【悲報】刹那の妹に転生したけど双子の片割れが一方通行な件について   作:篠原えれの

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和解に至るまで①

 「(刹那の妹だぁ? 知ってる。こいつは絶対に転生者だ。間違いねぇ)」

 

 

 ソレスタルビーングのもう一人の転生者であるロックオン・ストラトスことニール・ディランディは、ミヤ・イブラヒムを王留美に紹介され怪訝な表情をしたのはとても鮮明に覚えていた。

 

 

 「(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいーーーー....)」

 

 

 彼女は前世の記憶を思い出していないのか、他所他所しく落ち着かない様子だった。対人恐怖症でもあるかのように、王留美の背中に隠れて離れない。彼女の顔色はとても悪そうだった。

 そんな彼女に刹那は話しかけた。刹那は驚いたとも、嬉しいともよく分からない表情だった。

 

 

 

 「生きていたのか。セラは?セラはどうしている」

 

 「(ーーお兄ちゃん(ソラン)!?どうして、ここに来れば安全だって、お兄ちゃん(セラ)が言っていたのに)」

 

 「刹那・F・セイエイ、気持ちは分かりますが、彼女はーー」

 

 

 もう喋れないのよ。テレパシーは使えるけど、この様子では話せないわ。だからもう少し優しく話しかけてあげなさいと王留美が忠告するよりも、ミヤはこの状況に耐えることが出来なかった。

 

 

 『嫌っ』

 

 「ーーー?!」

 

 

 気付けば、ミヤは刹那の頬を思いっきりビンタしていた。手のひらを勢いに任せて平手打ち。涙目で、次には気絶した。

 

 

 ◼

 

 

 「(気絶したら前世の記憶を一気に思い出しましたーーーとか、ありえないからほんとに)」

 

 

 ミヤは気絶した日を境に、前世の記憶を一気に思い出した。西暦202×年代、モビルスーツだとか超能力とか一切関係の無い世界。この世界がアニメや漫画として綴られる令和の時代を生き抜いた日本の高校生だった記憶を思い出したのである。神様にあった記憶は無いし、転生特典を紹介された覚えもない。

 ただ、自分が親や兄弟の影響で随分なSFオタクだったのをミヤは思い出した。自分から進んで本を買うような人間では無かったのだが、自宅にはアホみたいに本や漫画、それからアニメのブルーレイボックスにアニメの配信サイトが見れる環境があった。親が今でもよく見るのだと言う、ガンダム00やガンダムSEEDは親に付き合わされてアホみたいに見たのをミヤは覚えている。兄弟の自室に行けば、ライトノベルはそれはもう沢山あった。それはもう暇つぶしに持ってこいだった。とあるシリーズも、なんやかんやアニメの続きが見たいとなって読み始めたものだった。全部読むのは叶わない夢であったが、本当に自分がSFオタクでよかったなと感心した。

 

 

 「(なんで一方通行(アクセラレータ)がガンダム00の世界にいるの!おかしいわ!!!)」

 

 

 精一杯、ミヤはこの世界のおかしいところを沢山脳内で叫んだ。

 この時に喋れないことに気付いたので、ミヤが以前に喋る際に使っていた方法を記憶で辿った。この少女はどうやらテレパシーが使えるらしい。

 

 

 「(いや、それも色々おかしいわ。私、イノベイドじゃないし普通の人間だし。さては原石だからテレパシーが使えるのかな?でもなんか、マリーもテレパシーを使えてたし、ミヤはテレパシーを使えるのは超能力としてというより脳量子波をコントロールしてるから使えると思っているみたいね。)」

 

 

 それに、原石としてはテレパシーよりも予知能力の方が鮮明に色々この世界のことを教えてくれる感覚がミヤにはあった。

 

 

 「(えっ、なに。転生者限定の掲示板とか使えるの?それにロックオンが転生者だから私の存在を不審に思って質問してくるぞって....えー?!ロックオンが私と同じ転生者?!なんでぇ)」

 

 

 しかも予知能力が本当であれば、このロックオンは最後まで生き残るつもり全開である。そのためなら容赦しないとも。ミヤは、その気持ちが痛いほどよく分かった。せっかく転生したのにまた死んでしまうかもしれないって、嫌だよねとも。でも、そのためにはこの世界は、色々難関が多い。

