「ステージは…こうやってみる?うん。後でこころちゃんに聞いてみようね。」
「ご、ごめんね…大丈夫だよ。うぅ…滑っちゃったのかなぁ。」
「あ、美咲ちゃん。いまね、○くん探してるんだけど…」
夕色も落ち、寒さを抱きながら、帰宅へ向かう暗い時間。
暗闇に光る水色の瞳から、青炎が湧き出ていて。溢れ出ている。
その椅子を奪う為の時間。
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夕焼け時に並ぶ二人。このまま愛を語り合い、肩を並べ、口を重ね――――――――――――――という淡い青春じゃ無いのは、誰の目から見ても明らかだろう。
「あたし達は生きている…今日もお疲れ様でした。」
「…美咲さんもね?」
はて、何が有ったのか?思い出す事すら出来ない。
顔で収まらない疲労感。既に閉じている瞳。引き摺ると言うより、どうにか繋がってるように見える足。
「次ステージついて、直ぐに決まった所までは良かったんですが…。」
「…今日はこころさんが、マトモな案を出してくれたから。」
今日は不思議なほど、マトモな案だった。突発的でも無ければ、しかと計画された案。
「これで、掃除が無かったら最高だったんですけどね。」
「まさか、平面で転ぶとは…。」
「あの広さは、規格外過ぎる…」
後から確認したが、特に滑ってる訳では無い廊下で、よもや転ぶ生命体が居た。それを見てしまったお嬢様の発案で大掃除。あれは、彼女原産の謎で起こった現象じゃないのか…?
「ハロハピに入って以来、花音さんの迷子とかに会ってますが、あんな転び方は初めて見ましたよ。」
そういえば、掃除を初めてから彼女を見ていない。あの大屋敷で迷子…黒服さんもいるし、大丈夫だろう。
「じゃあ、また明日。」
「はい、お疲れ様でした。」
彼女から連絡も無い。今日は彼女の家に寄らずに家に帰ろう。疲労に体を預けよう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ステージは…こうやってみる?うん。後でこころちゃんに聞いてみようね。」
嫌ですよ。○○さんだけで、考えたステージじゃないのは。○○さんが作り上げた場所にあたしが居る。
「こころ、次のステージこういうのはどう?」
大丈夫です。今回はあたしが作り上げて起きましたから。○○さんが舞台を作って、そこにあたしが立って、舞台裏からあたしに声を掛けてくれて…今度は一緒に作りましょうか。
・
「ご、ごめんね…大丈夫だよ。うぅ…滑っちゃったのかなぁ。」
靴に細工するって難しいんですよ。剥がれないように穴を開けるの。
・
「あ、美咲ちゃん。いまね、○くん探してるんだけど…今日の夜ご飯のことでね?」
「ごめんね。伝言お願い出来るかな?❲先に食材買ってくるから、いつも通り家に来てね❳って。」
確かにお願いされましたが、承諾はしてないですよ。
・
「疲れました。色々と。」
…今頃、花音さんは家で、○○さんを待ってるんですかね?
あたしに抱き締められてる、○○さんを待ってるんでしょうね。
「布団掛けないと、風邪引きますよ。」
…大丈夫です。いつも見てますから。
こころ達が出す案を持ち帰って、机に並べて目を瞑って想像して、慌てて別の案に着手したり。
ステージの調整で、色んな場所に行ってるのも知ってますよ。CiRCLEで他のバンドの手伝いしてるのも聞きました。
花音さんの家で、夜ご飯食べてるのも見てましたし、告白の言葉も聞いてました。
あたしは○○さんのこと、全部分かってますよ。
…お互い、ハロハピに入って、連れて来られて間もない頃から、こころ達に振り回されて…あたしと同じじゃないですか。
金髪みたいに、突拍子も無いこと言って、振り回さないし。
橙色みたいに、連れ回して、疲れさせないし。
紫色みたいに、意味の分からないこと言わないし。
水色みたいに、迷子になって○○さんに迷惑掛けないし。
…あたしとだけは、何も間違ってないんですよ。
もう止めましょうよ。ハロハピも水色も。
こころと笑顔になるのも止めて。
はぐみとのソフトボールも止めて。
薫さんとの演劇も止めて。
花音さんと別れて。
止めて。別れて。居なくなって。あたしだけにしちゃいましょうよ。
「…あー。こんなの、あたしの柄じゃないのにな。毒されたんですかね?」
「○○さん。」
疲れてるからって、無防備過ぎて。
…襲えって言ってるんですよね?
抱き締められて、抵抗もしないって。
「あははっ…言い訳は後でしますから、許して下さい。」
「これからも続けましょうよ。貴方と私だけにして。」
ハロハピが消えようとも、形が消されようとも、共に並ぶ二人。
如何なる困難があろうとも、彼女は不変の意志と独占心によって、危機を乗り切るであろう。彼との繋がりを求めるモノが居ようても、時に残虐に見えて、時に哀れみに見える、その独欲で奪い続けるのだ。
独欲に埋もれ、水色の罠に落ちようとも。必ず彼を道連れにして。手放さない。
水色にも、誰にも渡さない。
久しぶり過ぎて、書き方を忘れた。
「あの子からの電話です。」は、限定公開にしました。
多分、次はリメイクですので。
では、また。
感想、キャラ・シチュエーション希望、よろしくお願いします。
章分けした方が読みやすいですか?
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章分け出来るものはした方が良い。
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章分けしない方が良い。
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別にどっちでもいい。