大本営の資料室   作:114

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はい


東海支部から夢崎さん達がやってきて1日目になります

どうぞ


File87.少女達のプレリュード⑫

 

 

 

青森の西部でわっきゃ産まぃだ

 

わらすの頃がら日本守る海軍さ憧れがあったわっきゃおがって中学卒業ど共さ海軍士官学校へど上京すた

 

 

最初だば東京のふととは会話すら合いもすねがったが、粛々ど成績上げ卒業

 

華の大本営、東海支部着任どなった

 

 

 

だがそれが間違いだったんだびょん…

 

最初さ付いだのがあの吉津根中将…

 

 

吉津根中将は確がに頭がい…

 

だがそれは…正直さしゃべれば姑息な、としゃべる意味だ…

 

 

どうもわさだっきゃ合わねふとだど常々感ずではいだ…

 

 

だがこのふとはわのせんせであり恩師…

 

そもそも海軍にいるわさ吉津根中将さ逆らうどぇう選択すねがった…

 

 

 

今回の任務もそうだ

 

 

自堕落な存在どなった播磨の艦めらはんどすぐに解体せよど命令受げだが実際さ彼女達さ会って、関わって吉津根中将のしゃべってあった者達どは全ぐがげ離れだ者達であった

 

 

 

…今まで吉津根中将さ従ってぎだばがりのわだが……

 

 

 

うむ…もうわんつかだげ様子ば見るべど思う…

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

その日、田中は焦っていた

 

突然現れ、播磨鎮守府へ着任した東海支部からの尉官二人

 

 

夢崎中尉と市川少尉

 

 

吉津根からの嫌がらせか?

 

それとも強行手段で艦娘を解体させる気か?

 

 

田中は焦っていた

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

播磨鎮守府 執務室

 

 

1000

 

 

「…あ、どうぞ」

 

 

午前は坂本による楽譜の読み方講座のため、音楽活動をする艦娘は全員ホールへと出向いている

 

 

故に播磨鎮守府提督であるジャージ姿の田中がコーヒーを夢崎と市川に淹れていた

 

 

「…申し訳ありません。田中少佐…まさか上官にコーヒーを淹れて頂けるとは…はは」

 

そう言うは夢崎中尉

 

ラグビーでもやっていたようながっちりとした身体、鋭い目付き…恐らく田中よりも7.8歳は年上だろう

 

笑いながらもその目付きの鋭さで睨まれ、田中は苦笑い

 

 

「…恐縮です。田中少佐」

 

もう一人の尉官、市川少尉である

 

 

夢崎とは対称的に線の細い色白な青年。

恐らく田中や坂本と同世代に見える

 

 

「…あー…いや…えっと…それで…今日ここに来た理由「それよりも少佐、艦娘の姿が全く見えませんが、どういうことでしょうか」

 

「…はぇ?」

 

 

夢崎は鋭い目付きで田中を睨む

 

 

「…吉津根中将より播磨鎮守府で音楽隊を作るとお話をお聞きしました。ですがその演者達の姿が見えないもので」

 

 

ああ、と田中は胸を撫で下ろす

 

 

「…今坂本…少佐が彼女達に譜面の読み方を教えているんですよ…昼までかかるんで………施設でも見学しま「いえ結構。こちらで待ちます」

 

 

夢崎は腕を組んでソファーにどかりと座る

 

年下とはいえ、田中は上官

中尉が少佐へ向けるべきではない態度に田中は若干イラつく

 

 

「…んで?お二人ともなんのご用で播磨へ?」

 

 

夢崎と市川が座るソファーの向かいに腰を下ろす田中

 

 

ふん、と夢崎が鼻で笑う

 

 

「…吉津根中将からの選択肢…どれも選ばずにいたあなた方を監視するために来たんですよ。田中少佐」

 

「…ストレートすぎんだろ…」

 

「…音楽隊?…ふん、全くもって馬鹿馬鹿しいですな。海軍の他の者が命を懸けて戦っているというのにあなた方は音楽隊設立を掲げて、裏ではちゃらちゃらと無駄に遊んでいる…そんなどうしようもないあなた方がこれ以上おかしな事をしでかさないよう我々はここにいる!ええ、すぐにでも吉津根中将へ連絡し、あなた方を飛ばすことも出来ますよ?」

 

 

ドヤ顔で嫌味を込めた夢崎の言葉をじっと聞いていた田中はコーヒーを一口飲む

 

 

 

「…あっそ……じゃあちゃらちゃらせずに真面目に音楽隊の活動をするってんならあんたらも協力してくれんだよな?着任したんだろ?播磨へ」

 

 

はぁ?と夢崎は片方の眉を上げる

 

代わりにこれまで黙っていた市川が頷く

 

 

