大本営の資料室   作:114

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はい、新たな章へ入ります。

紅い記憶編です。


実はこのお話は大本営の資料室を書くときに一番最初に考えていたお話です。

ロシア編と同じく、[ ]内の言語は日本語以外の言語だと思ってください。

短いですがスタートです





File46.紅い記憶

 

 

『…はぁ…はぁ…』

 

 

 

『…』

 

 

 

『…そんな…悲しそうな眼をしないで…ください…』

 

 

闇が広がる真っ暗な世界…

 

彼は彼女を抱き上げ涙を流す

 

 

『…すまない…僕が…もっと早くに気づいていれば…』

 

 

彼女はゆっくりと首を横に振る

 

 

 

『ううん…違います…これは…全て私のせいですから…』

 

 

『…くっ!』

 

 

 

彼は彼女の手を強く握る

 

 

 

『…こんな…こんなドジな私を…最後まで愛してくれて……』

 

 

 

士官服の彼は、血だらけのボロボロの制服を着た彼女の眼を見つめ、首を横に振ると決意し、震える口を開く

 

 

 

『…必ず…必ず約束する!』

 

 

 

『……はい…』

 

 

 

彼は涙を流しながら精一杯笑顔を作り、彼女の透き通るような水色の長い髪を撫で

 

 

 

 

 

 

 

『…必ず…必ず君を殺す…殺してみせるから…!!』

 

 

 

 

 

 

彼の言葉を聞き、彼女も安心するかの様に笑う

 

 

 

『…はい…どうか……提督の手で私を…殺してください…』

 

 

 

 

 

 

彼は彼女を愛するために彼女を殺そうとし

 

 

彼女は彼を愛するために彼に殺されるようとする

 

 

 

 

 

 

これはそんな提督と艦娘のラブストーリー

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

 

昭和87年 

 

ミクロネシアのとある海域

 

 

午後7時頃

 

 

真っ暗な海を中型客船が一隻、更に護衛の為の艦娘が8人付き、ゆっくりと航行する

 

 

 

その甲板では様々な国の小金持ち達十数人が楽しそうに集まっている

 

女がドレスを着て、男はタキシードに身を包みこんでシャンパンやワインを飲み、ジャズバンドの演奏を聞きながら夜のクルーズを、船上パーティを楽しんでいた

 

 

 

 

[もう少し先に進めば太平洋戦争で有名なあのアイアンボトム・サウンドの海域です]

 

 

パーティー進行役の白人男性がマイクを使ってそう言うと、甲板で酒を飲む小金持ち達は真っ暗な海に視線を向ける

 

 

 

[この海に日本とアメリカの艦艇が眠っているんだなぁ]

 

[ああ、ロマンだよなぁ]

 

[素敵…潜って見てみたいわぁ]

 

 

 

小金持ち達は呑気にそんな事を喋っていると、バシュッ、と砲弾のようなものが客船の直上に打ち上がる

 

 

照明弾だった

 

 

[…え!?うわっ!まぶしっ!]

 

[きゃーっ!なになに!?]

 

[何だあれは!?]

 

 

 

花火とは違う光に甲板の上で混乱する小金持ち達

 

そこへ誰かがバウレールを越え、客船の甲板に上がり込んでくる

 

 

 

[レディイイスエェンジェントォオメェエエンッ!!]

 

 

ストローハットを被り、生地がボロボロになった茶色のジャケット、色あせたジーンズに拍車の付いたウエスタンブーツの様なブーツ…

 

背は高く、どちらかといえば、痩せ型のキザな男

 

 

まさにカウボーイの格好をしたアジア人が両手にリボルバーを構えてパーティー会場に乱入する

 

 

 

[なんだアイツは!?]

[セキュリティっ!]

 

 

照明弾にカウボーイの登場

 

 

客船の甲板は更に混乱する中、カウボーイはにやりと笑うと大きく息を吸い…

 

 

 

[シャラァァアップ!動くな!中流階級共!]

