フォーゼの言うことを聞きなさい!   作:1202155@

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電・撃・悪・魔

街灯の薄暗い灯が照らす中、フォーゼはオレンジ色の複眼を煌めかせ、相手を見つめる。その手に握られているのは、黄色いブレーカーを模したスイッチ。それをフォーゼドライバーの◯ソケットに装填する。

 

《エレキ!》

《エ・レ・キ、オン!》

 

スイッチの起動音と共にフォーゼの身体は電気を纏いながら、その姿を変える。右腕と身体は、人工衛星に使われている外装である、サーマルブランケットに包まれ、金色にかわり、左腕、左右の膝下はベースと変わらず白のまま。

 

電気を司るステイツである、エレキステイツに変身すると、右手にビリーザロッドと呼ばれる武器を握る。

 

「電気には電気だッ!いくぜ!」

「また、邪魔をッ!」

 

ビリーザロッドのコンセントを三つあるプラグの真ん中に差し込むと、ビリーザロッドを振るう。電気を纏った衝撃波がタランドスエボリューション目掛けて襲い掛かる。しかし、タランドスエボリューションには、その程度の電圧など、苦にならない。それどころか、逆に弾きかえしてしまった。

 

「無駄よっ!」

「マジかよ!?ウワッ!」

 

弾き返された衝撃波をマトモに受け、倒れるフォーゼ。そこへ、タランドスエボリューションが柄を繋げ長くした槍を突き刺す。フォーゼはギリギリ、ビリーザロッドでそれを弾きつつ、左手でスイッチを交換する。

 

《ガトリング!オン!》

「うぉらぁああっ!」

 

ガツンッ!と左脚のガトリングモジュールを凄まじい音がするような勢いで蹴るように突きつけると、ゼロ距離で弾丸を撃ち込む。強靭な身体を持つエボリューション形態になったタランドスも、流石にゼロ距離でガトリングを受ければ、かなりのダメージを受ける。

 

「くぅううううう……ッ!このッ!」

 

空いた左拳で殴りつけてくるタランドスエボリューション。その拳を左手で受け止め、蹴りを叩き込み、無理矢理相手を蹴飛ばすと、左腕のモジュールをチェンジする。

 

《ボウガン、オン!》

 

蘭花から借りてきたボウガンモジュールを装備したフォーゼは起き上がると同時にそれを矢継ぎ早に撃ち込んでゆく。ボウガンモジュールは、サジタリアスゾディアーツとの闘いを経て、開発された広域連鎖爆撃モジュールの一種だ。故に、一撃の威力は低くとも、足留めには十分な効果を発揮する。

 

「こんな豆鉄砲に……ッ!」

 

矢を気にせず、突っ込んでくるタランドスエボリューション。フォーゼはビリーザロッドの柄にスイッチ装填する。

 

《リミットブレイク!》

「ライダー100億Vシュートッ!」

 

掛け声と共に放たれた、必殺技。それは、三日月型の衝撃波となって、タランドスエボリューションに向かってゆく。

 

「な……めるなぁああああ!」

《リミットブレイク……》

 

タランドスエボリューションの身体が光り輝く。その瞬間、高電圧の電気を身体に纏い、タランドスエボリューションが突っ込んで来る。

 

「死ねっ!私の恋路を邪魔する奴は!」

 

凄まじい轟音と共にフォーゼはタランドスエボリューションに体当たりされ、吹っ飛んで行く。それと同時にフォーゼはエレキステイツを解除され、吹っ飛んでゆく。

 

「いってぇ〜……やっぱ、一人でどうにかなるもんじゃねぇ……な」

 

痛みで腕を抑えながら、膝をつくフォーゼ。その前には未だ、電気を纏うタランドスエボリューションが、ゆっくりと歩み寄る。

だが、そのタランドスエボリューションに向かって、ショックガンの弾丸が向かってゆく。それは、タランドスエボリューションに着弾せず、タランドスエボリューションにあたる前に、電気の鎧に阻まれてしまう。

 

「弦太朗さん!ご無事ですか!?」

「弦太朗さん!?」

 

フォーゼの元に駆けつけたのは、蘭とハルの二人。蘭はフォーゼドライバー2号機を、ハルはショックガンをその手に握っている。フォーゼは驚いた声を上げる。

 

「お前ら……どうしてここにっ!?」

「そりゃ、仮面ライダー部ですから」

「ドーパント暴れる所、仮面ライダーはいつでも駆けつけないといけませんからッ!」

「……そっか。そうだな。野暮なこと聞いたな……ってあれ?賢吾は?」

「あー……賢吾さんとユウキさんは、愛の巣に……流星さんと友子さんは……大事な場所に……JKさんは、護衛に……って、JKさん!?」

 

