進展遅くてすいません。
今回音楽的な用語が多く出ますので、ご注意ください
なお、作中に出てくるPhantomregimentの映像参考資料です
恐らく規約的な関係では怒られることはないかとは思いますが…もしよろしければどうぞ
https://youtu.be/eWqbMrGFQLI?si=YLQ6LVOYcBEnFmDZ
『…あー…朝潮ちゃんじゃなかったかー!』
建造されて、最初に言われたのがその言葉でした
…私も朝潮型なのに
司令官は私を戦場に連れていくことはあまりありませんでした
出撃するのはいつも決まった人達…
『んじゃあ今日の撮影行くっぴょん』
秘書艦のあの人がそう言うと、私達はいつもどこかの部屋へ連れていかれます
そしてその部屋ではいつも手にカメラを持った裸のおじさんがいます
何故か司令官も裸で…
気持ち悪い…
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…
嫌だ…嫌だ…
…気がつけば私は棄てられ、この鎮守府に…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
マーチングバンド…
主に打楽器と管楽器で編成され、歩きながら演奏する所謂鼓笛隊という文化…その歴史は意外も古く、16世紀のヨーロッパ発祥との事
当時は信号や号令に使われたり、行進時には部隊を鼓舞させるのにも鼓笛隊は使われた
けれども昨今のスタイルは大幅に代わり、軍隊よりも一般市民向けの娯楽、子供達への教育の1つとして吹奏楽部の授業等でもマーチングバンド形態の演奏をすることも多い
…とのことデス
え?
なんで突然そんなことをって?
…私の在籍する播磨鎮守府…
そこに新しい提督が二人着任しました
…とっとといなくなるはずだったのに…
急に播磨で音楽隊をやろう、だなんて言い出して…
ええ、音楽隊の目的は知っていマスよ
…でも私は正直…海軍の人間の指導のもとではやりたくなかったデス
でもお姉……ある人に無理矢理強制的に参加させられて…
…まぁ、そんなこんなでマーチングバンドをやることになりマシタ
でもみんな楽器なんて未経験者ばかり
だから言ってやったんデス
『マーチングバンドってどんなことするんデスか?』って…
そうしたら…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
播磨鎮守府 会議室 1500
会議室に集められた少女達は皆席に座る
…とはいえ40人近くもの少女達が全員座れるわけもなく、駆逐艦や軽巡の比較的"小さめな"少女達を優先的に座らせ、それ以外で余った少女達は立っている
音楽隊立案者の田中は会議室の前方で収納式の白いスクリーンを天井から引っ張りだし、設置すると部屋後方では坂本がなにやら機材をがちゃがちゃといじっている
「…これからなにするんですか?」
不安そうな大淀が手を上げて質問
「…ん?…ああ、説明するよりも視てもらった方が早いと思ってな…」
「…口で説明してもらえれば大抵は分かると思いますが…」
「…楽器を演奏しながら歩いたりフォーメーションを組んだりする」
田中の端的な説明を聞いてもなかなか想像できずに悩む少女達
「…見た方が早そうですね…」
皆のリアクションを見て肩を落とした大淀は諦めるように呟く
機材のセットが終わり、窓側のカーテンを閉めた坂本が会議室の電気を消す
「…と、いうわけで…マーチングバンドとはどんなもんかってのを映像で見てもらおうと思う」
いつの間にか部屋後方に移動した田中が説明をはじめる
「…今から…14.5年前かな…2003年にアメリカのフロリダ州オーランドってところでマーチングバンドの大会があった…いや、あったっつーか毎年アメリカのどこかでやってんだけど…その年はフロリダ州だったんだな。うん…で、その大会に参加したあるチームの映像だ。多分一番マーチングバンドがどんなものか分かりやすいんじゃないかな…」
部屋前方に座る曙が首をかしげる
「…あるチーム?」
「…ああ。チーム名はファントム・レジメント…クラシカルな曲を主に演奏するトップチームの1つだ」
田中、再生ボタンを押す
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
少佐が再生ボタンを押しまシタ
…dci…?青いロゴが映ってから大音量のファンファーレが流れる…
まるで映画でも始まるみたいデス…
bluedevils…cavaliers…ああ、他のチームデスか…まるでNBAみたいなチーム名デスね…
楽しそうにはしゃぐ皆…
…確かに、思えば映画なんて皆と観たこと無かったデスね…
…あ、phantom regimentにカーソルを合わせて…
再生されマシタ…
映し出されたのはナイターのフットボールスタジアム…観客の人数が凄いデスね…
なんというか…熱気?
