異世界帰りの少年の大事件 ~TSした元男の娘の非日常~   作:九十九一

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 三時間目が終了して、休み時間。

 

 ちょうどいいタイミングかなと思って、ボクは教室に入った。

 

「お、おはよー」

 

 ボクが挨拶しながら入った瞬間、

 

『『『誰!?』』』

 

 一斉に言われました。

 いや、うん。普段よりも体が違いすぎるから、その気持ちはわかるけど……普通に酷くない?

 

「えっと、ボク、なんだけど……」

『え、あれ、男女……?』

『う、嘘だろ、男女って、あんなに色気が半端なかったっけ……?』

『依桜ちゃんが、大きくなってる……』

『ろ、ロリ巨乳じゃなくて、普通に巨乳美人になってる……』

 

 あ、あれ? なんか、クラスのみんなの様子がおかしいような……。

 そ、そんなに変? ボク。

 

「依桜、なのよね?」

「うん。そうだよ」

 

 おー、普段はボクよりも身長が高い未果を、ほとんど同じ目線から見るなんて、すごく新鮮。

 女委にも言えるけど。

 いいね。なんか。

 

「ちょっと待て。依桜、その姿は、なんだ?」

「えっと、朝起きたらこうなってました。多分、副作用」

「ま、マジかー……。副作用なんじゃね? って話はしてたが……予想とは逆の方向に行っちまってるじゃねえか……」

「依桜君、随分綺麗になってね。普段からも綺麗だけど」

「ボクもちょっとびっくりしたよ」

 

 まさか、成長しているとは思わなかったもん。

 

「にしても、全体的に大きいのね……。依桜に身長を抜かれる日が来るとは……」

「ふふふー。ボクもこの姿はちょっと嬉しいんだ。身長が高くなってるから」

「普段は、小さい方だからな、依桜は」

「そりゃ嬉しいわな」

「唯一、副作用で喜べるものだよ、これ」

 

 いつもは逆に小さくなるだけだもん。

 例外なんて、あれくらいだし。

 

「ところで依桜君」

「なに?」

「今の依桜君の胸のサイズっていくつなの? どう見ても、普段よりも大きく見えるけど」

「あー、えっと……き、聞きたい?」

「「「聞きたい」」」

 

 未果と女委、態徒が即答した。

 晶だけは、苦い顔をしていた。

 

 態徒、あとで〆る。

 

 というか、よく見たら、クラスのみんなも聞き耳立ててない?

 なんだか、みんなが注目しているような……。

 

「それで、サイズは?」

「……そのぉ……ふ、普段のボクのサイズよりも、二つ上、です」

「二つ上って言うことは……あ、I!?」

『『『でか!?』』』

 

 ボクのサイズを未果が叫んだことで、周囲の人たちに聞こえてしまっていました。

 その結果、みんな驚きながらそう言いましたよ。

 

 未果が叫んだから聞こえていたんじゃなくて、聞き耳を立ててたから、あまり関係ない気がするけどね……。

 というか、なんで聞き耳立ててるの?

 

「身長も高くなるし、胸……どころか、スリーサイズも大きく変わってそうよね。この姿はあれね。大人依桜ね。顔立ちとか、大人びて美人系寄りになってるもの」

「大人っぽく見える?」

「ああ。普段とは全然違うな。大人っぽく見える」

「ほんと? 嬉しいなぁ」

 

 嬉しくて、笑顔が浮かぶ。

 

『うわー、美人の笑顔が眩しー』

『普段とは違った魅力があるな、男女』

『つか、マジでエロいと思ってるのは俺だけか』

『いや、俺もだ』

『雰囲気もなんだか、大人っぽく感じるよね』

『うんうん。なんかこう、お姉様って呼びたい……』

『わかる。ああいう綺麗なお姉さんって、すごく憧れるよね』

『大人依桜ちゃん……あり!』

 

 と言う会話が聞こえてきた。

 クラスのみんなから見ても、大人っぽく感じるみたいで、ちょっと嬉しい。

 いつもは、大人っぽいのは似合わない、なんて言われるんだもん。

 

 ……って、ちょっと待って。なんか今、エロい、って聞こえたんだけど……。

 

「え、エロい、ってどういうこと……?」

 

 なんて、ボクがそう尋ねると、女委以外がスッと目を逸らした。

 ……なんで、誰も何も言わないの?

