ありふれた世界に星の白金は輝く   作:ユフたんマン

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会合

思った以上に深傷を負った。なんとかあの爪の魔物から逃げることに成功したが、胸元は切り裂かれ、今にも出血で朦朧とし意識を失いそうだ。壁を壊し、そこから穴を掘り安全地帯を作りなんとか生きながらえた俺は、持っていた回復ポーションを一つ飲み込む。

少し痛みは和らぐのを感じる。本来なら今あるポーション全てを使っても足りないぐらいだが、技能の自然治癒があるため問題はない。徐々に傷が治っていっているのはそのお陰だろう。魔力を消費すればかなりの速度で回復するため、魔力を限界まで込めて傷を治療する。

 

そして傷が大分回復し、考える余裕が出来てから、あの橋での光景を思い出す。あの突如曲がった魔法。あれには確実に悪意が込められていた。事故じゃない、明確な殺意を持って繰り出された。おおよそ犯人は特定出来るがいかんせん証拠がない。俺と南雲に殺意を向ける奴など、考えなくてもすぐにわかる。

 

さて、今はそんなことよりも今後どうするか…だ。少し掘ると、水が湧き出たため水には困らない。近くに俺が落ちた川のようなものがあったおかげだろう。そして食料は手持ちの携帯食料が少し、先程川で取った異形の魚ぐらいだ。量が少ない。早急に食料確保に動かなければ飢え死にしてしまうだろう。

傷を最短で癒したため、残り魔力は僅か、しばらくロクに動けそうもない。ひとまず回復するまで待つとして、その後にすることはこの階層のマッピングに上へ上がるための階段探し、そして食料確保の三つだ。

 

俺がいなくなった後のクラスの連中の顔を想像する。初めての身近な人間の死に、これが創作物でも夢でもなく現実なのだと突き付けられた者、邪魔な奴がいなくなったと喜ぶ者、自身の力の無さに嘆く者…様々だろう。だが、正直今の俺にとって全てどうでもいいことだ。

承太郎の記憶にも、俺が憑依してからの生活でも、思い入れのある者はクラスの中に存在しない。

 

この体は借り物だ。俺の不注意のせいで死んでしまうなどあってはならない。無事に日本に帰り、俺は承太郎へと体を返す。俺ではこれから彼に迫り来るかもしれない脅威に対抗出来ない。DIOに対抗するのはジョースターの血統、黄金の精神を受け継ぐ者達にしか出来ないのだから…

その後、俺がどうなるかはわからない。元の体に戻るかもしれないし、消えて無くなる可能性だって無くはない。怖くないかと問われれば迷わず答える。怖い、と。

しかしそれでも…俺が目覚めた時に微笑みかけてきた母親、ジャンプを買う際に付き従ってきた、承太郎を憧憬する自称舎弟。その他にも、その他にも、全ては当たり前だが俺ではなく、承太郎に向けてのもの。この世界に、俺のいる場所など何処にもないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

 

いつの間にか寝ていたようだ。魔力も溜まり、傷は全快した。早速探索を開始する。脳内で簡単なマップを構築しながら、上層へと上がる階段を探す。

次々と兎、狼の魔物が俺を見つけるなり襲いかかって来る。兎は変則的な動きで俺を翻弄し、鋭く重い一撃を叩き込んでくる。狼はそこまで強く無かったが、群れで襲いかかってくるため、対処がかなり難しい。やはり深層、どの魔物も油断をすれば一瞬で殺されるだろう。それほど俺と魔物のステータスに差があるということだ。スタープラチナがいなければ、とっくの昔に死んでいただろう。

爪の魔物には絶対に近付かないように行動する。あれはまだ勝てない。もう少し基盤を整えてから挑むか、レベルを上げてからではないと勝率は確実にゼロだろう。

 

食用に川を泳いでいた魚を捕まえる。焼けばゴムのような食感だが、食べれなくは無い。どうやら川の魚は魔物では無いらしい。魔物は川に入らないせいか、魚が大漁だったためありがたい。味は最悪だが貴重なタンパク源だ。