…既にフィールドには真っ白い騎士のようなコスチュームを着た人が隊列を組んでマシタ…
『on the field …from Rockford Illinois …』
低めの男性ナレーションがスタジアム内に響く
…どうでもいいデスけど…やはりアメリカ英語デスね…
…うーん…
…ああ…チーム紹介……え?…
タイトルが…"Harmonic Journey"?
キラキラした楽器…
凛々しい指揮者…
夢の世界のように光輝くスタジアム…
無意識に鼓動が早くなる…
柄にもなくそんな私はついこんなことを思ってシマッタ…
"これから何がはじまるんだろう"…と
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カーテンを閉め、照明を落とした会議室
スクリーンに映された、全身真っ白なコスチュームを着こんだ演奏者達の演奏が始まる
トランペットのアンサンブルから入るはパッヘルベルのカノン
無音からクレッシェンドしながら奏でられるそのメロディーを聞き、少女達は固まり、集中してスクリーンに注目する
白い演奏者達は同じタイミングで動きだし、またその足運びのテンポも同じタイミング
段々と盛り上がっていくカノンは遂に、最初に盛り上がる場面へと変わる
客席に座る数百人、数千人とも見える観客はバンドが演奏しているにもかかわらず大いに盛り上がる
それにつられてか、スクリーンの前にいる少女達もバンドが一番盛り上がった後には拍手をしてしまった
止まらない演奏
バンドが盛り上がった後にやってきたのはパーカッションの繋ぎ
何台もある鍵盤、打楽器…そして先日朧と高雄が少しだけ試しに演奏したスネアドラムもなんと演奏者は9人もいる
9人のスネアドラム…スネアラインは音がずれること無く、その揃いきったスティックさばきで観客を魅了する
「(…凄い……本物はあんな風に叩くんだ…)」
朧はスクリーンに映るドラムラインを見て、改めて自分が選んだ楽器のかっこよさ、難しさを理解する
驚きながらスクリーンを観ているのは朧だけではない
むしろ会議室にいる全員が驚いているわけだが、特に鳥海が口を真横一文字にして食い入るように目を血走らせてスクリーンを見ている
その視線が見つめるのは金管楽器奏者だ
どの演奏者もまるで発泡スチロールでも持っているかのように軽々と楽器動作…ベルを上げたり下げたりしている
まるで超人の集まりにも見える演奏者達を鳥海は羨ましそうに見る
「(くそ…絶対あたしもやりきってみせる!)」
演奏はバラードに入る
選曲はカノンから変わり、映画音楽、king of kingsからロージャ・ミクロス作曲の"The Lord's Prayer"だ
バラードが始まると少女達の空気が変わる
それまでハイテンポの曲が続き、視ていた少女達も若干興奮気味になっていたが、バラードのお陰でそのボルテージは下がったようだ
優しく、それでいて力強い重厚なサウンド…
「……ぁ…」
スクリーンを視ていた金剛は、いつの間にか自身の頬を伝うものに気づく
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
会議室後方に坂本と並んでスクリーンを視ていた田中はビビっていた
"音楽には人の心を動かす力がある"
…と、云われてはいるが、まさか殆どの艦娘達が涙を流しながら映像を視ていたことに田中は心底ビビ…驚いていた
「(…おいおい…まぁ確かにこの曲は来るものがあるっちゃああるが……こんなに影響されるもんだとは…って、あの金剛が泣いてる!?……これが音楽のちから…なのか?)」
どこかの資料で見た気がする…
艦娘は元々が艦艇…つまり心や感情を持たない"モノ"だった…
その影響なのか、基地の提督と意志疎通が行いやすくするためなのか真相は不明だが、感受性が高い者が多い、と…
事実、少女達はマーチングバンドをこうした形であるが、その眼で初めて見ている
故に音楽に変な耐性もなく、真っ直ぐに演奏する"彼ら"の想いが通じたのだろう
「(…dciチームは5月から3ヶ月間ツアーをやる…その間は朝から晩までみっちり練習練習練習だ…常に全員でバス移動もするし、メンバー全員で体育館で雑魚寝なんてしょっちゅう…だがその集団生活のお陰で、その結束はダイヤモンドよりも高い…筈だ。映像越しとはいえそんな奴らの魂がこもった演奏を聞いて何も感じないわけはない…か…)」
ふふふ、と田中は静かに笑う
隣に立っていた坂本が心配そうに田中の肩に手を当てる
「…田中君…?大丈夫ですか?」