ハルがボロボロのJKに気づき、急いで駆け寄る。JKはハハハッと笑って手を挙げた。

 

「時間稼ぎしかできなかったけど……弦太朗さん、呼ぶくらいは大丈夫だったから……ごめん、少し寝るから……」

「……ッ!はい」

 

そう言って、意識を失うJK。ハルはそれを悲痛な面持ちで、見ると、蘭に指示を出す。

 

「蘭、変身して、暫くあいつの足留めをお願い!弦太朗さんの体力の回復と僕の戦術が組み立てられるまででいいから!」

「うん!わかった!」

 

蘭はフォーゼドライバー2号機を腰に装着し、変身ポーズを取る。

 

「私ッ!………変身ッ!」

 

コズミックエナジーを纏い、蘭花へと変身する。同時にフォーゼから、スイッチが幾つか投げ渡される。

 

「蘭!こいつ使っとけ!」

 

投げ渡されたのは、2、23、35のスイッチ。蘭花はそれを受け取ると、スイッチを装填する。

 

《ウォーター、オン!》

 

起動したのは、23番目、左足のモジュール、ウォーターモジュールだ。それを装備すると、蘭花は空中に飛び上がり、一回転しながら、ウォーターモジュールの蛇口から水を吐き出す。タランドスエボリューションの身体は、電気の鎧を纏っていない。当然、身体に直接、水がかかり、濡れていく。

 

「この……ッ!たかが水でッ!」

「されど……水よっ!」

 

着地と同時にそう言った蘭花は、仮面の下で不敵に笑う。タランドスエボリューションは水を気にせず、電気の鎧を纏おうとする。だが、その瞬間、電気がスパークし、タランドスエボリューションにダメージを与える。そのダメージを受けて、膝をつくタランドスエボリューション。

 

「くっ……!何故!?電気が使えないの……!?」

「当たり前よ。水に電気を流したら、漏電するでしょ?それと同じよ」

「!?そんな……しょうもない理由で……」

「ゾディアーツスイッチもある意味、機械の塊だからねッ!」

《ランチャー、オン!》

 

右脚にランチャーモジュールを装備し、近距離で撃ち込む蘭花。撃ち出された四つのミサイルは、四つ全てが着弾し、タランドスエボリューションは吹っ飛んでゆく。

 

《ジャイアントフット、オン!》

「テェエエエヤァアアアッ!」

 

ランチャーモジュールを換装し、右脚に装着したモジュールは、ジャイアントフットモジュール。

その能力は重力を収束し、巨大な重力の塊を足型に操作し、遠距離から相手を押しつぶしたり、蹴り飛ばしたりするモジュールだ。蘭花は脚を大きく振り上げ、そのまま、地面を踏みつける。その瞬間、巨大な不可視の足が落下、タランドスエボリューションを踏みつける。

 

「グェッ!」

地面に出来るクレーターとその中心で潰されたように、ペラペラになるタランドスエボリューション。すぐにその形を取り戻したが、その頃には不可視の足がその身体を横に蹴り飛ばしていた。

 

「うわぁああああっ!」

 

勢いよく吹っ飛んで、電信柱を折り、そのまま一緒に倒れるタランドスエボリューション。タランドスエボリューションはモジュールを解除すると、フォーゼに手を伸ばした。

 

「弦太朗さん!ロケットとドリル!」

「へ?」

「ロケットとドリル渡して!」

「あ、ああ」

「はーやーくー!」

 

戸惑うフォーゼ。蘭花が可愛らしく急かすと、フォーゼは慌てた様子で、1、3のスイッチを投げ渡す。それを横から掬うようにキャッチすると、それを◯と△のソケットに装填。すかさず、スイッチをオンにする。

 

《ロケット、ドリル、オン!》

「弦太朗さん、直伝ッ!」

 

ロケットモジュールが右腕に、ドリルモジュールが左脚へ、それぞれ装備される。ゆっくりとブースターを蒸しながら、上空へ上がってゆく蘭花。左手で、エンターレバーを弾く。

 

《ロケット、ドリル、リミットブレイク!》

 

ロケットの出力とドリルの回転数が上がる。蘭花は数回空中で回転すると、ドリルを相手に向け、ロケットの推進力を使い、一気に突っ込んでゆく。

 

「ライダーロケットドリルキック!」

 

