創星記ー異伝ー FFXV~冒険の果てに待つものは~   作:星野啓

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ニックスが好きだからかっこよく描きたかった
そして初代王にも人の頃があったと、作者は言いたい
2020/10/26追加


Chapter01 夜明けへ 前編

-escapee-

 

 

その夜。世界は目まぐるしく変化した。

城に立て篭り、守りを固めたクリスタルはしかし、老獪な策によって奪われた。

暮れていく日に合わせ、魔導機関を備えた帝国機動戦艦がインソムニアの空を覆っていく。

放たれたシガイは数知れず。それらは時間と共に確かにインソムニアを破壊し、崩壊させて行った。

 

 

 

 

 

M.E.756 5.16. インソムニア セントラル市街地

 

 

市民の避難が思ったより組織的な物で、普段なら人気の多い中央市街が蛻の殻だった。

(コルか。また合流できるだろうか)

シガイが建物に張り付き、何かを探して飛び回っている。

ほんと数時間前まで美しいビル群だった景色は瓦礫の山に代わり、堅牢な王達の像だけが聳え立っていた。

 

城から離れていく揚陸艇を睨みながら、モルガンテはシガイを追い、市街の中心部にたどり着く。

 

 

 

 

『こんな物のために大勢が死んだ。これには何があるというんだ?』

ビルの欄干で男が、白い装束の女性を追い詰めている。

「力です。貴方には到底扱えぬ“力”」

追い詰められたはずのルナフレーナは、毅然と男に立ち向かう。

「チカラ?」

何もわかっていない男は、愚かにもその指に指輪をはめ、

 

そして炎に包まれた。

 

男の崩れた指からこぼれ落ちた指輪を、再びルナフレーナが手に取り、跪いて胸元で包み込んだ。その表情は悲痛に歪み、悲しみに満ちた思いで、崩れ落ちた“男だったもの”を見つめた。風に流され消えていく灰に、呆気にとられていたドラットーだったが、すぐにその瞳をルナフレーナに向けた。怒りに満ちた目だった。

 

「指輪を、渡してもらおう。姫君。さすれば命まではとらん」

「出来ません。指輪はノクティス様に届けます。私はレギス陛下と約束したのです」

「では、貴女にはもう用はない」

 

 

()()

 

 

剣が届く寸前で、転がり込んだニックスがルナフレーナ を救い出す。そしてその剣を、幻覚の術式を解いたモルガンテ(ネヴィラム)が受け止めていた。シフトにより燻る煙と火花を散らす剣先を受け止めながら、魔力で髪が僅かに揺れていた。

 

「これは一体、どういうことだ?タイタス・ドラットー」

低く問うネヴィラムに、ドラットーは目に見えて色をなくした。

「....ネヴィラム殿下」

背後でルナフレーナを守っていたニックスがネヴィラムに気がついて声をかける。

「王子」

「ニックス、フルーレ嬢を守ってくれて感謝する。ここに居ない、ノクティス(おとうと)に変わって」

振り返らずにそう告げると、ネヴィラムは剣を思い切り振り切った。魔力が込められたその一撃は、易々とドラットーを吹き飛ばし、瓦礫の中に沈めた。

 

「ネヴィラム様」

ルナフレーナが、震える脚を叱咤しネヴィラムに歩み寄る。涙が溢れんばかりの表情で、ボロボロに傷ついた神凪の姫は泥だらけの両手で指輪を差し出した。

その震える手をしたから両手で包み、ネヴィラムはルナフレーナに戻した。下を向き、ついに涙を零すルナフレーナにゆっくりと首を振ってきていた服を肩にかける。

「フルーレ嬢、どうか指輪をノクティスへ。私ができうる限り、お守りします」

「申し訳ありません、私たちのために、陛下が...」

涙ながらに訴えるルナフレーナに、ネヴィラムはもう一度首を振った。

「父王は姫が助かったことを一番に喜ぶでしょう。ニックスもありがとう。姫を助けてくれて」

傍らに立つ騎士も、ボロボロの風態で魔法も尽きているようだった。魔法のない王の剣の姿に、ズキリとした痛みを感じながら、ニックスをねぎらうとニックスもルナフレーナと同じように表情を歪めた。式典や礼典でしか顔を合わせたことのない弟の許嫁は、その顔に悲しみを引きずらせながらも、凛々しく顔を上げる気高さを備えているようだった。