「…ああ…いや、今から楽しみだなってな…」
坂本の小声に小声で返す田中
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…と、まぁこんな感じだ」
phantom regimentのshowが終わる
dvdを一時停止させた田中は部屋の明かりを付け、会議室前方に回る
「…まぁ今見せたのは、ほぼプロに近い能力の演奏だから、皆はここまでやらなくてもいい。大事なのはメンバー同士の信頼感だからな…そもそもマーチングバンドとは「少佐。次の映像をお願いします」…え?」
田中の言葉を遮って手を上げたのは大淀だった
「…え、あ…ま、先ずはマーチングバンドとはなにかって説明をな「少佐、私からも願います。続きを」…あ、赤城さん?」
大淀を切っ掛けに赤城やその他の少女達も次々と手を上げる
よく見れば鳥海もこっそり手を上げていた
そんな少女達を見て田中はああ、と何かを思い出し、理解する
"播磨には娯楽が少ない"
播磨町からは様々な物資が届く
食料だけではなく服や化粧品、消耗品からおもちゃまで幅広く…
その中でも映画やアニメのビデオ、dvdも貰いはするが、少女達の中で映像機械を使えるものは恐らくいないのだ
故に折角貰ったビデオやディスクもケースから出されることはなく倉庫で埃を被っている
「…確かに、貰ったは良いけど使い方分かんなきゃガラクタ同然なもんもあるしなぁ…」
「…田中君?何か言いましたか?」
ぼそりと呟く田中に反応する坂本
「…いいや…オーケー…んじゃあファイナル全団体見せてやろうじゃねぇか!…ついでにリトリート…結果発表も見せてやる!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇
「…どうしまシタ?赤城サン」
1800
播磨鎮守府 艦娘寮 談話室
談話室のソファーに座り、ため息を吐く赤城の隣に座る金剛
「…ああ、金剛さん…いえ………正直明日から不安です…」
あの後、dvdに収録されていたすべての団体を見せて貰った少女達
皆興奮気味になってはいたが、この中で赤城は一人ふと冷静になった
"こんなこと、本当に私達にできるのか"…と
演奏技術の良し悪しなど赤城はよくはわからない
だがあれだけの歓声をもらい、大会のファイナリストとなった団体だ。当然下手なはずがない
そんな団体を見て赤城はやる前から自信を無くしていたのだ
「…私はあまり体力もありませんし…あの……トーンボロー?…なんとかという楽器も自信ありません…」
金剛は意気消沈としている赤城の普段見ることのない表情を見てふ、と笑う
「…さっき視たあれは……ええ、あれはあれでただの娯楽と思って良いんじゃないデスか?…まだ楽器も触ってないうちからそんな引き腰じゃあダメデスよ」
「…金剛さん……そう、そうですよね…すみません…」
赤城はそう言って金剛に頭を下げると、肩を震わせる
「…いたた…まだ筋肉痛がとれません……」
足の痛みを感じながら赤城は窓から外へ視線を向ける
「…はぁ…」
「……さぁ赤城サン…部屋まで手を貸しマスよ」
「…あら?…金剛さんがそんなことを言ってくれるなんて…」
赤城が驚いた表情をすると、金剛は赤城から顔を背ける
「…べ、別に嫌ならいいデス…」
その顔は少し気恥ずかしそうだ
「…ふふふ……なんででしょうか…こうして金剛さん…貴女とこうして面と向かって話すのは初めてかもしれませ「イエ、食堂でも私達普通に会話しましたケド…顔合わせて」…え、あ?…そ、そうでしたか…すみっ…すみませんっ!」
どうやら食堂で相席になった時に会話したことを赤城は忘れていたようだった
あれはまさか無意識だったのか?…と、考えを巡らせる金剛
目の前には、普段は凛とした態度の赤城が慌てるように手をわたわたとさせて焦っている
「……ぷっ…ふ…ふふふ」
金剛も身体をふるふると震わせて笑いはじめる
「…えっ…あ、あの…金剛さ「あっははははは!…な、なんデスかっ…あはっ…あはははっ…そ、そのリアクションっ!…あははは!」
「ふぇえっ!?」
我慢の限界が過ぎると吹き出し、笑いだす金剛
目の前の女性にきょとんとする赤城
いつもはしかめっ面…もとい、人前では眉間のしわを解くことなど殆どなかった否定派の筆頭が無邪気にも眼もとに涙を浮かべて笑っている
「…も、もうっ!…笑いすぎですよ金剛さん!」
「あははっ…はっ…ふふ…あー…あはは…ごめんなさい…ふふふ…」
ようやく笑いが収まった来た金剛は、ソファーから立ち上がり、改めて赤城の方に身体を向け…
「…赤城サン」
「はい?」
