火魅子伝 九洲後記   作: ノーリ

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おはようございます、作者のノーリです。現在、定期投稿している作品がありますがその作品の合間にこんなものを投稿してみました。

こちらは今までの私の作品とは違い、クロスオーバーものではなく純粋な二次創作ものです。そしてもう一つ、こちらは不定期投稿になりますのでいつ投稿になるかはわかりません。(一応、書き切るつもりはありますのでそこはご安心下さい。とは言え、予定は未定であって決定ではないのですが)

さて、本作品なのですが、元ネタわかる方いますかねぇ…。この板にこの作品を投稿してる投稿者の方もいらっしゃいませんし…。個人的には大好きな作品で、一応、完結はしてはいないので完結を待ってはいますが、ほぼ無理なのは重々承知している作品です。

で、好きだからこそ色々と妄想が膨らむわけで。物語中のことを書いても良かったんですが、それよりも物語後…つまり戦後のことが書きたかったんです。物語の舞台に残るという前提で、そして幸せに暮らしている彼を書きたかったんですね。もし原作未読で、この作品を読んで原作に興味を持った方がいらっしゃったらぜひ読んでみてください。まだ手には入るでしょうから。

では、不定期故に次の投稿がいつになるかはお約束できませんが、お待ちいただけるのなら首を長くして待っていただけたらと思います。


NO.00 序章 ~始まりはここから~

神の遣い、九峪が率いる軍が耶麻台国滅亡後の九洲にて軍を起こし、九洲より狗根国を追い出すことに成功してはや数年。元、狗根国の将軍であった天目が再興した己の故国出雲、ならびに狗根国とはともに不可侵の条約を結ぶことに成功し、九洲は再び耶麻台国の支配する地になっていた。

勿論、この盟約が紙の上のものであり、何か事が起きればあっさりと反故にされるのは三国も承知のこと。だが、紙の上のこととはいえ三国はとりあえず平穏を取り戻したことになる。そんな中、耶麻台国の復興した九洲では(公表、非公表に関わらず)火魅子の血を引く六人の娘の中から、星華が新たな火魅子となってその地位に就いた。国家と国の象徴を再び戴くにあたった耶麻台国は、その復興を待ち望んでいた国民たちの働きもあり、急速に在りし日の姿を取り戻していく。そんな順調な国家の中で、新たな課題も生まれていた。

それは神の遣い、九峪に関するものである。耶麻台国にあって国の象徴かつ頂点はあくまで火魅子である。が、それに勝るとも劣らない存在が九峪だった。何しろ神の遣いとしてこの地に降臨し、瞬く間に九洲を平定してしまったのだから。その威光、存在は火魅子を凌ぎかねないものになっていた。現に、九峪の率いる軍に身を置いた者の中には、火魅子ではなく九峪個人に心酔し、忠誠を誓う者も多いからだ。能力のある忠臣が増えるのは非常にありがたいことではあるのだが、その対象を巡って国が割れるのは非常に不味いのである。『天に二日なし』とはよく言ったもので、神の遣いと火魅子。この二つの存在が内紛の火種になりかねなくなっていたのだった。

だが、火魅子並びに女王候補だった面々、そして古くから耶麻台国復興に尽力してくれた面々がそれを良しとするわけがない。九峪を含めて善後策を諮り、その結果として九峪は火魅子と結婚することになった。こうすれば夫婦という形になるので、火魅子に対する忠誠は夫である九峪にそのまま向けられるものになり、九峪に対する忠誠もまた妻である火魅子に対するものへとなる。

この案に大賛成したのは勿論火魅子である星華と、彼女に付き従ってきた宗像の三姉妹のうち、亜衣と羽江の二人である。前者は純粋に九峪にベタ惚れだったからであり、後者は主君の幸せを願いつつ、かつ自分たちの立場も確固たるものになるからの賛成だった。だが、この案に待ったをかけた人物がいた。それも一人ではなく何人も。しかもそれは表立っての人数であるので、意思表示をしていないが内心では反対の意を持つ者は同じぐらい多かった。