「ええ。勿論真面目に取り組むというのであれば我々は協力しますよ」

 

「…!?市川!なにを勝手なことを!」

 

予想していなかった相方の言葉を聞いて、勢いよく市川の腕を掴む夢崎

 

「…い、痛いです中尉……吉津根中将から"音楽隊活動の邪魔をするように"、とは命令されていませんから…」

 

「…いや、そりゃあ言われてねぇが…!」

 

 

市川と夢崎のやりとりを見つつ執務室の時計の針を確認する田中

 

 

「…まぁあれっすね…音楽隊の活動は始めたばかりなんで皆すげぇ上手い訳じゃないですけど…みんなやる気になってるんで…俺らはやることは変わんないっすよ」

 

 

「…ふん、口ではなんとでもしゃべれる!わっきゃ自分のまなぐで見だものすか信用すね!」

 

 

そう声を荒げてソファーから立ち上がる夢崎

 

市川が夢崎をなだめる

 

 

「…まぁまぁ夢崎中尉…」

 

 

そこへこんこん、と執務室の扉がノックされる

 

 

「…はーいどうぞ」

 

形式も格式もない田中の言葉で扉が開くと、執務室にやってきたのは赤城だった

 

 

「…失礼します。座学の方終わりました」

 

「ああ、ご苦労さん」

 

「…?」

 

 

赤城はなにを言うわけでもなく夢崎達の事をじっと見つめる

 

田中がああ、とソファーから立つ

 

 

「…今日播磨に着任した夢崎中尉、そして市川少尉だ」

 

「…初めまして。赤城です」

 

それだけ言って赤城は敬礼をせずに頭を下げる

そんな彼女の姿を見て夢崎は顔を赤くし

 

 

「おめ!敬礼はどうすた!そえでも海軍の者が!」

 

赤城に殴りかかろうとする勢いだったが、田中が間に入る

 

 

「あーはいはい。うちじゃ敬礼は廃止してんだよ。鎮守府提督の命令だ。だからいちいち怒んないでくださいね。市川中尉」

 

 

名前を間違えられ、夢崎は市川を指差す

 

 

「…市川はこっちです!私は夢崎です!」

 

 

「…んじゃ、俺らはトレーニングに入るんで。ゆっくりしててくださいね。お二人とも」

 

 

夢崎の怒りを涼しく受け流し、それだけ言うと田中は赤城の背を押して執務室から出ていく

 

 

 

 

 

「…ぐ…ぐぐくくく…!」

 

「落ち着いてくださいよ夢崎中尉…」

 

「なんだあの態度は!…仮にも海軍の者が…ぬぐぐぐぐ…!!」

 

「…我々は吉津根先生に報告する権利はあっても、あくまで播磨のいち士官です…ここのルールがあるならある程度は従いましょうよ…」

 

どかりとソファーに座る夢崎

 

 

「おめはどぢらの味方なのだ!その態度改めねば罰するだ!」

 

 

夢崎の怒鳴り声も田中と同じ様に市川は涼しい顔で無視し、コーヒーを一口飲む

 

 

「……吉津根先生がここにいないから言えますけど…僕はどちらの味方でもありますし、敵でもあります」

 

「…なにぃ!?」

 

市川は自分を落ち着かせるようにコーヒーを一口飲むと、がちゃんと勢いよくカップをテーブルに置く

 

 

「…正直吉津根先生には思うところが多々ありますからね…夢崎中尉もそうでしょう?」

 

市川に言われ、むむ、と口を結ぶ夢崎

 

 

「…そ、それは今関係はない!…ふん!俺は様子を見てくる!トレーニングだなどと嘘をついて奴らどこでいちゃついてるかわからんからな!」

 

 

ずいっ、と残ったコーヒーを全て飲み干し、執務室から出ていく夢崎

 

 

市川はそんな彼の背中を見てくすりと笑う

 

 

 

「…ここで待つんじゃなかったのかな…?」

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

基地渡り廊下

 

 

渡り廊下の窓辺に両ひじを乗せ、外を眺めている田中

 

 

「田中少佐!!」

 

「…っせぇ…声でけえっすよ。夢崎中尉」

 

 

やってきたのは夢崎だった

 

 

「…やはり!トレーニング等と称してそんなところで何をしているのですか!」

 

「ん」

 

 

田中は窓の外を指差す

 

釣られて夢崎もそちらの方を見る

 

 

「……!あれは…」

 

 

渡り廊下から見えた光景

 

それは少女達が運動着に着替えて走っている光景だった

 

 

「…ふむ」

 

 

それもみなバラバラに走っているわけではなく、列を作り、ひとつのまとまりとなって足を揃えて走っている

 

先頭では宗谷がスティックでカウントを出しながら走っている

 

 

そんな彼女らをじっと見つめる夢崎

 