超シンプルな技かつ、基本ステイツの中では、最も貫通力の強いライダーキックだ。故に、幾度も多用された技にして、ここぞという時に、絶対に決めてくれる技でもある。

「が……ぐ……!」

「〜ッ!硬いッ!?」

 

どうにかロケットの推進力を使って、相手を力押しで貫こうとするが、その硬さに仮面の下で口を噛みしめる蘭花。そんな、蘭花にフォーゼの叫び声が響く。

 

「らぁーんっ!出し惜しみは無しだッ!全力全開!手加減なしで、お前の技を叩き込んでやれ!」

「ーッ!ハイ!」

 

その一言で覚悟を決めた彼女は、かつての彼と同じように、エンターレバーをもう一度引く。その瞬間、ロケットとドリルが、コズミックエナジーに包まれ、大きくなる。それにより出力を増す二つのモジュール。蘭花は、その勢いのまま、相手の身体を貫いてゆく。

 

「ライダー大ッ!大ッ!ロケット・ドリル!キーック!」

 

その叫びに答えるように、ドリルモジュールがタランドスエボリューションを貫いた。

 

「いやぁああああっ!」

 

勢い余って、ドリルが地面に突き刺さり、一回転して着地する蘭花。その後ろで、断末魔の叫びを上げながら、爆散するタランドスエボリューション。その爆発と共に、変身者の身が投げ出され、地面に倒れる。その傍には、壊れたオブリビオンゾディアーツスイッチが転がっていた。

 

「はぁ……はぁ……イェイッ!」

 

可愛らしく、Vサインをフォーゼ達に見せる蘭花。そんな彼女をハルは口をポカンと開けて、見つめ、フォーゼはホッとした様子で、サムズアップを送る。

 

「ふぅ……よかった……」

「まだよ……まだ、終わらない……まだぁあ……ァアアアアアッ!」

 

小藪の身体から黒い何かが抜け落ちる。それは、壊されたゾディアーツスイッチを吸収し、実体化する。

 

「ミレンヲノコシテ、シヌクライナラ、キサマラヲコロシテ、ワタシモ、シヌ!」

「…………え?」

 

わけのわからない状況に、首を傾げる。フォーゼはヤッベ!と呟きながら、ウィンチモジュールを起動。それを蘭花に巻きつけ、引っ張る。

 

「え!?ちょっ!?弦太朗さん!?」

「舌噛むから、少し黙っとけ!」

 

蘭花を力任せに引っ張り、復活したゾディアーツから距離を取らせる。

 

「あれ……ゾディアーツって、怨念で復活するんですか?」

「まぁ、ラストワン自体、身体から精神抜き出されてるからんな……そういう意味じゃある意味、怨念というか、そんなもんなんだろうけどよ……」

「……これは……」

 

ハルの顔を青くなる。アストロスイッチカバンの画面には、復活したゾディアーツのコズミックエナジーの総量が表示されていた。その総量は、先日のフェリスエボリューションよりも上だった。

 

「これじゃ……どう戦えば……」

 

俯くハル。弱気な発言をする彼に対し、フォーゼは立ち上がると、NSマグフォンを取り出した。

 

「ハル。お前はJK連れて離れとけ」

「え?」

「正直、足留めになるかワカンねぇけど、オレにはまだ、コイツがあるしよ」

 

そう言って取り出したのは、NSマグフォン。それをフォーゼは二つに割った。

 

「割って!刺ー

「待ってください!弦太朗さん!」

 

マグフォンをドライバーへ刺そうとしたフォーゼの腕をハルが掴んだ。その目はいつになく、真剣で、何らかの決意に満ち溢れていた。フォーゼはそれに何かを感じ取り、マグフォンをしまった。

 

「どうした、ハル」

「弦太朗さん、コレを」

 

そう言って、渡して来たのは、蘭花に実装されているランフォン。そのカラー違いのものだ。フォーゼはそれを不思議そうな表情を浮かべ、受け取る。

 

「これは、僕が唯一考えついた、フォーゼの強化プランです……」

 

アストロスイッチカバンのディスプレイに表示されていたのは、ランフォンを使用した、強化プランの方法だった。

 

「……なるほど。こいつをエレキに変身した後に使うのか……」

「はい。だけど、まだ安全性もわかってません。正直、悪魔と相乗りする勇気が無いと……」

「なるほどな。ま、どうにかなんだろう」

 

そう言って、ハルの心配と不安を他所に、弦太朗はランフォンを腕に装着した。それを見て、蘭花がそれを止めようとする。

 