それは何故か…。勿論、その反対した面々も九峪にベタ惚れだったからである。特に、同じ火魅子候補であった者たちは火魅子の座に執着はしなくとも、九峪までも渡したくはなかった。逆に九峪が手に入るなら火魅子の座は喜んで譲ってもよかったのである。それほどまでに九峪に惚れ込んでいたのだった。火魅子候補でない者も心情では同じだった。

女の情念の戦いとなると一朝一夕で決着がつくわけもなく、この件に関しては紛糾することになる。だが、いつまでもこの件で揉めているわけにもいかない。不協和音が広がってそれが外部に漏れれば出雲や狗根国がいつ動くかもしれないからだ。

そこに頭を悩ませた結果、九峪はとある提案を出した。穴のある提案であり、全員が納得するものではないとわかっていたが、自分に惚れ込んでくれている女性陣のことを考えた結果の提案である。一部から、やっぱりスケベだと後ろ指を指されるのも覚悟の上だった。実際、その思惑が九峪自身に皆無かと言われればそんなことはないからだ。

そして、九峪の出した提案にもっとも反対したのはこれも星華…火魅子だった。彼女の心情を慮れば反対するのも十分にわかる提案だった。他の面々も星華ほどではないが渋面を作った。だが九峪にもこの反応は織り込み済みだったため、最後の手札を切った。認められないのなら誰とも結婚しない。その結果国が割れるなら耶麻台国を出ていく、あるいは自訣するといったものだった。

自身の進退や生命を天秤にかける卑怯な手段であり、激怒されてもしょうがないことだったが、効果は覿面だった。何より、まだ新生して間もない耶麻台国である。九峪を失うことだけは絶対に許されなかったのだ。星華…火魅子もそれは理解しているのだろう。不承不承なのは隠せないながらも、周囲の説得もあり九峪の提案を呑んだ。他の面々も割り切れない気持ちに程度の差はあるだろうが、最後には九峪を失いたくない一心で妥協してくれたのだった。

こうして、九峪を巡る騒乱は幕を閉じ、耶麻台国は新生と繁栄の道を歩んでいったのである。これは平和になった耶麻台国での神の遣い、九峪の日々の様子を記した物語。

 

 

 

 

 

九洲、耶牟原城奥の間の寝所。そこに一人の女性の姿があった。長い艶やかな黒髪を櫛で梳かし、物憂げな表情でほぅ…と溜め息をついている。

彼女の名は火魅子…だがここでは、そうなる前の本名である『星華』で統一する。火魅子…星華は髪を梳きながら寝所にて待ち人を待っていた。星華が九峪と出逢ってから、早十年の年月が流れていた。その間に狗根国を九洲から駆逐し、耶麻台国を復興させ、出雲・狗根国と不可侵の条約を結んだのだ。不可侵条約については情勢が不安定になればその存在が怪しくなるが、狗根国は世継ぎ争いの内乱によりその傷跡の代償がまだ癒えてはいなく、出雲国も単独では九洲に互することはできても勝てるとは踏んでないようで表面上は友好関係を築いていた。

外交関係の平穏に並行するように耶麻台国では内政に注力。大陸からの渡来人の受け入れもあって増えた人口はそのまま生産能力の向上にも直結し、耶麻台国は繁栄の道を歩んでいた。今のところは順風満帆といっていい。狗根国に追われ、食うや食わずの生活で自分たちの生命の保証もないときと比べれば見違えるような現状である。それでも、

 

「ふぅ…」

 

星華の口からは自然とため息が漏れていた。それは勿論、待ち人についての不満だった。と、部屋の引き戸の開く音がする。そして、

 

「やあ」

 

引き戸から九峪が現れて室内に入ってきた。

 

「あ、九峪様…」

 

しかし、星華の表情は晴れない。その表情を見て九峪は少し胸が痛むが、それと同時にいい加減に納得してもらえないかと思っているのもまた事実だった。とは言え、星華の気持ちもよくわかるので文句は言わない。それに、同じ気持ちを抱いているのは星華だけではないのはわかっているからだ。