 ボクが今着てるの、普通のワンピースなんだけど……。

 そ、そんなに露出ないよね?

 

「いやまあ、何と言うか、だな……」

 

 ボクの問いかけに、晶が口ごもる。

 その代わりに答えたのは、なぜかすごく元気な女委。

 

「それはね、依桜君。普段の依桜君は可愛い系の美少女なんだけど、今の依桜君はどちらかと言えば、高校生と言うより大学生に近いんだよ。つまり! 大人の色気と言うものが、ムンムンなわけですね!」

「ごめん、何を言っているのかわからない」

「要するに、大人っぽくなったことで、ある程度抑えられていたエッチ度が、大人バージョンになったことで、噴出した、というわけだね」

「いや、それでもよくわからないよ! というか、エッチ度ってなに!?」

「うーんと、何と言うかこう……エロさを表す数値、的な?」

「数値なんてわからないよ!」

 

 そもそも、どういう数値なのそれ!?

 

「うーむ、依桜君はその辺りの知識がないからなぁ……じゃあ、依桜君。ちょっと聞くんだけど、セックス、の意味ってわかる?」

『『『ぶっ!?』』』

「えと、せっくす? えっと、どういう意味……?」

『『『ええええええええええええええっっっ!?』』』

「え、な、なに!? みんなどうしたの!?」

 

 なぜか、クラスが騒然となった。

 あ、あれ? ボク何かおかしい……?

 

「もしかして、ボク、変……?」

「いや、変じゃないぞ!?」

「そうよ、大丈夫よ!」

「で、でも……」

「知らなくても困ることはないから大丈夫だ! だから、気にするな!」

「……そ、そうなの?」

『『『そうなの!』』』

 

 未果たちだけでなく、クラスのみんなまでもが、肯定してきた。

 

「そ、そうなんだ。よかったぁ、てっきり、ボクが変なのかとばかり……」

(((ほっ……)))

 

 みんながなぜか胸をなでおろしていたんだけど、どうしたんだろう?

 まあ、大したことじゃないよね。

 

「おーし、授業始めるぞー。なんだ、男女来てたのか。……なるほど、大人バージョンってわけだな。まあいい、とりあえず席着け」

「あ、はい」

 

 ここで、戸隠先生が入って来た。

 時計を見れば、もうすぐ四時間目が始まる時間だった。

 戸隠先生に席に座るよう言われたので、ボクは自分の席に着く。

 

「お前ら、何してんだ? さっさと席着け。授業始めるから」

 

 安堵したような表情で固まっていたクラスのみんなを、戸隠先生が座るよう指示を出すと、すぐにみんな席に着いた。

 そしてそのまま、授業が始まった。

 

 

「いや、まあ、正直、体育祭で依桜がどれだけピュアか、と言うことは知っていたが……まさか、ここまでとは……」

 

 昼休み。

 

 四時間目が終了した後、いつも通りにお昼となった。

 そして、依桜が席を外した瞬間、晶がそう切り出した。

 

「……そうね。この見た目で、知識0はなかなかすごいわ。というか、よく男の時にそっち方面に触れなかったわね」

 

 正直なところ、依桜がピュアだったのは、学園七不思議に数えられてもいいんじゃないかしら。

 

 偏見かもしれないけど、男だったら誰しも、そう言うのに興味を持つはずだもの。

 ましてや、中学生なんて興味津々な年ごろじゃない。

 

「でも、晶君はともかく、態徒君と一緒に遊ぶ機会があったのに、なんで依桜君はピュアなんだろう?」

「あー……えっとだな。俺たち男子三人で、この馬鹿の家に遊びに行った時があったんだが……その際、この馬鹿のエロ本を読んだことがあってな」

「ちょっ、いきなりオレたちの秘密暴露すんのやめてくんね!?」

「態徒黙って。それで? どうなったの?」

「いや、そのシーンに差し掛かった瞬間、顔を真っ赤にしてそのまま気絶した」

「あー、なんかすごく想像できる光景だね」

「でも、一度見たのなら、知ってるはずじゃないの?」

 

 いくら気絶したとはいえ、覚えていそうなものだけど……。

 

「いや、依桜の場合、そう言うのを見て気絶すると、その際の記憶がきれいさっぱり消えるんだ」

「なにそのマンガのキャラみたいな体質」

「そう言えば依桜君、体育祭の練習の時に、BLの過激な部分の内容言ったら、気絶してたよ。しかも、記憶がなくなってたし」

「何してんのよ、女委」

 

