一応ここまでがプロローグです。
『ねがいのかたまり』についての独自設定が強すぎる気がする。
でもアニポケであのアイテムあったら間違いなく悪用されてそうな気がします。
次回からは新無印に沿って話が展開していくはずです、たぶん。
それでは今回も少しでも楽しんで頂けると幸いです。
「っ、まさか、ラティオスなんてものゲットしてるとはな。予想以上の切り札じゃねえか、リツカ。――つまりオレさまは『イーブイしか手持ちにいれてない』と言うお前の口車にまんまと乗った上に敗北した間抜けだったって事か。」
少しあがった呼吸を整えながらも好戦的な瞳の輝きはそのままに話すキバナさんをすぅっと細めた瞳で見遣り、小さく口を開く。
目的を知られてしまった以上、彼らは今後場合によっては自分の敵となりうる存在だろう。
本来ならこの場で口封じなりなんなりすべきだろうが自分の事情と無関係な相手にあまり手荒な事はしたくない。
なら…――。
「……手持ちについて黙っていた事は謝ります。ジムリーダーの方々とのバトルは3vs3だと聞いてはいましたが、ターフスタジアムの時点で手持ちの数を具体的に確認される事はなかったので、イブキ……イーブイ以外のポケモンのモンスターボールはリュックに隠していたんです。イーブイだけで三匹倒してしまえば違和感を覚えられる事もないですから。……私はあのイーブイ以外を戦闘に出すつもりは毛頭ありません。だってそれじゃあ意味がない。まずは犯人が私を認識してくれなきゃ何も始まらない。……そのために私は自分だけでなく、一番大切なパートナーすら囮にしてるんだから。」
最低ですよね、と自嘲を浮かべると少し湿り気を帯びた風でふわりと髪が靡くのを感じ、険しい表情を浮かべたまま何も言わないダンデさんとキバナさんにスッと一歩後ろに下がろうとしたところでリツカくん、とチャンピオンが静かに口を開く。
「まずは本意ではないと言え君とルカリオの会話を聞いてしまった事への謝罪をさせてくれ。すまなかった。そしてその上で言わせてくれ、オレ達は君の敵じゃない。だから、こちらへきてくれないだろうか。」
さあ、と手を差し出すどこまでも真っ直ぐで真摯な彼に一度だけぱちりと瞬きをしてからごめんなさいと緩く首を振る。
「リツカくん!」
「例え敵じゃなくても、貴方方が私の目的の障害になる可能性は十分にありえます。……今までもそうでしたから。最初は皆『貴方を助けたい』とか『力になりたい』とか『協力したい』とか言うくせに、いざ私が具体的に動き出すと口を揃えて言うんです。『復讐なんてやめておけ』って。『そんな事をしても姉さんは帰って来ない。』『姉さんはそんな事を望んでない』って。……ッそんな事言われなくても、分かってる。全部全部分かってる。っ、でも!! ならっ、私はどうすればいいの!? いつまで絶っても癒えないこの悲しみはッ、この憎しみは! ッこの絶望はどうすればいいの!!!? ……――――――ッッッうんざりなのよ、もう!!!! 」
「リツカくん!」
「リツカ!!」
「――来ないで!!!」
冷静にならなくちゃと頭では分かっていながらも心が全くついてこなくて、段々口調が崩れ最後には心の内を絶叫する。
地を蹴りかけたダンデさんとキバナさんにはっと我に返って鋭い声で叫び、足元の草をざっと蹴散らして草で隠しておいた大きな穴の上にポケットから取り出した石のような塊を翳せば目を見開いた二人の動きが止まった事を確認し気持ちを落ち着かせるために大きく息を吐いた。
「……リツカお前、どこでそんなもの。」
「リツカくんやめるんだ! それは……!」