 

 

パンッ、とリボルバーを空に向けて発砲

会場は一瞬静まり返るもカウボーイは飄々とした態度で笑う

 

 

[…お集まりの皆様。これより私めが皆々様を地獄へ向う舟の案内人をやらせて頂きます]

 

 

リボルバーを握ったままカウボーイは小金持ち達に向けて執事のようにポーズを決めるとまたも不敵に笑い

 

 

 

[…つきましては私、海賊にございますので…どうぞ大人しく皆々様の衣類、食料諸々を頂きたく存じます〜]

 

 

ザワつくパーティー会場

そこへショットガンを手に持った水兵の様な格好をした白人男性がカウボーイへ銃口を向ける

 

 

[ふざけやがって!ガードの艦娘達は何してやがる!?]

 

 

水兵がそう叫び、カウボーイを威嚇すると、カウボーイはこれまたにやりと笑い、甲板の外、真っ暗な海に向かって

 

 

 

「…おーい、見せてやれー」

 

「クマー」 

 

 

バシャバシャという波の音と共に気の抜けた少女の声が聞こえたと思うと、客船の甲板に大きな布の様なものが揚げられる

 

 

[きゃあっ!]

 

[うわぁっ!なんだ!?]

 

 

それは客船の護衛についていた8人の艦娘達だった

8人とも大きな網で身体をぐるぐる巻きにされ、漁網されていた

 

 

[…た、たすけて…]

 

 

揚げられた艦娘の1人はか細く、情けない声で小金持ち達に助けを求めるが、網で巻かれた護衛の艦娘達を見て、皆怖気づき、動けないでいた

 

しかしそんな空気の中、カウボーイだけが高笑いをしていた

 

 

 

「あっはっはっはっ!流石のスピードだぜ球磨!」

 

 

「当然クマ。こいつら弱すぎだクマ」

 

 

気づけばいつの間にか甲板に立つカウボーイの隣には、14.5歳くらいの見た目の上下迷彩柄の服を着たアホ毛の少女が肩を回しながら立っていた

 

 

[…艦娘…か?]

 

 

ショットガンを持った白人男性は少女を見て不思議に感じた

 

 

駆逐艦や巡洋艦の艦娘なら主砲や魚雷等の武器装備の艤装を展開しているはずだが、この少女は背中に機関を背負ったままでほぼ丸腰の姿だった

 

 

少女はショットガンを持つ白人男性を指差し

 

 

「それ、撃つつもりかクマ?」

 

 

少女がそう言うが、白人男性は日本語を理解できず、少女が何を言っているのかよくわかっていない

 

カウボーイはふっ、と笑う

 

 

「…なぁ、このハンドサインアイツに向けてみろよ」

 

 

カウボーイは白人男性から見えない様に少女にとあるハンドサインを見せる

 

 

「…?わかったクマ」

 

 

[???]

 

 

白人男性をはじめ、甲板にいる者達はカウボーイと少女が何を話しているのかわかっていなかったが、少女はショットガンを持つ白人男性にドヤ顔を向け

 

 

 

「…クマー!」

 

 

 

中指を突き立てた所謂ファッキューポーズを白人男性に笑顔で向ける

 

 

 

[…ぐ、こ、このぉぉっ!!]

 

 

 

青筋を立てた白人男性はカウボーイから少女に銃口を向けて引き金を引くと、ズドン、と腹にくるような重い発砲音をたてる

 

 

「…っ!」

 

 

 

少女は発砲されると同時に、白人男性に向かって走り出しつつ両手を構え…

 

 

 

「…マっ!クマっ!」

 

 

 

自分の腕を交差する様な動きをしながら白人男性の至近距離に近づき

 

 

[…ぅおっ!?]

 

 

 

白人男性の膝の裏を蹴りつつショットガンを奪い彼の膝を甲板に付かせ

 

 

[…はっ!?あれっ!?]

 

 

ジャコッ、と少女は奪ったショットガンを白人男性の後頭部に押し当てる。そこで白人男性は自身が持っていたショットガンを奪われたことに気づく

 

 

その光景を見てまたもザワつく甲板内

 

 

 

[な、なんなんだ!?なんだお前は!?]

