花騎士短編オムニバス   作:桃色レンコン

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大人とは自分の行動の意味を知る者

「ふぅ~。お片付け、一日で終わって良かったねーっ!」

 

つい先程まで行っていた長年使われていなかった倉庫の片付けを終え、副団長であるシャボンソウと共に全身埃まみれで廊下を歩いていた。

すぐ終わる簡単な作業と高を括っていた結果がこれだ。綺麗好きのシャボンソウには本当に申し訳なかった。

 

「大丈夫だよ~。わたし、汚れたものをお掃除やお洗濯で綺麗にするのも大好きだもんっ!最後に綺麗になった倉庫を見て、とってもしゃわしゃわした気持ちになれたんだ~♪」

 

そう言ってもらえるならありがたい。お詫びと言ってはなんだが、少し早いが今日は上がってもらって構わない。風呂に入って体の汚れと疲れを落としてくれ。

 

「は~い♪団長さんも真っ黒なんだからすぐにお風呂に入らなきゃダメだよ?このままお仕事したらお部屋も書類も汚れちゃうんだからっ!」

 

言われて自分の体を見回すと、なるほど確かに服も体も大いに汚れてしまっている。このまま机に向かえば被害が拡大してしまうのは目に見えていた。

ならいっそのこと自分も今日はこれで切り上げだ。急ぎの用件も無いし、汚れを落とすために今から風呂に入ってしまおう。

 

「うんうん、それがいいよ~。じゃ、わたしもお部屋に戻って入浴道具を持ってくるよ~」

 

こうしてシャボンソウとはその場で別れ、着替えを持って風呂場へと向かった。

 

 

 

風呂はいい……。人間が生み出した文化の極みだ…。

シャボンソウと別れてすぐに騎士団長専用の風呂に行き、頭からお湯をかぶって汚れを流した。

風呂場に立ち込める湯気が空気に湿気と温かさを与え、呼吸をするだけで体の内側に心地よい熱が広がっていく。

早く湯船に浸かって芯まで温まりながらゆっくりと足を伸ばしたい欲求に駆られるが、それはマナー違反というもの。湯を浴びただけでは汚れが落ちたとは言い難く、しっかりと体を洗ってから入るべきなのだ。

 

そう思い以前シャボンソウから貰ったいい香りの石鹸に手を伸ばすと、突然脱衣所の扉が開かれ小柄な誰かが入ってきた。

 

「あっ、団長さんその石鹸使ってくれてるんだね!ありがと~!じゃあわたしがその石鹸でお背中流してあげるねっ!」

 

突如現れた我が騎士団の副団長に固まっているこちらをよそに、水着姿のシャボンソウが豊満な双丘を揺らしながら近付いてきた。

 

 

 

「団長さん、さっきのお片付けで重い荷物や特に汚れていた資材をわたしの代わりに全部運んでくれたでしょ?だから日頃の労いも兼ねて、わたしが団長さんをしゃわしゃわしてあげるよ~」

 

シャボンソウに背中を流してもらいながら説明を求めると、このような返事が返ってきた。

なるほど、それで水着に身を包んでわざわざ来てくれたのか。むしろ戦いでは前線に立ち副団長として周りを鼓舞しながら害虫と向かい合い、戦いが無ければ団長である自分と共に事務や雑用を引き受けてくれるシャボンソウこそが労いを受けるべきだと思うが、今この場でそれ言うのは無粋というものであろう。

後日行うことにするシャボンソウへの日頃の礼を考えながら、鏡越しに彼女の姿を見る。

 

「ふんふふ~ん♪しゃわっしゃわ~♪」

 

清楚なイメージによく似合う白と水色のビキニに身を包み、頬に泡を着けながらニコニコと笑いながらこちらの体を洗ってくれている。

この姿を見て可愛いと思わない男がいるのだろうか。いやいない。

そんな彼女に背中を流してもらえてるという、世の男子が聞けば嫉妬で狂いそうな役得を一身に受けている自分はなんと幸せなのだろうか。

 

 

 

だが、ここで一つ問題が発生している。

確かにシャボンソウは可愛いが、それ故にこの光景は非常に目の毒であった。

泡立ったスポンジを持つ手が上下に動く度にその豊満な胸部が腕に圧され、ぷるぷると柔らかそうに形を変えながら揺れている。

ベルガモットバレーの渓谷よりも深さを感じる魅惑の谷間が強調され、首筋から伝ってきた汗が曲線に沿って落ちていく。少しサイズが小さいのかそういうデザインなのか、一部の、特にバナナオーシャン出身者が好む格好のように横にはみ出た膨らみがその大きさをこれでもかと強調している。

