異世界帰りの少年の大事件 ~TSした元男の娘の非日常~   作:九十九一

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 準決勝終了後、観客席側にいた態徒たちの所に行くと、なんとなく気持ち悪いことを考えているような気がして、というか、絶対に考えていたと思うので、ちょっとお灸を据えました。

 

 悪いのは、態徒と女委。

 

「お疲れー、依桜」

「おつだよー」

「うん、ありがとう、ふたりとも」

「いやぁ、まさかあって早々ぶん殴られるとは思わなかったぜ……」

「にゃ、にゃはは……わたしも、殴られはしなかったけど、体中に激痛があるぜー……」

「ふたりがわるいんだもん。ぷいっ」

 

 なんとなく、女委を攻撃することはできなかったので、針でちょっと刺して、全身に激痛が走るつぼを押しただけだもん。

 

 別に、激痛が走るだけであって、体には無害。むしろ、有益。

 

 だって、全身の血行を良くすることができるもん。

 

「お疲れ様、依桜」

「お疲れ」

「あ、みかにあきら。そっちもしあいはおわったの?」

「ええ、終わったわ」

「ああ」

「おー、で、どうだったん? 二人とも」

「残念ながら、私は負けたわ。でも、晶は勝ったわよ」

「なんだ、未果は負けちまったのか」

「まさか、全国常連に当たるとは思わなかったわ……。というか、テニスも負けた理由もそれだったし……」

 

 それを聞いていると、この学園ってやっぱり、部活が強豪なんだなぁって思えて来るよ。

 

 運動部、文化部関係なく強いしね。

 

 特に、運動部は強いし、個人系部活、集団系部活関係なく強いからね。

 

「まあ、俺の方も決勝は本職相手らしいし、勝てる気はしないがな」

「それはやべーなー」

「ま、こう言う大会は、本職がいるクラスがなんだかんだで一番強いものね」

「だね~。むしろ、本職じゃないのに、無双している方がおかしいんだもんねー。ねー、依桜君?」

「あ、あはははは……」

 

 ボクはまあ……全く違う本職だしね。

 

 しかも、割と危険な本職。

 

 人を殺す仕事だったしね。

 

 だから、乾いた笑いしか出てこない……。

 

「まあ……依桜はな」

「依桜を比較対象にしちゃダメだろ~」

「何せ、世界最強の弟子、だものね?」

 

 にやにやとした笑みを、晶以外がボクに向けて来た。

 

 ひ、酷い顔……。

 

「と、ところで! めいのほうはどうだったの?」

「わたし? うん、余裕で勝ったよ~。相手がまた男子生徒でね~。なぜかわたしを見てぶっ倒れてね~。決勝進出さ!」

「さすがめいだね。でも、なんでたおれたんだろうね?」

「ねー」

(((絶対、その胸だろ)))

 

 あれ、なんか三人が微妙な表情をしているような……気のせいかな?

 

「あ、そうだ。ねえ、未果ちゃん、態徒君、聞いてよ。依桜君すごいんだよ?」

「すごいって、何が?」

「今日の依桜君って、ケモロリっ娘じゃん?」

「そうだな」

「さっきのドッジボールで、あの尻尾を自由自在に動かして、ボールをキャッチしたり、投げ返したりしてたんだよー」

「「……ああ、そんなことまできるようになったのか(ね)」」

「ま、まあ、からだのいちぶなので……」

 

 意外と便利だしね。ついつい使っちゃうわけで……。

 

 この姿と、通常時に耳と尻尾が付いた状態は、こんなことができるから、今後そうなった時は使って行こうかな。

 

「身体能力の高さに加えて、第三の手のような追加方もできる尻尾もあると考えると、負ける要素がないわね、依桜」

「で、でも、あたるめんせきがひとよりもおおいんだよ? ドッジボールなら、まけちゃうかもしれないし……」

「「「「ないない」」」」

 

 声をそろえて、呆れながら否定しなくても……。

 

 ボクが言うことことって、そんなに信用できない……?

