【目だけでなく耳や脳まで腐っているんじゃかないかしら】
うるさい!
【高垣さんの弱味を握っているのね。汚い男】
そんなんじゃねぇ!
【高垣さんを利用して寂しさまぎらわして、姑息ね】
お前に何がわかる!
【アナタも高垣さんに利用されてるだけよ】
そ、そんなことは…。
【所詮、アナタなんて使い捨て】
やめろ。
【早く捨てられてしまえばいいわ】
やめろ!
【屑谷君】
やめてくれ!
………
……
…
「…さん!」
「…幡さん!」
「八幡さん!」
ゆ、夢…。
「よかった…。うなされてたんですよ」
「そっか、ありがとな」
「大丈夫ですか?」
「なぁ…」
「なんですか?」
「…俺は…楓を利用しているのかな?」
「…そうかもしれませんね」
「っ!」
「でも、私には八幡さんが私を利用してるようには思えません」
「そ、そうか…」
「はい」
これを聞くのは正直怖いな…。
「楓は俺のこと…、利用しているのか?」
「…利用してないと言ったら嘘になります」
やっぱり、そうなのか…。
すると楓は俺の顔を胸元に抱き寄せた。
「最初は特にそうでした。あの人に似ていると…。でも、今は違う。あの人とアナタは違う。今はアナタと居たい、アナタに居てほしい。アナタでなければダメなんです」
あぁ、楓は俺のことを…。
「かえで~」
「はい、なんですか」
「俺も最初はそうだった。今は俺も楓と居たい。楓じゃなきゃダメだ」
「はい…」
俺も楓のことが…。
しばらく楓に抱き締められた後。俺が先にシャワーを浴びて朝食の準備、その間に楓がシャワーとなった。
「ふぅ、さっぱりしました」
「おう、朝飯もうすぐ出来るからな」
「八幡さん、どうしてボディーソープで髪を洗うとキシむんでしょう」
まさか…。楓の髪を触る。
「楓…」
「はい」
「もう一回洗ってきなさい」
「は~い」
なんなのこの娘は?一色や小町だったら『あさとい』で一蹴なのに…。天然、恐るべし。
『高垣楓、恐ろしい子!』
…やってみたかっただけです、ごめんなさい。
「普段、都内で遊ぶ時はどこへ行くんですか?」
朝食を食べながら楓が聞いてきた。
「…神田周辺かな」
秋葉原とは言わない。言えない。STOPヲタバレ!
「本屋さんとかですか?」
「ま、まぁ…」
神保町の古本屋とかも行くけど、主にコチラ側に優しい本屋です。
「秋葉原も近いですよね」
「お、おう…」
え?バレてる?
「今日はその辺に行きましょう♪」
こうなったら、もう止められねぇな。
「了解だ」
「秋葉原で、是非八幡さんと行きたいところがあるんです」
「ほ~ん」
楓と秋葉原って結びつかないなぁ。