「弦太朗さん!?やめたほうが……」

「仕方ねぇだろ。どのみち、コズミックで無茶しなきゃ、倒せない相手なんだ。普通のステイツで勝てる相手じゃねぇだろ。それに……」

 

フォーゼはハルを見る。その目は仮面の奥では、優しさに包まれていた。

 

「俺はお前を信じてるぜ、ハル!理由なんて、それで十分じゃねぇか」

 

そう言うと、フォーゼは二人の前に立ち、エレキスイッチに再び、電気を入れる。

 

《エレキ、オン!》

 

金色に染まったフォーゼ。その腕に装着されたランフォンを指示どうりにタップする。

 

《エレキ、セットアップ!》

 

音声と共にフォーゼの身体に大量の電気が流れる。ランフォンの装着された右手から、全身に流れる。

 

「凄え!これならー

《デンジャー!デンジャー!》

「え?」

 

フォーゼが一歩踏み出そうとした瞬間、フォーゼドライバーが警告音を鳴らす。エネルギーの許容量がフォーゼドライバーのキャパシティーを超えたようで、そのエネルギーがスーツ内部に逆流。弦太朗の身体をシビレさせる。

 

「う……ぐぁああああっ!」

「弦太朗さん!?」

「そんな……」

 

痛みで呻くフォーゼに、驚いて声を上げる蘭花。ハルは表情を蒼くして、その事実を受け止めきれずにいた。

そのフォーゼを前に、復活したタランドスは、手にした槍を構える。

 

「自滅カ……勝負アリネ……死ンデモラウワヨ!」

 

そう言って、槍をフォーゼの胸目掛けて突きおろす。しかし、それは既のところで、フォーゼの拳に掴まれた。

 

「……まだ……まだ、死ねるかよ……」

 

槍を押し返しながら、ヨロヨロと、だが、力強く立ち上がるフォーゼ。

 

「こっちには、年頃の娘二人に、幼子一人……育てていかなきゃ……なんねぇんだ……!まだ、死ねるかよ!」

 

フォーゼはタランドスを槍ごと押し返し、蹴り飛ばす。その瞬間、一つのスイッチが、フォーゼの前に浮かび上がる。それは、フィリップから渡された、ゾディアーツスイッチ。そのスイッチが、フォーゼの意思に答えるように、虹色に輝く。

 

《ふふ……君は面白い。……ならば、君の想いに答えよう。如月くん……》

「え……?」

 

突然、紅色の風が吹いた。その瞬間、目の前のスイッチは形を変える。それは、扉の形をした、カバーに12の星が描かれた、独特の形状をしたスイッチへと変わる。

 

《私の残したこの力……君が彼女らを止めるのに、是非、使ってくれたまえ……》

 

声が消えると、フォーゼドライバーの□スロットにそのスイッチが自動的に装填。それと同時にスイッチが起動する。

 

《ネクスト!ドァーッ!》

《アドバンス、オン!》

 

スイッチの起動と同時に、フォーゼの周囲に12の星が散らばり、回転する。その幻想的な光景に、誰もが息を呑んだ。

 

「すごい……」

「コズミックエナジーが……踊ってる」

「ソンナ……コケ脅シニッ!」

 

タランドスが強力な雷撃を放つが、それは、フォーゼの周囲に張られた強力なコズミックエナジーの幕に阻まれ、霧消する。

 

「凄えな……このパワー……熱く痺れるぜッ!」

 

フォーゼはそう叫ぶと、エンターレバーを引いた。その瞬間、12の星がフォーゼの身体へと吸収され、その姿を変える。

 

《エレキ!リミットブレイク!》

《スパークッ!エレキ!アドバンス!》

 

全身が金色変わり、その身体を走る、蒼いコズミックライン。頭部はコズミックと同形状のヘルメットへと変化。背中には、高出力発電機『ボルトラムドライブ』が円環状に配置され、さながら、雷神がでんでん太鼓を背負っているような姿へと変わる。

 

「フォーゼの姿が変わった……」

「か…みなりさま?」

 

道を切り拓き、前へ進む力。この姿こそ、弦太朗の力で生まれた新しいフォーゼ。その名は……

 

「仮面ライダーフォーゼ!エレキアドバンス!さぁて、タイマン張らせて貰うぜ!」

 

身体中から余剰エネルギーとして、電気が放電され、バチバチとスパークを起こす。突きつけた拳の先からも青い稲妻が走る。両の手を開いた瞬間、二本の武器がそれぞれの手に収まる。

 

「ビリーザロッド!ブラザーズ!」

 

