異世界帰りの少年の大事件 ~TSした元男の娘の非日常~ 作:九十九一
翌日の朝。
「……お、重い」
何かがボクの上に乗っかっていて、すごく重く感じた。
十中八九、みんなだと思うんだけど……なんで、こんなに重く感じるんだろうなぁ……。
それに、ちょっとだけすーすーするような気がするし……。
……まあ、なんとなくわかってるんだけどね。
「……あ、うん。小さい」
朝起きると、ボクの体は小さくなってました。
随分、久しぶりな気がします。
最後に体が変化したのっていつだっけ? と思いながら、起き上がる。
その際、みんなを起こさないように細心の注意を払う。
「さて、ごはん作らないと」
小さくなってもやることは普段と同じです。
「むぅ~……やっぱり、ちょっとやりにくい……」
身長自体は、大体四年生組の娘たちと同じなんだけど、普段より縮んでしまっている影響で、料理がしにくい。
と言っても、小さくなるのもそこそこ慣れているので、料理の方もちょっとやりにくいだけであって、全然できない、なんていうことはないです。
そもそも、体が小さくなったりとか、大きくなったりとか、耳とか尻尾が生えたりするなんて、まずありえないんだけどね……。
ボクの場合は特殊すぎる体質になっちゃったからね……まあ、だからこそ、色々と慣れが必要なわけで。
とはいえ。こんな特殊体質も、去年の十月頃からの付き合い。
慣れてます。
ただ、フライ返しの時なんかは、ちょっと大変だけどね。両手でやらないといけないから、いつも以上にやりにくい。別に、重いからできないって言う理由じゃなくて、単純に手が小さくなっちゃったから、なんだけどね。
そんな風に、少しだけ苦戦しつつも、今日の分のお弁当が完成。
昨日よりは少なめ。
美羽さんたちは今日来ないしね。
その分少な目に作れる。
師匠は今日は一緒に食べるって言ってたし、一緒でいいよね。昨日は忙しくなるから別で、って言って別々にしてたし。
「ふぁあ~あ……おーっす、イオー……」
師匠の事を思っていたら、本人が大きなあくびをしながらリビングに来ました。
「あ、師匠。おはようございます。朝ごはん食べますか?」
「ああ、もらう……って、お前、また小さくなったのか?」
「はい。朝起きたらこうなってました」
「軽いな……いや、まあ、そこそこ長いしな、その体質は。慣れて当然か」
「はい」
「……にしても、あれだな。小さいイオってのも、可愛くていいな」
「ふぇ!?」
「なんと言うか、普段のイオにはない魅力というか……いや、普段もすっごい魅力的だが、ちっさいと内面と外見のギャップが半端ないな」
「い、いいい、いきなりそんなこと言わないでくださいよぉ!」
「ははは! 声も子供っぽくなってて、いいもんだ!」
あぅぅ、いきなりそんなこと言われると、心臓に悪いんですよぉ……。
別に、可愛くないと思うのに……。
「んじゃま、いただくかね」
「……めしあがれ」
師匠は朝ご飯を食べ終えると、すぐに学園へと出勤していった。
体育教師はこういう時仕事が多いって、愚痴を言ってた。
そういう仕事なんだから頑張ってください、と言っておいたけど。
その後は、父さんと母さんも起きてきて、朝食を食べたらそのまま仕事に行きました。
今日も仕事だそうです。
明日は休みだから来るって言ってたけど。
高校生ともなると、両親が見に来るというのは、少しばかり恥ずかしいような気持がある。
小学生くらいだと、ついつい目立ちたくなっちゃって、普段以上に頑張る! っていう子が多いのにね。成長すると、恥ずかしくなる。
ある意味仕方ないと言えば仕方ないよね。
ボクは……昔から変に目立ってたからなぁ……この銀髪と碧い瞳のせいで。
まあ、今も十分目立ってる気がするけどね……。
〈どもー、イオ様〉