 というか、いつそんなことしてたのよ。

 すごく気になるんだけど。

 あと、過激な部分を言うって、頭おかしいわね、ほんと。

 

「……てことは、あれか? 依桜に対してそっち方面の話をすると、気絶して、記憶が飛ぶってわけか。あいつ、マジで理想の美少女すぎないか?」

「そうだね。依桜君は、銀髪碧眼、ロリ巨乳、ピュア、天然、天然系エロ娘、家庭的、優しい、怖がり、恥ずかしがり屋、幼女化、ケモロリ、ケモっ娘美少女、魔法使い、暗殺者、大人バージョン、っていう存在だからね」

「……こうしてみると、依桜って、マジで属性豊富だな。と言うか、盛りすぎだろ。大丈夫か、これ」

「いや、まあ、大丈夫、なんじゃない? 実際、癒されるし」

 

 依桜って、本当に癒しだもの。

 

 どんなに嫌なことがあっても、依桜の励ましだけで立ち直れるもの。

 

 それに、依桜は謙虚だから、全然嫌味とかないし。

 

 自分が可愛くない、と言ってはいても、あれ、本気で思ってるから、全然イラっと来ないしね。むしろ、いい加減認めたら? みたいな、呆れが入って来てるわよ。

 

 可愛いから全然いいけど。

 

「でも、あれだな。あの姿で、性知識0ってのは、ギャップが半端ないな」

「ギャップ萌え、というやつだねー」

「依桜の存在が、いよいよもって謎ね」

「あれでも一応、元男なんだよな……」

「少なくとも、何も知らない人からしたら、ただただ可愛い美少女としか思わないでしょうね。一人称だって、ボクだけど、実際いるし。ボクっ娘としか思われないと思うわ」

「性格が元々、女の子っぽいところもあったしねぇ。不思議じゃないよ」

「そうだな。以前から、その片鱗はあったが、女子になってから、それが顕著になってきたからな。正直、俺たちですら、元々女だったんじゃないか、なんて思うくらいだ」

「それあるわ」

 

 この中だと、依桜と付き合いが一番長いのは私。

 なにせ、幼稚園の頃からの付き合いだからね。

 

 そんな私ですら、最近、依桜が元々女の子だったんじゃないか、なんて思ってしまうのよね。

 

 だって、あの可愛さは反則でしょ。

 

 恥ずかしがり屋なのよ? ちょっと可愛いと言っただけで、顔を赤くして、あわあわするような娘なのよ? やっぱり、素晴らしく可愛いわけじゃない?

 

 まあ、依桜は男の時から普通に可愛かったわけだけど。

 そう言えば、満遍なくモテてはいたけど、中でも年上にモテてたわね、男の時は。

 今は、老若男女問わずモテるような状態だけど。

 

「ただいまー」

「おかえり、依桜」

 

 大人依桜が戻ってきたことにより、会話は中断。

 中断と言っても、大体話し終えたところだったけど。

 

 ……それにしても、本当に美人になったものね、今の依桜は。

 

 元男と思わせないような、美人っぷりに、私は内心、苦笑いだった。

 

 

 いつもとは違う体での生活は、そこまで不便がなく過ごすことができた。

 

 あったすれば、いつもより胸が大きい分、結構辛かった。

 

 だって、普通に肩は重いし、疲れるしで、きついんだよ?

 

 女の子って、大変なんだね……。

 月に一回来る、あれもかなりつらいんだけどね……。

 

 異世界で鍛えられたボクが痛みで苦しむって、相当だと思うんだけど。

 

 ……女の子は、すごいな、なんて心の底から思ったよ、ボク。

 あれと毎月格闘していたと考えると、尊敬するよ……。

 

 未果とか女委だって、普段通りにふるまってたなぁ。

 未果はたまに、イライラしてたような気がするけど。

 

 でも、女委は特に変わった様子がなくて、いつものようなハイテンションにこにこ顔だった。

 

 個人差がある、って言ってたけど、女委はあんまり痛くない方なのかな?