 

「…な?ちゃんとトレーニングやってんだろ?」

 

 

「…大したものですな」

 

 

夢崎が聞いた播磨の情報では、在籍する艦娘達は普段からぐうたらとし、スポーツはおろか走ることさえも拒否する者達ばかりだと聞いていた

 

 

故に目の前でちゃんと全員まとまって走っている光景に驚「むむむ?」

 

 

食い入るようにある者達を凝視する夢崎

 

「ん?どうかしまし…げっ…」

 

 

夢崎が見ていたのは後列よりも遅れ始めた数名の少女達

 

 

赤城や扶桑達だった

 

 

「…あー…まぁ、走るのが苦手な娘も「田中少佐…彼女達の元へ行っても?」あ、はい…」

 

 

田中へ断りをいれると、夢崎は駆け足で通路を走り抜けていく

 

 

「…これぁ…もしかして不味いか?」

 

 

夢崎の鬼気迫る雰囲気に、はっとして彼のあとについていく田中

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

グラウンド

 

 

 

「…ひゅー…ひゅー…ひゅー…」

 

「…う…ぉえっ……」

 

 

いつも通りへろへろの赤城と扶桑が走っており、いつもの通り皆よりも遅れ始める

 

 

 

「赤城さーん!扶桑さーん!ふぁいとー」

 

 

先頭で走る宗谷は二人にエールをおくるがその距離は縮まない

 

 

「…も、も…だめ…」

 

「ひゅー…ひゅー…」

 

 

「くぅぅぉぉおおおらぁぁああああ!!!」

 

 

全員の足が止まる

 

 

基地本館から見知らぬ士官が走ってこちらに向かってきているからだ

 

 

「ひぃ!?」

 

「だ、だれ!?」

 

 

だが走ってきた士官、夢崎は宗谷達の事を無視し、赤城達の方へと近づく

 

 

「おい!」

 

「はぁ、はぁ…」

 

「ぜえ…ぜぇ…」

 

 

座り込む赤城と扶桑の前で腕を組んで立つ夢崎

 

彼のこめかみには血管が浮いている

 

 

「おい!貴様らに走り方を教えたのは誰だ!!」

 

 

「「「え?」」」

 

 

予想だにしない事を聞かれ、少女達は固まる

 

 

「…聞こえんのか!…誰に走り方を教わった!」

 

 

おどおどとしだす少女達

 

謎の士官、しかも大男が当然現れ誰に走り方を教わったと聞いてくる

 

それもものすごい形相で

 

 

 

「…はぁ…はぁ…と…特に…だ、誰にも…」

 

 

息を切らした赤城がそう返すと夢崎は怒りで更に顔を赤くし始める

 

 

そんなところへ田中が遅れてやってくる

 

 

「ちょっ…な、何やってんす「田中少佐ぁぁあああ!!」え、なになに…」

 

 

がっ、と田中のジャージの両襟を掴む夢崎はすぅ、と息を吸い

 

 

 

「なすてぎぢんとはっけ方ば教えね!そったごどもせずに何トレーニングだ!適当な事すて怪我だきゃすたっきゃどうするつもりだ!!!」

 

「…わっかんねぇ!なに言ってんのか!」

 

「うわぁぁあん…!田中先生に手をだすなぁあっ!」

 

 

両腕をぐるぐると回しながら宗谷が夢崎の背中をぽこぽこと叩くが、痛くないのか夢崎は宗谷を無視

 

 

「指導するだら適当でなぐでちゃんと教えでけでけ!わがいるうぢはそった適当なごどは許さね!」

 

「…だぁあっ!マジでわかるように話してくれって!あと襟も離してくれ!伸びるから!」

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

ここで急遽夢崎中尉による走り方講座が数名の少女達向けにグラウンドで開かれた

 

 

 

「…だぁ!何故猫背になる!姿勢はきちんと真っ直ぐに!…そうだ!重心を下げるな!」

 

「す、すみません…」

 

 

主に扶桑に指導の熱を入れる夢崎

 

「…そうだ。そして腕は横に…そう、そうそう」

 

 

「…はぁ…」

 

「先生、大丈夫ですか?」

 

 

少し離れた場所でぐったりする田中へ声をかける朧

 

 

「…ああ…マジで…なんなんだよ…あいつ…」

 

「…でもなんか…悪い人じゃなさそうですね」

 

 

はぁ?と田中は朧の方を見る

 

「…悪い奴じゃなさそうだけど…ありゃバカだ…マジの脳筋だ…」

 

むん、と小さな胸を張る宗谷が田中の隣に立つ

 

「…私の百烈パンチが効きませんでした!…強敵です!」

 

「…お前はたんに筋力無さすぎだ…昨日も筋トレのあとすげぇ顔してたぞ」

 

