大本営の資料室   作:114

98 / 111
はい

お待たせしました。播磨編ラストのお話となります


どうぞ


File95.不条理なフィナーレ⑥

 

 

 

『先生、この譜面読めないです…』

 

 

…ん?

 

…はは。なんだよその顔…

 

はいはい…じゃあ見てやるよ

 

 

 

『先生、このお菓子、私達が焼いたんですよ?…もしよければいかがです?』

 

 

 

お?

 

旨そうじゃんか…あ、おい…食べる食べるって…怒んなよ…

 

 

 

 

『…相変わらずサボり癖が酷いですね。頭に目覚まし時計埋め込んだらいかがです?』

 

 

お前本当に俺のこと嫌いなのな…

 

…でもまぁ…前より話すようになったよな?

 

…え?調子乗んな?

 

 

 

 

 

 

 

 

『助けて!先生!』

 

 

…おい!大丈夫か!

 

 

 

『痛い!痛い!痛い!助けてぇっ!』

 

 

 

…くそっ!…おい!やめろ!

 

 

 

『熱いよぉ!…いやぁぁああ!』

 

 

やめろって!

くそっ!

 

おい!お前らぁっ!

 

 

 

『痛い!いやぁ!』

『熱い熱い熱い熱い…』

『助けてっ!先生!!』

『先生!いやだぁ!』

 

 

やめろ!

 

 

 

やめろ!やめろ!

 

 

ああああああああああ!!

 

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

迎撃作戦が終了したその日の深夜

 

 

 

山陽自動車道を走るは6台の黒塗りの車と、田中達を乗せた3台の護送車

 

 

東海支部を目指し、東へ進んでいた

 

 

 

 

「…う…」

 

 

 

長椅子が設置された護送車の後部にて、目が覚めた田中は自分の腕が背中で縛られていることを思い出す

 

 

「…くそ…これじゃあ頭も搔けねぇな…」

 

 

薄暗い車内、諦めるように力なく笑い、項垂れる

 

 

「…さ、叫び疲れて気を失ってたみたいです…けど…」

 

 

見上げれば向かいの長椅子には同じ様に腕を縛られた黒田が座っている

 

薄暗い車内で見ると、長い髪を垂らした黒田がやはり呪いのビデオ系ホラー映画の幽霊に見えた

 

 

 

「…騒がしくして…悪かった…黒田少佐…」 

 

「…あ、い、いえ…あの……もう、大丈夫でしょうか…?」

 

 

 

田中はいや、と一言だけ返すと再び項垂れる

 

 

「…全然…大丈夫じゃねー…俺のせいで…霰は死んじまった…皆だって死んでるかもしれねぇっつのに……全然大丈夫じゃねぇよ…」

 

 

床にボタボタと田中の流した涙が滴り落ちる

 

流石になんと声をかければいいのかわからず黒田は眉を歪ませる

 

 

 

「……あ、あ!そ、そうだ…!」

 

「…?」

 

 

黒田がなにかを思い付いたかのように声を上げると、ゆっくりと顔を上げる田中

 

 

「わ、私こう見えて…ど、同人描いてたりす、するんですよぉ…え、えへへ…」

 

「…ど…?…なんだよそれ…」

 

「え、ええと…二次創作っていうのは…簡単に説明させていただくと…元々ある作品からifストーリーといいますか、こういうお話あったらいいなぁ、ってお話を創るといいますか…えへへ…」

 

「…ああ…?…そっか…はは…」

 

 

両腕を縛られ、これからどうなるかもわからないという状況に対してのこのテンションの上がり様…

 

田中は呆れながら苦笑い

 

 

そんなことを知らない黒田は声を裏返させて興奮しながら説明しだした

 

 

「じ、実はですね!私これでもわりと一部の層からはかなり支持されててですね!ゲスカビアンって合同誌もだしているんですよ!仲間からも、きっと産まれる世界が違っても黒光りはゲスカビアン描いてるよ、だなんて言われちゃったり、あ、黒光りって私のペンネームでして…えへへへ…」

 

 

こんな状況でもキラキラと目を輝かせて喋る黒田を前に、田中はため息

 

 

「…はぁ…はは…ああ、生きてまた会えたら読ませてもらうよ…」

 

苦笑いをするも、田中は内心黒田に感謝している

 

もしも今の状況で田中1人であれば、自責の念に押し潰され、舌を噛んで自決していたかもしれない

 

 

いや、黒田はそれを察し、気を使ってこうも会話を続けてくれているのかもしれない、と田中は勝手に結論する

 

 

「…もちろん!実は今Volume13.5まで描いててですね!誰にも見せてない最新のお話しなんですが…!ヒロインの1人が肥溜め…あ、いや、お風呂の浴槽に浸かっているところからスタートしてですね、それでですね!私個人としてはやっぱり女の子同士の絡みには汚物を…」

 

 

 

「(……お前は無事なのか…坂本…)」

 

 

黒田のマシンガンオタトークをBGMに、護送車に揺られながら相棒の安否を心配する田中

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

播磨鎮守府工廠

 

 

 

工廠では二人の工兵が汗を流しながら、人間大サイズの黒いビニール袋を艦娘建造機の中に運んでいた

 

 

 

「…はぁ…疲れたど…今何体目や?」

 

 

「…14体目…あと5体おるで…」

 

 

咥えタバコの工兵浦田と、首にタオルを巻いた工兵蒲田の2人だった

 

淡路基地所属の二人は一時播磨に残され、河野少佐の命令のもと、今作戦で亡くなった艦娘達の遺体処理をさせられている

 

 

 

「…ああ…っつかなんでこんな死体がゴロゴロ出てん?艦娘やったら攻撃されて沈むなら海なはずやろ…」

 

浦田が袖を捲りながら蒲田に問うと、蒲田はタオルをぎゅっとしめなおす

 

 

「…んなもんわからんよ。そもそも今作戦でどこの基地が何やったかも知らんしな」

 

 

 

今回の迎撃作戦、浦田と蒲田はそもそも参加してはいない

 

 

作戦が終わる頃、河野によって播磨に呼びつけられたのだ

 

 

だが来て早々、命令されたのは遺体処理…

 

故に播磨の少女達がなぜ死んだのかは知らされてはいない

 

 

 

「…なぁ蒲田や…わしぁ今回の作戦、なんかしらの陰謀があるんほななぇかって思うんやわ」

 

 

浦田は神妙な表情で咥えていたタバコを指で摘まむ

 

「…???」

 

「…なぁんか臭うんやどなぁ…ぷんぷんするど…」

 

「そらあそうやろ…陰毛なんてくせぇもんやろがい」

 

 

蒲田の返しに浦田はがつん、と艦娘建造機に頭をぶつける

 

 

 

「陰毛じゃあらへんわい!い、ん、ぼ、う!…なんでチン毛の匂い嗅がなならんんどいや!」

 

 

浦田の突っ込みを蒲田は無視し、呆れるように腕を組む

 

 

「…で?…その陰謀っつうのは?」

 

 