 

「姫たちは?」

 

そのため、九峪は星華を責めることはせず、いつもならいるはずの存在について聞いたのだった。

 

「今日はもう寝てしまいました」

 

そんな九峪に、ニッコリと微笑みながら星華が答える。

 

「そっ…か。まあ、今日は一日中遊んでたからな」

「ええ、そうですね」

 

そのときのことを思い出したのだろうか、星香がクスッと微笑んだ。

 

「全く、時が流れるのは早いよ…」

 

寝台にゆっくりと腰を下ろして九峪が呟く。九洲に来て十年。まだ幼さの残っていた容貌は逞しさを増し、また一国の最前線にいたこともあってかその面構えは精悍さを増していた。想いを寄せていれば思わず見とれてしまうほどに。

 

「ふふ、いやですわ…」

 

九谷の横顔に魅了されて心臓が早鐘を打ちながら、それを表面に出さないようにして星華が口元を抑えてクスクスと笑った。

 

「え?」

「まだまだお若いのに、そんなことを仰るなんて」

「あー、まあ、そうか…」

 

痛いところを突かれたなとばかりに九峪が後頭部を掻いた。その時に見せたはにかんだ笑顔は昔から変わらず、それがまた星華の胸をキュンと締め付ける。

 

「そうですわ。それに、おわかりでしょう?」

「え?」

「明日から暫くお父様に会えないの、あの子たちもわかってるんです。だから、最後にいっぱい甘えたかったんじゃないですか?」

「ああ、うん。そうだな」

 

その星華の言葉に九峪も少し表情が暗くなる。だが、それを振り払うかのようにピシャリと頬を叩くと、九峪は寝台から腰を上げて星華の元にやってきた。そして、その両肩にポンと手を置く

 

「九峪様?」

 

何を…? という表情で星華が九峪を見上げた。九峪はゆっくりと星華の耳元に顔を寄せると、

 

「寝所に入ってきて、少し星華の表情が沈んでいたようにも見えたんだ。それも同じ理由かな?」

 

と、ズバリ言い当てたのだった。

 

「そ、そんなこと…」

「はは、顔色が変わったな」

「えっ!?」

 

星華が慌てて頬を抑える。と、隙ありとばかりに九峪が星華の膝裏と背中に手を入れて彼女を抱え上げた。俗に言う、お姫様抱っこの体勢である。

 

「あ、あの…」

「いいから」

 

そう押しとどめられ、星華は何も言えなくなってしまった。そしてその代わりとばかりに目を閉じるとその胸板に顔を埋めてスリスリと頬ずりする。その表情は実に幸せそうだった。だが、それも短い時間。目的の場所…寝台にたどり着いた九峪はゆっくりとその上に星華を寝かせた。

 

「九峪様…」

 

これから何が起こるか十分すぎるほどにわかっている星華が期待に胸を膨らませて濡れた目をしている。そんな星華の顎を掴むと、九峪はクイッと上を向かせて

 

「んっ…」

 

口づけをした。舌の交感をし、唾液を交感してくちゅ…ぴちゃ…という粘液の音が寝所を包む。そして、たっぷりとお互いの口内を蹂躙した後、どちらからともなく離れた。

 

「ふぅ…」

 

星華から離れた九峪が口元を拭う。そのときにはもう、九峪の身体は寝かせた星華に覆いかぶさるような状態になっていた。と、

 

「九峪様ぁ…」

 

ドロドロに蕩けた声が熱を帯び、とろんとした目の星華が甘えたような表情になっていた。

 

「もっとぉ…」

「はいはい」

 

星華の様子に苦笑した九峪が再び顎をクイッとあげるとその唇に口づけをした。そして、先ほどと同じぐらいの時間、たっぷりとお互いの口内を貪って離れる。唾液の橋がお互いの口に掛かり、それが途中で切れて星華の口元を汚した。直後、

 

「あっ…」

 

星華の口から切ない吐息が漏れる。それは、九峪の手が自身の胸を掴んでいたからだ。元から星華の胸は豊満だったが、今は更にサイズも増し、それに加えて十代のころにない色香が備わっており男を魅了するには十分すぎるほどの破壊力であった。

