【悲報】刹那の妹に転生したけど双子の片割れが一方通行な件について 作:篠原えれの
「刹那、先に戻ってもいいが探知されないようにGN粒子は出しておけよ」
「........」
「お前さんの妹からだ」
刹那は無言でロックオンからのメッセージを受け取る。警告は受け取り、GN粒子は散布した状態で帰投しようとした刹那であるが既に待ち伏せされていた。
「さぁ行け。ティエレンパァイ。その力を存分に試せ」
科学者はニヒルな笑みを浮かびながら
「うるせェよジジイ。俺に指図すンな」
「これでも全盛期の容姿なんだ。傷付くなぁ。ソレを開発したのは僕だ。言葉には気をつけたまえよ
「...バケモンが」
「随分と嫌われたものだねぇ」
捨て台詞を吐きながら、
科学者の容姿は『ジジイ』と呼ばれるには程遠く、ゴーグル越しでも分かるぐらいに、20代前半を思わせる青年を連想させた。
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ティエレンパァイの核になっている主導力、鉱石『ネフロスト』は能力者専用エンジンだ。ネフロストは機体と同化し、操縦者の能力を最大限まで具現化させることができる。また、ネフロストは能力者以外のパイロットを受け付けない。もし、非能力者がネフロスト搭載MSに搭乗すればネフロストが暴走し、パイロットをコックピットごと捕食すると言われている。そしてこのネフロストには非認識性能力があり、開発者と操縦者にしか鉱石を認識することが出来ない性質がある。開発者が裏切り者や予知能力者対策として情報をリークされないために施した処置である。
「オマエが噂のガンダムって奴かァ?思ってたよりも弱そうじゃねェか!」
「あの機体、人革連の新型か?!ティエレンが出すスピードでは....いや、機体が風を操って飛んでいるのか?!」
そうして、
「こんな機体、聞いたことも無ければ見たこともない。お前は何だ」
「ハッ、攻撃が単調なんだよォ!」
ティエレンパァイの違和感に気付いた刹那は警戒しながらGNソードで機体を切り裂こうとする。それを
「弾かれただと」
「ァ゛ア?!弾いただけだ?!」
刹那は何もバリア等が張られていないのに
「ちっ、これがジジイが言ってた『世界の加護』って奴かよ!ふざけンじゃねェぞガンダム!」
味方ではない機体の急接近に刹那が気付く。
「この戦闘に乱入してくる機体...ユニオンのフラッグか!何者だ?!」
「はじめましてだなぁ、ガンダム!グラハム・エーカー。君の存在に心奪われた男だ!」
グラハムが操縦するフラッグがエクシア目掛けて急接近する。その光景を見た
「きめェ。俺を無視して乱入するンじゃねェ!!」
「ほぉ、空中戦でフラッグのスピードについてこれるティエレンか。珍しい物を見た!」
「ビームライフルをかわされた?!クソが、ふざけンなよ!」
フラッグはティエレンパァイを無視して、目的のエクシアとの戦闘を優先する。
「基地を攻撃されてお怒りなのは分かるが、私はそれでもガンダムに魅入られた男なのだ!ティエレンの君には感謝しなければならない。この戦闘のおかげで、私はガンダムに出会えたのだから!乙女座の私にはセンチメンタルな運命を感じずにはいられない!!」
「ーーくっ!」
フラッグはエクシアに急接近し、ソニックブレイドを使って攻撃する。エクシアはGNソードを使って反撃、ソニックブレイドを機体の出力を上げることで圧倒し海上へ叩き落とした。何度も言うが、GN粒子が散布されているこの空域では通信をすることができない。よって、三人は会話をしていない。
エクシアはGNソードでフラッグを攻撃しようとする。
「圧倒された!?しかし、その大きな獲物では当たらんよ!」
「避けた...ッ!」
刹那はGNソードの攻撃をフラッグとティエレンに2回も回避され驚きを隠せないが、フラッグに背後を取られエクシアに触れられるもすぐに体勢を整える。
「俺に...触れるなッ!」
「何?!」
フラッグはすぐにリニアライフルを使って反撃する。
「俺を無視するンじゃねェ!ガンダムのパイロットに、きめェフラッグのパイロット!!」
「反射だと?!なるほどこのティエレンも普通の機体ではないか!」
その光景に腹を立てた
「クソが」
「これぐらい回避できなければな!」
「無力化する」
GNソードでは反撃が難しいと判断した刹那は、まず反射等例外の可能性が少ないであろうフラッグから狙いを定めGNビームサーベルを取り出し、フラッグに急接近する。その勢いのままリニアライフルを破壊する。
「反応できなかっただと?!それにティエレンもか、くっ...!」
武器を全て失ったグラハムはこれ以上の戦闘は不可能と判断。機体が被弾する前に撤退する。
「ガンダム!!オマエは逃がさねェ!」
「突風だと...?!」
フラッグが撤退した瞬間を狙って
「もっと海面に近付けば海水だって操作できるんだぜェ?!ガンダムのパイロットさんよォ、その機体を寄越しやがれ!」
「ゲホッ!ネフロスト、オマエふざけンなよーー!」
赤。コックピット内が血で染まる。
「ティエレンパァイ、撤退する」
確実に撤退するために
次に刹那が攻撃しようとした時には
「助かったのかーー?」
刹那は呆然と立ち尽くした。