「…え!醜かったですか!?」

 

「…というよりあれは…アヘ……いや、なんでもねぇ…」

 

「気になります!田中先生!どのようなアへ顔でしたか!?田中先生のお好みのアへ顔でしたか!?」

 

 

宗谷が楽しそうに田中と絡んでいる光景を見て朧はむっとする

 

 

「…先生…そろそろランニング再開したいんですけど…」

 

「ん?…ああ、わかったわかった」

 

 

 

よっこいしょ、と田中は立ち上がって夢崎の方へと向かう

 

 

「…なぁ、夢崎中尉…そろそろ再開したいんですがねぇ…」

 

「む!…ええ!了解しました!」

 

 

と、言って夢崎は士官服の上着を脱ぎ、官帽も取ると、ストレッチをし始めた

 

 

「?????…あ、いや…こいつらのランニングを…」

 

「扶桑にはまだサポートが必要と判断しました!私も共に走ります!」

 

「…はぁ?…や……まぁ別にいいすけど…」

 

「さぁ扶桑!教えた通りに走るんだぞ!」

 

「は、はい!やり遂げます!」

 

 

夢崎に声をかけられ、扶桑は両拳を握って気合いを入れる

 

 

 

そんな扶桑達を見て先頭の方にいる金剛が呟いた

 

 

「…あれはコントかなにかデスか?」

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

「…いやー…助かりましたよ。夢崎中尉…御指導感謝しますよ」

 

 

基地廊下を歩く田中と夢崎

 

 

あのあと、ランニングに続いて筋トレも夢崎トレーナーの世話になった

 

しかし夢崎トレーナーは不機嫌だ

 

 

「…ふん…田中少佐はもう少し目標を考えてトレーニングさせるべきです。ただ体力上げるために走らせるだけではなく、走り、体力をつけながらもどこの筋力を鍛えるか、なんのために鍛えるか、また姿勢や重心等も意識しなければなんの意味もないものもあります。その辺のこともきちんと「あーあーあー…わかりましたよ」

 

 

あ、と何かを思いつき足が止まる田中

 

「…んじゃあさ、夢崎中尉…あいつらのトレーナーになってくださいよ!いやーちょうど身体作りに詳しい人に来てもらいたかったんすよー!」

 

「…はぁ!?…いえ…それは田中少佐が「いやいやいやいや、俺なんかよりも知識あるし、体力もあるから実演もできる!いやー!やっぱエリート街道進む人は違うなー!」

 

 

そこまで煽てると、真顔だった夢崎の鼻の穴がぷくぷくと膨らむ

 

 

「…む…う、うむ…そうですね…確かに彼女等には…身体鍛えるだらぎぢんとすた…そう、知識や経験持ったいトレーナーがづいだ方がより効果期待でぎますはんでね…その点確がにわなら間違いはねはんで…」

 

 

嬉しそうに鼻の穴を膨らませる夢崎は一人でぶつぶつと呟き始める

 

 

"取ったな"と田中は頷く

 

 

「…よっし!んじゃ決まりですね!よろしくお願い致します夢崎中尉!」

 

 

田中は無理矢理夢崎の手を取って握手する

 

 

「…んっ…む…むぅぅ…わ、わかりましたから!…手を離してください!」

 

 

こうしてあっさりと田中陣営へと夢崎を引き入れることに成功した

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

午後 ホール

 

 

 

「…皐月さん。少し上です」

 

「…ん………はい……」

 

 

オーケストラ編成の様に椅子が並べられ、皆注目するなか、坂本がトランペットを構えて吹く皐月の前でチューナーをあててチューニングしている

 

 

「…はい。いいですよ」

 

 

管楽器メンバーだけでの練習である

 

 

少女達の前に坂本が立ち、練習楽譜の説明や音の出し方等指導している

 

 

「…ではもう一度ロングトーンを…」

 

 

坂本がメトロノームを鳴らし、それに合わせて吹き始める少女達

 

 

 

 

 

「…すみません。少し良いですか?」

 

「…え?」

 

 

突然声をかけられ、少女達の音を止める坂本

 

少女達の後ろに立っていた市川が手を上げている

 

 

「…ああ、ええと…市川少尉どうぞ」

 

「はい」

 

 

 

 

田中と夢崎がグラウンドに行く頃、座学を終えた坂本は執務室にいた市川と顔を会わせた

 

意外にも市川は楽器経験があり、協力できることなどないかと坂本についてきたのだ

 

 

 

「…ソプラノサックスの…松さん?」

 

突然名前を呼ばれた松はぎょ、と驚く

 

 

「え、あ、はい!」

 

「…そのリード変えましょう。多分寿命です…使うなら2半のリードにした方が良いですよ」

 

 

「あ、は、はい…ええと…リードリード……」

 

