今回もゲストキャラが出演してます。
【断章ー博士の愛した彼女】
下水道と呼ばれる場所は昔から逃げるのにうってつけの場所だ。その場所を一人の少女が歩いていた。ボロボロの衣服を身に纏い、頬や露出している肌は煤や泥がついていた。
「ハカセ……」
少女は片言の日本語で自らの生みの親を思いそう呟いた。しかし、その呟きに答えてくれるものはいない。湿気った下水道にその声は響かず、横を流れる排水の流れにかき消されてしまう。
「ナンデ……イナイノ……」
今で彼女は多くの科学者の元を訪れた。伴野天十郎にクリム・シュタインベルト、戦極凌馬に笛木奏。彼女の技術を必ず生かしてくれる科学者だと、伝えられていたのだが、その殆どが彼女を物としてしか扱わず、それに嫌気が差した彼女は逃げてきたのだ。
「ワタシハ……ニンゲン……キカイ……ジャ、ナイ……」
悲しげな独白。ふと、顔を上げると、そこは下水道ではなく、広く広大な地下空間が広がっていた。
「…………」
「あら、随分と遅かったわねぇ。ツグミ」
広大な地下空間に若い女性の声が響き渡る。少女が虚ろな瞳が驚きと共に見開かれる。石柱の影からレディーススーツ姿の女性が現れた。
「久しぶりねぇ。あなたがプロフェッサー凌馬の研究には必要なのよ。主任という人柱が研究で死んでしまうなんてことになれば、大変だから。あなたみたいに強靭な機械の体が必要なの。ドライバーの開発には……ね」
女性が妖しい笑みを浮かべながら、彼女に近づく。彼女はそれを拒むように下がってゆく。女性の手が彼女を掴もうとしたその時、その間を一発の銃弾が走った。思わず手を引っ込める女性。そこにあらわれたのはーーー
「まさか、こんなとこにいたとはな。博士の忘れ形見が……」
赤い革ジャンを羽織った男がやってきた。その手には拳銃が握られており、いつでも応戦可能といった様子だった。女性は男を見て問いかける。
「あら、あなたもこの子を狙ってきたの?」
「勘違いするな。俺は彼女を保護しに来た」
「保護?拉致の間違いではなくて?」
「俺に質問をするな……」
そう言うと男は警察手帳を取り出し、名乗った。
「風都署超常犯罪捜査課の照井竜だ。不法侵入並びに暴行未遂罪で貴様を逮捕する。そこで大人しくしておけ」
そう言うと、拳銃を構えながら女性に向かっていく照井竜。しかし、女性は大人しくするどころか、懐から何かを取り出し、それを押す。すると、空中にファスナーが現れ
、開くと中から数体の怪物が降ってくる。
「風都の警察がなんで沢芽に来るのかしら?越権捜査はしないんでなくて?」
「生憎だが、うちの部署は越権捜査は日常茶飯事なのでな……」
《ACCEL!》
アクセルドライバーを腰に装着すると、真紅の純正ガイアメモリを取り出した。
「変……身ッ!」
《ACCEL!》
ドライバーのハンドルを捻りメーターを振り切ると、彼の体に真紅のアーマーが形成される。背中にはタイヤ。頭部はフルフェイスヘルメットを模した仮面を被ったその戦士の名は、仮面ライダーアクセル。
「さぁ、振り切るぜ!」
片手持ちの大剣・エンジンブレードを手にすると、現れた怪物めがけ、振り下ろした。怪物は悲鳴を上げて、吹っ飛んでゆく。もう一体もアクセルに襲いかかるが、蹴り飛ばされ地面を転がる。
「原因不明の怪物事件……お前が犯人か」
「さぁ、どうでしょうね?ほら、まだ襲いかかってくるわよ?」
「ふん。この程度で、足止めになるとでも……」
《Engine!-Maximum-Drive!》
同時に襲いかかってきた敵に向かって、必殺技のAスラッシャーを放ち、纏めて倒すアクセル。それを見て、口笛を吹いて、女性はアクセルの手並みを褒めた。
「さすがね。でも、これはどうかしら?」
そう言うと、女性は懐から紺色のドライバー・戦極ドライバーと桃色の錠前『ピーチロックシード』を取り出し、ドライバーを腰に装着。そこにロックシードを装着し、カッティングブレードと呼ばれる物を下ろした。
《ハイ〜ッ!ピーチアームズ!如意!棒!伸伸伸!》
桃型のオブジェが空中に現れ、それを女性が纏うと、桜色のスーツを形成。同時にオブジェは展開し、鎧を形成する。
「マリカ……とでも名乗っておきましょうか。さぁ、刑事さん?私と闘って勝てるかしら?」
「安心しろ。女相手に容赦しない」
アクセルはそう言い放つと、エンジンブレードを構える。対するマリカは、先端に桃の衣装が施されたピーチロッドを手にすると、アクセルに正対する。
不思議な少女を巡る闘いはこうして幕を開けた。