「………ぅ…」
名前を呼んだはいいが、そこで金剛の口は次の言葉を発することができない
「…あ…イエ…………明日から…頑張りましょう…」
「…ええ。頑張りましょうね」
何かを言おうとしたのは赤城にもわかる
しかし何かの理由できっとまだ言えないのだろう…赤城は深く聞くことはなくにこりと笑う
「…じゃ、じゃあ私はこれで「あら、部屋までエスコートしてもらえるのでは?」…え?」
赤城は自分に背中を向けた金剛に右手を差し出すと、優しく笑う
「…情けない話ですが、全身筋肉痛なんです…手をとってもらうのが難しいのであれば、お姫様抱っこでも構いませんよ?」
赤城の差し出された右手を見ながら呆然とする金剛
あの赤城の口から出た言葉とは思えない、と…
「…ふふ…まるであの少佐の様な台詞デスね…ケド、貸すのは手だけデス。いいデスね?お姫様」
金剛は優しく赤城の手を取ると、彼女を立たせる
「…デモ…全身筋肉痛なのに何故あそこに?」
「…あはは…いえ…なんとなく黄昏たくて…」
「……貴女、本当はお馬鹿デスか?」
軽口を言い合いながら、金剛と赤城は部屋の方へと向かう
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
艦娘寮 駆逐艦部屋の一室
2100
この部屋は曙、神風、皐月、早潮の四人部屋である
普段は特に会話らしい会話もないこの4人だが、今日だけは寝間着を着て各々ベッドに腰かけて楽しそうに話していた
「…あたしはやっぱり緑色のチームね!なんかずごーって感じが凄かったからね!」
興奮気味の曙は今日dvdで視たチームの1つがかなり気に入った様子
あはは、と早潮は苦笑いし
「…緑色ってふたチームあったじゃん~」
「…あれよ!ハット被ってた!」
「2チームともハットだったし…」
早潮の態度にむっとする曙
「なら早潮!あんたはどこのチームが良かったってのよ!」
「えー?…あたしは…あのおもちゃの兵隊みたいな衣装のチーム?割りと好きだな~」
早潮の返答に曙は鼻をならし笑う
「…ふんっ…どこのチームもおもちゃの兵隊みたいな衣装じゃないのよ!」
「聞いて聞いて!ボクはね、あの青いチームかっこ良かったって思ったんだー!最初に太鼓のソロから始まったチーム!」
皐月が手を上げて嬉しそうにそう言うと、神風はうーん、と悩みながら
「…私はなんだかんだで…田中少佐が最初に見せてくれた団体が好き…かな?…凄く曲が良かったから」
「「「あー」」」
三人、納得し頷く
「…確かにあのチームは良かったわね…なんというか…泣きそうになったわ…」
「あれぇ?ボノ泣いてたぢゃん?」
「う、うっさい!」
「…確かにあの白いチームは……うん、よかったよねぇ…ボクも泣いちゃったもん」
曙達のリアクションを見て、神風は自身の長い髪に触れながら、遠い目をする
「…あの二人…悪い人じゃあ…なさそうよね…」
神風の呟きに3人は黙る
口元をむずっ、とさせた曙が頷く
「……そうね。少なくとも愛宕さんを助けてた時は…演技には見えなかったわね…」
早潮、咳払い
「…親潮姉も…一緒にやればいいのに…」
いつもの軽いノリはどこへやら、早潮が淋しそうに呟く
「…漣ちゃんと山雲ちゃんも、だよね…?」
皐月が神風に問うと、神風は頷く
「…あの3人…というよりも漣ちゃんは…物凄く海兵を嫌ってるから…」
そう言って神風は曙の方を見る
先日の漣と朧のケンカ…曙が仲裁に入ってはいたが、その場面を神風は見ていた
曙はバツの悪そうな表情になる
「…あ、あたしだってなんであんなに毛嫌いしてるのかなんてわからないわよ…姉妹艦たってなんでもわかる訳じゃないんだから…」
「「「…」」」
ぎしりとベッドを軋ませて皐月がベッドから降りる
「…まっ…考えてもきっとわからないよ。ほらほら、ボク達も早く寝よう?明日からもまたトレーニングでへとへとになるんだからさっ」
そう言って皐月は部屋の証明のスイッチを押す
真っ暗な中、毛布にくるまった曙は天井を見つめる
意識に思い描くは桃色のツインテール…
「(…馬鹿漣)」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇
播磨鎮守府 執務室 2300
「…いやー…まさか皆あんなに盛り上がるとは思わなかったな」
ソファーに座り、あははと笑う田中
どことなく顔に疲れが見える
「…ええ。そうですね…皆まるで新しいおもちゃを見るように目を輝かせてました…」
田中の向かいのソファーに座り、コーヒーを一口飲むと、テーブルにカップを置く坂本