 

 

 「(なら、まずは彼と協力関係を築けばいいのね。だって、私には未来が分かる力がある。一方通行(アクセラレータ)の存在がとんでもなく不穏だから、まずはそれを知らせなきゃ。刹那と和解するより、まずはそっちね)」

 

 

 今後の計画を少しずつ組み立てて行く。

 

 

 「(えっ、転生者掲示板ってSAOみたいに空中でS字書いたら端末とかなくても開けるの?転生特典で、機密情報もしっかり守ってくれて掲示板は転生者にしか見えないの?スレ主の記事を悪用しようとしたら記憶も削除されて掲示板の存在自体忘却されて出禁になりますって)」

 

 

 予知能力が色々と掲示板について教えてくれた。その存在にご都合主義感を感じながら掲示板を少しだけ触って閉じた。予知能力で前もって教えてくれていた来客だ。

 

 

「体調は、大丈夫かしら」

 

『大丈夫です。昨日は色々取り乱してしまって、ごめんなさい』

 

 

 ミヤの体調を心配してくれたのはスメラギ・李・ノリエガだった。予知能力によれば、スメラギには既に王留美が色々ミヤのことを説明したようである。

 とは言え、いきなりテレパシーを使って話かけたのは説明で聞くより衝撃的だったらしく。明らかに驚いた表情をされた。

 

 

 『ごめんなさい、びっくりしましたか?事情があって声帯を使って話すことができないので、私にはこれしかないんです。』

 

 「こちらこそ、驚いてごめんなさいね。テレパシーをこうして見るのも聞くのも初めてで。それに、王留美から色々話を聞いたわ。昨日は私達の方が配慮が足りなくてごめんなさい。」

 

 

 スメラギの謝罪から、王留美からの説明不足が伺える。多分、あの家族殺しのことがわかっていたらスメラギはミヤに刹那を会わせようとしなかっただろう。  

 例え刹那に悪意が無かったとしても。

 ミヤは正直に当時のミヤが感じていたことを話した。

 

 

 『その、私もびっくりしちゃって...ずっと音信不通だったお兄ちゃんを見つけてしまって思わず長年の恨みとか云々あってビンタしてしまったので...そこは、お互い様ということで。私はもう、お兄ちゃんに関しては怒ってないです。仲直りしたいなとも思っています』

 

 「そう...。あなたは強いのね。でも、だからと言って無理はしたら駄目よ。つらい時は言ってね。私の名前はスメラギ。スメラギ・李・ノリエガよ」

 

 『ありがとうございます。もう聞いてると思いますが、ミヤ・イブラヒムです。よろしくお願いします』

 

 

 お互いに自己紹介をするとミヤは視線を感じた。スメラギのそばに、ロックオンが居たのだった。

 

 

 「ロックオン・ストラトスだ。気軽にロックオンとでも呼んでくれ。よろしく頼む」

 

 『ミヤ・イブラヒムです。よろしくお願いします』

 

 

 刹那よりもロックオンの視線の方が怖いよと思いながら、ミヤはスメラギには聞こえないように直接ロックオンの脳内にテレパシーで話しかけた。

 

 

 『あとで私の部屋に来て。私はあなたの敵じゃない。話したいことがあるの。同じ転生者として』

 

 『こいつ直接脳内に...!!随分と活きのいい挑戦状じゃないか、分かったぜ。黙ってても仕方ないもんな。受けてやるよ、お前のその意気込みって奴を』

 

 

 ミヤが予知能力者だという話は王留美から既にロックオンは聞いてるだろう。そして、自分達が部外者であるという自覚もロックオンは既にあった。

 こうして宣戦布告されるとは思っても居なかった様子だが初めてのブリーフィングが終わり、各自己紹介を済ませた後刹那にも会わなかったのでそのままロックオンを部屋に招いた。

 

 

 「来てやったぞ」

 

 『ありがとう。来てくれて。まずは情報交換しない?私の前世は日本で女子高生だったんだけど、あなたは?』

 

 

 

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