界、二つの足は直ぐに地面へと降ろされた。
そのまま…。
誰かが、右手を引き…。
誰かが、左手を引き…。
誰かが、背中を押し…。
残りの者は、早く早くと囃子たてる。
そして、立った場所はアーチの手前。
自然と目がアーチを下から見上げ、足りなくなると首が追いかけさせた。
最後に口が開き『ぽかーん』と擬音を出し追いかけ作業を終える。
視線の先。
アーチの上部に掲げられていたのは、一文字ずつの看板であった。
今は、一部が落ち歯抜けの状態になっている。
前二つの文字が落ち後ろの二つが辛うじて読めた。
そこには旅の仲間達には読めない文字で[ 万博]とあった。
【ばんぱく】と読み上げた文字が、旅の仲間達の心を刺激したのか、一気にテンションが上がり大はしゃぎが再燃する。
踏み出した右足がアーチの中へと入る。
先程の感覚が、はっきりと分かる程に心の中を走り出した。
そう…。
こここはワクワクする場所なのだと。
そんな気分に足元へ視線を落とし浸っていると…。
旅の仲間達は珍しさに目を輝かせ、口々に楽しい気分を声にしながら、思いっ切り駆け出していた。
そのままの勢いで、手近な廃墟となった建物へと入って行った。
思わず吐いたため息には『旅の仲間達のエネルギーの付いて行くのがやっとである』の思いが籠もっていた。
だが、気を取り直し気合を入れ足を踏み出させ追いかけさせた。
建物の内部は、散らかっていない印象だった。
ただし、廃墟にしてはと付け加えておく。
間隔を開け区切られた場所は思考を凝らせた展示物の面影がある…。
そこに近付いた時…。
突然ガイドロボが反応し、その場所の解説を語り始めた。
その声に、自分を含めた旅の仲間達が驚いた。
そして…。
確信した、ここは大きなお祭りの跡に間違いない。
巡る建物は、それぞれが個性豊かで、楽しさで惹きつける。
その度にテンションが上がる旅の仲間達。
更に数カ所の建物を巡るが、旅の仲間達は疲れなど知らないとばかりに次へ次へと走り続けた。
付いていくのに疲れ、ふと立ち止まる。
『……。』
何かが聞こえた。
『……。』
まただ…。
無意識に、出処を探し踏み出した足。
その行為が旅の仲間達とはぐれる結果となる。
しかし、旅の仲間達の誰も気付かず気の向くままに、興味を惹かれるままに、先へと走り去って行った。
旅の仲間達との距離が離れる程に大きくなる音。
『………。』
出所へと近付いた証拠であろう。
たどり着いた場所は崩れかけた壁。
『…………。』
その向こうから、聞こえる音。
物音を立てないように、『そ~っと』擬音を出し、ゆっくりと覗き見る。
そこには、サッカーボール程の大きさの赤い玉が無数に集まっている。
驚いたのは、赤い玉にはその大きさいっぱいに一つの目が付いていた。
そいつ等は、瓦礫に集まり一心不乱に何かをしていた…。
あるモノは瓦礫を押し…。
また、あるモノは瓦礫を引き…。
まだ、あるモノは瓦礫を割り…。
各々が異なる事を行いながら、同じ目標へと進んでいた。
不意に、片付けている?
何故だか、そう思え納得がいった。
建物に入った時の『意外と散らかっていない?』のイメージが、そう思わせたのだろう。
その事に気が付いたのは、ここを出てからの後の事だった。
暫く、ぼーっと眺めている自分に気付かず時が過ぎるままにしていた。
興味の集中が、意識を散漫させ不注意とした。
『カランコロン。』
『カランコロン。』
崩れかけた壁に付いた左手が、欠片と音を落とした。
『ギロッ!』
擬音と共に赤い玉は、一斉に音の出処に鋭い視線を送る。
互いの視線がぶつかり、思わず口から出たのは驚きの声。
その声が無意識に命じた[回れ右]。
実際には左回りだったかもしれないが、よく覚えていない。
命令は[走れ!]と続き、右足を踏み出させる。
そのまま、全力疾走まで加速する。
音が…。
気配が…。
追ってくる。
逃げる方向と反対側…。
つまり後ろへ、ゆっくりと恐る恐る首を向けるのは…。
お約束?
怖いもの見たさ?
それとも…。
希望的観測?
もしかしたら…。
あの赤い玉は追って来ていない?