「…ところでだけどよ…お前…部屋戻らねぇのか?」
田中は隣に座る女性、愛宕に問うと、彼女はにっこりと笑顔を返す
「はいっ!赤城さんの代わりに監視に来ましたので!」
最早監視する気もないのは目に見えている
田中はわざとらしくため息する
「…あんなぁ…もうこんな遅い時間に男のいる部屋でって…襲われるかもとか普通怖がるもんじゃねぇのか?」
「襲うんですか?」
「いや…しねぇけど…」
「なら問題ありませんね!」
ああ、もういいわと言いながら田中は手書きの編成表を手に頭を掻く
「…なにかお悩みですか?」
「…んー?」
愛宕に問われるも、田中は編成表から目を離さない
向かいのソファーに座る坂本がふふふ、と笑う
「…まだ編成に穴があるんですよ…田中少佐は人の割り振りをどうしようかと悩んでいるようですね」
「…言わなくていいよ…んなこと」
「…ちなみに何の楽器が空いているんですか?」
愛宕が田中の見ている編成表を覗き込む
「別に何も「…テナー…マルチドラムという楽器ですね」…っておい!」
「坂本少佐ありがとうございます!」
坂本に笑顔で礼を言う愛宕だが、どんな楽器かはよく分かっていない
「…テナーって…どんな楽器でしたっけ?」
「…こう、太鼓が沢山ついた楽器です。軽くても14.5キロあるんじゃないですか?」
愛宕へ坂本が説明すると、田中は眉間に眉を寄せる
「…やっぱテナーは編成から外すか…あんな重いの…ここの奴じゃまず持てないだろ…」
「あ、じゃあ私やりまーす!」
あっけらかんとした愛宕の声で目が点になる田中と坂本
「…は?…いや、お前話聞いてたか?15キロ近くの楽器持って歩き回るんだぞ!?っつか今足痛めてんじゃんか!」
「もう大丈夫ですよー」
「…あの、安静と言われたのなら安静にしておいた方がいいと思いますけど…」
「だってお二人はそのテナーという楽器を演奏する人がいないから困ってるんですよね?ならここは先日助けていただいたお礼も込めて私がそのテナーをやります!やりたいんです!」
興奮気味の愛宕はずいずいと田中へ近づいていく
ずりずりと後ずさるようにソファーの端へと追い詰められた田中
「…お、おう…わかったから…ちょ、近いって…」
一瞬自身の胸へと田中の視線が向けられたことを見逃さない愛宕
「…とりあえず足が完治するまでは動き回るのは無しだ…テナー…うん、叩き方は教えてやるから…な?」
「やったぁっ!お任せください!」
愛宕は嬉しそうにソファーの上で跳び跳ねる
直後、田中はさっと視線を愛宕から逸らす
「(…ぴょんぴょんよりもぶるんぶるんだな…っつーかあんだけ跳ねて…あれってもげないのかよ…)」
愛宕のある部分を意識した田中は坂本からの視線に気づく
「…」
坂本からのジト目…いや、むしろかわいそうなものでも見るような冷めた眼で見られ、田中は渋い顔をする
「では田中少佐、坂本少佐、私寮に戻りますね!明日からもよろしくお願いしますね!お休みなさーい」
田中の心境を知ってか知らずか…
愛宕は笑顔で両手を振りながら執務室の扉の方へ向かい、部屋から出ていった
「…田中君?」
「…いや、言うな……っつーか目の前であんなぶるんぶるんやられたら嫌でも目が行くだろ!」
坂本と二人きりになった田中は冷や汗をかきながら手をワタワタとさせる
呆れたようにため息を吐く坂本
「…胸がお好きなんですか?」
「…?…いや、健全な男子なら当然だろ……ん?お前もしかして貧乳好きだったか?」
「……いえ…もういいですよ…」
執務室の明かりはまだ消えることはない
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇
翌日
既にルーティーンとなった午前中のトレーニングを終えた少女達
午後からは音楽室とホールとで練習場所が別れた
金管楽器、木管楽器担当の約3分の2の少女達がホールへ…
残りの打楽器担当の少女達が音楽室にて集合となった。皆いつも通り運動着にジャージだ
音楽室に入ると、部屋中央に7本の楽器を乗せるためのスタンドが綺麗に横1列に並び、その上に楽器が置かれている
中央、3台並んだスネアドラムの前には神風、霰、朧の3人が立ち、スネアドラムの右手側にはテナードラムが設置され、愛宕が立つ
テナードラムの反対側、スネアドラムの左手側には3台のベースドラムが縦にスタンドの上に並び、それぞれ満潮、曙、初月が立つ
スネア、テナー、ベース3種類の楽器列の後方には鍵盤楽器のマリンバ、ビブラフォン、4台のティンパニが置かれ、タンバリンやウインドチャイム等の小物の鳴り物楽器がいくつか入った衣装ケースが置かれており、その前には吹雪、香取、扶桑…そして金剛が立っている