以前おっぱい星人の同僚が彼女を見て『大きすぎず小さすぎない、丁度良いサイズ』と評していたが、どんな偏った基準を持っていたらこの母性の象徴に対してそのような評価を下せるのだろうか。

下半身もあの腹ペコキャラとは思えないほど綺麗にくびれ、それでいて触ったら間違いなく良い感触が返ってくると確信できるむっちりとした腰つきをしている。

 

確かに普段のシャボンソウは清楚なイメージを相手に抱かせる。だが邪な気持ちを抱きながらじっくり観察すれば、清楚とは程遠い男受けする実に魅力的な体の持ち主だった。

そんな彼女が二人っきりの状況で、ビキニ姿で大胆に肌を晒して真後ろにいるのだ。時折手とは違う大きく柔らかい感触が背中に当たるのも非常に心臓に悪い。

そんな不純な考えを持ちながら彼女の姿を目で追い続けていると、背中に湯を掛けられ泡が洗い流された。

 

「背中洗い終えたよ~。じゃあ次は…」

 

次?次があるというのか?まさかこのまま前も洗ってくれるというのだろうか?

タオルで隠しているとはいえ下の太陽の剣は既に100%に達しており、そこから先はもう成人指定不可避である。

これはもう、このまま押し倒しても許してもらえるのではなかろうか?200%を目指してゲージが上昇していくのを感じながら、官能の幕開けの合図となるシャボンソウの言葉を待つ。

 

「髪を洗ってあげるね~。男の人だからってないがしろにしちゃダメだよ?普段から髪もちゃんとケアしてあげないと」

 

……ハイ。オネガイシマス。

ですよねー…。

 

 

 

その後シャボンソウに髪を洗ってもらい、自分で体の前面を洗って綺麗さっぱりした。

彼女の持ってきた洗髪剤を使い柔らかで丁寧な手つきでケアしてもらったためか、普段と違い髪にも艶が出ている。

初めは彼女の魅力的な姿にドキドキしてしまったが、終わってみれば綺麗好きな彼女のおかげで体だけでなく心まで洗われた気分だ。

シャボンソウにそう言って礼を告げると、彼女ははにかみながら笑いを返してくれた。

 

「えへへ。魅力的だなんて恥ずかしいよぉ。……ねぇ団長さん、それじゃあ、わたしからも一つお願いしていい?」

 

ほう、シャボンソウの方から頼みごとをしてくるのは珍しい。

身体を洗ってもらったし、何より普段からとてもよく尽くしてくれている副団長の滅多にないお願いである。どんなことでもというのは無理でも可能な限り叶えてあげよう。

 

「ありがとー。それじゃあね……わたしのお背中、流してほしいなー…」

 

……はい?

困惑するこちらをよそに、シャボンソウは先ほどまで自分が座っていた椅子に座り背中を向けてきた。そしてそのままビキニの紐をほどき、胸の布を手で押さえながら白磁のような肌の背中をこちらに晒す。

 

「わたしね。団長さんを洗ってあげたくて、軽く流しただけですぐに水着と道具を持ってここに来たの。だからまだ自分の体をしゃわしゃわしてなくて、団長さんにお背中流してほしいなーって…」

 

鏡に映る、少しあどけなさを残す、少女から女への過渡期にある整った顔が赤らんでいる。

それは、蒸気にあてられた熱とは明らかに別物であろう。

押さえつけられた胸が柔らかく形を変え、恥ずかしさから少し早くなった呼吸に合わせて上下に大きく動いている。

先ほどまで鏡越しに劣情を含んだ目で彼女の姿を見ていたが、今度はこちらが鏡越しに何かを期待した目で彼女に見られていた。

 

「団長さん。わたしがお背中洗っている間、ずっとわたしのこと…わたしのおっぱい、見てたよね?だって今のわたし、こんなエッチな水着を着てるんだもん…」

 

女性は己に向けられる男の目線に敏感だというが、例に漏れず彼女もこちらの視線に気付いていたようだ。だがそんなことがどうでもよくなるくらい、後半の言葉が頭の中で反芻される。

 

「男の人って、おっぱい好きだもんね…。でも、団長さんがあそこまで見てくれるのは嬉しい予想外だったかなー。男の人がどんな水着やシチュエーションが好きなのか調べておいてよかったよ♪」

 

つまりこれまでのこちらの興奮は、シャボンソウの計算だったということか。ほんわかした雰囲気の彼女だが、幼少期に政治家や商人を目指して勉強していただけあって頭のキレはかなり良く回転も速い。

そして自分がどんな目で見られるか分かった上で、この扇情的な格好に身を包んで来たというのか?

裸の男と二人きりになる、この空間に。

 

「……団長さん、わたしも子供じゃないから……分かってるよ?」

 

 

 

それからしばらくして、もう一度二人で体を流し合うことになった。

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