そう、思い込みたかったのかもしれない…。
だが、首が作り出した角度で向いた視線の先には、確かにそいつ等は居た。
あるモノは、転がりながら…。
あるモノは、飛び跳ねながら…。
また、あるモノは、その両方を交互にやりながら…。
確実に追いかけて来ていた。
来た道を…。
いや、そんなには覚えていない…。
正しくは、闇雲にだろう。
走り…。
走り…。
走った。
一心不乱に前だけを見て…。
角を曲がった先に見えた建物。
そこから、賑やかな声が出て来る。
次に、その声の主達が出て来た。
それは言わずもがな旅の仲間達だ。
そこに向かって、盛大に両腕を振り気を引く。
加えて、目一杯の大声を放つ。
全力疾走のお陰で肺が苦しいが、そんな事を気にしていられない。
こちらに気付いたと判るのは旅の仲間達が一斉にこちらへ向いたからだ。
その顔に貼り付いた表情には[驚き]と名前が付けられている。
違和感。
それが、旅の仲間達の顔を見た時の感想である。
暫くして、その正体に気付いた。
旅の仲間達の顔がこちらではなく、少し上に向けられていた。
その事が、もう一度振り向かせる。
首が『そ~っと』の擬音を出し、ゆっくりと後ろへと向かせた。
これ以上の驚きは無いと、心の何処かで思っていたのかもしれない。
だが、視線の先では想像を超える出来事が現実として存在していた。
赤い玉達は、互いを繋げ人の背丈の倍程の輪になり転がっていた。
その輪を例えるなら、【目の付いたタイヤ】、もしくは【目の付いた数珠】である。
しかも、どう見ても最初の時よりも増えていた!
視線の端では、新たに物陰から出て来る赤い玉が見える。
それらが、旅の仲間達の顔に驚きの表情を作らせていた。
暫しの時が、旅の仲間達の驚きの呪縛から解き放った。
その証拠に、一斉に背中を向けるが早いか駆け出している。
その背中達にかけるのは、当然『待って』との儚い願望。
旅の仲間達は、悲鳴と悪態を口から出しながら、その背中を小さくしていく。
明らかに、こちらよりも速い。
何処をどう走った…。
いや、逃げたかは覚えていない。
ただ、心臓が限界の警告を出す直前だと解った。
『チラリ』
そんな擬音を出し視界の端に入ったのは…。
そう、あのアーチ。
助かる!
そんな言葉が全身を巡り、心臓の限界までの時間を少しだけ延長させた。
『すーっ。』
走り続ける中で出来る限り多くの空気を取り込み、両手で口の周りに壁を作り拡声器とした。
そして…。
目一杯。
出せる限りの大声で、前を走る旅の仲間達へアーチの方向を知らせた。
『カクッ!』
その音が、聞こえたとの返事であった。
旅の仲間達のベクトルが変わり、ゲートへと向かった。
こちらも後を追い、走る向きを変える。
次第に大きくなるゲートは、直前で最大になった。
旅の仲間達が、そのゲートを一足先に潜り外へと出る。
そのまま乗り物へまで駆け寄った。
そして…。
こちらへと向き直り、大声で上げながら手を振り『早く来い』と催促する。
少し遅れゲートを潜り、外へと出た。
そのままの勢いで乗り物まで駆け寄る。
そして、乱れた呼吸を整える間もなく、旅の仲間達が乗り物へと引き込む。
足が地面から離れるが早いか…。
タイヤが回り出すが早いか…。
明確な違いが無い程の差で、乗り物は動き始める。
乱れた呼吸を整えながらも、気になり窓から赤い玉を確かめる。
そこには…。
ゲートの境界線を越えず、こちらを見詰める赤い玉の群れ。
何故か、その瞳に浮かぶ表情に物悲しさを感じる。
そのまま、乗り物は走り続ける。
やがて、纏わり着いていた霧が次第に薄くなり、消えていた事に気が付いた頃には、あの廃墟の群れは見えなくなっていた。
『あっ!』
その声と共に、旅の仲間の一人が立ち上がり『思い出した』と手渡してきた。
あの廃墟の建物で拾ったと…。
それは【パンフレット】だった。
そこに印刷されていたのは、あの場所の地図に各建物の説明が書いてあった。
興味が赴くままに、折り畳まれた部分を開く。
そして、見付けた…。
あの赤い玉の正体を…。
それは、あの場所で開催されていた万博のロゴマークであった。
不意に、全てが繋がる。
たぶん…。
あの赤い玉達は、自分をお客だと思ったに違いない…。
何年…。
何十年…。
何百年…。
或いは、それ以上…。
待ち続けた久々の客。
そんな思いが、アーチの手前でこちらを見詰める赤い玉の目の表情を理解させた。
それを確信させるかのように、自分を含めた旅の仲間達の誰一人として怖かったとは言わなかった。
ただ、驚いただけだと…。
そんな思いを知らずか、乗り物は当てもない旅を続ける。
賑やかと元気を共にして…。
〜 end 〜
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
最近は、思い付くままに…。
ちょっと書いては次へを繰り返し日々で中途半端なものばかりになってます…。
白状しておきますw
書き始めて直ぐ…。
『困った…、登場人物を描写するのが難しいぞ…。』
と、自分の知識の無さと語彙力の無さを思い知りました。
読者様の脳内でフレンズ達の再生をお願いすると言う書き方になって申し訳ないです。
また、機会があれば読んでやってください。