「……すみません、取り乱しました。でもさすがチャンピオンとトップジムリーダー。これが何なのかちゃんと分かってるんですね。そう、これは『ねがいのかたまり』。通常ワイルドエリアでダイマックスポケモンがいつどこに出現するかは完全にランダムですが、これを使えば今この巣穴の中にいるダイマックスポケモンを意図的に呼び出せる、言わば餌のようなもの。ダンデさん、キバナさん。今夜の事は全て忘れて下さい。私の事情は貴方達には何一つ関係ない。見たことも聞いた事も全て忘れ、私に二度と関わらないと誓って下さい。さもなくば、この巣穴だけでなくラティオス達に持たせている『ねがいのかたまり』を一斉に空から巣穴に投げ込みさせます。」
「……オレさま達を脅すってか。大したタマじゃねえか、リツカ。」
明らかな脅し文句にびりっと大気を震わせる程の怒気を纏い一オクターブは低くなったキバナさんが徐にモンスターボールを取り出したのを見遣り、やっぱこうなるかとひとりごちる。
ダンデさんもキバナさんも脅しに簡単に屈するタイプではない事は目に見えて明らかだったし、特に今日バトルしたばかりの彼に至ってはバトルの運び方やポケモン達のわざ構成、または最中の口調や態度からかなり好戦的な面も見えていた。
……これだから筋肉は、ととんでもなく失礼な事を考えつつキバナさんの瞳を睨み付けこれ見よがしに息を吐く。
「……交渉は決裂、って事でいいですか?」
「――ああ。オレさまは記憶力はいい方でな。今夜の事も、リツカの事も忘れてやれそうにない。それになリツカ! お前が言った事オレさまは何一つ納得してないんだよ! そりゃお前は今まで本当の意味でお前を理解していない奴らに振り回されて傷ついてきたかもしれないけどな! オレ達まで勝手に『そうだ』と決めつけて拒絶してんなよ!!」
「……ッ!」
その怒声に一瞬動きを止めたのを見逃さなかった二人が今度こそ同時に地を蹴った。
「リツカ!!」
「リツカくん!!」
「……ッ!」
手を伸ばしてくる二人を咄嗟に避けようとして一歩後ずさった足がズッと滑るように宙をかく。
そこからの動きはまるでスローモーションか何かのようで、支えを失いゆっくりと後ろ向きに倒れていく体とこちらへ必死に手を伸ばす二人の姿を見ながらも重力に従うままもう片方の足を地から離し口元に小さく笑みを浮かべた。
正直今夜ここに来るとしたらそれは犯人に他ならないと考えていた。
今日の夕方突如辞退した事でSNSでは結構騒がれていたことも知っている。
だってそうなるように仕組んだのは全部自分だったから。
それがまさかチャンピオンとトップジムリーダーが来るなんて思いもしなかったけど。
でも、想定外の話では決してない。
だから、これでようやく彼らから逃げられると安堵の溜め息を一つ付き口を開こうとしたところで私を追って何の躊躇いもなく崖から飛び降りた彼に気が付き、こぼれ落ちんばかりに目を見開いた。
「…………は? はぁああ!!?」
「リツカくん!!!」
奇しくも二つの声が放たれたのは全く同じタイミングだった。
落下していく自分を掴まえようとさらに手を伸ばす彼を呆然と見遣りその逞しい腕に体を掴まれ、しっかり胸元に抱え込まれたところでハッと我に返り慌てて腕の中で声を張り上げる。
「ゴチミル!! ≪サイコキネシス!≫」
「ミル!!」
瞬間ぱかりとモンスターボールが開いた音と共に、スカートのポケットから白い光に包まれ飛び出してきた髪や服に白いリボンを付けてツインテールの少女のようなポケモン――あやつりポケモン・ゴチミルが≪サイコキネシス≫を発動し、落下運動がそこでぴたりと停止する。
あとはゴチミルの意思に従いゆっくりと地上に下りていき地面に足が付いた時点ではぁーーと息を吐いた。
「……間に合った。ありがとうね、ゴチミル。」
「ミルミル!!」
ふわふわと私の目の高さに浮かんでいるゴチミルにお礼をいえばこくこくと頷き楽しそうにくるくると回る彼女に瞳を細める。
