腐り目とオッドアイ   作:おたふみ

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落とし穴

小町が俺に見せたのは週刊誌。

 

【高垣楓 熱愛!!】

【白昼の手繋ぎデート】

【自宅に恋人が連泊】

 

「これ…、お兄ちゃん…だよね?」

 

週刊誌の写真には、楓と横に立つ男性、男性の目元に黒い線が…。間違いなく俺だ。

 

「先輩?」

 

「ヒッキー?」

 

「ああ、俺だ」

 

クソッ!普段なら周囲の視線に敏感なはずなのに…。浮かれていたのか…。

 

「すまん、電話させてくれ」

 

断りをいれて、楓に電話する。

 

『八幡さん』

 

「楓、大丈夫か?」

 

『…とりあえずは』

 

「すまん、携帯を部屋に忘れちまって…。こんなことになってるとは…」

 

『私…不安で…怖くて…』

 

「本当にすまん、今からそっちに行く」

 

『ダメです!』

 

「どうして…」

 

『マンションの周りにマスコミが…。今来たら八幡さんは…』

 

どうすりゃいい…。

 

『事務所からしばらくは『病気療養』ということで自宅待機にさせられました』

 

「でも…」

 

『今は瑞樹さんや早苗さんが来てくれてます』

 

畜生、何も出来ないなんて…。

 

『電話代わったわ、川島よ』

 

「すいません、こんなことになるなんて…」

 

『こっちは芸能人よ、ある程度は予見していたわ』

 

さすが川島さんだな。

 

『こっちは私たちも頑張って何とかするから、無茶はしないでね』

 

「くっ!…わかりました。楓のこと、よろしくお願いします」

 

『あの時、楓ちゃんと君の笑顔、とっても素敵だった。だから、助けたいのよ。諦めちゃダメよ』

 

「うっす」

 

『交代で亜希ちゃんや有香ちゃんがボディーガードに来るから安心して』

 

「助かります。楓に代わってもらえますか?」

 

『楓です』

 

「すまないな、俺の不注意で」

 

『私も甘かったです』

 

「楓、絶対に迎えに行くからな」

 

『はい、待っています』

 

「また電話する」

 

『はい』

 

電話を切ると、部屋に来ていた三人がこちらを見ている。

 

「こんな時にアレだけど、お兄ちゃんじゃないみたい」

 

「お米ちゃんの言う通りです」

 

「ヒッキー…変わったね」

 

由比ヶ浜が少し寂しそうな顔をした。

 

 

 

さて、俺に何が出来る…。

 

…ダメだ、ヤバイやり方しか出てこない。ロクでもない考えがグルグル頭の中をまわってる。一度頭に思い浮かぶとそれしか出てこない。クソッ!

 

「お兄ちゃん落ちついて。顔、恐いよ」

 

小町がコーヒーを淹れてくれた。

 

「悪いな小町…」

 

砂糖とミルクを大量に入れる。

 

「本当なら止めるところだけど、今日は許してあげる。練乳はいる?」

 

「頼む…」

 

普段なら『小町的にポイント高い♪』という場面なんだろうがな…。小町にまで気を使わせてしまっている。

 

 

そんな時、由比ヶ浜の携帯がなった。

 

「ごめん、私だ。…って、ゆきのん!!」

 

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