ごそごそと足元に置いてあったケース内を探し始める松

 

そんな彼女に市川が近づいてくる

 

 

「…あ、や…ご、ごめんなさ…」

 

 

涙眼になる松だったが、市川はケースのサイドポケットを開け、中から小箱を取り出す

 

 

「…これですね。はい」

 

ぽん、と松にリードの入った小箱を手渡すと、坂本のいる方へと戻る

 

 

「…あ、ありがとうございます」

 

市川が戻ってくると、小声で彼に礼を言う坂本

 

 

「いえ。なんとなく吹いてる音が痛々しかったので…申し訳ありません。余計なことを…」

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

艦娘寮 2030

 

 

本日のトレーニングも無事終わり、夕食を食べ終わって各自寮の部屋でおもいおもいに過ごしているなか、とある三人を覗いた否定派の面々は談話室でテーブルを囲っていた

 

 

 

「…でも、珍しいわね…金剛さんがあの新しい士官の二人を敵視しないだなんて」

 

 

開口一番に声をあげたのは神風だった

 

練習で使ったスティックを持ち、その先端をもちもちといじりながら金剛に問う

 

 

「…ああ…何て言うか…意外だったな…」

 

近くのソファーに座っていた鳥海もマウスピース片手に呟く

 

 

当の金剛は練習で疲れたのか、特に大きなリアクションをすることなくソファーに深く項垂れる

 

 

「…そう…デスかね…よくわかりまセン」

 

 

とは返すも、金剛は神風達の言っていることを一番理解している

 

 

田中や坂本と関わって、赤城や初月、扶桑達とも以前よりも話すようになって金剛の考え方は改めつつあった

 

 

問答無用で海軍は敵だ、の精神が薄れはじめ、コミュニケーションを取ることでその人がどういう人なのか、相手は何を思っているのか、といったことまで考えるようになってきたのだ

 

 

 

確かに夢崎はすぐ怒鳴り声を上げる…扶桑や赤城にも厳しく接していた

 

 

だが彼はランニングが苦手な赤城達にも細かく、わりと分かりやすく指導してくれた

 

 

市川の件も似たようなものだ

 

 

実際今日、打楽器である金剛達は市川から特に指導はされていない。しかし松からの話によればかなり耳が良いらしく、坂本が気づけない部分も上手いことサポートをしてくれたという

 

 

 

何故突然二人が播磨にやってきたのかはよくはわからない

 

 

だが最初から全否定ではなく、一度立ち止まって冷静になって様子を見る

 

それから動くでも良いのかもしれない、と考えが変わってきたのだった

 

 

 

「(今になって赤城サンのような事を考えるなんてね…私も…ノン…私の方がお馬鹿だったのかもしれまセン)」

 

 

ふ、と一人笑う金剛はソファーに座り直し、否定派の面々の顔を見る

 

 

「…皆…お話したいことがありマス」

 

 

金剛がそう言うと、皆彼女に注目する

 

 

「…う…あ…ええと…」

 

 

金剛が言いずらそうに言い淀んでいると、少女達の一人、皐月がぽん、と彼女の背中を撫でる

 

 

「…ありがとう…皐月ちゃん…」

 

金剛は大きく息を吸い、吐く

 

 

 

「…私…改めて皆と音楽がやりたいデス…元々は私の勝手に皆を付き合わせてしまいマシタが…」

 

皆なにも言わずに金剛の言葉を聞く

 

 

「…きっとこれは最後のチャンスだなって…そう思って…だ、だから…皆で…やり遂げたいんデス!」

 

 

手を震えさせながら、目元に涙を浮かべながらそう力強く訴える金剛

 

彼女の隣に座っていた那珂が金剛の手を優しく握る

 

 

「…だ、ダカラ…皆も…「ったくよー…仕方ねぇなぁ金剛姐さんはよぉ」

 

 

金剛の言葉を遮ったのは窓の近くに座っていた有明だった

 

 

「…あ、有明…?」

 

「…あたしらは最初っから金剛さんについていく気まんまんなんだからさっ…今更…そんな顔すんのとかやめとくれよ」

 

そう言って笑う有明

 

彼女の言葉を聞いて鳥海や摩耶も笑う

 

 

「…ああ…金剛さんにそんな姿は似合わねぇって…大丈夫だっつの。みんなわかってっからさ!」

 

 

マウスピース片手に鳥海は握り拳を作る

 

こんなにも慕われていたなんて、と金剛は更に目元が潤う

 

 

「…み、みんな…!」

 

吹雪や香取も笑顔になる

 

 

「みんなでやりましょう!かっこいい音楽創りましょうよ!金剛さん!」

 

「…ええ。私達だけでなく…播磨のみんなで!」

 

 