 

 

 

 

 

そんな生活を約20日。殆どを探索とレベリング、回復に時間を費やし、遂に幽波紋無しでもなんとか魔物を倒せるまでに成長した。

 

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空条承太郎  17歳 男 レベル : 79

天職 : 断罪者   職業 : 冒険者   ランク : 青

筋力 : 1532

体力 : 1215

耐性 : 999

敏捷 : 891

魔力 : 342

魔耐 : 724

技能 : 断罪・精神異常耐性・状態異常耐性・剛力・自然治癒[+高速回復][+消費魔力減少]・気配遮断[+魔力遮断]・気配察知[+魔力察知]・威圧・先読・金剛[+部分強化][+集中強化]・言語理解

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その極限状態だからこそのステータスの上がり方だろう。日夜戦い続けている事で、ステータスはもう少しでカンストに届きそうになっている。

探索を始めて数日間、上層への階段を探したが、下層への階段しか発見出来なかった。周れる場所は大体回ったため、おそらくだがこの階層には上層へと上がる階段が存在しないのだろう。まったくやれやれだぜ。結局ハードな方を行かなきゃならないってのは気が滅入りそうだ。

ここから早く脱出する為にも、明日にでもここから下層へと降りようと思っている。しかしその前に俺としてはやっときゃなきゃならん事がある。

 

それはリベンジだ。下層へ行く為、戦う必要性は無いのだが、ここで奴を倒せなければ、この先出て来る強大な魔物に太刀打ち出来ないだろうからな。

奴の誘き寄せ方は非常に簡単だ。適当に威圧を発動しておけば勝手に出てくる。ほうら来た。

 

爪の魔物は俺を見つけるなり、雄叫びを上げ、涎を垂らしながら襲い掛かる。魔物の巨躯から繰り出される腕の振り落とし。後ろに下がれば、不可視の斬撃が飛んでくるため安易に避けるのはマズい。

 

よって…

 

「オラァッ!!」

 

打ち返す!!素手で、魔物の爪が当たらない角度で腕を殴り打ち返す。そして出来た一瞬の硬直時間にスタープラチナを魔物の土手っ腹に打ち込む。

 

「オラオラオラオラァア!!」

「グルゥアアアアアッ!?」

 

魔物は苦しげに悲鳴を上げ、すぐさま俺から距離を取るように後ろへと殴られた衝撃を利用し下がる。追撃を仕掛けようとしたが、そうはさせまいと魔物はガムシャラに腕を振り上げ不可視の斬撃を飛ばした事で阻止される。飛んできた不可視の斬撃は、スタープラチナと視界を共有し、僅かな空間の歪みを見切り、全て回避する。

魔物と一旦距離を取り見つめ合う。

 

「テメー、思ったりよりもステータスは高くねぇな。脅威なのはその不可視の攻撃だけ…力もスピードも全部上回っちまったな」

「グルァァァアアアアア!!!!」

 

魔物は馬鹿にされキレた…言葉が分かるのだろうか?怒気を身に纏いながら、先程と同じようにブンブンとやたらめったらに腕を振り回し、複数の不可視の斬撃を俺に飛ばす。だが、怒りのせいか動きが単調になり、殆どが見当違いの方向へと飛んでいく。俺はそれをチャンスと見るや否や、防御をかなぐり捨て距離を詰める。

不可視の斬撃が俺の身体を切り裂き鮮血が飛び交う。焼けるような痛みが走るが、それを無視して魔物に迫る。

魔物は一瞬遅れて俺が接近していることに気づいたが、時既におすし…遅し。雄叫びを上げながら放たれた俺の拳が魔物の腹に突き刺さる。

 

「ォオオッ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラッ!!」

 

俺とスタープラチナの拳の連打が魔物を打ち据える。巨体を余す事なく全身に拳を打ち込み、まるで花火のように魔物は宙へ放り出され、鮮血を撒き散らしながら、地へと墜落する。

近寄ると、まだピクピクと動いていたため、背負っていた大剣で心臓をひと刺し、絶命させた。

 