「…ん?…ああ。わしの見立てじゃ恐らく播磨の地下には広大な広さの地下施設がある。で、そこにはなん十億って価値の金塊が隠されとるんや!そやからその事を知った播磨の艦娘は「あほくさ。まだ陰毛の話の方がおもろいわ」

 

「はぁ!?チン毛の話とおんなじにすんなっての!」

 

 

少しだけ期待した分がっかりした蒲田は鼻で笑う

 

 

 

「…てめぇら何サボってんだよ!とっとと解体作業しろし!」

 

 

突如女性の声でどなり声が聞こえ、蒲田も浦田も背筋を伸ばして敬礼

 

 

「は!申し訳ありません!」

 

「は!すみません!すぐに終わらせます!」

 

 

工廠に現れたのは淡路基地、河野少佐の秘書艦、重巡洋艦鈴谷だった

 

 

艤装を展開していた時にイタリアに殴られた為、入渠施設にて高速修復材のお陰でひしゃげた顔面はすっかり元通りだ

 

 

「…くそっ!…鈴谷がこんなことしなきゃいけないのあのクソ戦艦のせいだし…!絶対次会ったらぶっ殺す!」

 

 

鈴谷は作戦時、言うことを聞かずに勝手な行動をした上に、作戦本部を滅茶苦茶にしたことでお仕置きとして播磨の遺体処理の命令を下された

 

 

更にいえば秘書艦からも外されてしまった

 

 

「…あー…そやけど鈴谷秘書艦、死体見るの好きなんやねやなあ?…ならこの任務も別に苦じゃな「鈴谷は死体になる瞬間が好きなの!死体が好きなわけじゃないっつの!!」…はい」

 

 

鈴谷のイラつきの犠牲となった浦田はしょんぼりと頭を垂らす

 

 

ふん、と鈴谷は鼻で笑い、床に積み上げられていた遺体が包まれた黒袋に片足を乗せる

 

 

「…マジこうなる前…こうなる直前を見たかったし…ほんっとふざけてんな!」

 

 

もう何も発すことのない遺体の包まれた黒袋をガシガシと蹴りつける鈴谷

 

 

浦田と蒲田はそんな荒れた彼女を退いた目で見ていた

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

同じ頃、播磨鎮守府執務室

 

 

扉が破壊され、割れた窓ガラスから月の光が差し込まれた薄暗い執務室

 

 

燃えた跡の残る壁と床に立つは佐世保鎮守府提督、柴山だった

 

 

柴山は手に持った花束を床に落とすと、官帽を取り、自分の胸元へ当てる

 

 

 

 

「…ふっ…悪くない悪党役だったぜ…武……だが正義の力には絶対に勝てやしねぇんだ…地獄で眠ってな…」

 

 

自分の台詞に酔うように呟くと、柴山は踵を返し執務室から出ていこうとする、しかし何故か一歩出したまま踏み止まる

 

 

 

 

「……?」

 

 

 

 

違和感を感じて柴山は振り返るも、誰もいない

 

 

確かに振り返る前には誰かに見られているような気がしていた

 

 

 

「………気の…せいだよな…」

 

 

この執務室では少なくとも武、狭霧、村雨が死んでいる

 

流石に柴山も幽霊か、と肩を震わせ、足早に執務室から出ていく

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

 

東海支部 営倉

 

 

窓もなく、弱めの照明が申し訳程度に付いている薄暗い営倉

 

 

その壁に背を預けて座る人影が一つ

 

 

 

田中だった

 

 

着ていた士官服は囚人服のような作業着へ、髭は少しのび、目も虚ろだ

 

 

「…う…う…う…」

 

 

目を瞑り、両手で頭を押さえる田中

 

 

思い出すは播磨の少女達の断末魔

 

そして淡く、小さな幸せな思い出

 

 

「ぁぁああああああ!!!うぁああああああ!!」

 

 

頭を押さえたまま床を転げ回る田中

 

 

絶望と恐怖が混ざりあった記憶は田中の頭の中を強く速く駆け抜ける

 

それこそ田中の感情を置き去りにして何度も何度も…

 

 

まるで酔った時のように、寝起きの時の様に頭が上手く回らない田中は防げない声をその頭の中で反響させることしかできなかった

 

紛らせようと叫ぶことしかできなかった

 

 

 

「…はぁ…はぁ…お、俺の…せい…」

 

 

すぐに吉津根の思惑に気づければ…

 

すぐに出撃することを断っていれば…

 

あの時艤装コントロールの電源を切らなければ彼女らは助かったかもしれない…

 

そもそも播磨に行かなければこのような思いをしなくてすんだかもしれない…

 

 

 

たらればな思いを巡らせるが、解は見つからない

 

見つけられない

 

 

 

「…ほひょはひょひょひょひょ…」

 

 

不気味な笑い声がすると、田中はゆっくりと顔を上げる

 

 

営倉の外、防護ガラスの向こうには見覚えのある将校が笑顔で田中を見下ろしていた

 

 

「…きっ…吉津根ぇぇえええああ!!」

 

 

立ち上がり、ばん、と勢いよく防護ガラスを叩きつける田中

 

吉津根を睨むその目は殺人者のように鋭い、刃物のような目つきだった

 

 

「てめぇ!…てっめぇ!!」

 

「…落ち着きたまえよ…見苦しいですよぉ?田中大佐……や、元、大佐でしたねぇ…」

 

 

吉津根は余裕そうに微笑み、自分の腕時計をちらりと確認

 

 

「…田中さん。…君?……田中君達のお陰で私の任務は無事終わりましたよ。ええ。無事に、見事にね…感謝しますよ。田中君」

 

 

吉津根がそう言うも、田中は防護ガラスを挟んだ目の前の敵を強く睨む

 

 

「…それと君の除隊処分が決まりましたよ…命令無視、暴行、傷害、脱走に私への暴言……まぁその他諸々ありますが…B級…不行跡除隊となりました。おめでとうございます」

 

 

ぱちぱちと吉津根は笑顔で拍手

 

 

「…それと播磨の艦娘ですが…喜んでください。見事全員亡くなってました…ええ、予定通りですね…ふふふ…」

 

 

ばん、と防護ガラスを叩く田中

 

 

「何が予定通りだ!てっ…めぇ…!くそっ!…ぁ、ぁぁあああああ!!!」

 

 

 

自分が最も知りたくて、知りたくなかった事実をあっけらかんと話す吉津根へ、ぐちゃぐちゃになった田中の心はここにきて壊れそうになる

 

 

ずるずると防護ガラスからずり落ち、床に這いつくばる田中

 

 

 

「…あんた…なんなんだよ…何がしたいんだよ…俺をどうしたいんだ…」

 

 

「くひゅひゅひゅ…別に田中君をどうこうするつもりはありませんよ?……ああ。あと一つ…君は何か大きな勘違いをしていますが…」

 

 

防護ガラスからずり落ちて姿が見えなくなった田中を覗き込むように、吉津根は防護ガラスに両手を押し付け、田中を見下ろす 

 

 

 

