前々から思っていた物語の1つ、ハーメルンではお馴染みハイスクールD×Dの二次創作。
クロスさせるのはデジモン、それもフロンティアと言うチョイス。
作中に出てくるロイヤルナイツの面々はパートナー共々所謂出て来たら最強のサブポジションにいる師匠枠です。
だって殆どのデジモン作品で大抵ロイヤルナイツが敵で出てくるじゃないですか!
でも主役に置くと強すぎて面白味が無い…のでこのポジションに!
後単純に私が変身ヒーローのノリが好きなので…//
「空はこんなに青いのに……はっ、どいつもこいつも暇だねぇ」
人気の無い空地、そこに不釣り合いな喧騒。
短めに切り揃えられたスポーツカットの髪を風に靡かせた少年が空を見上げてそう呟く。
周りを囲むのは柄の悪い…所謂ヤンキーと呼ばれる類いの人間達。
少年を前に皆一様にザッケンナーコラー!スッゾコラー!シニサラセー!等と叫んでいる。
「おうおう、吠える吠える。負け犬共が良く吠えるねぇ。んじゃま、今日こそはそこそこ楽しませろよ?」
拳を握り、集団へ飛び込む少年。
二刻半の後、空地から少年が何事も無かった様に去っていく。
もしそれを目撃して空地へ視線を向ける者がいたらその光景に絶句しただろう。
地面に倒れる夥しい数の人の山、数人は壁にめり込み土管の上に延びている。
この光景を築いた少年の名は駒王学園2年 灯 拓哉。
俗に不良というレッテルを貼られている駒王の問題児の1人である。
「セイッ!ハァッ!ヤァッ!胴ォオ!」
駒王学園の敷地内にある武道場で裂帛の雄叫びが響き渡る。
剣道を嗜む者にしては珍しい二刀流、それ故に公式戦には中々出られないでいるのだが、それでも腐らず真面目に鍛練するその様は性格の顕れか。
「ふぅ」
鍛練に区切りを付け、一息衝く人物。
胴着の面を取れば切れ長の目に同い年の同性に比べれば長い黒髪を携える険の鋭い少年。
「………まだ、足りないか?いや、しかし…」
何事かを呟き思考に耽る少年を武道場の外から数人の少女が覗いている事は本人も知らない。
武道場に射し込む一条の光に照らされる彼は、御堂輝次。
その神秘性を感じさせる画に覗き込んだ少女の数人が倒れたのは言うまでも無い。
「チャオチャオ~!おじいちゃん元気ー?あ!おばちゃん久しぶり~♪あっ!?みーくん~♪」
学校から帰宅途中の道すがら逢う人逢う人、果ては動物にまでこれでもかとばかりに愛想を振り撒く少女。
整髪剤では決して出せない程の極め細やかな金髪を翻しスキップする。
存外、画になるのは彼女の人柄が成せる技か。
小麦色に焼けた肌と制服の着崩しもあって見た目はギャルのそれだが、こう見えて彼女…結構なお嬢様である。
彼女の名は風羅伊墨
実家は駒王と隣町の境にある豪邸だ。
何故ギャルになったのか……それは本人のみぞ知る。
「ふぅー。こんなもんかなぁ」
人気の無い廊下で脚立に跨がり蛍光灯を交換するがっちりとした体格の人物が呟く。
隣で礼を述べる老用務員を労いながらゆっくりと古い蛍光灯片手に脚立を降りる。
ガタイの良さから成人に間違われる事もあるが未成年である。
雷門順兵。面持ちの優しい、正に気は優しくて力持ちを体現した少年である。
「ぼくを子供扱いするなぁぁぁああ!」
そう叫び、群がるクラスメートの女子から逃げ出す小さな少年。
いやしかし、周りが明らかに高校生相応の見た目の中、小学生並の身長ではそれも致し方あるまい。
実際、彼は帰国子女で飛び級なのだから周りよりは子供である事は事実なのだが、本人はそれを承服しかねるようだ。
氷野友暉…彼は涙眼を浮かべながら追ってくる女子から逃げるのであった。
「ふーん。聖書に語られる天使、悪魔、そして堕天使が好き勝手やって、それを人間が迷惑被る上に、各神話の神々やら魔獣やらも存在する世界ねぇ……」
何処かの空間で玉座に座した人物が呟く。
『如何為されますか陛下?』
右腕が青い狼、左腕が橙の竜の様な意匠の白い騎士が平伏しながら玉座に座す人物の判断を求める。
「さて…どうしたもんかね。我らが策士はどう見る?」
『畏れながら閣下、我々が不用意に動くのは得策ではないかと……』
