あの子が病みました。   作:-4℃

2 / 4
リメイクです。


そんないつも通り望んでないから。【美竹蘭】【最新話】

 

 

 

 

 

【美竹蘭からの電話です。】

 

 

 

多くの人間が1日の行動を終え休息に入る時間。

 

 

 

「もしもし」

 

 

 

彼女は声に苛立ちと焦りを乗せながら呼び出しをした―――――――――

 

 

 

「…おはよう、まだ寝ぼけてんの?」

 

 

 

そんな自分の惚け方に不信感を抱かれないか心配しつつ、脳に浮かぶのは貴方の寝顔だけで困る。

…カッコいい寝顔だった。いつも皆に向ける笑顔じゃなくて。

 

 

 

「お風呂入ってから寝なよ」

 

 

 

貴方が目覚めたてで、言葉を流してくれて助かる。

もう私…貴方のことしか考えられなくて言葉選んでられないからさ。

 

 

 

「夜ご飯も食べてないし…いま23時だから食べてお風呂入った方がいいよ」

 

 

 

そんな貴方との他愛もない雑談はこれで終わり。

 

 

 

「まあいいや、用件は明日買い物行くから付き合って」

 

 

 

昔誘ったときは断ったよね。

 

 

 

「夏服買いにいくから」

 

 

 

あぁ、去年の冬だったかな、確か「女の子の服なんて知識がない」……知識ないんでしょ?

 

 

 

「…ついでにあんたの服も選んであげるからさ」

 

 

 

なんで″あいつ″が誘ったら快諾するの?私にも選んでよ、選ばせてよ。

 

 

 

「夏服なら足りてる?………知ってるよ」

 

 

 

困惑する貴方の声に少し寂しさを感じる。

…やっぱり気づいてくれなかったね。

 

 

 

「…今日ひまりと買い物行ったでしょ」

 

 

 

少し捲し立て、小声でもしっかりと耳に入る彼女の声は。

 

 

 

「知ってるよ」

 

 

 

少年が疑問を投げ掛けようとしても動き続ける彼女の口は。

 

 

 

「なに?ひまりとは行けてあたしとは行けないの?」

 

 

 

少年の話を遮るように話す彼女の言葉は止められない―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「それとも…そんなに明日のひまりが大事?」

 

 

 

「知ってるよ…全部」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ…言ってしまった。

 

言葉を口に出したとき、自分の声はきっと震えていただろう。

 

震えた声が恥ずかしいな…どう思われたかな?

 

そんな羞恥や乙女な考えが脳を巡ろうと、もう自分は戻れない。

 

知ってるなんて言わなければ…明日もいつも通りが続いたのかな?

 

 

 

 

でもさ…私の求めてない″いつも通り″が続くのはもう嫌だから。

 

 

 

 

 

 

 

「ご飯を一緒に食べたことも」

 

 

 

食べさせあって目を遠くに飛ばしたこと。

 

 

 

「似合う服を選んだことも選んで貰ったことも」

 

 

 

知識が無いのに、あいつのために真剣に服を選んでたこと。

 

 

 

「手繋いだことも」

 

 

 

人に流されるからって、貴方から手を差し出したこと。

 

 

 

「頬にキスされたことも」

 

 

 

目を見つめ合って頬を染めたこと。

 

 

 

「帰ってきて直ぐに寝ちゃったことも」

 

 

 

頭を抱えながら画面とにらみ合っていたこと。

 

 

 

「明日もひまりと遊びに行くことも」

 

 

 

またあいつに笑いかけること。

 

 

 

「明日ひまりがあんたに告白しようとしてることも」

 

 

 

全部見ていたから。

 

 

 

「あたしはあんたの全部知ってる」

 

 

 

だから受け止めてよ。

 

 

 

「知ってるんだよ、何を買って、何が好きで、何を見て、何を考えて………誰を想っているか」

 

 

 

貴方の気持ちは私が受け止めるから…全部私色に染めてあげるから。

 

 

 

「だから知ってるよ………あたしが好きこともね」

 

 

 

全部塗り潰すから、壊したあげるから。

 

 

 

「ここまでしても惚けるんだ………ヘタレ」

 

 

 

言ってあげるから、全部ぶつけてあげるよ。

 

 

 

貴方が気づかなかった美竹蘭を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「表情変えなくても分かってくれる」

 

 

 

少女の想いは歪んでいて、純愛と呼べたものでは無くて。

ずっと昔から壊れていて、愛していて、諦めていて―――――――――

 

 

 

「何も言わなくても分かってくれる」

 

 

 

でもその全ては、幼少期を共にした人物からでも愛を奪い取るその心は―――――――――

 

 

 

「いつもあたしを気遣ってくれる」

 

 

 

―――――――――貴方への想いの強さだから目を逸らさないでね。

 

 

 

「そんなあんたのことがあ、あたしも……その……好きだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………相思相愛なのにいつまでも告白してくれないってやっぱりヘタレじゃん」

 

 

 

 

 

「女から告白させるってどうなの?」

 

 

 

 

 

「黙らないでよ…ほら、彼女のために明日の予定空けてよ」

 