「…播磨水上特攻作戦を起案したのは…鈴木中将ですよ?…ええ。あなたの……いえ、あなた方の師、鈴木中将です…くひゅひゅひゅひゅ…」

 

 

不気味に笑う吉津根の口元の防護ガラスは怪しく曇る

 

 

「…んなでまかせ…信じるわけ「ならば本人に聞けばよろしい…ま、もうあなたと鈴木中将が会うこともないでしょうけどね…あなたはこれからはもう一般人…許可無く海軍の敷居を跨ぐことは許されませんからねぇ…」

 

 

どこまでも嘘を付くこの男の言葉は信じられない…

 

しかし妙に自信たっぷりな吉津根の態度を見て田中は表情を歪める

 

 

「…嘘だ…鈴木…先生…そんな……」

 

田中は膝を抱え、顔を伏せる

 

 

「……俺は…信じねえ…」

 

 

ほんの少しだけ触れれば崩れ落ちるような心の状態の田中を見下ろし、吉津根は嬉しそうに、満足そうに口元をつり上げる

 

 

「…くひゅひゅひゅひゅ……ええ…それでは私はそろそろ行きますねぇ…この後大事な大事な会議なので…ね?」

 

 

もう反応すらできない田中をよそに、吉津根は踵を返して上機嫌に営倉から出ていく

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

更に2日後 深夜

 

 

「…いやー…参ったなぁ…」

 

 

天井近くの小窓から差し込まれた月の光を頼りに、上半身裸の田中は房の中でうろうろしていた

 

首には着ていた作業着が巻かれている

 

 

 

「…全然とっかかりとかねぇんだな…これじゃあ首吊れねぇな…」

 

 

初日と違い、さっぱりとした雰囲気でとんでもないことを呟く田中

 

 

どうやら播磨の少女達を見殺しにした罪の重さに耐えきれず、自決を行おうとしているようだった

 

 

「…仕方ねぇ…舌噛み千切るか……いてぇかなぁ…」

 

 

 

 

よっこいしょ、と房の中央に胡座をかく田中はふぅ、と息を吐くと、諦めるように力無く笑い、呟く

 

 

「…霰以外…みんなの最後の死に顔も見れなかったなぁ…クソッタレが……坂本…あとは頼んだぜ…」

 

 

最後まで会えなかった少女達、そしてあれから未だに会えていない相棒を想い、口を開ける

 

 

 

 

 

 

その時、薄暗かった営倉の通路が急に明るくなる

 

 

「……ちっ…んだよ…」

 

 

丁度というタイミングで明かりが付いたことで田中の自決作戦は失敗

 

更に房の天井の隅に設置されたあるものに気づく

 

 

「…監視カメラ…あったんかよ…」

 

 

 

今まで自分の感情に押し潰されていたせいで気がつかなかったが、設置された監視カメラはしっかりと田中の方を向いており、小さな赤いランプが点滅しているのを見てちゃんと録画されていることがわかった

 

 

 

『ちょっ!困りますよ!今何時だと思ってるんですか!?』

 

 

見えないが、どうやら通路の奥、営倉の入り口の方でなにやらトラブルのようだ

 

警備員の男の声が騒がしい

 

 

「…なんだ…?」

 

 

 

『許可ならちゃーんととってるわよ?ほら、どいてどいて』

 

『うわっ…ちょっ…ちょっとぉ!』

 

 

男性警備員と知らない女性の声

 

 

「(…この女の声…どこかで聞いた気がすんな…)」

 

 

女性の方の声を聞いて、遠い昔を思い出そうとするが、すぐに諦めてふ、と笑う田中

 

 

「…まぁ…誰でもいいか…」

 

 

自分には関係ないだろう、ともぞもぞと脱いでいた作業着のトップスを着はじめる田中

 

 

 

『おら!もう時間ないんだからさ!とっとと済ますよ!』

 

『ま、待ってってばぁ…まりんちゃん!』

 

『ちょっ…!許可証あるんですか!?』

『あ、はいはい…ちょっと待ってね…えぇっとぉ…確か…』

 

 

「…?」

 

先ほどの警備の人間と話す新たな男性の声

 

しかもオネエっぽい

 

 

 

「…っつか女の方…言葉遣いわりぃな…」

 

 

…人のことは言えない

 

 

どうやら男女二人組が営倉の扉を開けて入ってきたようだ

 

通路を歩く靴の音が近づいてくる

 

 

面倒事に巻き込まれまいと田中は房の簡易ベッドに横になる

 

 

 

 

靴の音が止まった

 

もしかしなくても田中の房の前だった

 

 

ピピっ、と電子音が鳴り、がちゃり、と房の扉が開く音がする

 

 

 

「…」

 

 

しかし田中は特に反応すること無く、壁の方を向いて寝たふりをつづける

 

 

 

「…おーい。起きてくりー」

 

 

女性の声が真後ろから聞こえてくるが、田中は無視

 

 

「(…もう良いだろ…俺に関わらないでくれよ…)」

 

 

不貞腐れるように心の中で呟く田中

 

 

「おーい」

 

 

再び声をかけられるも田中は無視

 

 

 

…その瞬間、簡易ベッドが大きく揺れ、田中は床に落ちる

 

 

「いって!……てめっ…いきな「起きてんじゃあねぇかっ!!ゴラァ!!」

 

 

顔を上げた田中の両頬をバチンと両手で勢いよく挟まれる

 

 

「うぼあっ!」

 

 

田中は両頬を持ち上げられたまま顔を上げさせられる

 

 

そこにいたのはメガネを掛け、長い黒髪をポニーテールにまとめた細身の女性だった

 

 

 

「なぁにがうぼぁっ!だっつーの!てめぇはパラメキアの皇帝か!?ぁあ!?」

 

芯の強そうな、気の強そうな顔の整ったメガネの女性。その服装を見て海軍士官とわかった田中

 

 

「…ゆ…は、はなひてくらはい…」

 

 

両頬をギュット押され、情けない声を出してしまう田中

 

 

女性はちっ、と舌打ちをして田中の頬から手を離す

 

 

 

「…ふぅ…君が、田中健二君?」

 

 

数秒前の鬼ような形相はどこへやら

 

クールビューティな雰囲気に切り替わった黒髪の女性は流し目で頬を擦る田中に問う

 

 

 

「……だったらなんだよ…っつかお前誰だよ…」

 

 

田中の返答を是と捉えた黒髪の女性はうし、と頷きにこりと笑う

 

「…私は浜田。オッケー?…じゃあとっととここから出るよ。ついといで」

 

 

いい笑顔で親指をぴっ、と立てる彼女の態度に田中はむっとする

 

 

「…いや。なんだよその自己紹介…っつかどこにも行かねぇよ!お前も吉津根の手下だろうが!」

 

きょとんとする黒髪の女性

 

 

「…はぁ?……良いから早く出るよ。説明はあとあと」

 

 

「それに俺はもう海軍の人間じゃあねぇ!お前の命令を聞く義理はねぇってんだよ!」

 

 

そう怒鳴り、もぞもぞと簡易ベッドに戻る田中

 

黒髪の女性の額に青筋が一本浮く

 