 

「表情が沈んでいたのは、明日からのことを考えてたから?」

 

九峪がゆっくりとその胸を揉みしだきながら星華に尋ねる。

 

「あっ…そ、そうです。だってぇ…」

「困った甘えん坊だな…」

 

九峪は苦笑すると星華の首筋に口を滑らせる。星華がそれを感じ、あっ、あっ、と嬌声を上げた。

 

「もう何年もこうなんだから、そろそろ納得してくれないか?」

「な、納得はしてます。で、でも…」

「頭ではわかってても、心では割り切れないってところかな?」

「はい」

 

星華がコクンと頷いた。それは恐らく他の面子も同じだろう。そのことに申し訳なくはあるが、九峪は己の選択が間違っているとは思えなかった。故に、

 

「あっ!」

 

星華の声色が一オクターブ高くなる。今まで衣服の上にあった九峪の手が、衣服内に滑り込んできたからだ。直に胸を揉みしだかれ、星華は性の高まりを感じるとともに九峪に愛されていることに心が満たされていく。

 

「今日は頑張るから、それで勘弁してくれ」

「あ、ああっ、く、九峪様ぁ!」

 

感極まって抱き着いてきた星華をそのまま押し倒し、そしてその衣服をはだけると九峪は夫の務めを果たすべく星華と共に寝台へと沈んでいった。

 

 

 

 

 

開けて翌日。もう、昼が近くなろうかという時間帯。

 

「それじゃあ、留守の間は頼むな」

「はい。九峪様も」

 

星華が名残惜し気に九峪の手を掴んで別れを惜しむ。さっきまであんなに激しかったのになと思いながら、毎年変わらぬその姿に九峪は苦笑した。そのまま、九峪は視線を動かす。

 

「星華…っと、火魅子を頼む」

「はっ、お任せください、九峪様」

 

伊雅が恭しく頭を垂れた。耶麻台国復興後も重鎮として伊雅は主に軍部の司令として腕を揮ってもらっていた。

うん、と頷くと。今度はその視線を亜衣へと移す。

 

「内政に関しては今のところ問題はないと思うけど、外のことは注意してな」

「はっ、わかっております。何か急変あらば、早馬を走らせます由」

「うん、頼んだ」

「九峪様」

 

会話が一段落着いたのを見計らい、清瑞が九峪に声をかける。

 

「どうした、清瑞?」

「はい、準備整いましたゆえ、ご報告に上がりました」

「そうか。また今回もよろしく頼むな」

「お任せを」

 

清瑞が叩頭すると瞬時に下がり、用意してあった馬に騎乗した。その周りを何騎かの騎馬が囲んでいる。復興後新設され、清瑞が頭領となって発足した乱波集団だった。その中から選りすぐりの者のうち、数名が同じように騎馬に乗って九峪を待っているのだ。

 

「それじゃあな」

「はい」

「お気をつけて」

「ご無事を祈っております」

 

見送りに来た火魅子…星華をはじめとする、耶牟原城の幹部連中に手を振ると、九峪は清瑞たちの用意した騎馬に乗った。そして、馬の腹に蹴りを入れるとゆっくりと進み始める。その隣に並走するように清瑞がつき、そしてその周りを乱波集が囲んだ。

こうして九峪は耶牟原城を後にする。次の目的地はどこなのか、そして何のために耶牟原城を後にするのか。

 

それは後の物語。




「火魅子伝 九洲後記」、楽しんでいただけましたでしょうか。この作品は基本、こういったテイストで進めていこうかと思います。まあつまり、結構エッチい感じの本文が多くなる予定です。

そこでわかる方がいらっしゃれば教えてほしいのですが、エッチい作品とは言え直接描写は控えますので「R-15」のタグのみにしたのですが、「R-18」タグ付けた方がよいでしょうか?
また、直接描写を書かないのであれば、「R-15」でももっと際どい描写でも許されるのでしょうか?

是非、ご意見いただけたらと思います。
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