「……それにしても……。」
ラティオスに続きゴチミルまで晒してしまったのは計算外過ぎたけど背に腹は代えられない。
元々誰隔たりなく接する誠実で真摯な人柄が人気の元になっているチャンピオンだとは思っていたけどまさか躊躇なく崖から飛び降りるとは考えてすらいなかった。
何て無茶な真似を、と呟いたところで未だに私を胸元に抱き締めたままの彼に首を傾げた。
「……あのー、ダンデさん? そろそろ離して欲しいんですけど。あの……。」
かなり強い力で押し付けられている胸元が豊満過ぎて息苦しさを感じ、少し躊躇した後にぺちぺちとそのみっしりと筋肉がついた胸元を叩きながらダンデさん、と呼び掛ける。
しかしそれでも私の後頭部と腰にがっしりと巻き付いていた太い腕の力が少しだけ緩んだだけで、仕方なしにその体勢のまま少し強引に顔をあげれば金色の瞳をきらきらと輝かせた笑みを浮かべたダンデさんと視線が絡んだ。
「……ダンデさん?」
「――凄いな、君は。」
まさかそんな表情を向けられてるとは思わず唖然としてるとさらにそう返される。
「……え?」
「これだけ用意周到な君の事だ。恐らく自分があそこから落ちる事も計算していたんだろう? だがオレが君を追って飛び降りた事は予想外だった筈だ。しかし君は焦る事もなくゴチミルをボールから出し≪サイコキネシス≫を使わせた。どんな事態も想定し動けるようにしていた証拠だ。お陰でリザードンを出す暇もなかったぜ。――ありがとうな、リツカくん。」
そのままニカッと歯を見せて笑う彼に目の前にチカッと星が瞬いた気がして瞳をぱしぱしと瞬かせる。
ああ、今分かった。
それが意図的なのかどうかまでは分からないけど、この人は人に警戒心を抱かせず、懐にするりと入り込むのが異様にうまいんだ。
そして一度この人に絆されてしまえば、きっと彼を拒絶する事は出来なくなる。
そんな魅力を持っているのがこのチャンピオンであるならば、私にとってこの人は非常に危険な存在だ。
何故なら――。
そこで一旦思考を区切り手を伸ばす。
リツカくん?と不思議そうな声を出す彼に構わずその浅黒い肌の頬に自分の掌を這わせするりと撫で下ろし、すぅっと軽く息を吸うと――――。
「ダンデ!! リツカ!! 無事」
「『出す暇もなかったぜ』じゃない!!!!!!」
丁度私達の元にたどり着いたキバナさんの声に意図せず被せる形でぐっとお腹の底から怒号をあげるのとは同時にダンデさんの頬を思いっきり引っ張ってつねりあげた。
「っ!? り、りひゅかくん!?」
「いい!!? 確かに私は自分が崖から落ちる事も、その後ゴチミルの≪サイコキネシス≫でこの場から逃げる事も計算してた!! でもそれだけ!!! 崖から飛び降りられたのもだけど、そもそも脅しにノらないどころか、私を取り押さえるためのポケモンも出さず、あんな風に二人そろって突っ込んでくるところがまず想定外よ!! もっと言えば二人分の体重がかかった事でゴチミルが飛び出してくる前に危険な目に合う可能性だって十分にあったしっ、何より! 私がゴチミルに命じて自分にだけ≪サイコキネシス≫をかけて、貴方を見殺しにするかもとか考えなかったの!!!?」
目を見開き頬の痛みにさすがに顔を歪めたダンデさんを容赦なく睨み付け怒鳴り散らす。
感情のままに怒鳴りながらももし一歩でも間違ってたらこの人を危険な目に晒していたかもしれない、それどころか取り返しの付かない事態が起きていたかもしれないと思うと体が震えて仕方なくて、じわりと視界に水の膜が張るのを抑えきれずにいると一度は緩んだ筈の腕にまた力が込もって、彼の胸元に顔を埋める体勢になった上で温かくて大きい二つの体温の手が私の頭を優しく撫で出した。
