来ました、秋葉原電気街。オタクの東の聖地と言っても過言ではない。そんなところに一緒に居る相手が…。
「八幡さん、見てください。可愛いフィギュアがいっぱいですよ。こっちのお店は電車の模型ですよ」
楓なんだよなぁ。なんかエンジョイしてるし…。
「八幡さん?」
このまま黙っているのは、なんとなく…、いや…だな。
よし、言うか。
「あ~、楓」
「なんですか?」
「実は、東京に遊びに来る時は、だいたい秋葉原に来てるんだ。あと中野ブロードウェイ」
「そうなんですね。このカゴの部品らしきものはなんでしょう…」
「ここへ来てラノベやマンガやアニメのDVDを漁ってる。それはPCのパーツ」
「へ~、楽しそうですね」
「日曜の朝は、必ずプリ○ュアを観ている。劇場版をやれば映画館にも行く」
「可愛いですよね、プリキュ○。特にキュアフェ○ーチェ」
あ、あれ? しかも、フェ○ーチェ知ってるし。
「楓さん?」
「なんですか?」
「引かないの?」
「?」
何故?って顔してるけど…。
「お、俺、オタクだよ」
「だから、それがどうかしたんですか?」
「いや、嫌悪されるかと…」
「ふふふっ、いいじゃないですかオタク」
「へ?」
「八幡さんの趣味なんですから、否定しませんよ」
「そ、そうか」
「お部屋がポスターやフィギュアだらけだったら、多少はビックリしちゃいますけど」
「それはない。部屋は本だらけだ」
「事務所で、菜々ちゃんと奈緒ちゃんがマンガやDVDの貸し借りとかしてますし、比奈ちゃんは夏と冬に『締め切りがぁ』って言ってますし。たまにチカちゃんと変身ゴッコもするんですよ」
「346プロって、結構居るのね」
「だから、オタクの話は『マニア』ってま~す」
ここでブッこんでくるのね、ダジャレ。
「なんか、難しく考えてたわ」
「それに…」
「ん?」
「八幡さんのことを、また知ることが出来ました」
なんか拍子抜けだな。しかも、そんなこと言われるとは…。俺は承認欲求が強かったのかもな。
だから、あの頃も…。修学旅行や生徒会選挙でも…、きっと認めて欲しかったんだろう。自分のことを話さずに…。そんな、都合のいい話はあるわけがない。
今はこうして自分のことも話せる。相手の話も聞いて理解することも少し出来ている気がする。
だが、昨日はアイツにあんな対応しちまって…。心を乱されるなんて、まだまだ俺もガキだな。次に話す機会があったら…。
「八幡さん?」
「なんでもない。ケバブでも食べるか?」
「は~い。あっ!ガチャポンだ!やりたいです。この酒瓶キーホルダー欲しい!」
「はいはい」