獅子か狼か…獣の様な兜と鬣、そして背中に翼を持つ銅色の騎士が彼の疑問に答える。
「ま、そうなるな。直接動いたらまた逃げられる可能性もあるし…ってなると…やっぱり現地人に任せるのが一番になるのかぁ」
『マイロード、懸念を懸想する横顔も美しくありますが、時間はございません。ご決断を』
「お前が女じゃなく俺を誉める時点でんなぁことたぁ理解してるよ、生憎何時もみたいなツッコミはしないぞ?」
鮮やかな薄紅の甲冑を纏う美男子全とした声の騎士に半眼で返す陛下、閣下、マイロードと呼ばれる人物。
『ならやっぱりイグドラシルの提案通り、アレを渡すしかねぇんじゃねぇか大将?』
竜の翼持つ蒼天の騎士が気安く自分達を統べる主に進言する。
「はぁ…まさか、よくある転生モノのカミサマ的ポジションを俺がやるはめになるとは………世も末だな」
『心中、お察しします。ですが……』
髑髏の様な形相の紫の騎士が彼を労う。
「分かってるさ。逃げた連中も…それに乗じた連中も……盗まれた闇、鋼、土、水、木の力も何とかせにゃならん」
『では…やはり、この世界の現地の者にアレを渡すのですね』
居並ぶ騎士達の中で唯一、四足型の半獣の騎士が王の決断に応じる。
「幸い、俺達は派手に動きさえしなきゃ目立たない…と思いたい、ともかくあの世界に降りて、コイツを扱うに相応しい人間を見繕わなきゃならん」
『我が王が選出されるのです!相応しく無い筈がございません!』
憂う王に白き龍人の騎士が過剰な程の信頼を言葉にする。他の騎士も程度の差はあれど頷いている。
「ホント、お前達はもったいないくらいの忠義者だよ……さて、なら選んだ連中はお前に任せて良いか?」
騎士達の忠義に些か呆れながらも嬉しさで苦笑する王はそのままコートを羽織ったこの中で一番人間に近い姿をした騎士に訊ねる。
『お任せ下さい。我が命に代えましても必ずや立派な戦士へと鍛え上げましょう!』
「そ、そうか…程々にな…」
彼の騎士の発言に若干引きつつ、思考を切り替える王。
「さて…となると、だ。選出もだが、俺達が暮らす拠点も用意せにゃならんな…お前達はテジヴァイスに収納出来るから良いとして、俺は最悪野宿か……」
『主上よ、僕に命じてくだされば例え野晒しであっても虫一匹近付けさせません!』
黄金の騎士が誇らしそうに胸を張る。
「うん、まず色々ずれてるからなその発言……取り敢えず日本円は使えるし、まぁ食うに困らない程度の技術はあるし…あっちの世界の裏社会は人外の類いも多いみたいだし、最悪賞金稼ぎ的な事をすれば大丈夫かね」
『しかし、それは目立つのでは…?』
漆黒よりも美しき黒の甲冑を纏う騎士が先刻目立つ事を避けるように言った王の言葉を思い出し訊ねる。
「何事もやりようだよ。一応は俺、普通の人間だし」
『我らを素手で調服させる男が自らを普通と宣うか!ハッハッハッハッ!』
『貴様!?猊下に対し失礼であろう!』
一際巨大な竜が笑い、紅い騎士がそれに眉を潜め忠告する。
「構わん。コイツとはそういう約束だしな、さて…伝説を受け継ぐに値する者達が居るかどうか……楽しみではあるな…さて、行くとするか!」
『我等は最期の瞬間まで王と共にあります』
2騎を諫め、世界を見下ろす王、最後に残った若輩の白い剣の騎士が代表して言葉を発する。
異様、異形、異質なれど13騎全てが王へ忠誠心を顕に跪く。
「さぁて、それじゃいっちょ、救世主を生み出しに行きますか!」
そんな王の手には携帯端末の様な機械とそれを中心にして浮かぶ5つの彫像らしき物体があった。
それらには火、光、風、雷、氷の字が刻まれている。
こうして1人の人間の王と13騎の異形の騎士が世界に流星となって降り注いだ。
──王と騎士によりもたらされる異界の力
──それは三大勢力の大戦の頃より現れる
──炎の神竜・エンシェントグレイモン
──光の聖狼・エンシェントガルルモン
──風の鳥人・エンシェントイリスモン
──氷の霊獣・エンシェントメガテリウモン
──雷の甲虫・エンシェントビートモン
──そんな彼等に引き寄せられる対の存在
──闇の賢獣・エンシェントスフィンクスモン
──地の怪人・エンシェントボルケーモン