 

 

背後から瓦礫の崩れる音が劈き、流体金属でできた鎧が這い出てくる。

『姿が見えないと思っていれば、このようなところまでノコノコと』

機械音声のくぐもった声が、戦争の只中に響く。ゆっくりと此方に歩を進めながらドラットー(グラウカ)が語る。

『今更出てきたところで、何も変わらん。バケモノも放たれた』

上空の駆動音に一同が見上げれば、大型の異様なバケモノを吊り下げた戦闘艦が2機、インソムニアの城へ向かっていた。

 

(ダイアウェポン...グラウカが前線まで出て鎧を受領したのは、“コイツ”を運ぶついでか...)

 

 

『ルシスは崩れ去る!...さぁ、指輪を渡せ』

此方に向けて鎧で覆われた手を出すグラウカに対して、ネヴィラムは口を開く。

「グラウカ将軍、いやドラットー。故郷を救うというお前の意思はなるほど高潔なものだろう。だが、お前はだが、聡明なお前がなぜ読めなかった?侵略を繰り返す帝国のどこに夢がある。希望がある。戦をするばかりの国に飲まれて、無事なのは国だけだ。自治区に何ができる?」

瓦礫に塗れた中、ネヴィラムの声が朗々とその場に轟く。

 

突如として城の方で、ダイアウェポンが咆哮する声が遠雷のようにネヴィラムの声を打ち消した。

呼応するように今度はグラウカが吠えた。

『貴様1人、何が出来る?今まさに国を滅ぼされようとしている時に、民1人救えぬ王子(ガキ)が!これまでなんの手も打たず、ただ父王の行いを見てきただけの出来損ないに!私の理想の何がわかる!もう少し頭を使え。力ではない争いも、この世界にはあるのだ。私は故郷の誇りを!腑抜けた王から、自らの手で!守り抜くのだ!』

怒りに任せたグラウカの大剣を受け止め、ネヴィラムは地面に一気に体が沈み込むのを感じた。

 

(流石、最新型の流体金属の鎧。魔力吸収の指輪をしたままじゃ勝ち目ないか)

 

 

指輪を外しかけながら、

「自らを守れるのは武人だけだ....民にそれはできない。自らの行いを....人を救う正義と...考えているならそれは正義ではない。独善だ、国を守ることに正義など不要だ...」

 

歯を食いしばり、息の合間に切れ切れに語ると、

 

突然に世界が止まる。闇に包まれた。

 

こいつはヒーローの役目だ

後ろからの声に、後ろを振り返るとニックスが歴代の王達に囲まれていた。その指には光り輝く光耀の指輪。

 

「...ニッ...クス...?なんで...」

あまりにも小さなネヴィラムの声は、誰にも届かないようだった。

 

 

《我らは星の未来に備える者》

《欲深き人間よ、資格を審議する》

「王都が燃えてるってのに、アンタらは高みの見物か?“第一”か“第二”か知らねぇがな、さっさと発動しろっ!」

ニックスの負傷した体から絞り出される声と共に、現状が少しずつ見えてくる。

(これが、第一魔法障壁なのか?)

