言った、遂に言ったぞ。
…沈黙。俺、やっちまったか?黒歴史更新か?
「八幡さん…」
「お、おう」
「心臓の音、凄いですよ」
「そりゃあ、高垣楓に告白しているんだからな」
「私もです」
楓が俺の手をとり、左胸に…。おう、柔らかい。じゃなくて!楓の鼓動も早い。
「『好き』と言われることが、こんなにも胸を締め付けて、こんなにも嬉しいことなんて知りませんでした」
「そうか」
「…私も八幡さんのことが好きです」
え?今、好きって言われた…。
「楓…」
「八幡さん…」
〈クゥ~〉
え?今のなんの音?楓が下向いてクスクス笑ってるんだけど。
「ふふっ。ごめんなさい、お腹すいちゃいました」
可愛いお腹の虫だな。
「サンドイッチ買ってきた」
「いただきましょうか」
「だな」
朝食を食べながら確認しなければいけないことが。
「なあ、楓」
「はい、なんですか?」
「お、俺達は両思いでいいんだよな?」
「…はい」
モジモジして可愛いのう。お持ち帰りしたい。って、だからここ俺ん家!
「そ、それで、期間限定ではなく、正式にお付き合いってことで、いいんだよな?」
「改めて言われると、恥ずかしい…。正式にお付き合い…です」
「そうだよな、うん。改めて、よろしくな」
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
な、なんか恥ずかしいな。
「そ、それで、提案なんだが…」
「はい」
「付き合い始めたとなると、楓もこの部屋に遊びに来ることがあるだろう」
「はい、そうですね」
「今日はその…、この部屋に置く楓の分の日用品を買いに行かないか?」
「はい!行きましょう!」
凄いいい笑顔だ。この笑顔なんだ。普段は大人っぽく色っぽい佇まいなのに、嬉しいことがあると少女のようなくだけた笑顔になる。TVては決して見れない、俺だけに向けてくれる笑顔。
「どうかしたんですか?」
「ん?なにがだ?」
「ニコニコしてますけど」
楓が笑顔だと俺も笑顔になれるのか。俺ってそんなに笑う人間だったかな?たぶん、なったんだ。楓が笑顔になってくれるのが嬉しいんだ。
「まずは、ビールのグラスにワイングラス、徳利とお猪口。ロックグラスも必要ですね」
さすが楓、お酒にかける思いがハンパない。いや、可愛いんだけどね。
「それはまたにしようね」
「は~い」
日用品を買い揃え、夕方には一旦楓の部屋に戻る。
「八幡さん、ケーキ食べませんか?」
「ケーキ?まぁ好きだからいいけど」
「八幡さんと付き合うことが出来た記念に…」
まったく、敵わないな、この可愛さには。
「よし!ホールで買うぞ!」
「そんなに食べきれませんよ」