 

 

「…ほぉーん?」

 

 

腕を組む黒髪の女性を背後に立たせたまま毛布にくるまる田中は壁の方を向く

 

 

「…もう海軍も命令もまっぴらだ…俺は手続きを済ませてちゃんとここから解放されて外でひっそりと暮らすよ…もう関わらないでく「だぁぁああ!!めんっどくせぇな!」

 

 

黒髪の女性が吼える

 

その声に田中の身体はびくりと跳ねあがる

 

 

「…なっ…なん「ごちゃごちゃごちゃごちゃうっせー!メンヘラかっつの!…松本!!」

 

 

黒髪の女性、浜田が誰かの名を呼ぶと、田中の壁を見ていた視界が真っ暗になる

 

 

 

『うわっ…なんだなんだ!?おいっ!』

 

 

 

房に入ってきた色黒の坊主頭の強面大男、松本が大人一人入れるぐらいの麻袋に、寝転がっていた田中を頭から入れていた

 

 

「…全くもう…ちょっとごめんなさいねぇ」

 

『出せっ!んだよこれっ!』

 

 

暴れる田中が入った麻袋を肩に担ぐ松本がぼやくも、浜田はそっぽを向く

 

 

「はんっ…いじけ虫なんて何言ったって聞きゃしないわよ…こうすんのが手っ取り早いっつの」

 

 

「はぁいはい…それじゃ、行きましょうか」

 

「…手続き終わったん?」

 

「ええ。勿論…許可証探すのに手間取っちゃったけどね☆」

 

 

浜田と松本が田中の収容されていた房から営倉の通路に出て

 

営倉の出入り口の方へ歩く松本と浜田

 

通路の先には先ほどの二人とやり取りをしていた中年の警備の人間が二人に向け敬礼をする

 

 

 

「松本中佐!浜田少尉!任務、お疲れ様です!」

 

 

松本は歩きながら警備の男性に敬礼を返し、笑顔を向ける

 

 

「…ええ。こちらこそ忙しいなか失礼したわね~。そちらもお仕事頑張ってねぇ」

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

…くっそ…!

 

 

『…まりんちゃん開けてて~』

 

『ん』

 

 

くそっ…なんで…またこんな目に…

 

 

…!

 

 

おいっ!いてぇって!

 

 

『ちょ、ちゃんと開けててよ~』

 

『うっさ』

 

 

 

今どっかぶつかったぞ!

 

 

 

『…っこいしょ…』

 

『おっさん臭いわね…あ、おっさんか…』

 

 

 

…ああ…

 

 

でも…これ、あれだよな…

 

銃殺刑とかか?

 

いや、でも昔ならともかく、今の海軍で…日本でそんなの聞いたことも…

 

 

『…お姉さんって呼んでくれない?』

 

『はいはい、お姉さんお姉さん、っと』

 

 

 

…いや…

 

 

…ん?

 

 

なんかけつがふかふかする…イス…ソファー?

 

 

『はい、んじゃ、取るよ』

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

営倉で麻袋を被せられ、どこかへ運ばれて数分

 

 

突然下ろされて座らされたかと思うと、雑に麻袋を外された…

 

 

麻袋を取られて田中が最初に見たのは、低いテーブルの上に積み重ねられたファイルの山だった   

 

 

 

「…は?……は?」

 

 

 

ここでようやく自分が何処かの部屋のソファーに座らされているのかわかった

 

 

「…どこだよ…ここ…」

 

 

部屋のなかをきょろきょろと見渡す田中

 

 

見れば乱雑に設置された本棚がいくつも立ち、その棚には様々なファイルが何十、何百冊と押し込められている

 

 

そんな田中の目の前に立つ先ほどの黒髪のメガネの女性

 

 

部屋の扉前には坊主頭の大柄な大男が立つ

 

 

 

メガネの女性、浜田はしゅびっ、と小気味良く両手を広げ、不適に笑う

 

 

 

「はーっはっはっはっ!!よく来たな!田中健二君!ようこそ!我が第四資料室へ!!」

 

 

 

「……???」

 

 

女性の自信満々な言葉に田中は呆気に取られる

 

 

「…だいよん…?…資料室…?…はぁ?」

 

 

 

混乱する田中

 

言われてみれば資料室に見えなくもない

 

 

「…まぁ、混乱するのもわかるわ…だから要点だけ説明するわね」

 

「…いや、そこは細かく説明してくれよ…なにがなんだかわかんねぇ…」

 

 

田中が突っ込むと、大男、松本がぎょっと驚く

 

 

「…え…もしかして…まりんちゃん何も説明せず連れてきたの…?」

 

「ん。あっこだと誰来るかわかんないし。取り敢えずここで説明すりゃいいかなって」

 

 

 

松本はがくりと項垂れる

 

 

「…なによそれ…アタシてっきり色々説明が終わって…それでも来てくれそうにないから力ずくで連れてきたのに…何も説明してないなら本当にただの誘拐じゃないの…」

 

いじける松本を見てけらけらと笑う浜田

 

 

「はははは…まぁ連れてこれたんだから結果オーライじゃん?元気だしなって「んなことより!なんで俺をこんなところに連れてきたんだよ!」

 

 

松本と浜田のやり取りを見ていた田中が吼えると、松本が申し訳なさそうに頭を下げる

 

 

 

「…ごめんなさいね。あ、アタシは松本中佐…ここ第四資料室担当官よ。こっちは…多分ちゃんとした自己紹介してないでしょうね…浜田少尉。アタシと同じ第四資料室の担当官よ」

 

 

浜田とは対称的に、物腰の柔らかい丁寧な自己紹介に田中は少しだけ警戒を緩める

 

 

「…田中っす…播磨鎮守府の元提督…で、なんで俺をここに?」

 

 

田中の返答に松本はにこりと笑い、彼の座るソファーの隣に座る

 

 

「ええ…実は貴方を第四資料室の担当官として就かせるよう命令を受けたの」

 

「…命令?…吉津根…中将のっすか?」

 

「いいえ?…資料室責任者、加藤少将よ」

 

 

 

はじめて聞く将校の名前に田中は首をかしげる

 

 

「…か…カトー…少将?」

 

難しい表情をする田中を見ながら窓の縁に置かれていた包装されたチョコを一粒掴み、包装を解いて口に放る浜田

 

 

かなり溶けたチョコは浜田の口の中ですぐに水分になる

 

「ま、あの人基本表出ない人だから…いち士官程度じゃあ顔も知らないか…」

 

 

浜田の呟きに田中は表情を曇らせる

 

 

「…もう士官じゃねぇし…海軍でもねぇよ…俺は「除隊させられたんでしょ?知ってるわよ」

 

 

浜田に遮られ、くっ、と歯を食いしばる田中

 

「…けど加藤少将があんたの除隊を取り消させたのよ」

 

 

「…はぁ?…なんでそんなこと…」

 

窓の縁に腰掛けた浜田は肩をすぼめて鼻で笑う

 

 

「…さぁね?…ここで働いてもらいたかったからじゃん?」

 

 