ネヴィラムの混乱を他所に、物語は1人でに進んでいく。

 

 

《身の程知らずの人間め》

《貴様は王家の人間ですらない》

《王都の守りは我らの役目にあらず》

《現国王の責》

《貴様には星の未来が見えぬのか》

 

「星の未来ってなんなんだよ」

次々と語られる歴代王達の声が、耳の奥で響く。

本来真の王にしか見ることのできない景色。

寒々しい闇の中、燃え上がる王達の影だけが頼りだった。

それが眼前に広がっている現状に、ネヴィラムは唇をかみしめた。忸怩たる思いがよぎり、どうしようもない我が身を呪った。

 

神の末席に名を連ねた王達は、人らしさなど消し飛んでいた。冷たく突き放し、己の使命のみを全うする。

《何も見えておらんのか》

《やはりただの人間には抗えぬこと》

そう王達が勝手に合点している中、声がかかる。

 

「待たれよ。この者たちには確固たる意思がある。“未来を守ろうとする意志”だ」

 

つい3日前までは、城のどこかで聞いた声。端末で着信を入れれば、必ず折り返して伝言を入れてくれていた。ノクティスの頭を撫でながら、此方を振り向いて自分の名前を呼ぶ声。食卓で苦手な野菜が出た時、ノクティスと3人で舌を出して見せて笑い合った、あの声が。

もう、二度と聞くことがないと、思っていた声が。

「父上...」

ネヴィラムに、神の列に加わった父は応えることはなかった。その代わりに、父王は神々へとりなした。

 

《意志を持つ者に、どうか光を》

《良かろう、若き王よ》

《代償を差し出す覚悟あらば、若き王に免じて選ばせてやる》

(王子)か、その()か》

《どちらかの命を捧げよ!》

 

 

「...断る」

ニックスは王達からの問いかけを静かに撥ねつけた。

王達の中からも動揺が伺えた。

「力なんか要らない。俺がここにきたのは、アンタらに文句を言うためだ」

へへっと憎まれ口を叩きながら、弱々しい笑い声を立てるニックスに対し、歴代王達は失笑を浴びせかけた。

 

《審議は終了だ》

《貴様に資格はない》

 

()()()()()()

 

剣が振り下ろされ、ニックスの片腕は瞬く間に炎に包まれた。

「ニックス!」

ネヴィラムが駆け寄って炎を物ともせずに縋り付く。消えない炎に苛立ちを募らせながら、火を払う。

 

「あぁ、っぐ」

「クソッタレ!しっかりしろニックス!」

ケアルをかけるが、一向に治癒する様子のない火傷に、ネヴィラムは王達に向けて、叫ぶ。

「人間弄んで愉しいか!」

罵声を聞いても、歴代王達は揺るがない。

 

《我らは貴様らを救う責などない》

《星の命運に沿って世界はめぐる》

《人は運命に逆らうことなどできぬ》

《全ては神によって導かれし道》

《人がそうと気づかぬだけで》

《王もまたその一角に過ぎぬ》

 

それを聞いたネヴィラムは拳を握りしめた。

「なんだよ、そりゃ」

一本、足を踏み出す。

「民1人救えぬ王など笑い種だ。神だと?運命だと?じゃあ俺はなんなんだ?!王にも成れず、化け物にもなりきれない。なんの運命を背負わされた?俺は...っ!」

その声に差し挟むように王達の声が割って入る。

 

《本来お前に資格などないのだ》

《神々が禁忌と定めた()()に魅入られし者》

《世界を乱す発端になりかねん》

《邪魔が入らねば、神々の制裁が届いていただろう》

《端無くして生き延びているお前に》

《何が背負えるというのだ》

 

他の王達の話を黙って聞いていた、羽根飾りの様な意匠を凝らした剣を持つ中央の王が口を開く。静かに諭すような、他の王達とは一線を画す落ち着いた声音だった。

 

《頑是ないお前には、何もできん》

思わずネヴィラムは押し黙った。これではただのわがままを言う子供同然だと、その瞬間理解したからだ。ネヴィラムの持つ魔法で覆せるほど戦況は有利ではない。

これではグラウカに言われた言葉通り、“()()()()()()()()”そのものだ。

 