「…ブッキー…香取…あ、ありがとう…ありがとう皆!」

 

 

涙ながらに否定派の皆に礼を言う金剛

 

松が椅子から立ち上がる。

なにかを決意した表情だ

 

 

「…なら…ケジメはつけないと、ですよね?…皆さん」

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

基地本館 私室 2100

 

 

 

本日着任した夢崎と市川に用意された寝泊まりの部屋

 

なお右隣が田中と坂本の私室

 

ちなみにその更に隣に執務室がある

 

 

 

夢崎は上半身裸で床で腕立て伏せをし、寝間着に着替えた市川は窓横の椅子に座り本を読んでいる

 

 

 

「…僕は納得いきません…何故夢崎中尉と同室なんですか…というかここで筋トレは止めていただきたいのですが?」

 

市川は鬱陶しそうに、かつ夢崎に聞こえるように嫌味を言う

 

 

「はぁっ…はぁっ…ん?…ああ、俺のことは気にするな。日課だ」

 

「…気にしますよ…部屋が汗臭くなったらどうするおつもりですか…」

 

「…おめ!…わー汗臭ぇどしゃべるのが!?わっきゃ臭ぐね!むったどギャツビーやってんだはんで!」

 

「…夢崎中尉上京して何年経つんですか…そろそろ標準語で話してくださいよ…感情的になるといつもそうなんだから…」

 

 

ぶつぶつとぼやく市川

 

そんな市川の向かいに座る夢崎

 

 

「…それよりも。だ…奴等はどうだった?」

 

鋭い目付きで市川を睨む夢崎

 

奴等、とは田中達の事だ

 

 

 

「…ええ。正直吉津根先生から聞いていた方々とは印象が全く違いましたね…害のがの字も感じられません」

 

 

「…報告…どうするか…」

 

「…無理に御報告せずとも良いのでは?…吉津根先生…無駄なことをひどく嫌うじゃないですか…」

 

「む…まぁ…そうだな…」

 

 

夢崎、素直に頷く

 

 

「…はぁ…夕食…久しぶりにゆっくり食べれましたね」

 

 

ははは、と笑う市川

 

 

「…ふ…そうだな…いつも吉津根先生の食事に付き合わされるからな…」

 

2人とも思い出すは吉津根の食事風景

 

 

「…ふふ。吉津根先生の食べっぷり…あれを見たあとは何故かお腹空きませんからね…」

 

「…言うな…吉津根塾の皆も感じてる」

 

 

首を横にふった夢崎はタオルで体を拭くと、ガウンを羽織る

 

市川は読んでいた本を閉じて欠伸

 

 

 

「…あーあ…僕も鈴木中将や山本大将…次元大将からの教えを頂きたかったですよ…」

 

「…今のは聞かなかったことにしてやる…思っても口に出すものじゃあないぞ?」

 

 

頭にナイトキャップを被りながら呆れたように笑う夢崎に、適当に敬礼する市川

 

 

「はいはい…失礼致しました、夢崎中尉どの」

 

「…全く…これだから最近の若い奴は…」

 

 

ぶつぶつ独り言を言いながら美顔ローラーで顔をマッサージする夢崎

 

 

 

「……僕はもう少し…田中少佐達やあの娘達の頑張りを見てみたいですね…まだ初日ですし」

 

 

市川が思い出すは今日の管楽器の練習風景

 

 

坂本が前で指導しているのに余計なことを言ったかなと若干後悔していたが、当の坂本本人はむしろもっと見てほしいとわざわざ頭を下げてきた

 

 

教えられている少女達も自分がアドバイスをすると、抱えていた疑問に対して理解、納得してくれる者が多く、次のテイクでは楽しそうに楽器を吹いていた

 

 

そんな彼女達をすぐに解体させるなんて、と考えを巡らせる

 

 

それは夢崎も同じだった

 

 

わずかな時間とはいえ、赤城や扶桑は自分の教え子になっていた

 

 

関わりを持った

 

 

そんな彼女達の頑張りを無下にしたくはない

 

それが夢崎の初日に感じた本心だった

 

 

 

「…なんも関わらなかったら…もっとすっぱりと決断したんだろうがな…」

 

 

そう言いながら夢崎は化粧水で顔を潤わせる

 

 

「…さっきからなにやってるんですか?…中尉」

 

「…ケアだ…お肌の…」

 

「…そうですか…ん?」

 

 

隣の部屋の方から何かの物音を聞こえ、市川の顔つきが変わる

 

 

「…んー?…どうし「シッ…ちょっと黙ってください」…お前な…一応俺お前の上官…」

 

 

 

どうやら隣の田中達の私室ではなく、さらにその奥、執務室の方からだった

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

同時刻 執務室

 

 

 

消灯までの暇潰しと称して朧、三隈、鈴谷が来ていた執務室

 