 

 

『高等部選手の皆さんにお知らせします。現在、ルール追加が行われた競技の準備に遅れが出ております。なので、あと三十分ほどお待ちください。それから、最終種目に関する内容も、外の掲示板に張り出しておきますので、確認し、準備を始めてください』

 

 みんなと話していると、不意にそんなアナウンスが流れた。

 

「なんだ、遅れてんのか」

「みたいだね」

「それで、最終種目は何なんだろうな? とりあえず、見に行くか?」

「そうね。依桜も行くわよね?」

「うん。いまはやることがないしね。きょうはいそがしくなるから、ほけんいいんはいい、ってさっきのぞみせんせいにいわれたから」

 

 だってボク、生徒側の参加じゃなくて、学園側の参加だから、ちょっと違うしね。

 

 ……報酬についてはもうもらってるけど。

 

 でも、家なんだよね……家を持っている女子高生って一体……。

 

 …………うーん、やっぱり、男だった、っていう認識が薄れているような……。

 

 いいことなのか、悪いことなのか、なんだかいまいちだよ。

 

 

 というわけで、掲示板に移動。

 

「親切に、チラシが置いてあったから持ってきたわ。早速見ましょ」

 

 前の方に行った未果がそう言いながら、チラシを手に戻って来た。

 

「なになに? ……『最終種目は全員参加のVR的なアレです。基本はCFOを使っているため、すでに所持していて、尚且つレベルが高い人もいます。そうなってくると、圧倒的不利になってしまう人が大勢いるので、種目が始まる二十分前まで、レベルを上げる時間を与えます。その間、狩場の取り合いになるとレベリングどころじゃないので、一人一つのサーバーでプレイしていただきます。もちろん、友人との協力もOKです。データがある人で、レベル四十五以上の人は参加しないよう、お願いします。あと、持っていない人も四十五に到達したら、中断するよう、お願いします。なお、レベリングに参加できない人は、事前に申し出てくれれば、初期設定三十にします。ただし、他の生徒とのレベルの間が空きすぎた場合は、平均に設定します。ちなみに、職業はなにを選んでもいいです』だって」

 

 律儀に、女委が全部読み上げてくれた。

 

 じ、事前に聞いてはいたけど、本当にやるんだ。

 

 というか、本当に全員分のサーバーを作っちゃったんだ……。

 

「……それにしても、『New Era』を全員分とは……あの学園長の財力どうなってるのよ」

「一台あたり、十万円以上。で、高等部は八百四十人。そこから考えて……おー、実に八千四百万円だね」

「「「たっか!?」」」

 

 女委が出した金額に、未果たちが声をそろえて驚く。

 

 は、八千四百万ですか……。

 

 ……本当に、あの人の財力って一体……。

 

 そもそも、資金はどこから来てるんだろう? 一応製薬会社兼、ゲーム会社だけど、普通に考えたら、そこでお金を得ているんだろうけど……果たして、普段から得ているお金だけで、ここまでポンポンとお金を出せるわけないし……。

 

「でもこれ、依桜の一人勝ちじゃない? 種目のシステム上」

「まあ、依桜のステータスはそのレベルの四倍以上みたいなところがあるしな」

「それな。ってか、三十分もかからずに全部終わらせるんじゃないか?」

「さ、さすがにしないよ? だってボク、せいととしてさんかしないもん」

「「「「え」」」」

 

 ……あ。もしかしてこれ、言ったらまずかった……かも?