 

 羨ましいよ……。

 

 初めて来た時は、本当に辛かったよ……。

 

 ……まあ、それはまた別に機会と言うことで。

 あんまり思いだしたくないけど……。

 

 何はともあれ、普段通りに学園は終了。

 

 みんなと軽く寄り道をしていくことになり、場所はショッピングモール。

 その道中で、思わぬアクシデントが発生してしまった。

 

 

「この辺も、どんどん開発が進んでくな」

 

 ショッピングモールに向かう途中の道で、態徒が周囲の様子を見て、そんなことを呟く。

 

「そうだね。でも、ちゃんと自然は残しているんだから、まだいいと思うよ」

 

 美天市は、自然豊かな街でもあるので、上手い具合に共存していた、街並みはかなり綺麗。

 春になれば、桜が咲き誇る道もあるしね。

 

「でもやっぱ、ずっと住んでた街が変わっていくってのは、なんかこう、寂しいよな」

「あら、随分感傷的じゃない、似合わないわよ?」

「酷くね!? オレだって、そう言う気分になる時くらいあるわ!」

「まあ、一応態徒君も人間だしね」

「一応じゃないぞ!? オレ普通に人間だからな!?」

「そうだね。まあ、態徒君が人間かどうかは置いておいて」

「いや、置いておくなよ!?」

 

 なんて、いつものやり取りをしながらショッピングモールに向かっていると……

 

 ガゴォォン!

 

 という、大きな音が聞こえてきた。

 

「なんだ、今の……って、お、おいあれ見ろ!」

 

 と、態徒が指さした方には、建設中のビルの上にある、今にも落ちそうな鉄骨。

 そして、その下には……

 

『うえぇぇぇん!』

 

 小さな女の子が泣いていた。

 

『愛ちゃん!』

 

 泣いていた女の子のお母さんらしき人が、落ちそうになっている鉄骨に気付き、慌てて駆け寄る。

 ところが、お母さんが女の子に近づいた瞬間、

 

 ゴォォン!

 

 という音を立てて、鉄骨が落下し始めてしまった。

 

「まずいっ!」

 

 ボクは落ちたのを認識した瞬間には、すでに地を蹴っていた。

 

 親子の所までの距離は、おそらく100メートルほど。

 ビルの高さは、大体50メートル程度。

 

 数秒しないうちに親子に落ちてしまう。

 

 だけど、今のボクなら全然問題なく間に合う!

 

 一瞬と言ってもいい時間で親子のもとに到着。

 だけど、鉄骨はもうすぐそこ。

 

 ボクは、『瞬刹』を使用して、知覚能力を引き上げる。

 その瞬間、世界がスローモーションになったように遅くなる。

 

 次に、『身体強化』を五倍で発動し、『武器生成魔法』で切れ味最高の短刀を生成。

 

 ナイフを右手に持ち、そのまま跳躍し、鉄骨を切断した。

 

 さすがに、このままだと親子に当たってしまう危険性があるため、蹴りを用いて衝撃を吸収し、切れた鉄骨を横にずらした。

 

 同時に、『アイテムボックス』を開いて、その中に生成したナイフを放り込む。

 

 それを確認してから、『瞬刹』を解除。

 

 解除した瞬間、スローモーションだった世界が元の速さに戻り、

 

 ドオォォォォンッ!

 

 という、地響きと共に、鉄骨が地面に落ちた。

 

「大丈夫ですか?」

『あ、は、はい大丈夫、です……』

 

 見たところ、怪我などがないようで、すごく安心した。

 小さな女の子も、膝を擦りむいただけで済んでいた。

 

 泣いていた原因はおそらく、転んで怪我をしてしまったからなんじゃないかな。

 それで、運悪く鉄骨が、っていう感じかな。

 

「えっと、君、ちょっと痛いところを見せて」

 

 女の子と同じ目線になって、微笑みながら傷口を見せるように言うと、

 

『……うん』

 

 女の子は小さく頷いてから、おずおずと擦りむいた場所を見せてくれた。

 

「ちょっと、じっとしててね」

 

 そう言うと、ボクは女の子膝に手をかざし、

 

「『ヒール』」

 

 聞こえないくらい小さな声で、『ヒール』を唱えた。

 見えないようにうまくコントロールした癒しの光が、女の子の傷口に染み入り、光が収まる頃には、擦りむいたことがなかったかのような綺麗な状態になっていた。

 

「どうかな? まだ痛い?」

『わぁ……痛くない! 痛くないよ!』

 