「…よし、んじゃあこの隊列の並びを覚えていてくれよ?打楽器で合わせたりする時は基本この隊列で練習するからな!」
黒板の前に立つ田中が説明を始める
「…毎回少佐が楽器の準備をしてくれるんですか?」
目付きの悪い香取が田中へ質問
「いや、基本的には皆に準備をしてもらう。けど自分の担当楽器だけでなく、打楽器全員で協力して準備して貰えると助かるな」
「…どうして自分の楽器だけ準備してはダメなんですか?」
吹雪も質問
「大体の音楽活動もそうだけど、マーチングバンドは特にメンバー同士の信頼が大事だからな…私の分だけ用意すればいいや、ってのは良くないからだ」
田中の返答に吹雪は少しだけむっとしながらも納得
「…んじゃあ早速だけど、パーカッションの基本からやっていこうと思う…全員共通でスティックの持ち方から教えるぞ」
金管、木管楽器は坂本が…打楽器は田中からのレッスンが始まった
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…まずは右手で人差し指と親指でオーケーサインを作る。そうしたらその穴にスティックを入れて…ああ、霰のが正解だ…初月…息荒くするのやめてくれよ…」
「…叩きつける、じゃなくてただ落とす…これが基本だな。その落とす腕に対してほんの少しだけ勢いをつけてあげるだけだ…そうそう。神…風?…うん、神風はスジがいいな」
「ああ、ベースはまた少しだけ叩く角度が違う…てっ…いてぇって…別に触りゃあしねぇからつねるなよ曙!」
「…あー…吹雪?今ベース教えてるからよ…鍵盤はちょっと待っ……え?満潮と一緒に?……はぁ…仲いいんだな…君ら…」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
音楽室 1600
午後はみっちり田中からの基礎指導を受けた少女達
大きなトラブルもなく、夕刻に迫る
「…」
中でもティンパニ担当の金剛は真剣にマレットを手に、休む暇なく低い位置で打面を叩く
所謂ロール奏法だ
そのティンパニの前にはストップウォッチのようなものを手にした田中が立っている
「…そう、そうそう…ロールはとにかく細かく細かく叩き続ける…単発に聞こえないように…流れる水のように「うるさいデス…気が散りマス…」…ひっでぇな………はい、オーケー。やめていいぞ」
ストップウォッチを止めた田中がそう言うと、金剛はマレットを止める
「…ふぅ」
5月とはいえ閉めきりの音楽室はなかなかに暑い
金剛は額の汗を袖で拭おうとする
「ほらほら駄目よ、金剛ちゃん!これ使って」
そう言って金剛にハンドタオルを渡すのは愛宕
こちらも汗をかいてはいるが、首もとにはフェイスタオルを下げている
「…う…あ…あ、ありがとうございマス…」
少し頬を赤くした金剛は愛宕からタオルを受けとる
まるで母親と娘とのやりとり…
金剛は相当恥ずかしかったようで、小さなタオルで顔を隠している
「…はは…まぁでもあれだ…金剛って結構ティンパニのセンスあるかもな」
「…ふん…ゴマをすったところで何も出まセン!」
「…本当の事なんだけどなぁ…まぁいいや…んじゃあ今日の練習はここまでだな…うん。皆もいい感じで叩けてたし、思ってた以上に進んで良かったよ」
再び黒板の前へ移動した田中は打楽器の面々にそう伝えると、初月がくすくすと笑う
「…ん?どした?」
「…ああ、いや…そうしているとまるで教師の様だな…僕は学校なんて行ったことはないが」
二十代のジャージ姿の男性が黒板の前に立つ
確かにぱっと見ただけでは部活の顧問が生徒に楽器を教えているようにも見えた光景…
「…田中……先生?」
そんななかでスネアドラムの前に立つ朧は笑いながらそう呟くと、愛宕も頷く
「あら、良いじゃない!本当、まるで先生ね!田中先生!」
愛宕や扶桑、霰も肯定するように頷く
「…は?…いや…せ、先生って…あのなぁ…」
等の本人は恥ずかしそうに、照れながら焦っている
「…良いじゃないですか。なんかしっくりきますね」
意外にも目付きの悪い香取もノッてきた
「…明日からよろしくお願いしますね。田中せんせー」
吹雪からも嫌味のような言われ方をされる始末
はぁ、と田中は大きくため息し
「…ああ、先生でもなんでもかまやしねぇよ…けど、他の海軍の人がいる前ではやめてくれよ?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…あはは…田中君もですか…」
執務室 1900
