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卵は冒険の始まり
日本のある住宅街にて。
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とっくに11歳になっていると言うのに、顔はそれより幼く見える。寝起きなのだろう。おかっぱの黒髪は好き放題に跳ね、一重まぶたは半分開いていない。
「お母さんお母さん!来たー!」
歓喜の声は、階段を降りるどたどたと言う音に邪魔される。
「おはよう和葉。で、何が来たの?」
母、
「朝ごはんはもうすぐだから、テーブルで待っててね」
そう言ってお皿を並べる。
「そうじゃなくて!見てよこれ!
和葉が地団駄を踏みながら言った。
「⁉︎」
その言葉を聞いた瞬間、ベーコンに向いていた葵の目が和葉の持っている卵に向く。
「ついに来たのね……。私もそれが来た時は、嬉しくて一日中話してたわ。自分がどれだけ
葵は5秒ほど目を瞑り、微笑んだ。彼女にとってそれは、かけがえのない思い出なのだ。
「よし!それじゃあ週末に買い物に行きましょう。私は仕事があるから、
亜樹は葵の妹で、光はその子供だ。つまり、和葉の従兄弟にあたる。
「え⁉︎亜樹叔母さんと⁉︎やったー、最近会ってなかったから楽しみ〜」
和葉は小走りでテーブルに向かう。
「ちょっとー、その卵、丁寧に扱いなさいよー。割ったら大変よ」
葵に咎められ、和葉はそっとテーブルに卵を置いた。
そして椅子に座り、卵に刻まれている文字を読み始めた。
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___数分後、チーンとトースターが音を立てた。
バターとトーストの香ばしい香りが漂ってくる。
「さぁできたわ」
3枚のトーストのうち1枚を葵はお皿に乗せた。こんがりといい色に焼けている。その上に目玉焼きとベーコンをのせて完成だ。和葉の元へお皿が
「美味しそー!いただきまーす!」
驚く様子もなく、和葉はトーストにかぶりついた。黄身が割れて溢れ出す。
「あっち!」
和葉がトーストをお皿に落とした。
「まったく。せっかちなんだから」
葵がため息を吐いた。その間にも、残り2枚のトーストとコーヒー、サラダがテーブルへ飛ぶ。
「2人ともおはよう。和葉、今日は早いじゃないか。ふあぁ」
階段からあくびをあくびをしながら降りてくるのは父、
「お父さんおはよう!」
「おはよう。和葉は朝から元気だな。葵、目覚まし時計に魔法をかけるのはやめてくれないか。起きないと泥を顔につけてくるんだ。おかげで朝から泥まみれさ」
誠は指で泥を拭った。
「だってそうしないと起きないんですもの」
葵は首を振って呆れたように言う。
「魔法には懲り懲りだよ。君たちは1日だって魔法を使うことを我慢できないんだから」
そういいながら、トーストにかぶりついた。
「はいはい」
葵は肩をすくめる。いつものことだからだ。
「お父さんあのね!私にもついに卵が来たの!」
言いたくてうずうずしていた和葉が自慢げに言い、テーブルに置いた卵を指差す。
「おいおい、和葉まで魔法を使うようになったら大変だ。お願いだから今まで通り、普通の学校に通ってくれ」
誠は眉をひそめながら言う。
「嫌だよそんなの。私は偉大な魔女になるのー!」
和葉がムキになって言い返した。
「2人とも朝から喧嘩しないの。誠さん、これは和葉が生まれた時から決まっていたことなのよ」
「分かってますよー。あ、コーヒーの豆変えた?」
誠はすすっていたコーヒーを指差す。
「まったく、ちゃっかりしてるんだから。___ポン吉〜。ちょっと亜樹に伝言を頼めるー?」
洗い物を終えた葵が、テーブルにつきながら言った。___すると........。
リビングにもくもくと煙が上がった。___煙が晴れると、現れたのは
「はい葵殿。何をお伝えしましょう」
そのタヌキは膝をついて言った。
「週末、和葉を光君と一緒に、
と葵は言った。
「かしこまりました」
また煙が上がり、晴れた時にはポン吉はいなくなっていた。
2月末のことである。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
ちなみに、入学許可書の代わりにウミツバメの卵が届くというのはオリジナルです。
卵には文字が刻まれていて(ホグワーツでいう手紙の文面)、マグル生まれの新入生にはマホウトコロの教師が説明に行きます。
次回も読んでいただけると嬉しいです!