「黙って聞いてりゃ、オオサマは、好き勝手言いやがって」

俯いていたネヴィラムの膝の上で、片手を焼かれる痛みに蹲り悶えていたニックスが、声を絞り出した。

ネヴィラムは、慌てて膝の上のニックスを見る。緩やかに体を起こしたニックスは、支えているネヴィラムにカラリと笑いかけた。

「ここで意地張ってガキみたいに騒いでんのはどっちだよ」

焼かれた方の片手をかばいながらネヴィラムの前に座りなおしたニックスは言葉を続ける。

「あんたらの大事な指輪が奪われるぜ、だが今ならまだ間に合う。あんたらが石になってる間に、この王子サマは、やれることをやろうとしてる。動いてねぇ奴が、横槍入れるんじゃねぇ」

 

ニックスの啖呵に、王達は沈黙した。

失笑は、聞こえてこなかった。

 

《・・・それは命乞いの心算では無いのだろうな》

 

「っへへ、命なんかどうでもいい、“望む奴には未来を見せてやりたい”ただ、それだけだ」

 

《ほぅ、恐れぬか》

 

ニックスとネヴィラムの目の前に羽根飾りの様な意匠を凝らした剣を持つ中央の王が進み出る。ニックスを支えて睨むネヴィラムへ剣先を向け問いただす。

 

《其方を拒んだ世界を、其方は救えるのか?》

 

ネヴィラムは一呼吸おいて、剣先に手を当てて答えた。

「正直世界なんて大っ嫌いだ。だがな、俺はレギス・ルシス・チェラムが長子、ネヴィラム・ルシス・チェラムだ。ここで王の剣(自国の民)を守れぬ王子などお笑い種だ!俺はどこぞの誰かと違って、世界から迫害される存在になろうとも、救いたい者を救う。俺は俺の道を行きたい!神に資格無しと言われようとも、俺は!」

 

《・・・未来には絶望しか無くとも?》

《夜叉王...》

《王よそれは》

《良いのだ。その覚悟が本物なら其方らの覚悟に、我らも報いてやろう》

 

夜叉王と呼ばれた王は、羽根飾りの様な意匠が施された巨大な剣を、ネヴィラムの両肩に触れ、再び中央へと構えなおした。夜叉王がたてたガシャン!という音を皮切りに、他の王達も剣を構えなおす。

《お前たち二人に力を与えよう》

《しかし条件がある》

《人知を超える我らの力を貸し与えるのは夜明けまでだ》

《そして代償を払ってもらう》

 

《一方にはその命と身を削る苦しみを》

《一方には片方に貸し能う魔力と死へと向かう呪いを》

 

「ずいぶんいい条件じゃねぇか」

「契約、成立だ」

呪いなんて今更だ、とニックスの拳に自分の拳をぶつけるネヴィラムに、同じくニックスが不適に笑った。

 

《抑止の指輪を解き放て、そして我の力を受け入れよ》

 

立ち上がったネヴィラムに、夜叉王が剣を構える。

胸の前に両手を掲げ、右の指からアーデンから与えられた黒い指輪を外す。指輪を無くさぬ様に首のチェーンに通してから、夜叉王の剣の前に身を差し出すと、王は剣をネヴィラムへと突き立てた。

 

「がっっ」

 

一瞬視界がブラックアウトし、目蓋の裏に草原が見えた。

金色の髪の女性が柔らかく此方に向かって微笑んでいる。彼女が佇む木の根本に、粗末な衣装を身に纏った無精髭の男がゆっくりと身を起こすのが見え、

 

男の目を引く様な髪が、風に遊ばれる様子を見ながら意識が現実へと引きずり戻される。

 

《これで我らが力の一部を貸し与えた》

《後は》

《お前たち次第だ》

《星の子らに》

《クリスタルの加護あれ》

 

王達が姿を消すと同時に、世界に音が戻ってくる。ニックスの肩に触れ、ネヴィラムは力を流し込む。

流し込まれた力をニックスは雷撃へと変え、今まさに瓦礫の向こう側から、躍り掛からんとしたグラウカの身体を吹き飛ばす。

 

「っへへ、憎いねぇ、王様たち」

「全くだ、プライドが高いのが玉に瑕なんだが!」

肩から手を離したネヴィラムに、軽い調子でニックスが憎まれ口を叩く。ネヴィラムもその調子に合わせて肩を竦めた。

 