 

 

白人男性が両手を上げ、少女に震え声で問うも少女は首を傾げる 

 

 

「…英語じゃ何言ってるかわかんないクマ」

 

 

「はいはい…そこまでだ。球磨」

 

カウボーイがショットガンの引き金を引こうとした少女に声をかけると、球磨と呼ばれたその少女は白人男性の後頭部をショットガンの銃床で殴打し気絶させ、気を失い倒れる白人男性の背中にパラパラと黒胡椒の大粒の様な玉をいくつも落とす

 

 

少女が落としたのは白人男性が放ったショットガンの弾だった

 

そんな少女の人ならざる神業を見たカウボーイは口笛を吹く

 

 

「…ヒュウッ…さっすが、やるねぇ…ん?」

 

 

[貴様らぁっ!] 

[動くな!]

 

 

白人男性の他にも水兵の様な男達数人が銃を持って甲板に上がってくるが、カウボーイは口の端を吊り上げ笑う

 

 

[残念…来るのが遅かったなナチ公共]

 

 

照明弾の光を背に、リボルバーの銃口でストローハットのつばを持ち上げるカウボーイ

 

直後、客船の後部で爆発が起きる

 

[うわぁー!]

[きゃー!]

[おちついて!おちついてー!]

 

 

混乱の極みのパーティー会場

小金持ち達は逃げ回り、水兵達も逃げ回る小金持ちが邪魔でカウボーイを撃つに撃てなかった

 

 

そんな混乱の場に客船船内へ続く扉からいくつものカバンを両手に持った数人の上下迷彩柄の服を着た少女達が甲板に出てきた

 

 

 

「食料と水!奪いましたー!」

 

「脱出するぞ!」

 

 

金髪のツインテールの少女が手に持ったカバンを掲げ、眼帯をした黒髪の勝ち気そうな少女が吠える

 

 

 

少女達がカウボーイへ近づくと、カウボーイの男はよし、と一言

 

 

「…オッケー…第一、第四真鋭隊諸君…先に戻ってな…おっと…つまみ食いなんてしたらケツの穴にチーズドック食わせっからな?」

 

 

「「イエス!ボス!」」

 

 

数人の少女達が右手を左胸の前に持ってきて握り拳のポーズを作り返事をすると、甲板から飛び降りて夜の海へ脱出する

 

 

[ま、待て貴様ら!]

 

 

球磨と呼ばれた少女とカウボーイも甲板から降りようとすると、船長と思しき男性が拳銃を構えて呼び止める

 

 

 

[…あんさぁよぉ…今の時代、どこの国だって簡単にクルーズするなんて許されねぇのよ…金持ちの道楽か知らねぇが、何?…深海棲艦見物でもしにきたのか?]

 

 

カウボーイは外国語で問うと、船長は拳銃を持つ手を震えさせ、声を荒げる

 

 

[…くっ!う、うるさいっ!牛飼いの格好をした中国海軍が!貴様らこんなことしてただで済むと思っているのか!国際問題になるぞ!?]

 

 

[知らねぇな…てめぇ等不法客船のナチ公から食料物資もろもろを強奪したところでどの国の政府がキレるんだ?それに俺は中国人でも海軍でもねぇよ]

 

 

[…な!?]

 

 

この時代、艦娘を引き連れて前線へ出る将校は世界で見てもわりと多い

 

目の前の男もカウボーイの格好が好きなだけのどこかの海軍の者かと思っていたため、船長はこのカウボーイの言葉に驚愕する

 

 

[か、海軍じゃない!?…ではなぜこの海域に…一体貴様…何者だ!?]

 

 

船長が吠えるもカウボーイはどこ吹く風といった風に笑い、甲板の柵、バウレールに片脚を乗せ拳銃を構える船長に背を向け一言

 

 

 

 

「…愛に飢えた…ただのロミオさっ…」

 

 

 

そう一言だけ言い放ち、甲板から真っ暗な海へと飛び降りるカウボーイ

 

そしてそのカウボーイに次いで海に飛び込む球磨

 

 

 

[!?]

 

 

中型の客船とはいえ、甲板から海までは数メートルはある高さ 

 

船長はバウレールから身を乗り出して下を確認する

 

この高さ、浮き輪も持たずに飛び降りるなどと沙汰である

 

 

しかしその真っ暗な世界は何も見えず、船長からはただただ闇が広がっているようにしか見えなかった

 

 

 

[くそっ!…くそっ!!]