「……すまない、リツカくん。君にそんな顔をさせるつもりはなかったんだ。ただ君が崖から落ちた時、『助けないと』という気持ちで頭も心もいっぱいになって後先考えず飛び出してしまったんだ。それに、君がオレを見捨てて自分だけ助かろうとするような子じゃない事は知ってたからな。きっと助けてくれると信じてたぜ。」
「……ッ貴方に、私の何が……!」
「いや。ダンデの言う通りだ。お前がダンデを見捨てなかっただろう事はオレさまにも分かるぜ、リツカ。」
何も知らない癖に、まるで私を理解してるとでもいいたげな口調に思わずカッときて言い返そうとした言葉はキバナさんに遮られ、小さく肩が震える。
そのまま頭を少し動かして横目で彼を見ればその優しげに細めた彼の顔があってズキンと胸に痛みが走った。
……ああ、これはダメだ。
「……ッキバナさ……」
「リツカ、お前オレさま達に追われてラティオスを出した時、真っ先にポケモン達を乗せて逃がしたよな。あれは無用なバトルで自分のポケモン達は勿論、ダンデとオレさまのポケモンも傷つけたくなかったんだろう? 違うか?」
「……ッ……それは……。」
「さらに言うなら、君が自分で言うような人間ならあの時点で君はゴチミルの≪サイコキネシス≫で逃げた上で空からオレ達にわざを放つよう、ポケモン達に命じれば良かった。特に、ラティオスに君なら確実に覚えさせているであろう≪りゅうせいぐん≫を使わせていたら、君は確実に逃げられたしポケモンを出していなかったオレ達は無事では済まなかった。でも君はそうしなかった。ただ無用なバトルを避けるためだけに行動していた。――自分の保身より他者を優先する君がそんな事するわけないだろう。」
さらにキバナさんに続けてダンデさんに言われた言葉にグッと奥歯を噛み締める。
これ以上ここにいてはいけないと頭の中でガンガンと警鐘が鳴り響いた。
「……ッやめて……。」
「リツカくん。君はこの言葉に良い感情を抱いていないのかもしれない。だが、どうか信じてくれ。オレ達は『君を助けたい』んだ。」
「ッ……やめて!!」
「リツカく……」
「やめてっ!! やめて、やだ、信じない! 信じられないっ……!信じたくない!! 信じて、裏切られたら私、もう立てなくなる!! 戦えなくなる!! ……ッお姉ちゃんを、お姉ちゃんを殺した奴はッ、私がこの手で殺すって決めたの!!! だからっ!!」
降り注いできたダンデさんの声に見開いた瞳からぼろりと涙が溢れ落ちる。
これ以上この二人の声を聞いてたら、信じてしまいそうで。
頼ってしまいそうで。
――助けて、とすがってしまいそうで。
耳を両手で強く塞ぎ必死に首を振って叫んだ瞬間、ガッと大きな両手で頬を包まれ首がぐぎっとなるのも構わず向かされた先には、真剣な表情で真っ直ぐに私の瞳を見る明るい青の瞳があった。
「キバナ、さ……。」
「リツカ、お前一日に二度もオレ様の言った事無視するのかよ? ……分からないならはっきり言ってやる。オレ達はお前を裏切ったりしない。お前の心を踏みにじって傷つけたりしない。だから……。」
「ッ!」
そこで言葉を区切った彼の手が両耳を塞ぐ私の手に重ねられ、あんなに力を入れていた筈の両手があっさりと耳から引き剥がされる。
そのまま金縛りにあったように彼から顔を反らせない私に少し瞳を細めたキバナさんがゆっくりと続けた。
「――オレ達を信じろ。リツカ。」
「――――ッ!」
「ブイッ!!」
どこまでも真っ直ぐで決して逃げられない強さに満ちた声にぼろぼろと涙が溢れたのと上空から大切な友達の声が降ってきたのは同時だった。
次の瞬間、空から降ってきた無数の星の光線が私達がいる付近の地面に着弾しもうもうと土煙が立ち込めるのを見てぐっと体に力を入れる。
――今しかない!!