 

 

 

 

「…あんたも悪い男だよね。ひまりが自分のこと好きなのを知りながら、誘いに乗って一緒に出かけてキスされて照れる演技するんだから」

 

 

 

 

 

「可哀想だからちゃんと先に好きじゃないって言いなよ」

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

「俺はひまりが好き?………まだ寝ぼけてんの?」

 

 

 

 

 

「………もう諦めてよ」

 

 

 

掠れた声で吐き出してしまうは少女の本音。

 

 

 

「………疲れてるんだよ、あんたひまりの相手して疲れたんだね」

 

 

 

疲労を訴えて少年の気持ちから目を逸らそうとして。

 

 

 

「…なんでひまりのことが好きなんて言うの?」

 

 

 

脳裏に浮かんだ…そんな知っていることを少年に聞き返す彼女は。

 

 

 

「………あんたはあたしが好きなんだよ………相思相愛なんだよ」

 

 

 

非常に脆くて嘘つきで…自分の鎖を壊してしまっていた。

 

 

 

「なんでなの…どうしてモカと二人でパン食べに行くの?」

 

 

 

 

 

「どうしてつぐみのお店で二人でコーヒー飲みながら喋ってるの」

 

 

 

 

 

「どうして巴と二人でドラムスティック見に行ってるの」

 

 

 

 

 

「どうしてあたしだけを見てくれないの?」

 

 

 

 

 

「黙らないでよ………ねぇ?………答えてよ!」

 

 

 

 

 

「あたしだけに笑いかけてよ!」

 

 

 

「あんたが!」

 

 

 

「あたしだけを見てよ………

あたしだけがあんたの事を分かってあげられる!あたしだけが―――――――――」

 

 

 

 

 

 

【切断されました】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モカみたいに

 

 

 

ひまりみたいに

 

 

 

つぐみみたいに

 

 

 

巴みたいに

 

 

 

そんなものは私にはない、それでも貴方は好きになってくれたんだ。

 

 

 

 

 

見てくれるんだ

触ってくれんだ

撫でてくれるんだ

抱きしめてくれるんだ

慰めてくれるんだ

愛してくれるんだ

 

 

 

 

 

 

 

壊すんだ、あたしと同じにするんだ。

 

 

 

 

 

 

 

新しいいつも通りを作るんだ。

 

 

 

 

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

【美竹蘭からの電話です。】

 

 

 

 

 

 

【美竹蘭からの電話です。】ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと出た………いきなり言われても焦るよね。ごめん、あたしが全部教えてあげるから。」

 

 

 

 

 

 

「いまあんたの家の前………開けてよ」

 

 

 

 

 

 

「…ひまりへの連絡もあたしが、したあげる」

 

 

 

 

 

 

「あんたの服を選んだあげる…あんたが私のこと考えて選んだ服が着たい」

 

 

 

 

 

「好き同士じゃん」

 

 

 

 

 

 

「あたしを受け入れてよ」

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

「やっと開けてくれた」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「…そんな目で見ないでよ」

 

 

 

 

 

「ひまり達のことは私が全部やってあげる…」

 

 

 

 

 

「だから…ほら抱きしめてよ」

 

 

 

 

 

「あたしと壊れよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここはこっちの方が良いんじゃないか?」

 

 

 

 「じゃあここは直してっと」

 

 

 

 「というかこの衣装こんなフリフリしてたら動きにくいだろ…」

 

 

 

 「あはは…」

 

 

 

 「モグモグ…ひーちゃん今日元気ない~?」

 

 

 

 「…そんなことないよ」

 

 

 

 「あ!蘭ちゃん!」

 

 

 

 「あっ…」

 

 

 

 「お、ちょうど良いところに」

 

 

 

「ん、遅くなった」

 

 

 

 「あれ?○○君は…?」

 

 

 

「あいつは…今日調子悪いから来ないって」

 

 

 

 「あいつが調子悪いって珍しいな」

 

 

 

 「お見舞い行かなきゃだね…」

 

 

 

 「………蘭、なんかあった~?」

 

 

 

「…別に」

 

 

 

 「お見舞いって、なに持ってけば良いんだ…あいつなに好きだっけなぁ」

 

 

 

 「そうだ、お見舞いに果物はどうかな?」

 

 

 

 「ひーちゃんパン食べないの~?」

 

 

 

 「蘭…ねぇ、あのさ」

 

 

 

 

「………あんたはあそこに居なくていい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつはあたしとだけ居ればいいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初期のリメイク?加筆です。


あんまり変えすぎず、でも読みやすく直して…って難しい。昔どうやって書いてたんだろう。


画像制作メーカー様
「あの子がこっちを見ている」
https://picrew.me/image_maker/186583/complete?cd=dd8fUVi919


次回、「大丈夫よ。お姉ちゃんに任せていれば。」【湊友希那】


では、また。
感想、キャラ・シチュエーション希望、よろしくお願いします。

章分けした方が読みやすいですか?

  • 章分け出来るものはした方が良い。
  • 章分けしない方が良い。
  • 別にどっちでもいい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。