田中はため息を一つはくと、ソファーから立ち上がり、部屋の入り口の方へと歩きだした

 

 

「…」

 

松本はソファーに座ったまま何も言わず、浜田は窓の縁に座ったまま片ひざを上げ、頬杖をつく

 

「…どこ行こうっていうのさ?ボクちゃん?」

 

 

浜田に問われた田中は、ドアの取っ手に手を掛けたまま振り返らない

 

 

「…営倉から出してくれたその加藤って将校に感謝はする…けどどっちみち俺はもう海軍にいるつもりはねぇよ…世話になっ…たかどうかわかんねぇけど色々サンキューな…それじゃあな」

 

 

 

そう残し、扉を開けた田中

 

 

 

 

 

「あんた、吉津根の野郎にハメられたんだって?」

 

 

 

「…はぁ?」

 

 

思わず振り返る田中

 

すると窓の縁に腰掛けてたはずの浜田が田中の振り返ったすぐ目の前に立っていた

 

 

 

「…なんだと…?こら…」

 

凄む田中は後ろ手で開けたドアを勢いよく閉める

 

 

浜田は余裕そうに笑う

 

 

「吉津根に騙されて播磨に就いて、吉津根に騙されて播磨の艦娘出撃させて犬死にさせたんでしょ?知ってんよ?」

 

 

「…」

 

 

唇を噛みしめる田中

 

 

 

「やだやだやだ…騙されてばーっかりのアホ丸出しの負け犬君だったわけねぇ~…ふーん。へー…」

 

 

明らかな挑発の態度の浜田

 

田中は眉間に眉をよせる

 

 

 

「なんでそのこと…って…うるせぇ!…悪かったな!…どうせ俺は負け「どうせ負け犬になんならさぁ…カッチョイイ負け犬なれっつってんの!」

 

 

田中、浜田によって壁ドンならぬドアドンをされる

 

なんとなく浜田から女性特有の甘い香りがふんわりと漂ってくる

 

 

「…意味わかんねぇ…負け犬にかっこいいも悪いも「あるさ…あんた。今の姿を播磨の娘達に見せられんのかい?」

 

 

くっ、と田中は浜田から眼をそらす

 

 

「…お、俺だって…あいつらを助けたかった…一矢報いてやりたかった…でも…「どうにも出来なかったから背中向けたってのかい?こんなんじゃ死んでった娘達も報われないねぇ…みんなあんたの為に…あんたともう一人の為に戦いに出たんだろう?」

 

 

「あんたになにがわかるってんだ「ああ!わかるともさ!あんたの気持ちも播磨の艦娘達の気持ちもね!…あんたの見た地獄なら私だってよ~~く知ってるよ」

 

 

怒鳴る田中へ怒鳴り返す浜田

 

 

 

扉に背中を預けて座り込む田中

 

 

「…なんだよ…わけわかんねぇ…くそっ!」

 

 

浜田は松本と目を合わせる

 

ふぅ、と松本はため息し

 

 

 

「…田中君…この資料室にあるファイルはね…表沙汰に出来ない…海軍が絡んだ案件の書類が保管されている資料室なのよ…」

 

松本の言葉を聞き、顔を上げる田中

 

 

「…??…じゃあ、俺のことを知ってたのは…」

 

ええ、と松本は頷く

 

 

「播磨の事もここに持ち込まれた報告書で知ったわ…本当に大変だったわね。田中君」

 

「…はは…表沙汰に出来ない案件…か…確かにそうだったな…」

 

 

自嘲気味に田中が呟くと、浜田は松本の隣に腰掛けため息

 

 

「表向きは突如現れた深海棲艦への迎撃作戦…けれど実際は播磨の艦娘を亡き者にするための…って感じかしらね…酷い案件だわ…」

 

 

「…」

 

 

再び項垂れる田中

 

 

ソファーに座り、足を組み直した浜田が続ける

 

 

 

「……どうせその様子じゃあ今日か明日にでも首くくってるわよ。あんた…それとも吉津根に仕返しでもするつもり?……まぁそんな度胸無いわよね…行ったところで返り討ちにあってゲームオーバーってところね」

 

「…」

 

 

浜田はポケットからたばこを取り出して一本口に咥えると、松本がライターを取り出して浜田の咥えるたばこの先端に火をつける

 

 

「…ん。…あのさ。わかりきってることだけどあえて言うわね…あんたが自殺しようとも、吉津根に復讐しようとも、死んだ艦娘も人も生き返らないわけ」

 

「…」

 

座り込んだまま耐えるように口を真横に結ぶ田中

 

 

「なら死んでいった人達のためにも、あんたは前向いて、胸張って生きなきゃ駄目なんじゃないの?あんたの教え子の艦娘達の墓前…いや、墓があるか知らないけどさ…墓前に面と向かって報告できるようにさ」

 

 

「…だからって……今の俺になにができんだよ…」

 

 

ふぃー、とたばこの煙を天井に向けて吐く浜田

 

 

「…さっき松本が言ってたでしょ…ここにある資料は表沙汰に出来ない資料……謂わば海軍の…日本国軍海軍の真っ黒などす黒い胸くそ悪いモノ…艦娘に対しては特にね」

 

 

ゆっくりと顔を上げる田中

 

「どす黒い…」

 

 

頷く浜田

 

 

「…そ。んでもって一部の海軍上層部のおじ様方からすりゃあこの世から消えてほしい負の遺産ってわけね…それを守り、管理すんのが私らの仕事」

 

 

「…守る…」

 

 

若干どや顔で説明する浜田に耳打ちする松本

 

 

「…まりんちゃん…それはちょっと話を盛「盛ってない」

 

 

つん、とした言い方で返す浜田

 

 

「…多分、だけどさ…あんたは播磨で地獄を見て体験した…だからこそ艦娘達の想いがわかるかも…って、それで加藤少将はあんたを選んだのかもね…」

 

 

「…」

 

そう説明する浜田の表情は実に穏やかだ

 

 

「この資料室にあるファイル一冊一冊にはさ…艦娘の想いや感情…痛みや苦しみまで込められているんだ…簡単に燃やすことや捨てることは許されない。許されてはいけない…だからこそ守り人が必要だ」

 

そこまで聞いて田中は大きくため息を吐くと、ゆっくりと立ち上がる

 

 

「…で、その守り人に俺もご指名されたわけだ…」

 

 

 

浜田の言っていることはなんとなくだがわかる

 

ここにある資料は何処かの誰かの残した心

 

播磨では誰も守ることは出来なかった

後悔と絶望だけが残った

 

自殺しようとも思った

 

 

 

「…地獄…ね…」

 

 

ぼそりと呟いた田中の言葉を、浜田と松本は気づかない振りをする

 

 

田中はうん、と頷き

 

 

 

「…わかったよ……どうせこれからやることねぇし……手伝ってやるよ…第四資料室の…図書委員の仕事をよ」

 

 

田中がそう答えると、浜田と松本は顔を見合わせて笑う

 

 

「…っぷ…図書委員ね……上手いこと言うじゃん…」

 

