見てくださる方がいらしたら急いで頑張ってみたいと思います。
多分いらっしゃらないので、ゆっくり頑張ろう。
皇暦2016年 ブリタニア帝国内とある辺境
暗い森を1騎のKMFが疾駆している。
機体の名前は《RPI-11 グラスゴー》。
機体色は若草色。
現在、ブリタニア軍に正式採用されており第五世代型とよばれる《RPI-13 サザーランド》に比べれば機能的には劣った機体である。
しかしながら日本侵攻時に使用されたブリタニア軍初の量産型KMFであり従来の兵器に対しては圧倒的な優位に立つ兵器だ。
右手には大型のKMF用のランスを構えた《グラスゴー》は木々の間を縫うように進む。
落ち葉をまき散らしつつ高速軌道をとるKMFには全くの迷いを見られない。
ただただ走る鋼鉄の騎士の動き機械的ながらも獲物を狩る獣の獰猛さを孕んでいる。
「一体どこにいらっしゃるんですかー っとねー」
《グラスゴー》のパイロットが機体の操縦席で呟いた。
灰色の髪と瞳をした若い少女だった。
身体に密着したパイロットスーツは容姿以上に思春期特有の未成熟さを際立たせている。
『今回の演習ではそちらの質問に答えることは出来ません』
灰色の少女の呟きに答えるようにして通信担当の女性が答えた。
「ぶーぶー」
軽口をたたきつつも手の動きを止めることなく少女は森を進む。
『……地形データを確認してください。
もうすぐ開けた場所にでますのでご注意を』
「了解でっす」
通信担当の女性に答えた直後、森が開けた。
それと同時に若草色の《グラスゴー》は動きを止めた。
「これは当たりみたいねー」
その 静止の理由は広場の中心に佇む一騎の《グラスゴー》だった。
灰色の少女が駆る《グラスゴー》と同様の
『驚いたなー、まさか最初からこのルートを発見してくるとは思わなかったぞ?』
広場に佇むもう一騎の《グラスゴー》から少女の《グラスゴー》へ映像通信がきた。
通信の送り主の名はノネット・エニアグラム。
神聖ブリタニア帝国の
そして灰色の少女にとって教師であり母であり姉であり友人ともいえる大切な存在である。
「いやいやノネットさん、明らかに隙を作ってくれましたよねー?」
『何を言うんだ? 私がこういったことで手を抜くわけがないだろう』
少女の《グラスゴー》の 画面に映ったノネットが朗らかに笑った。
それに釣られるようにして少女も微笑んだ。
「じゃあ私の成長ですよね」
『ああそうなるな!
まったく教え子の成長を目で見ることが出来るというのは嬉しいものだ!』
ノネットの《グラスゴー》がランスを腰だめに構えた。
それにあわせて少女の《グラスゴー》も同様の姿勢をとった。
通信が切れる。
「ではでは私の卒業式、はじめますかねー」
返事はあった。
KMFの駆動音という返事が。