「あ、アイちゃん。おはよう」
〈ええ、おはようございます。おや? イオ様ちょっと縮みました?〉
「あ、うん。小さくなっちゃってね。今日はこのままだよ」
〈ほほう! これがデータにあった、イオ様の特殊体質ですか! ほーう、なるほどなるほど……THE・ロリ、って感じですね。うむ、世のロリコンどもが血走った眼で見そうな姿で〉
「さ、さすがにないんじゃないかな……? みんなならわかるけど、ボクはさすがにないと思うけど……」
〈何を言うんです。イオ様は銀髪碧眼の超絶美幼女じゃないですかっ! そんなんでロリコンに見られないと言ったら、一体どんなロリが見られると言うんです!〉
「いや、あの、何を言ってるかわからないんだけど……」
〈まあ、イオ様は超が付くほどの鈍感ですし、気づかなくても不思議じゃないですよねぇ〉
……なんだろう。ちょっと馬鹿にされているような気がする。
〈にしても、明日までは本当暇ですねぇ、私〉
「明日って言うと……あの、学園長先生のお手伝い?」
〈はいそうです。明日は楽しくなりそうですよー、私は〉
「そうなんだ」
〈イオ様も楽しめるんじゃないですかねぇ?〉
「ど、どうだろう? 学園長先生のおねがいごとだし……あまりいいよかんはしないかな……」
少なくとも、異世界転移装置が出来たから、試運転して! ってお願いしてくるような人だもん。
あと、プレイヤーであるボクに運営側の仕事をさせてきたりするし。
あの人が考えて、ボクが巻き込まれるタイプのことでいいことなんて起こったためしがないよ。
〈んまー、なーんかサプライズ的なことも用意してるみたいですしー? いいんじゃないですかねー?〉
「ふあんにしかならないね、その言い方……」
むしろ、楽しみになれるアイちゃんがすごい。
……って、アイちゃんって学園長先生の所の研究員の人たちが創ったんだから、楽しいこと好きだったとしても不思議じゃないよね……というか、絶対そうだよね。
一体、何をするつもりなのかなぁ。
なんて思っていたら、メルたちが起きて来た。
「ねーさま、おはようなのじゃ!」
「おはようございます!」
「おは、よう!」
「イオねぇおはよう!」
「おはようなのです!」
「……おはよう」
「あ、みんな、おはよう。朝ごはんできてるから、食べちゃって」
って、ボクがいつも通りに言った瞬間、
「「「「「ええええぇぇぇぇぇっっっ!?」」」」」
って、メル以外のみんなが、ボクを見て驚いた声を上げていました。
あ、そう言えばみんなには説明してなかった。
というわけで、朝ご飯を食べつつ、みんなに事情説明。
「――ということなんだよ。だからたまにちっちゃくなったり、大きくなったりするけど、あまり気にしないでね」
「「「「「はーい!」」」」」
普通に納得してくれて何より。
というか、みんなもナチュラルに納得するんだね……。
まあ、異世界出身って言うことを考えたら、こんな不思議体質な事実があったとしても、大して問題じゃないのかも。
実際、師匠のような人だっているし。
と言っても、あの人は色々と比べちゃいけない人だから、ちょっとあれだけどね……。
「でも、イオお姉ちゃんが私たちと同じくらいだと、不思議ですね」
「あ、あはは……ボクも、ふだんはみんなより大きいのに、今は同じ目線だから、しんせんだよ」
滅多にないもんね。こんなこと。
でも、こうして変化するのはご無沙汰だったからなぁ……。
いつ来るかわからないから、常にその時に合わせた準備しておかないといけないからね。
今は『アイテムボックス』もあるし、大ごとにはならないんだけど。
……そう言えば以前、生理中にこの姿になった時があったけど……あの時はなぜか整理が収まったっけ。
あれかな。体が縮んだことで、それがなかったことにされた、とか?