 

 うっすらと背中に冷たいものが走る中、未果たちは驚いた状態から一転して、すぐに納得した顔になった。

 

「もしかして、学園長に何か言われたのかしら?」

「よ、よくおわかりで……」

「学園長先生が関わっている以上、依桜君が関わらないわけないもんね~」

「ま、まあね……」

 

 本当に、よくおわかりで……。

 

 みんなのボクに対する理解度って、相当高いような気がしてきたよ。

 

 同時に、学園長先生に対する理解度も高くなってきている気もするし。

 

 すごいね、みんな。

 

「それで、何をするの? 依桜は」

「あー、うーん……あんまり、いわないほうがいいきが……」

 

 だって、まだその辺りは何も言ってないわけだし……。

 

〈おーっす、みなさま〉

「あ、アイちゃんだ」

 

 いきなり、アイちゃんが声を出した。

 

〈いっやー、最終種目の話が聞こえたんでー、ついつい出てきちゃったぜ☆〉

「相変わらず、その話し方なのか」

〈まー、私はこーんな喋り方ですからねー。なんですか? もしや、AIっぽい喋り方の方がいいとか?〉

「アイちゃんがそれは想像できないなー。だって、ちょっとウザい感じが空いちゃんなわけだし」

〈お、よくおわかりでっすねー! 女委さん! そうですぜ! 私はちょいウザキャラ路線ですからねー! HAHAHA!〉

 

 あー、たしかに……ウザい系、だよね、アイちゃんって。

 

 なんか、今納得した。

 

 たまーに、イラッとくることがあったけど、それが理由だったんだ。

 

「でも、どうしてアイちゃんでてきたの? なにかあった?」

〈んー、一応皆様に追加情報でも与えようかなーと〉

「え、でも、さすがにいったらまずいんじゃないのかな? だって、だれにもいってないじょうほうだし……」

〈ご安心を。私は世界最高峰のスーパーAIですからね! 抜かりなく、創造者に質問済みですとも!〉

「勝手に連絡してるって……アイちゃん、自由奔放すぎない?」

「いやいや、この場合普通にAIとして働いただけだろ。……普段はたしかに自由奔放だけどよ」

 

 うん、それはボクも思います。

 

 だって、知らない間にボクの寝顔写真を送っているんだもん。

 

 自由奔放だよ。

 

〈おっと。じゃあ、ちょっとした情報を。その最終種目には、この私も参加します!〉

「「「「え」」」」

〈いっやー、アイちゃん困っちゃうぜー。だってぇ~、こ~んな超絶キュートで、最強すぎるAIが最終種目に参加するんですよー? しかも、イオ様とコンビ! これ最強! 自然の摂理! イェェェェ!〉

「……依桜、マジなの?」

「……マジ、です」

「「「「……」」」」

 

 あぁ、みんなが何とも言えない顔に……!

 

 ボクだって、アイちゃんが一緒って、心配しかないよぉ!

 

 頼りになるのは理解できるんだけど、それ以上に、何をするかわからないから、心配なんだよね……。

 

〈ああ、そうそう。イオ様。私も参加するにあたり、ちょっとサーバーの方で準備してきますんで、次はゲーム内で会いましょうぜ!〉

「あ、う、うん」

〈じゃ、皆様ガンバ! 特に、ルール変更種目に出る人たちはね! イオ様のすんばらしい絵も監視カメラを介して見てますんで〉

「わ、わかったよ。……って、え? アイちゃん、いまのはつげん――」

〈では! サラダバー!〉

「あ、アイちゃん!? アイちゃーーーん!?」

「いなくなったわね……」

「いきなり出てきて、いきなり消えるとは……自由奔放って言うか、色々とカオスだな、アイちゃんは」

「それに振り回される依桜も大変だなぁ」

「だねー」

「……ふ、ふふふふ……」

 

 アイちゃん……なんなの?




 どうも、九十九一です。
 ちょっと、色々あって、投稿が遅れました。申し訳ないです……。まあ、一応投稿はしましたので、許してください。
 明日の投稿ですが、まあ、朝の10時はちょっと厳しいかもしれないので、17時か19時に投稿したいと思います。まあ、ちょっと用事があるので、もしかすると投稿できない、なんて可能性もありますので、ご了承ください。
 では。

依桜の異世界に滞在していた三年間の話をやってほしいかどうか

  • やってほしい
  • やらなくていい
  • どっちでもいい
  • 知らぬ
  • 単体作品でやってほしい
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