これでここの階層でやることは無くなった。魔物の固有魔法は厄介だったが、既にステータスでは魔物達を大きく超えているだろう。ここの階層の主らしき魔物もそこまで強くなかった。

レベリングは今の段階では既に必要ない。今から上層へと上がる階段を探し出して地上を目指すよりも、最下層に向かう方が早いだろう。上層の魔物と比べてここの魔物の強さは桁違いだ。あそこの時点ですでに65階だったのだ。なら今は80とかそこらなのじゃあないだろうか。この辛い生活ももうすぐの辛抱だ。

取り敢えず拠点に戻り、食料の魚と残り僅かとなったポーションを持った俺は下層へと繋がる階段を下っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

 

あれから50階層程下った……

 

あれから進歩なし。降りても降りても何もない。ただただ魔物が強くなるばかりで何も起きなかった。というか資料にゃオルクス大迷宮は100階層ほどって載ってたんだがありゃガセだな。確実に100階層は超えている。先程の階層で取れたきのみを頬張りながら迷宮を進む。

落ちてから何日経っただろうか。南雲が奴に何もされてなけりゃいいが…流石にあそこまで大胆に動いたんだ。少しは慎重に奴も動いていると思いたい。

 

その階層も前階層と同じように、トラップに四苦八苦しながらも魔物を蹴散らし進んでいると、傍に二つの巨大な像が鎮座した両開きの扉を見つけた。扉には二つの凹凸があり、押しても引いてもびくとも動かない。

 

怪しい…これまでにこんな扉など見なかった。明らかな変化、ということはこの階層が最終階層なのだろうか。明らかに雰囲気がボス部屋だもの。

魔力を込めて見ると、静電気が走ったようにビリッと痺れ、ゴゴゴゴと地響きを起こしながら、傍の二対の巨大な像が動き出す。

 

「オラァッ!!」

 

先手必勝、巨人は壁に埋もれるように配置されていた為、完全に壁から出るのに時間がかかる。その隙をつき、一体の巨人の頭を粉砕する。

 

「ォォオオオオオオ!!!」

 

仲間を登場シーンで殺された仲間への嘆きか、またまた俺への怒りかはわからないが、俺を睨みつけながら吠えながら踏み潰さんと脚を大きく振り上げる。それと同じタイミングで軸となっていた反対の脚を殴り巨人を転倒させる。

 

「チェックメイト…というやつだぜ。オラァッ!!」

 

スタープラチナの拳が転倒した巨人の心臓位置を貫き、巨人は力尽きる。

2体を倒したことで扉が開く…と思いきや開かない。扉の凹凸をもっと調べてみると、2体の巨人の魔石がピッタシ収まることに気付いた。さっそくトラップに注意しながら魔石をはめてみると、魔石から赤黒い魔力光が迸り、パキャンという何かが割れるような音と共に光が収まった。

 

扉を開けて中へと踏み込む。中は暗闇で何も見えない。スタープラチナの指パッチンで火を起こし、松明に火をつけ、部屋に投げる。するとスタープラチナの視力を介して中央に何かがいる事に気付いた。

 

「……だれ?」

 

その何かから発せられたと理解するのに数秒、幼い少女のような声だ。こんな階層に人が?警戒しながらも対象に近づく。

そこには少女がいた。

焦点が朧げな血を思わせる赤い瞳、黄金色の頭髪、透き通るような白い肌、子供とは思えないような妖しい色気…

まるでジョースターの運命と言うべきか、そこには“彼”を彷彿とさせる少女が何かに埋め込まれるかのように存在していた。

 

「DIO……まさかの女体化か…?」

「…?」

 

少女は首を傾げた。




原作のステータスガバガバ過ぎて草。調整難し過ぎんよ〜…

ハジメ爪熊撃破時のステータス。
筋力200
体力300
耐性200
敏捷400
魔力350
魔耐350


ベヒモス撃破時の勇者(笑)のステータス
筋力560
体力560
耐性560
敏捷560
魔力560
魔耐560



わっかんねーなこれ…
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