 

 

 

 

船長は悔しそうにバウレールに拳銃を何度も叩きつける

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

「イィィィッハアァァッ!!」

 

 

ジェットスキーの様な乗り物に乗り、客船から離れていくびしょ濡れのカウボーイと艦娘達

 

 

「無茶しすぎだクマっ!バイクにぶつかってたらタマが粉々になってるクマ!」

 

 

カウボーイに並んでそう声を張る球磨

 

 

「ラッキーラッキー!"たまたま"だって!あっはははは!」

 

 

 

球磨の言葉にゲラゲラと笑うカウボーイ

 

 

 

「…下ネタでたまたま言うのやめてほしいにゃ…」

 

 

球磨と同じくカウボーイの反対側で航行する桃色のショートヘアの少女はいじけながらそうぼやく

 

 

「ああっ!?別にいいじゃねぇか!いじけんなよっ!多摩!…木曽!由良!追手はあるか!?」

 

 

 

カウボーイは振り向くことなく後方にいるであろう少女達に大声で問う

 

 

「いや…電探には反応はない!」

 

「上手くいきましたよ!ボス!」

 

 

 

二人の少女が遠くなっていく客船を確認し、答えると、カウボーイはこれまた勝ち誇った様に笑う

 

 

「あっはっはっは!オーケィ!んじゃあとっととケツまくってアジト戻るぞ!」

 

 

「「イエス!ボス!」」

 

 

カウボーイが指示をし、少女達が返事をすると、カウボーイは右腕につけた腕時計の様に見える無線機に向かって

 

 

「…青葉、那珂。ぶん取り作戦終了だ。アジトへ戻れ」

 

 

『イエス、ボス』

 

 

青葉と呼ばれた少女の声だけが無線機から聞こえ

 

 

「…ん?…ボス、那珂から入電だ」

 

 

木曽と呼ばれた眼帯の少女がカウボーイに報告

 

 

 

「…イエスボス、那珂ちゃんあがりまーす。きゃは…だそうだ」

 

 

「…ぷっ」

 

真顔で那珂からの電信をそのまま伝えた木曽が面白かったのか、木曽の後方を航行する金髪のツインテールの少女が吹き出すと、木曽が振り向き睨む

 

 

「…おい、阿武隈…何が面白い…」

 

 

「あ、いや…えへへ…なんでもないよぅ…」

 

 

阿武隈と呼ばれたツインテールの少女はいくつものカバンを持ったまま両手をわたわたとさせるとカウボーイが大笑い

 

 

「あっはっはっは!!いいじゃねぇか!今度木曽にドレスでも着せてマイク持たせるか!」

 

 

 

「…ぐ…」    

 

 

冗談とわかっているのか、木曽は顔を赤くしてそっぽ向く

 

カウボーイはああ、そうだ。と呟くと再度無線機に向かって警告

 

 

 

 

 

「青葉、那珂。お前ら…"龍"に気をつけろよ」

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇       

 

 

 

トラック島 午前0時頃

 

 

ミクロネシア連邦、トラック諸島の1つ、トラック島

 

かつて第二次世界大戦で日本軍の泊地の1つとして基地を展開していた島

 

 

このジャングルに囲まれた島には現地人は住んでおらず、朽ちて苔が壁に生えた旧帝国海軍の基地が島の西海岸にひっそりと佇み、その海岸の周りをまるで基地を守る様に高い鉄の壁が囲む

 

 

そんな朽ちた基地をアジトと呼び、生活する者たちがいた

 

 

 

「お帰りなさい!ボス!」

「お帰りボス!」

「待ってましたよボス!」

 

 

アジトの大部屋…元は作戦室と思われる部屋にカウボーイをはじめ、客船を襲撃した少女達が入る

 

外から入ってくる月明かり、そして数本の蝋燭の灯りだけで照らされる部屋内に待っていた十数人の少女達。

 

皆右手を左胸の前に持ってきて拳を作るポーズをしてカウボーイ達を出迎える

 

…どうやらこのポーズがここでのカウボーイへの挨拶のようである

 

 

 

 

「おう!帰ったぜ!お土産も沢山あっからよ!みんなで分けろよ!」

 

 

パチン、とカウボーイが指を鳴らすと、木曽と阿武隈が両手に持ってた大量のカバンを床に雑に投げ落とす

 

 