あの時は助かったよ。
生理って、本当に辛いんだもん……。
「イオお姉さま、今日は大丈夫なのですか?」
「きゅうぎ大会のこと?」
「はい」
「問題はないよ。小さくなると、ふだんの三分の一になっちゃうけど、裏を返せばそれくらいで動けるからね」
「……おー、さすが、イオおねーちゃん。神」
「あはは、ボクは神様じゃないよー」
師匠曰く、ボクは師匠が親友だった神様に似てるらしいけど、ボクは人間ですからね。神様じゃないですよ。
「えっと、今日はメルとクーナがしあいにでるのかな?」
「うむ!」
「そうなのです」
「メルの方は……ボクもしあいがあるから、見に行けたら行くね。クーナの方は多分行けるかもしれないから、行くよ。もしかしたら、保健委員のほうがあるかもしれないけど……」
「はーいなのじゃ!」
「わかったのです」
よかった。これで駄々をこねられたら、ボクは本気でドッジボールで勝たなきゃいけなくなるところだったよ。
三分の一に低下しているとはいえ、こっちの世界基準ではかなり強いことに変わりはないしね……。
たしか、攻撃力があと2増えれば四桁って言ってたから……998、なのかな?
それの三分の一……大体、約332くらいかな。
……うん。それでもダメだね。本気で投げたら、頑丈じゃない人じゃない限り、死んじゃいかねない……セーブを心がけよう。いつも通り。
朝ご飯を食べ終えたら、みんなで学園へ登校。
今日は二日目で、行われる種目は、ソフトボール、ドッジボール、バレーボールの三種目。
昨日ほどの慌ただしさはないかな。
でも、全部集団系種目だから、怪我人が何人も出そう……。
頑張らないと。
「ねーさまねーさま」
「なに? メル」
内心頑張ろうと意気込んでいると、メルがボクを呼んできた。
「手を繋いでもいいかの?」
「きゅ、きゅうだね。どうしたの?」
「今のねーさまが儂と同じくらいじゃから、手を繋いでみたいなと思ったのじゃ。……ダメかの?」
はぅっ、潤んだ瞳でそれは反則だよぉ……!
「も、もちろん、いいよ」
「わーいなのじゃ!」
嬉しそうにすると、メルはボクの右手に自分の左手で握って来た。
あ、あったかくてぷにぷにしてる……。
「あ、メルずるいです! 私も繋ぎたいです!」
「わた、しも」
「ぼくも!」
「私もなのです!」
「……わたしも!」
あ、こ、こうなっちゃったか……。
う、うーん、じゃあ……
「えっと、とりあえずかわりばんこにね? ね?」
こういう時は、順番に交代すれば大丈夫なはず。
「「「「「「はーい(なのじゃ)」」」」」」
は、早い。すぐさま提案を受け入れてくれた……。
以前読んだライトノベルだと、喧嘩になっちゃって色々と大変そうだったんだけど、現実だとそうはならないんだね!
みんなが素直ないい子でよかった!
「じゃあ、最初はメルとニアでいいかな?」
と言うと、みんなはすぐに頷いてくれた。
そして、嬉々としてニアがボクの空いている左手を右手できゅっと握って来た。
メルとは違って、ぷにぷにというよりふにふにしてる手。
うん……いいなぁ……。
朝から、かなり幸せな気分になりました。
そんな風に、溺愛しまくっている妹たちとかわるがわる手を繋いで歩いていた依桜たちを見た通行人と言えば、その幼女たちの甘~い空気感に胸を押さえて倒れた。
全員もれなく、緩み切った表情をしていた。
幼女でも、被害は出すようである。
どうも、九十九一です。
最近、また調子が悪くなりつつあります。体調ではなく、執筆の方ですが。あれですね。こうも苦手な分野を書いていると、調子悪くなるんですね。いい感じのネタが思い浮かばない……。
現段階で思いついているのは最終日くらいですね。二日目は多分、一番うっすい日になるかも? やることが少ないですからね。まあ、頑張りますとも。
例によって、いつも言っている通りですので、よろしくお願いします。
では。
依桜の異世界に滞在していた三年間の話をやってほしいかどうか
-
やってほしい
-
やらなくていい
-
どっちでもいい
-
知らぬ
-
単体作品でやってほしい