大小、二本のビリーザロッド改を手に、タランドスへ斬りかかる。タランドスも、それに対応し、自身の持つ槍を振るう。二つの槍がぶつかり合うたび、電気同士が反発し、スパークを生む。そのスパークは、街灯などに飛び、破壊する。それを気にすることなく、フォーゼはビリーザロッド改を振るう。取り回しに優れたそれは、タランドスの槍が到達するよりも前に、その身体にダメージを与えてゆく。数度の打撃の後で、ビリーザロッド改を並列に合体させ、突きを繰り出す。その瞬間、タランドスの身体は大きく後方に吹っ飛んでゆく。

 

「ガハァアアアッ!」

「ドンドン行くぜ!」

 

そう言って、フォーゼはビリーザロッド改の合体を解除し、今度は柄同士を直列に合体させ、長刀モードへ切り替える。その打撃部には青い電気の刃が形成される。

吹っ飛んだタランドスは、すぐさま起き上がると、槍を構え、その先端に電気エネルギーを溜め、フォーゼ目掛けて撃ち込む。だが、それは、当たらない。否、当てることは出来なかった。何故なら、フォーゼは、その身体を電気化させ、光速で動いていたから。

 

「ナッ……ニィイイイイ!?」

「ライダー疾風斬りッ!」

 

すれ違いざまに二連斬撃を叩き込み、相手の槍を真っ二つに斬り裂く。急加速からの減速のため、地面を抉りながらも、フォーゼはビリーザロッド改を両手に持ち直し、ランフォンにエレキスイッチを装填。その後でエンターレバーを2回倒す。

 

《リミットブレイク!エレキ!エレキ!リミックス!》

《アドバンス!リミットオーバー!》

 

ランフォンによって強化されたエレキのリミットブレイクのエネルギーをアドバンスのリミットオーバーにより、同調し、安定化させる。それに伴い、フォーゼの身体は青い電気に包まれる。ビリーザロッド改を手に持ち、フォーゼはタランドス目掛けて、駆け出した。

 

「ライダー!カミカゼアターック!」

 

その掛け声が響いた頃には、タランドスの身体はフォーゼの形に貫かれていた。その先には、地面に黒い筋を残した状態で佇むフォーゼの姿が。アドバンスへの変化は解除され、ベースステイツへと戻ったその身体からは蒸気がたなびいていた。

 

「……ソ……ンナ……」

 

爆発することなく、コズミックエナジーの粒子となって、空に返ってゆく。そんな彼女にフォーゼは呟くように言った。

 

「恨みで人は強くなれねぇ……信頼が人を強くするんだ……」

 

そう言うとフォーゼはドサリと生暖かいアスファルトの地面に倒れた。遠くで蘭とハルの慌てる声が聞こえ聞こえてきたが、それは、弦太朗には全く気にならないことだった……。

 

 




アドバンススイッチ
弦太朗の『生きることへの執念』に反応したゾディアーツスイッチがフォーゼドライバーによって、アストロスイッチへと変換された特殊なスイッチ。その性質は『受入前進』。デザインは、コズミックスイッチに似ている。
ランフォンによって強化されたエレキステイツのエネルギーを吸収し、同調させ、強化する能力を持つため、弦太朗のような器の広さと力強さを持っている。ユウキの命名は『弦ちゃんスイッチ』

ただし、形が変わってもゾディアーツスイッチだったことに変わりはなく、その性質も少なからず受けている。強力なパワーを得られる反面、使用者への負担は高く、使用する際は最新の注意を払わないといけない。

エレキアドバンス
ランフォンとアドバンススイッチで強化された、フォーゼの新しい姿。コズミックとエレキを足して2で割ったような外観が特徴。ボルトラムチャージャーをボルトラムドライブへ改装したことにより、エレキステイツの三倍の電気精製量を誇る。

変身中は、身体を電気化し、光速で走ることや、電気を周囲に放出し、防護幕を生み出すことも可能。
但し、変身中はモジュールチェンジが不可能。変身者への負担が途轍もなく、最大変身時間は3分。なお、これはリミットブレイクを使わないで可能な変身時間。リミットブレイクを使った場合、半分の1分30秒になってしまう。

ビリーザロッド改(ビリーザロッドブラザーズ)
アドバンス用に改装された、大小ビリーザロッド。プラグの差し替えによる攻撃の多様化は廃止され、その代わりに、直列、並列、単列の切り替えによる攻撃の多様化がなされている。

単列
取り回しと打撃に特化

直列
電気刃の形成による、斬撃攻撃。及び、電気の鞭による中距離打撃と捕縛。

並列
射撃と刺突強化



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