落とされたカバンが開くと中身は石鹸や下着、歯ブラシ等の生活用品から薬品や包帯、中にはコンドームなど様々なものが入っていた

 

 

 

「やったー!」

「うひょーっ!」

「さっすがボス!」

 

 

 

戦利品の品物を見た少女達は目を輝かせながらカバンに群がる

 

 

そんな光景を見ながらカウボーイはストローハットを脱ぎ、ホコリだらけの机にポン、と置くと、皮が擦り切れている大きな椅子に腰掛ける

 

 

「…"買い物"お疲れ様にゃ、ボス」

 

 

多摩が椅子に座るカウボーイに小さな瓶ビールを差し出す

 

 

「おう、サンキュ…多摩」

 

 

瓶ビールを受け取り、労ってくれた少女の頭を撫でるカウボーイ

 

 

「…全く…この時代に豪華クルーズなんて馬鹿なことやる奴らもいんだなぁ…」 

 

 

カウボーイはぐいっとビールを一口飲み、ぼやく

 

 

「…んまっ…おかげで俺は美味い飯と酒が手に入り…お前らはアレだ…ナプキンとかタンポンが手に入るってわけだ…はははは!」

 

 

カウボーイの言葉にムッとする多摩

 

 

「…下ネタは止めてほしいにゃ…」

 

 

「それくらい言ったっていいクマ…5分後には皆木っ端微塵になってるかもしれないクマ」

 

 

ムッとした多摩に対してカウボーイの下ネタを支持する様な言い方をする球磨

 

 

カウボーイはくはは、と笑う

 

 

 

「ああ〜そうだぜ!球磨の言うとおりだ…俺らの生活はこんななんだっ!いつ死んだっておかしくねぇ!」

 

 

カウボーイはそう言って椅子から立ち上がり、カバンに夢中になってる少女達の中へ背中から倒れ込むと、少女達がカウボーイの身体を持ち上げる

 

 

「やりたい事をやりゃあいいさっ!人生は長くて短い!いつだってどうなるかわからねぇ!そうだろぉ?お前らっ!」

 

 

「「イエス!ボス!!」」

 

 

 

まるでミュージカルのワンシーンのような光景にため息の多摩

 

 

「ここは掃き溜め達の最後の楽園!…ルールはただ一つ!」

 

 

「「ボスがルール!」」

 

 

大部屋は少女達の笑い声で賑わい、彼女達の笑い声を聞いて他の部屋にいた少女達も集まってくる

 

カウボーイと彼を持ち上げる少女達との息ぴったりな演出に多摩ははいはいと笑う

 

 

 

「あっはっはっはっ!よーし!食いもんも沢山ある!歌って踊って飲んで食いまくれー!!はっはっはっはっ!」

 

 

 

トラック島

 

日本中から集まった欠陥、問題児と呼ばれた巡洋艦艦娘達の最後の楽園

 

少女達からボスと呼ばれるカウボーイ姿のこの男こそ、かつて"艤装展開制御装置"を作った偉人、八木秀次その人であった

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

同時刻 基地工廠

 

 

薄暗い工廠内、こちらも上下迷彩服姿の少女がある装置の前に立っている

 

 

艦娘建造機

 

 

八木がこの基地をアジトとして決め、生活し始めて数週間後にこの装置の存在に気づく、何故艦娘が存在しなかったであろう時代の基地にこんな物があるのかと考えたが、結局わからず、以降八木がこの装置を使う事は無く、艦娘達にも使用は禁止していた

 

 

「…ボス……」

 

 

しかしそんな禁止された建造機の主電源を入れる少女が一人

 

 

背中まである黒く長い髪、前髪を真ん中分けにし、後ろを緑色の大きめのリボンで留めた少女

 

 

その雰囲気はどことなく古風な…侍の様な雰囲気さえ携える

 

 

…その少女の右目は青く光り、何かを決意した表情で建造を開始する

 

 

 

 

 

 

 




はい、始まりました紅い記憶編

播磨と同じ様に問題児が集まった元帝国海軍基地


その基地の艦娘達からボスと呼ばれ君臨するは"もう"海軍じゃない八木さん


この先どうなるのか、どうぞ次回をお楽しみに



あ、次回から文字数増えます


…多分
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