グラウカが飛ばされた瓦礫の方から、ガァン!と頭の割れる様な音が聞こえる。そして低い唸り声の様な排気音と同時に、瓦礫の山から車が躍り出た。

 

「ちょっ」

「やべ、お姫さん!」

ニックスがルナフレーナを横抱きにして飛び、ネヴィラムはシフトで回避する。瓦礫から車体が飛び出し、今までルナフレーナがいた場所にタイヤを滑らせながら着地する。

車体前方のライトが少し凹んでおり、グラウカとぶつかったであろう跡が付いていた。

 

「痛ってて」

片足を引きずりながら、ドアを開けて出てきたのは小太りの男だった。

 

「リベルト!」

ニックスが駆け寄っていく。

「うっかり帝国兵を引いちまったかもしれねぇんだけど、あれ知り合いか?」

冗談にしては嫌にリアルな冗談を飛ばしながらニックスと拳を合わせている男に対して、急ごしらえのケアルをかけながら、ネヴィラムが話しかける。

「リベルト・オスティウム、頼みがある」

初めのうち、ギョッとしていたリベルトだったが、ニックスが魔法を使うことができる事、タイムリミットがある事を話されると、複雑な表情を浮かべた。最後に「力には責任が伴う。そう言うもんだろ?」と締め括ったニックスに、リベルトは小太りの体を小さくして

「すまねぇ、俺はお前に全部背負わせちまうんだな」

と声を震わせた。その言葉が、リベルトの誠実さを体現しているかの様だった。ふっくらとした人好きのする顔と小さな瞳が、ニックスに向けられ、硬く結ばれた口元が、見えなくなるほど下を向いたリベルトの側に、ルナフレーナが寄り添った。

「リベルトさん...」

「良いって、リベルト。俺とお前に仲だろ?...その代わり頼まれてくれないか?ルナフレーナ・ノックス・フルーレ様、俺たちの未来の王妃様だ。彼女を守って王都を出てくれ。頼む、これで借りはチャラ...」

ニックスの言葉を遮って、いや、と首を横に振ったリベルトは真正面からニックスに向き合った。

 

「おいニックス、水臭さいぜ。お前今から王様に代わりに戦うんだろ?王子さまとさ。じゃあ、俺はガラードで仲間と待ってる。お姫様も送り届ける。だから!....お前が戻ってきた時に酒くらい奢らせろ。いいな?戻ってきたらチャラだ」

「リベルト...」

負傷している片足を引き摺ってニックスの元に歩み寄ったリベルトは、ぎこちなくニックスとハグをする。

「だから必ず帰ってこいよ」

「そう言う事なら浴びる程飲まなきゃな」

 

最後にポンとリベルトの肩を叩き、双剣の片割れをリベルトに託したニックスは、向きを変え瓦礫の山を見つめた。

片手を上げ、拳をぐっと握りしめて、戦友に告げる。

 

「じゃあ頼んだぞ“ヒーロー”」

 

その言葉に戦友は鼻で笑って答える。

 

 

そんなリベルトに、ネヴィラムも目配せをして頷く。

「王子、アイツを頼みます」

「わかった。フルーレ嬢を頼むな。.....フルーレ嬢、また後ほどお目にかかりましょう。どうかご無事で」

指輪を渡されたルナフレーナは、無言で肯き、リベルトに促されてアウディの車に乗り込む。ピルケースを窓から勢いよく投げ捨てたリベルトは、一気にアクセルを踏み込む。

 

車が勢いよく通り過ぎた後、ニックスは道端に転がったピルケースを拾い上げる。

「ニックス、それは?」

「これですか?アイツの()()()みたいなもんです。ヒーローには必要のないもんだ」

何処か嬉しそうに語るニックスに、同じく口元を緩めたネヴィラムだった。

 

 




ここから戦闘シーンが続きます。
作者は物書きの勉強中ですので、出来ればコメント等にて、どこを直すべきか、何が評価できるのか、お寄せ下さるとうれしいです。

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