3人はソファーで談笑し、田中は執務机で新聞を広げて読んでおり、坂本と赤城は窓辺でコーヒーを飲みながらなにか話している

 

 

 

「…失礼シマス!」

 

突然執務室の扉が開き、金剛達否定派の艦娘達がやってきた

 

 

初日の襲撃の時と似たシチュエーションに田中は新聞を盾のように金剛へと構える

 

 

「ぉっ…おぉ!?な、なんだよ!ノックしてくれよ!」

 

「…あ、すいまセン…じゃなくて!」

 

 

ずい、と一歩田中へ近づく金剛

 

朧も三隈も何が起きてもいいようにソファーからほんの少しだけ腰を浮かす

 

 

「…金剛さん…これは一体…」

 

突然の来訪の金剛を心配する赤城

 

金剛は一目だけ赤城の方へ視線を向けるとすぐに田中に視線を戻し、頭を深く下げる

 

 

「…はぁ?」

 

 

驚く田中をよそに、金剛が連れてきた否定派の少女達も金剛に倣うように皆深く頭を下げる

 

 

 

「田中少佐!坂本少佐!…申し訳ありませんでシタ!!」

 

「「「申し訳ありませんでした!」」」

 

 

 

少女達の謝罪で執務室の時間が一瞬だけ止まる

 

田中も坂本も眼を丸くして驚き、赤城や三隈も彼女達の行いに息を飲む

 

 

「…一応聞いておくけど…何が…だ?」

 

 

恐る恐る田中は金剛に問う

 

金剛は頭を下げたまま一度肩を震わせる

 

 

 

「…わ、私は…自分が海軍から見放されて…逆恨みして海軍をずっと憎んでいマシタ…それで…新しく着任した田中少佐、坂本少佐の事を…私とは関係ないお二人を目の敵にして…皆を騙して襲わせマシタ…酷い暴力を…行いマシタ…」

 

 

金剛がそこまで言うと、鳥海がばっ、と顔を上げる

 

 

「…ち、ちがっ…!あたしらは騙されてなんか「全て!全て私が原因デス!この娘達は関係ありまセン!ダカラどうか私の解体で許していただきたいノデス!」

 

 

鳥海の言葉を遮り、頭を下げていた金剛が床に手をつき土下座する

 

 

「…申し訳ありませんデシタ!」

 

 

「…違う!悪いのは金剛さんじゃねぇよ!あたしらが勝手に「鳥海さんじゃねぇ!あたしだ!」

 

 

金剛が土下座したのを切っ掛けに私が私がと鳥海や有明まで涙ながらに責任を取ろうと懇願しだす

 

 

その光景を見た朧も三隈も困惑し、鈴谷も口を真横に結んで顔を俯かせているが、ぐ、と拳を握り立ち上がる

 

 

 

「…違うしっ!もとはといえば鈴谷が最初に「よし!わかった!」

 

 

鈴谷の言葉を遮り田中がぱん、と手を叩く

 

 

静まり返る執務室

 

注目される田中

 

 

「…ここまでやられてあの日は転んだだけ、っつーのは流石にスジが通らねぇよな…お前らの謝罪、しっかり受け取った…で、だ…」

 

赤城が心配そうに田中を見つめる

 

これから何を言うつもりだろう、と

 

 

 

「…まぁあれだ。ここに来て最初に謝ったろ?だからそれで十分…俺はお前らを許す。お前は?坂本」

 

 

田中に問われて坂本はにこりと笑う

 

 

「勿論。僕も許しま「おし!じゃあこれでこの話は解決!おしまい!ジ、エンドだ!」

 

 

田中のさらっと具合に困惑する面々

 

金剛は顔を上げる

 

 

「や…ふ、ふざけないでクダサイ!艦娘が上官に暴力を働いたのは事実デス!なら相応の懲罰を…!」

 

「金剛…いや、金剛だけじゃねぇよな…お前ら相当悩んで後悔もしたんだろ?……多分」

 

 

「「「!?」」」

 

 

「なら十分それで懲罰になっただろ?…俺はもうそれ以上罰を与えるつもりはねぇし、初月みたいなドMな奴がいない限りこの話はもうおしまいだ。オーケー?」

 

 

「オーケーじゃないデス!……だって、それならワタシ達は「金剛は俺に馬鹿って言われるのと、罵られるの。どっちが良いんだ?」

 

 

金剛が言葉に詰まった瞬間、田中がそれを遮るように言葉を挟む

 

 

「で、でもそれは……でも……」

 

 

金剛は顔を俯かせながら言葉を探すように視線を彷徨わせる

 

そんな彼女の姿を横目に、田中は改めて少女達に向き直る

 

 