「ええ。アタシ達も大歓迎するわ。田中君…いえ、田中ちゃん」

 

 

浜田と松本もソファーから立ち上がり、二人して田中に右手を差し出す

 

 

 

「…いや、二人いっぺんに右手出されても困るし…で?…まず何やりゃあいいんだ?…図書委員長」

 

 

気だるそうに見えるがどうやらやる気はあるようだ

 

田中のそんな言葉を聞き、浜田はにこりと笑う

 

 

 

「…んじゃあ、まずは私らの夜食…買ってきてくんない?」

 

 

 

深夜の第四資料室に、再び田中の怒鳴り声が響く

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

田中が浜田達の夜食を買い出しに出掛けた頃

 

 

吉津根の私室

 

 

「…どういう…おつもりですか…?」

 

 

 

ぽんぽんのついたピンクを基調としたナイトキャップを被り、同じくピンク色のパジャマを着た吉津根が耳にスマートフォンを当て、若干イラつきながら答える

 

 

「…そんなことを私は許可していませんが…」

 

 

『…ええ。彼はもうあなたの部下ではありませんから…ああ、元々部下でもありませんでしたか…これは失礼』

 

 

電話口の男性の声を聞き、眉間にしわをよせる吉津根

 

 

 

「…彼は大罪人です!海軍に籍を置かせるわけにはいかないんですよ!…今回の播磨の件も『それは私には関係ありません。とにかく彼は私の元に就かせることが決定されたので』

 

 

「…はんっ!…貴方だけの決定でそんなことが決められるわけがないでしょう!貴方といい、鈴木中将といい…これだから御老体の方々は『ええ。この話、勿論私だけで決定するわけにはいきませんでしたからね…きちんと元帥閣下からの許可は頂いていますよ』

 

 

 

ぴたりと動きが止まる吉津根

 

ぽかんと空いた口はふるふると震える

 

 

 

「…え…いま……なんと…?」

 

電話口の男は笑う様に続ける

 

 

『…ええ。ですから元帥閣下からの許可は頂いています。田中健二は特務中尉として私の元に就くこととなりました』

 

 

ベッドに腰掛けながら通話をしていた吉津根は勢いよく立ち上がる

 

 

「そっ…そこじゃありません!!…そんな…貴方…!直接元帥閣下と御会いになったというのですか!?」

 

 

 

吉津根は海軍に入隊して20数年…

 

 

これまでただの一度も元帥と顔を会わせることはなかった

 

それは吉津根だけではない

 

他の将官達の中でも海軍元帥の顔を知る者はそう多くない

 

 

 

『…ええ。そういうことになりますので…これより田中健二への無意味な接触は止めていただけますね?…吉津根大将』

 

 

電話口の男ははっきりと、警告するような口調

 

対して吉津根は冷や汗をだらだらと垂らしはじめる

 

 

 

 

「……あ、貴方は一体何者なんですか……加藤少将…」

 

薄気味悪いものを感じつつ、吉津根は恐る恐る加藤少将に問う

 

 

「……ただのいち将官ですよ……用件は以上です。夜分遅く失礼しました…それでは」

 

 

 

そう言われ、一方的に通話が切られる

 

 

ちからが抜けたようにベッドに深く腰掛ける吉津根

 

 

あの田中には少なからず元帥が絡んでいる

 

一度も会ったことのない海軍元帥が…

 

 

会ったことも話したこともないはずなのに、未知の存在に恐怖を覚える吉津根は震えながらベッドに潜り込んだ

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

 

「…ですから!何度も申しているではありませんか!」

 

 

 

同じ頃、鈴木の執務室では大隅の提督、鴛渕が必死な表情で鈴木の執務机をどん、と叩く

 

 

 

「まずは落ち着け…鴛渕…」

 

気まずそうにそれだけ返す鈴木は執務椅子から立ち上がり、窓の方へと向かう

 

 

「落ち着いています!ええ!鈴木先生よりも冷静な自覚はあります!…何度も申しますが、今回の迎撃作戦…その裏では吉津根中…吉津根大将が播磨特攻作戦なる陰謀を企て、私を含む播磨の者達を亡きものにしようとしていました!私は田中、坂本両大佐に協力し、命からがら鈴木先生のいる近江まで向かいました!」

 

 

凄い勢いで、しかし細かく説明する鴛渕に対して鈴木の表情は浮かない

 

 

「…だから…それは元々俺が考えていた作戦…吉津根大将達は俺の命令で動いて「では有馬少佐の記した作戦報告書や調査書との記述の違いがあるのは何故ですか!」

 

 

鴛渕の圧しで眉を歪ませ、言葉をつまらせる鈴木

 

 

「…そ、それは…だな…」

 

「…有馬少佐より…鈴木先生をはじめ、伏見大佐や角谷少佐の両名も作戦途中から記憶が曖昧だとお聞きしています…一体何があったと言うのですか!」

 

 

「……ぐ…お、俺は……」

 

 

頭を抱え、苦しそうな表情の鈴木

 

師を追い詰めてしまった、と鈴木を問い詰める鴛渕もまた苦渋の表情となる

 

 

鴛渕の秘書艦、大井も彼の後ろに立ち、今までなにも言うことなく黙って見ていたが、小さく息を吐くと一歩前へ

 

 

 

「…鴛渕提督…そろそろ時間です。明日中に基地に戻らなければ…」

 

 

大井にそう言われ、鴛渕は頷くと息を整え、鈴木に敬礼

 

 

「…では鈴木先生…私共はこれで失礼致します…今回は貴重な体験をさせて頂き…感謝します」

 

 

対して鈴木は力なくああ、と一言だけ返す

 

その背中は酷く小さく見える

 

 

「…失礼致します」

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

東海支部 通路

 

 

 

まだ朝日も射さない深夜

 

鈴木の執務室から出た鴛渕と大井は薄暗い通路を進む

 

 

 

「……一体鈴木先生はどうしたと言うのだ…洗脳でも受けたかのように…そう、まるで人が変わったかのようになってしまった…」

 

 

ぼそりと呟いた鴛渕の言葉を聞いた大井がなにかを思い出すも、渋い顔をする

 

 

「…眉唾物な話ですが…一つ心当たりが…」

 

「言ってみてくれ、大井」

 

 

ここで鴛渕は大井から"佐世保の時雨"の噂話を聞く

 

言ったことが現実になる夢のような、馬鹿馬鹿しいお伽噺

 

 

 

「…信じられん話だが…その…その駆逐艦と鈴木先生がなんの関係が…?」

 

「…その…噂では佐世保の時雨の力は人の心すらも影響を与える、と…」

 

大井がそう言うと、足を止め、苦笑いをしながら彼女の方を見る鴛渕

 

 

「……科学の発達したこの昭和の時代に超能力があるとでもいうような口ぶりだが……うむ…確かに…佐世保の…柴山大佐も現地にはいたし、もしも奴と鈴木先生が接触していたのであれば、今の状態の鈴木先生を見て納得も出来る…」

 

 

口元に手をあて考え込む鴛渕

 

大井は続ける

 