 傷が無くなったことに、女の子は嬉しそうに笑う。

 泣いていたのが嘘だったみたいに。

 

「うん、よかった。えっと、あなたも怪我したところは?」

『い、いえ、大丈夫です。……それよりも、危ないところを助けていただき、ありがとうございました……。おかげで、私も愛も、生きています。何とお礼を言えばいいか……』

「いえいえ、気にしないでください。それじゃあ、ボクは失礼しますね」

 

 そう言って、ボクは立ち去ろうとすると、

 

『お姉ちゃん、ありがとう!』

 

 ばふっ、と女の子が抱き着きながらお礼を言ってきた。

 なんだか嬉しくなって、つい、女の子の頭を撫でていた。

 

「ふふっ、お姉ちゃんも、愛ちゃんが無事でよかったよ。それじゃあ、お姉ちゃんは行かないといけないから、気を付けてね」

『うん! ありがとう! お姉ちゃん!』

 

 優しく言うと、愛ちゃんはお母さんと手を繋ぎ去っていった。

 その際、何度も振り返りながら、手を振っていたので、見えなくなるまで、ボクも小さく手を振っていた。

 

「お疲れ様、お姉ちゃん?」

「み、未果。えっと、もしかして聞いてた……?」

「それはもう、バッチリ。最後、自分のことをお姉ちゃんと言ってたところもね」

「~~~~ッ!」

 

 は、恥ずかしぃ!

 

 自分のことをお姉ちゃんって言っていたのが、すごく恥ずかしいよぉ!

 男なのにぃ!

 

「でも、よかったの? 助けるためとはいえ、魔法を使って」

 

 と、さっきと打って変わって真剣な表情でそう訊いてくる未果。

 

「うん。あれはさすがにね。何も使わないで回避もできたけど、切断してからの方がよかったから。仮に、本気で蹴りを入れてたら、鉄骨、凹んでたよ?」

「暗殺者的に、どうなの? それ」

「……鍛えたの、師匠だから」

「それもそうね」

「でも、さっきのはすごかったぜ。一瞬で依桜が親子の所に行ったと思ったら、次の瞬間には、切断された鉄骨が横たわってるんだもんよ」

「ああ。何が起こったのか、よくわからなかったな」

「かっこよかったよ、依桜君!」

「あ、あはは、ありがとう」

 

 あれに関しては、さすがにね。

 

 知覚能力も倍以上に引き延ばして、身体能力を五倍にする。

 そうすると、こっちの世界の人からしたら、本当の意味で、目にも止まらぬ速さ、と言う状態になるから。

 

 それどころか、ただ立ってるだけに見えたかもしれないね。

 

「とりあえずこれ、建設会社に連絡を入れた方がいいな。鉄骨が落下してきたわけだし」

「そうね。まあ、運よく助かった、ってことにしておきましょうか」

 

 ボクたちはこの後、建設会社に連絡をして、事情を説明。

 その後、何度も謝罪されたものの、被害はなかったので大丈夫と言って、その場はお開きとなりました。

 

 

 あんなことがあったので、結局ショッピングモールに行くのはやめて、そのまま帰ることに。

 

 家に着くなり、久々に『瞬刹』を使い、『身体強化』、さらには『武器生成魔法』も使って、それなりに疲れたので、部屋で休んだ。

 

 いきなり鉄骨が落下してくるなんて思わなかったけど、なんとか助けられてよかった。

 とりあえず、魔法って言うことはバレてないと思うし、大丈夫だよね。

 そうして、しばらく休んで、夜ご飯を食べて、お風呂に入ったのち、就寝となりました。

 

 

 後日、目が覚めるといつもの姿に戻っていました。

 ちょっとがっかりしたような、しないような……複雑な気持ちになりました。

 

 ちなみに、鉄骨の件がテレビや新聞などで報道され、銀髪碧眼の美人、親子を助ける、なんていう見出しで報道されたらしいけど、そのことを、ボクが知ることはなかった。




 どうも、九十九一です。
 考えなしに作品を書いているせいで、どんどん設定と伏線が増えていきます……やりすぎだよなぁ、これ。収拾つくかな……。すごく心配になってます。
 今日も2話投稿の予定です。いつも言っている通りだと思いますので、よろしくお願いします。
 では。

依桜の異世界に滞在していた三年間の話をやってほしいかどうか

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