本日のトレーニング、練習指導を終えた田中と坂本が執務室のソファーに向かい合って座り、赤城に運んで貰った夕食を食べている
「…も…って…お前もか?坂本」
口に食べ物を詰めながら驚く田中
坂本の隣で食事をする赤城は田中を睨む
「…田中少佐…食べながら喋るのはやめた方がいいですよ…もぐもぐ」
「…んむ…こりゃ失敬…って、お前も食ってんじゃねーか」
赤城と田中のやりとりを微笑ましく見つめる坂本は頷く
「黒潮さんと早潮さんが発端で…気づけば断れない空気になってしまいましてね…」
「鳥海さんなんて坂本先…少佐のこと師匠って呼んでたんですよ?」
ジト目で赤城を睨む田中
「…あー…赤城、お前ももう毒されてるぞ。今先生って言おうとしてただろ」
「してません」
「いや、言おうと「してません」
あはは、と苦笑いの坂本
「え、ええと…打楽器の方はどうでしたか?」
険悪とまではいかないが、このままでは田中は赤城に言葉と視線でメンタルが滅多打ちにされると予想した坂本は、そんな迷い子になりそうな田中へ今日の講習の事を問う
「…ん?…あー…そうだな…うん、悪くない。流石と言うべきか、上手い下手は置いておいて物覚えは全く問題ないな」
「…管楽器もです。吹けはしなくとも楽器の特性や音作りの役割を理解しているのはわかりました」
坂本と田中の話を聞いていた赤城は少し恥ずかしそうに縮み込む
「…ああ、勿論赤城さんも頑張ってましたね。初めてであれだけ理解出来ているのは凄いことです。自信持ってください」
坂本がそう言ってにこりと赤城に微笑むと、赤城も顔を赤くして「はい」と嬉しそうに答えた
「…そういえば…金剛が意外にも才能発揮というか…凄かったな…ありゃあ上手くなるぜ」
「…金剛さんが?」
坂本が聞き返すと田中は頷く
「…ああ、全く初めての経験の筈なのになんつーか…チューナーも上手く使えるようになってるし、ロールなんて文句言いながら綺麗に叩いてたぜ。音圧も申し分ないしな」
むむ、と赤城がジト目で田中を睨む
「…随分と金剛さんを持ち上げるんですね?」
「本当のことだっつの…まぁあれだわ…出来ればもっとちゃんと教えてやりたいんだがな…俺すげー嫌われてるからさ…」
あはは、と自嘲するように笑う田中
そんな時、坂本がなにかに気づき、執務室の扉の方へ視線を向ける
「……?」
「ん?どうした坂本」
「…あ、いえ…」
坂本がソファーから立ち上がり、扉の方へ向かおうとすると扉の向こう、廊下から誰かが走っていく音が聞こえる
「……誰かいたのか?」
「…三隈さん達でしょうか…」
赤城がそう問うも、坂本は首を横に振る
「…わかりませんが…見てきた方が良いですかね?」
「…いや、いいさ。別に聞かれて不味い話してたわけじゃねぇし」
田中はポケットに入っているであろうタバコをまさぐっていると、赤城からの視線に気づく
バツの悪そうな表情になった田中はソファーから立ち上がると執務室の扉の方へと向かう
「…ほんじゃ、鎮守府見回りに行ってくるぜ」
「…素直にたばこを吸いたいと言えば良いじゃないですか…」
ため息混じりに赤城がそう言うと、田中は意外そうな顔をする
「…あん?…なんだ…ここで吸って良いのか?」
「きちんと喫煙所に行ってください。一階にありますから」
赤城の屈託のない、悪意のこもった笑顔を見て、肩を落とした田中は執務室の扉のドアノブをひねった
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇
翌朝 1000
場所は変わり西海支部直下
肥後海軍飛行訓練基地
上り始めた太陽がコンクリートの滑走路を照らす
ここは日本国軍海軍に所属する新米飛行隊員育成を主とした基地である
そんな基地、航空機格納倉庫にて東海支部将校の鈴木中将と加藤少将の姿があった
二人は基地本館で基地将校からなにやら話を受けている
「…ですが…私個人としてはやはり早急に空母の再開発、その運用を目指すべきかと…深海棲艦と戦うにあたって基地飛行場では当然限界があります…」
まだ20代後半と思われる若い男性将校が、ずらりと並ぶ航空機を見ながら困ったように笑う
そんな将校の笑顔を見て鈴木もやれやれと行った風に
「…今思えば…加来中将…いや、大佐が声を大きくして提言していたことが正解だったんだろうな……俺達も大佐の声を真剣に聞くべきだった…」
鈴木の言葉を聞き、加藤も頷く
「…さ、鈴木中将…そろそろお時間が…」
加藤にそう言われて鈴木もああ、と返事をする
「…肥後の軍事費の件。間違いなく上に伝えておこう。若い航空隊員達のためにもな」