 

「…ここに来る前に…実は卯月より、ある報告を受けていました…」

 

「…報告?」

 

 

「先の迎撃作戦…巡洋艦古鷹にて待機していた大隅の数名の者が見たと話していたんですが、佐世保鎮守府の巡洋艦晴海を一部の紀伊艦隊が攻撃を行っていたらしいです」

 

 

大井の言葉に鴛渕は驚く

 

 

「…何を馬鹿な…佐世保の艦…巡洋艦晴海はあの後もなんの損傷もなく航行していたぞ?」

 

 

「…気味が悪いのが……紀伊艦隊の攻撃を受けた巡洋艦晴海が炎上し、船体が傾き、半分ほど沈んだところで突然元の状態に戻った、と…」

 

 

大井の説明に若干混乱する鴛渕

 

 

「…ま、待て…待て待て…お前が何を言っているのか…全くわからん…何故沈む直前…いや、沈んでいる最中の状態の艦が…その…突然元に戻ったのだ?…もしも本当に時雨の力なら…それはもう超能力などの次元の話ではないぞ?」

 

 

鴛渕の反応を見て、大井も渋い顔をする

 

 

「…佐世保の時雨……もう少し…いえ、深く調べた方がいいかもしれませんね…」

 

 

「…うむ…ならばこうしてはいられないな…すぐに大隅に戻るぞ」

 

 

鴛渕はそう言い、早足で通路を進みはじめるも、すぐにぴたりと止まる

 

 

「…?…提督?」

 

「……言い忘れていたわけではないが……今回…お前を危険な目に遭わせてしまい…済まなかった」

 

 

鴛渕は振り返ることなく大井にそう謝罪する

 

 

「…そんなこと……むしろ私とし「本郷提督ならば…決してお前達を危険な目に遭わせることはしなかっただろう…今回は俺の勝手な…軽率な行動だった…もう同じ過ちはしないことを誓おう」

 

 

本郷の名前を出されてか、大井は自分の胸元をぎゅっと握る

 

眉をひそめたその表情は何を思うのか…

 

 

「…行くぞ。大井」

 

 

歩き出した鴛渕

 

大井は少しだけ間を置き…

 

 

 

「……はい」

 

浮かない表情のまま鴛渕に付いていく

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

第四資料室

 

 

 

「おっし、戻ったな若者よ」

 

 

食堂から戻った田中を迎えるは浜田

田中は両手で三つの菓子パンを持っている

 

 

「…こんな時間だから自販機のパンしか無かったっすよ…」

 

「オッケオッケ。まだパン残ってたんだラッキー」

 

田中からパンを奪うと松本へ3つ全て投げる

 

 

 

「わっ…ま、まりんちゃん…せめて一つずつ投げてよ…」

 

「んじゃこれ、はい」

 

 

浜田はテーブルの上に置かれていた数冊のファイルを田中に押し付ける

 

 

「…や…は?…なんこれ…」

 

「今日入ったばかりの新人ちゃんたちよ。内容確認して仕分けしてね」

  

キョトンとする田中

 

 

「…いや…いやいや…俺まだ入って十数分のほやほやの素人だぜ?」

「関係ないっての。あんた覚悟決めてたじゃん」

 

両手に持たされたファイルをパラパラとめくる田中

 

 

「…覚悟決めたっつっても…いきなりすぎじゃ…ん?」

 

 

二冊目のファイルをめくっていると、とある概要に気づく田中

 

だんだんと神妙な表情になる田中の顔を見て浜田はふふん、と笑う

 

 

「…そーゆーやつ…ここじゃあ取り扱ってんだわ…それは当事者達…特に被害者達の心よ。苦しみであり恐怖…んでもってたまに幸せ…」

 

 

概要の部分を凝視する田中

 

 

松本は田中の背後に立ち、彼の肩に手を当ててソファに座るよう促すと、浜田はファイルを開いたままソファに座る田中の隣にどかりと座る

 

 

「…ここに就く覚悟はもう決めたんだから…あんたの眼で、心で閲覧しなさい?…彼ら、彼女らの記憶を、魂をさ」

 

 

浜田の言葉を聞き、手に持ったファイルをぐっと握る田中

 

 

「…眼で…心で…」

 

 

 

ファイルの概要を見て、播磨鎮守府以外でも赤城達のような境遇の者がいることがわかった

 

誰かに陥れ、騙され、裏切られた者達がいる

 

 

その事実を、記憶を、記録を守る

 

 

それが第四資料室の仕事

 

 

 

「(…これが償いになるのかはわからねぇ…けど…)」

 

 

 

田中はゆっくりとファイルを開く

 

 

 

「(いまの俺に出来ることは…これしかねぇんだよな…)」

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

某所 深夜

 

 

 

 

高速道路のパーキングエリアと思われる場所に停められた一台の黒塗りの車

 

その後部座席に座る加藤少将は通話を終えるとスマートフォンをポケットにしまう

 

運転席でハンドルを握る金髪の女性はバックミラーでその動作をちらりと見る

 

 

「…私も貴方の元で長いですが…元帥とは御会いしたことはありませんね…どのような方ですか?」

 

金髪の女性、加藤の秘書ヴァネッサが問うと、加藤はふふふ、と笑う

 

 

「…意外と…君達の近くにいるかもしれないねぇ」

 

加藤の返答ではっとするヴァネッサ

 

 

「…まさか…加藤少将…貴方が海軍元帥…!?」

 

 

ヴァネッサは恐る恐る問いただすも、加藤は苦笑い

 

 

「ははは…残念ながら私ではないよ…元帥なんてとてもとても…」

 

「…?…では吉津根大将とお話していた内容は…」

 

「ああ……嘘も方便というか…まぁ、たまにはああいう言い方もありかなってね…」

 

 

加藤はくすくすと笑いながら窓の外、まだ薄暗いパーキングエリアの建物へ眼を向ける

 

ヴァネッサは苦笑い

 

 

「…ハッタリというものですか…何故わざわざ元帥から許可をとっていると言ったのですか?」

 

「…ん?…ふふふ…」

 

 

 

加藤は後部座席のウィンドウを開け、煙草を取り出すと口に咥え、火をつける

 

 

 

「ただの嫌がらせ、かな?」

 

 

加藤からすれば、吉津根によって鈴木をだしに使われたことが気に入らない

 

 

ヴァネッサもああ、と理解すると、咳払い

 

 

「…そういえば先ほど、伊豆の菱作戦に潜入していた川内から通信がありました」

 

「…川内?…さっき報告貰ったのとは別でかな?」

 

「はい…『伊豆で新人ゲッツ、ひねくれてるけど根性ありそう』…だそうです」

 

 

真顔でそう報告するヴァネッサ

 

加藤ははは、と苦笑い

 

 

「…新人…ねぇ…これは奇遇…私の方でも有馬少佐から1人世話してほしいと頼まれてね…」

 

 

「…有馬…?…英雄の1人ですか?…まさかそんな方とも繋がっているとは…」

 

 

驚くヴァネッサに対して加藤はため息し、吸っていた煙草の火を消す

 