「…お前らが俺達海軍を嫌ってることは知ってるし、それを注意するつもりもない…ああ、まぁ、本当は軍である以上はそんなのは良くねぇのはわかってる…でも良いんだ。皆それぞれ考えも感じ方も違う。過去に何があったかなんて詮索するつもりもねぇよ…ただ…ただただみんなで良い演奏がしたい。音楽を楽しんでもらいたい…そんだけだ」

 

田中の真摯な言葉を聞いた少女達は一瞬驚いたような顔をした後、力強く頷く。

 

そんな彼女達を見た田中はふっと優しく微笑みながら

 

 

「…んじゃ、今度はこっちだな…」

 

 

そう言って、田中は少女達に頭を下げる

 

 

 

 

「…悪かった…俺…俺達もお前らの事情を考えるべきだった…言っちまえば…播磨には何も考えずにほぼ無理矢理侵入してきたようなもんだ…正直殴られたって仕方のねぇ状況だった」

 

 

田中が頭を下げる姿を見て少女達は困惑する

 

「…でもそれがあんたらに下された命令なんだろ?…なら本来は悪いも何もねぇって…」

 

 

少女達の1人、有明が気恥ずかしそうに呟くと、坂本が一歩少女達に近づき、田中と同じように頭を下げる 

 

 

「…いえ、十分に考慮して行動していれば恐らくもう少し色々と穏便に済ませられた筈です…勝手な行動ばかりしてしまい申し訳ありませんでした」

 

 

まさかの坂本からの謝罪もあって金剛達は手をわたつかせる

 

 

「…やっ…そん……わ、私達も……」

 

キョドる金剛は皆の顔を見て一つ咳払い

 

 

「…な、なら私達も許しマス…許しマスからもう頭を上げてくだサイって!」

 

 

「…サンキューな」

 

 

田中と坂本が頭を上げると、なんとなくしんみりとした空気になる

 

 

「…あー…ええと、だな…」

 

 

言葉につまっていると、開かれたままの扉がノックされる

 

 

 

「…げ」

 

 

夢崎中尉と市川少尉だった

 

寝間着を着た市川と、ガウンを羽織り、頭にナイトキャップを被った夢崎が扉の向こう側に立っている

 

 

あちゃー、と内心頭を抱える田中

 

二人は吉津根の小飼い…

 

今の話を聞かれて吉津根に告げ口されれば播磨は間違いなく終わる

 

 

「…あ、えーと…その…これ…は…ッスね…」

 

 

流石に言い分けは出来ない田中は言葉が出てこない

 

坂本もなにも言えずに少女達も俯いてしまう

 

 

そんな面々の雰囲気を感じ、夢崎は大きくため息を吐く

 

 

 

「…お喋りなら小声で願います田中少佐…扉開きっぱなしでは声が漏れてうるさくて寝れませんからね」

 

 

「…え?」

 

思いもしない夢崎からの言葉にきょとんとする田中

 

夢崎はナイトキャップを被り直す

 

 

「…全く…なんの話をしていたか皆目検討もつきませんが、夜更かしは肌荒れの原因になりますから…良いですね?」

 

 

「…あ、ああ…すいませんっした…」

 

愕然とする少女達に代わり、坂本が夢崎の隣に立つ市川へ視線を向けると、市川はふ、と笑う

 

 

「…夢崎中尉は僕の直属の上官です。その上官が聞いてないと言っているなら僕も聞いていませんよ。坂本少佐」

 

 

市川の言葉に坂本は深く頭を下げる

 

坂本の姿を見て赤城も同じように頭を下げた

 

 

 

「…あー…あはは…あんたら意外と良い奴なんだな……よーし!んじゃあ…まぁ、和解…とは違うけどさ。これからもよろしく頼むぜ?金剛!」

 

 

に、と笑った田中は金剛へ右手を差し出す

 

その手をじっと見つめる金剛

 

 

「…え…これは…?」

 

「…え?いや…だってまだまだこれから"みんな"で創るんだろ?音楽」

 

「…ぁ…ぅ…そ、そうデス、けど…」

 

今までの行いや態度を思い出して恥ずかしそうに照れだす金剛

 

 

後ろの少女達はにやにやといたずらな笑顔で二やついている

 

 

恐る恐る右手を差し出す金剛

 

その手が繋がろうとした瞬間

 

 

 

 

 

 

「そんなの駄目に決まってんじゃん」

 

 

 

執務室の扉の向こうから少女の声が聞こえた

 

 

皆そちらを向くと、夢崎達の背後に桃色の髪をツインテールにした少女。漣が手を腰に当て立っていた

 

 

 

 

 




遂に金剛達否定派の艦娘達とも和解しつつある田中少佐達

このまま無事音楽隊を続けられるでしょうか

次回のお話で例の桃色の少女との決戦となります



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