鈴木の言葉を聞いて基地将校は姿勢を正して眼をうるわせながら頭を下げる
「あ、ありがとうございます!…何卒…!何卒よろしくお願い致します!」
涙眼で頭を下げている若い将校の肩をぽんぽんと叩く鈴木
「…ああ、勿論だ…今まで苦労を掛けたな。若いの」
鈴木の言葉を聞き、頭を上げて涙を拭う若い将校
「…あ、あはは…いえ…その…申し訳ありません……これまで視察にいらっしゃった大本営の方々には私の話を殆ど聞いていただけなかったので…」
「…そうか…」
「…それに対深海棲艦用の艦艇や兵器の開発をしているわけでもないのに軍事費の催促なんて、と散々言われてきたので…」
そう言って若い将校は航空機に近づきその機体に手を触れる
機体を優しく撫でる彼の姿を見て加藤が笑顔を向ける
「……確か、お父様も航空隊員だったとお聞きしました」
「…ええ。丈一…友永丈一…私の父です…もう既に他界しましたが…」
「…お父様も肥後の航空隊で?」
「あ、いえ…晩年の所属は私にも詳しくは知らされてなくて…アメリカ海軍の航空部隊に所属し、勇敢に戦い散った、とだけ…」
「…なるほど。辛い過去を聞いてしまいましたね…申し訳ありません」
加藤はそう謝罪して若い将校、友永基地提督に頭を下げる
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
肥後海軍飛行訓練基地から出た鈴木と加藤は車に乗り込む
「…はぁ…」
「お疲れ様です。鈴木中将」
後部座席で項垂れる鈴木を隣に座る加藤が労う
「…ああ…そういえばここはまだ近いのか…」
「…近い…ですか?」
加藤が問うと鈴木は頷く
「…播磨鎮守府」
ああ、と加藤は理解
「…そういえば鈴木中将の部下の者達が着任していると「加藤、今は俺とお前の二人だ。崩せ…」…鈴木君の教え子がいるんでしょう?」
「…ああ。完全に俺の不注意でな…吉津根のアホに若いの二人を引き抜かれた…だからせめて…なんとか時間を見つけて播磨へと行きたいんだがな…」
そう言って鈴木は肩を落とす
肩を落として車の窓から外へと視線を向ける
「…吉津根中将…ですか…」
「…お前よく話すのか?」
「いいえ全く…私より若くとも階級は上ですからね…まず会って話すことがない…そういえば中将は兵器開発からは大分嫌われているそうですよ?」
予想しなかった単語が出てきて加藤の方を見る鈴木
「…兵器開発から?」
ええ、と加藤は肥後の資料を取り出してなんとなしにぱらぱらとページをめくる
「どうも吉津根中将は兵器開発部署に度々顔を出しては無茶な開発をさせているようですね。特に半自律装置の開発に力を注いでるとかなんとか…」
「…なんだよそれ…全然知らねぇんだが……ったくよぉ…おめぇはいつもいつもどうやってんな情報手に入れてんだ?いつもの秘密の諜報員か?」
「…話せば秘密じゃあなくなりますよ。ふふふ」
呆れたように笑う鈴木は再度ため息を吐き、2つ折りの携帯電話を取り出す
「…仕方ねぇな…2人は死んではなさそうだし、とりあえず俺らは俺らで一度支部に戻るか…そろそろ菱作戦も動き出すっつー話だからな…」
「…静岡三大鎮守府の合同作戦ですね…うまくいきますかねぇ?」
加藤からの問いを鼻で笑う鈴木
「はんっ……伊豆の源って奴…あの加来大佐の教え子だったんだろ?なら多少はまともな働き出来んじゃあねぇか?」
「……うーん…はは…どうですかねぇ…」
興味なさそうな鈴木と苦笑いの加藤は東海支部へと向かう
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
同時刻 播磨鎮守府
「……えーと…」
その日、朝から執務室で花瓶の水を交換していた田中
すると突然守衛の揖保川が執務室に息を切らせてやってきてこう言った
"すぐに正門に来てほしい"…と
正門に来た田中は二人の男性の姿を見つけた
士官服を着た二人の男性は田中へ敬礼をする
「東海支部からやって参りました!夢崎中尉です!」
「…同じく市川少尉です」
突然、なんの前触れも連絡もなく現れた二人の士官
現状がよくわからない田中はとっさに敬礼
「…あっ…えっと…田中少佐です!ようこそ播磨へ!」
「ふ……ええ、どうぞよろしくお願い致します!」
一瞬だけ鼻で笑ったように見える夢崎は、田中の返答に再度敬礼
不敵に笑う夢崎中尉
無表情の市川少尉
そんな彼らの表情を見て、田中のとなりに立っていた揖保川は何か嫌な予感を感じていた
ついに音楽隊行動開始。
それに関係して夢崎さん、市川さんも播磨入りしました。
次回をお楽しみに