 

「…繋がりたくて繋がった訳じゃあ…ないんだけどねぇ……まぁ、うん…わかりました。まずは支部に戻って川内と…有馬少佐の紹介してくれた人と会ってみようか」

 

「はい。すぐに出します」

 

 

ヴァネッサは頷き、車のキーを押してエンジンをかける

 

 

後部座席に座る加藤は1冊のファイルを開き、ふむ、と唸る

 

 

 

「…田中健二…か…なかなか面白い経歴の子だねぇ…」

 

 

 

 

嬉しそうに呟く加藤を乗せた黒塗りの車は関東に向け出発する

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

とある海域にある小島

 

 

 

その小島に停泊する一隻の艦艇

 

戦艦明星だった

 

 

 

その明星の甲板では2人の男女が朝焼けに照らされる海を眺めている

 

 

士官服を着た青年、赤松慎太郎

 

そしてその秘書艦、戦艦大和だ

 

 

 

「…やはり吉津根君に彼女達の指揮権を一時的にとはいえ許可したのは失敗だったね…まさか播磨の艦娘だけでなく紀伊や豊後の艦隊の一部を沈めるとは…」

 

 

赤松はふむ、と口元に指を当て考える

 

 

「…有馬少佐の艦隊と彼女達がぶつからなくてよかった…」

 

 

一言呟く赤松

 

彼の背後に立つ大和は首をかしげる

 

 

「…あの…提督…有馬少佐とは呉の…?」

 

「ああ。有馬少佐の水雷戦隊…いや、水撃隊といったかな?…あれは姫級の彼女達ですら簡単には勝つことの出来ない艦隊…有馬水撃隊は日本海軍…いや、世界の海軍を含めてもトップクラスの戦闘力を持っているからね…」

 

 

それを聞いた大和は眉間にしわをよせる

 

 

「で、ですが我々横須賀の艦隊に比べれば…!」

 

「…ふふ、どうだろうね…でもなんにせよ…これでようやく静かになったろうね。播磨国の地は…」

 

 

赤松は優しく微笑むように水平線を見つめる

 

 

「…播磨国…あの地は提督にとってそんなに大切なものなのですか?」

 

 

大和が問うも、赤松は振り返らない

 

 

 

「…ああ。播磨国は赤松家の…いや、僕と妹のだけのものだからね…今回は僕たちの地で色々と面倒事を起こされたから彼女達に手を貸させたけれど……吉津根君はやりすぎたね…地対艦ミサイルはまだ試作段階だというのに…」

 

 

自嘲するように鼻で笑い、バウレールに手を乗せる赤松

 

 

「……しかし40隻も……僕の愛する家族が眠る播磨国を守るためとはいえ…少々胸が痛むね…すまないけれど後は頼んだよ。大和……僕は少し横になるよ」

 

 

「は、はい…お任せください」

 

 

踵を返し、後ろ手に振りながら艦橋の方へと向かう赤松

 

大和はそれ以上なにも聞けず、ただじっと彼の背中を見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、深海棲艦迎撃作戦…もとい、播磨水上特攻作戦は幕を閉じる

 

 

吉津根の謀略により播磨鎮守府の艦娘は漣と朧を除き死亡

 

 

迎撃作戦と水上特攻作戦を指揮したとされる鈴木はその功績から中将から大将へ昇格

 

同じく支援艦隊の指揮として就いていた吉津根も中将から大将へ昇格した

 

 

 

また、表向きには千草をはじめとする播磨の職員達が殉職したのを、作戦のどさくさに紛れて謀反を起こした武のせいとなり、黒田、鴛渕はそれに加担とみなされ、黒田は強制除隊後、海軍刑務所へ

 

鴛渕は鈴木と有馬の手引きにより罪に問われることはなかった

 

 

そして加藤の介入によって田中は東海支部第四資料室行きとなった…

 

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

 

 

数日後 播磨鎮守府正門前

 

 

 

薄汚れ、壁にひびの入った正門の前に黒塗りの車が一台止まり、後部座席の扉が開く

 

 

降りてきたのは頭に包帯を巻いた1人の男性士官、坂本だった

 

 

「…わざわざここまでありがとうございました。有馬少佐」

 

坂本がそう言うと、黒塗りの車の後部座席、その反対の扉から呉鎮守府提督、有馬が降りる

 

 

「…いいえ。これぐらいお安いご用ですよ」

 

「…なにからなにまで…本当になんと御礼をいえばいいのか...」

 

 

有馬に向けて頭を下げ礼を言う坂本

有馬もふふふ、と笑い返す

 

 

「…ですが…あれだけの事があったのに…本当に播磨でよかったんですか?…こんなことを言うのが失礼なのは承知していますが、播磨にはもう戦える艦「良いんです。あんなことの後だからこそ、僕はこの播磨を立て直したい…死んだ生徒達のためにも…そしていつか帰ってくる相棒のためにも、播磨をきちんと残しておきたいんです」

 

 

坂本のはっきりとした返しに有馬は諦めるように鼻でため息を吐き、微笑む

 

 

 

「…なるほど…そこまで言われれば男としてもう余計なことは言えませんね…ですが…せめてあなた方のお手伝いぐらいはさせていただきたい」

 

そこまで言い、有馬は坂本の目の前に立ち、敬礼する

 

 

「我々呉鎮守府は何があろうともあなた方播磨鎮守府の味方です。なにかあれば全力で協力させていただくので遠慮なく相談していただきたい…よろしいですね?」

 

 

そう話す有馬から若干の圧を感じながらも、はっきりと味方だと言い切ってくれた有馬の存在をありがたみ、姿勢をただして敬礼を返す

 

 

 

「…御心遣い感謝致します。有馬少佐…これより播磨鎮守府を立て直すまでは本当にお世話になると思うので、どうぞよろしくお願い致します」

 

 

播磨鎮守府正門の前で、2人の士官は笑いあう

 

 

 

 

 

 






お疲れ様でした


いや、長かったですね…
1年以上使って播磨編御送りしました


まぁ一応主人公のお話、ということなんで…はい


結局吉津根も糾弾されることなく、柴山も健在…田中達の生徒である艦娘は大勢死に、味方の提督達もやられる、と…


はい。いつものやつです

後味悪いやつですね(ヒャッハー)



はい。
今回の反省するべき点として、まずもっと簡潔に話をまとめなければならないな感じました。

ぐだぐだ…に、しているつもりはもちろんありませんが、ストーリーが長いとやはりもたついた感じがしますね。これは作者として反省するべき点のひとつでした


あとは登場人物を一度に出しすぎるのも危険とわかりました

メモとしては残してあるんですが、どうしても


武大佐→紀伊海軍航空基地
黒田少佐→土佐海軍工廠基地


これが作者のなかで入れ換わることが多々ありました

集中せねば、ですね


長くなりましたが、次は久しぶりの海の鎮守府のお話となります


さて、今回誰が海の鎮守府に行く事になるのか…



次回を楽しみに…


それと作品への評価、得に高評価など頂けると作者が大変喜びます


よろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。