──水の女神・エンシェントマーメイモン
──木の要塞・エンシェントトロイアモン
──鋼の魔神・エンシェントワイズモン
彼の存在により天使、悪魔、堕天使、そして二天龍の戦いは有耶無耶となる。
「まさか、スピリットが勝手に居なくなるとは……この世界の思わぬ副産物だな……結局、手元にあった五つしか回収出来なかったし…やっぱり、現地人に頑張って貰うしかないな、うん」
「嗚呼、やっぱり追って来たんだあの人……しつこいなぁ……」
邪悪は嗤う。
選ばれるは5人の若者。
相対するもまた5人。
そして様々な思惑が交錯する。
「おっぱい!!」
「死んでくれないかな?」
「はんっ!変態が痴女に絡まれてやがる、ワロス」
「お前なんかに部長は渡さねぇ!」
「身の程を弁えろよ!雑魚が!」
「俺の炎には遠く及ばねぇなぁ?焼鳥野郎!」
「聖剣は全て僕が破壊する!」
「君たちは手を出すな」
「久しぶりねイッセーくん!」
「再び戦争を始めるのだ!!」
「学校の敷地内では静かにしてもらうぞ下郎!」
「こんな格好して男とか…詐欺だろ!?」
「ひぃぃぃい?!ごめんなさぁぁあああい!!?」
「こんなものか赤龍帝…」
「我々こそが真の魔王なのです!!」
「あはっ♪なーんかヤバイ感じ?」
「真の魔王だと…笑わせる、自らの力によって成す訳でもなく強者から借り受けた力で傲るとは…この世界の魔王とやらは道化か何かか?」
「あちゃー、よりにもよってお前さんが最初に出てくるかよ暴食の七大魔王ベルゼブモン…!」
「白音は返して貰うにゃん♪」
「姉さま……どうして…!」
「小猫ちゃんは絶対に連れて行かせねぇ!!」
「ふん……別にあんたらの関係なんか興味無いけど、そいつが居なくなるのは借りが返せないからちょっと……いやかなり困る。だから邪魔する」
「排除。排除。排除。排除。排除。」
『邪悪に染まりしデジモン達よ。このオメガモンが相手となろう!』
「ヒャハッ!このグロットモン様が相手になるぜご同輩!」
「野郎!!」
「迎えに来たよアーシア」
「私の眷属はあなたの様な輩には渡さないわ!」
「我、目覚めるは──」
「みんなが笑えるように…自分も戦う!」
「グゥ……グォ……GoooAaaa!!」
『やれやれ、いくら初めてのビーストスピリットとは言え、暴走で我を失うなんて美しく無いなぁ…君たちはマイロードから期待されているんだよ?』
『ギャハハハ!程好い欲が渦巻いておるわおるわ!』
『判決!死刑!執行!』
『強欲に次いでゴクモンまで現れたか……猊下の為にも貴様らは此の余、デュークモンが相手をしよう!』
「母上を返せ!」
「人外を倒すのが英雄と言うものだろう?」
「オレが絶対、九重の母ちゃんを取り戻す!」
「闇に沈め…愚かしき者達よ……」
「っ?!…何故だ、どうして私は奴を知っている!?」
『闇の十闘士……まさか姿を歪められたとは…!』
「ようこそガキ共、お前達は選ばれた…俺が選ぶまでも無く、お前達の魂が戦士達と引き合った。喜べ馬鹿共、今日からお前達は世界を救う救世主だ!」
「ザケンナ死ね!」
「馬鹿馬鹿しいにも程があるな、阿保が…」
「えっ?ナニコレ?何かの撮影?ドッキリ?うける!」
「ええっと……自分が良い病院紹介しますよ?」
「子供だと思って舐めてんだろおっさん」
『『『『『『『『『『『『!?』』』』』』』』』』』』
『ヌッアッハッハッハッハッハッ!中々気骨がある連中じゃないか!』
「よぉし…ガキ共、歯ぁ食いしばれや!!」
ハイスクールD×D&デジモン…!
スピリットD×D起動!
──悪しき力に染まりし魂よ、
──この炎が焼き付くす!
──聖なる光が浄化する
──あたしの風が祓い癒す
──我が雷が貫き滅ぼす!
──この氷河が固め砕く!
今、新たなる冒険の扉が開く!
私はハイスクールD×D原作は書店で立読みして把握しているので……ちょっと台詞はうろ覚えです。申し訳無い。
デジコードスキャンの台詞はまぁ、火と光以外は完全オリジナルです。
フロンティアでメインだった二人の口上は多少アレンジしました。
頭の中では結構設定がするする出てくるんですよね、ラピライ×セイバーしかり