「ゴチミル! 私に≪サイコキネシス≫!!」
「ミル!!」
すぐ側にいるゴチミルに指示すると同時に光に包まれた体が自分の力ではびくともしなかった彼らの腕をするりとすり抜け、そのまま宙に浮かび上がる。
「リツカ!!」
「リツカくん、駄目だ!!!」
「ゴチミル、このままラティオス達のいる場所まで行って!!」
「ミル!!」
未だに着弾し続ける≪スピードスター≫により起こる土埃に咳き込みながら叫ぶ彼らの声を無視して続けて指示を出せば体がさらに上昇していく。
その間も止まらない涙で濡れた目元が不快で服の袖でごしごしと何度も乱暴に拭っていると下からパカリとモンスターボールが開いた音が微かに聞こえ瞳を細めた。
多分彼らの事だから空を飛べるリザードンとフライゴン辺りだろうか。
……っ、なら!
「イブキ!!! ≪スピードスター≫はもういいわ!! ラティオス!! 二人が落ちないように≪サイコキネシス≫でフォローしながら一気に高度をあげてそのまま全速力で目的地までいって!!」
声を張り上げさらに指示を出しながら決して振り返らないままポケットからモンスターボールを取り出し放り投げる。
「……~~~~ッ!!!! ラティアス!! 私とゴチミルを乗せて一気に雲の上まで飛んで!! 全速力!!!」
「フォン!」
モンスターボールから飛び出した赤と白を基調としたラティオスに似たシルエットのむげんポケモン・ラティアスがそれに答えるように声をあげゴチミルと私をその背に乗せた。
「ッッ逃げるなリツカ!!!」
「リツカくん! ラティアスやめてくれ!! 頼む!!! オレ達はその子を、君のトレーナーを、助けたいだけなんだ!!!!」
「――――っ! ラティアス聞かないで!! 行って!!! お願いだから!!」
「フォン!!」
ゴチミルをしっかり左腕で胸元に抱えラティアスの首に右腕を回した瞬間すぐ下から聞こえた声にラティアスが一瞬戸惑いを見せたのが分かり心の底から叫ぶのと同時にぐっと体に重力がかかりほぼ垂直にラティアスが物凄いスピードで上空へ向かって昇り出した。
ごうごうと唸る風と凄まじい重力を受けどくどくと耳元で鳴り響く心臓に眉を寄せながら瞳を閉じたまま両腕に力を入れ続け、やがて雲を突き抜けたラティアスが通常の飛行体勢になったところでやっと背後を見下ろせば地表は遠すぎて捉える事もできず、ただ闇が広がってるだけのそこに誰の姿もない事にほーーっと安堵の息を吐いた。
「ゴチミル、大丈夫?」
「ミル!」
「ラティアスも。……ありがとうねラティアス。私に応えてくれて。」
「フォン」
そのままパートナー達をそれぞれに労っていると僅かな飛行音の後後方からイブキとルカリオを乗せたラティオスが飛んできたのを見て微笑みかけながらそっと拳を握り締める。
……ああ。
「皆、お疲れ様。じゃあ行きましょう! 目指すは空港よ!」
「イブ!」
「ミル!」
「フォン!」
「ワウ」
「フォン」
さらに殊更明るい声で宣言すれば返ってくるポケモン達の声に笑って、最後に一度だけまた地表を見下ろして。
「…………ごめんなさい。」
微かに震える声で呟いた謝罪は、誰に届く事もなく夜の闇にかき消えた。