今年もまた、春が来た。総武高校に入学してはや3年、1年の時は上にやべぇ先輩がいてげんなりし、2年になったらやべぇ後輩が出来た。
今から部室に行くという事はやべぇ後輩に会うと言うことであり自然と足取りは重くなる。はぁどうしよう……帰ろっかな〜でも絶対鬼電来るしな〜はぁ……
そんな現実逃避しながら歩いていると部室の方から何やら話し声が聞こえてきた。やべぇ後輩は友達が少ないからまず間違いなく依頼人であろう。これで遅れてきた事をネチネチ言われる事が確定したわけだ。
俺は覚悟を決め部室の戸を開けると
「ガン○ムファイト・レディー・ゴー!!」
……どうしよう、もう帰りたい。
目の前にはやべぇ後輩雪ノ下雪乃、三十路独身平塚静、見知らぬ男子生徒、これは一体どういう状況なんだ? 三十路の発言から後輩と男子生徒が対立してるのは分かるが何故そうなったのかまるで分からん。
「蒲生先輩、遅刻ですよ? 先日も同じことを言ったのにもう忘れてしまったのかしら?」
「あ〜すまん、遅れた。それで平塚先生どういうご用件ですか?」
「ん、あぁ今日は新入部員を連れて来た。彼は比企谷八幡ひねくれボッチの哀れな男だよ」
「いや、先生紹介辛辣過ぎません? そんな紹介じゃ何も伝わないのでは「なるほど分かりました」……伝わっちゃったよ」
「彼もこの隔離病棟に連れてられくる資格を持ったやべぇ奴という訳ですね」
「流石だわ蒲生先輩、その隔離病棟の創設者にして病人1号なだけあるわ、それとまさかとは思うけれど私の事を変人扱いしていた訳ではないでしょうね?」
「黙れ2号貴様のせいで平穏な日々が遠のいたんだよ!」(そんな訳ないじゃないか雪ノ下)
「やべぇこの人、完全に建前と本音か逆転していやがる」
「ふふっ先輩、後で話しがありますのでお忘れなく」
しまった……雪ノ下が恐ろしく冷たい目で見てやがる。どう逃げようか考えていると、流石に平塚先生が仲裁にはいってくれるようだ。
「まぁまて、君たち。蒲生も来たことだし改めて勝負のルールを説明しようではないか!
これから君たちの下に悩める子羊を導く。彼等を君達なりに救ってみたまえ。そしてお互いの正しさを存分に証明するがいい。勝者には敗者になんでも命令出来る権利をくれてやろうではないか!」
「ほう、なんでもいいんですね?」
「蒲生先輩、そのいやらしい目線をやめてもらえるかしら。吐き気がするわ」
雪ノ下がわざとらしく後ずさり、自分の身体を抱える防御態勢に入っていたが「正直お前みたいなぺチャパイ興味ないんだよなぁ」
ダン!
音がした方を見ると雪ノ下が般若のごとき形相で机を叩いていた。
「嘘だろあの人、学習って言葉を知らないのか!?」
何故か比企谷くんがこちらに驚愕の眼差しを向けている。ついつい本音がこぼれてしまったようだがまぁ問題はなかろう。何故なら……
キーンコーンカーンコーン
「おっ下校時刻のようだな。それでは諸君また明日」
俺がそう言い終わる頃には完璧なスタートを既にきっていた。雪ノ下は身体能力は高いが所詮女のそれなので、スタートで突き放してしまえばまず追いつけない。後ろから凄まじい罵声が聞こえてくるが知った事では無いので俺は悠々自適に帰宅が出来るというものだ。
きっと明日の俺が何とかしてくれるだろう。うん。
進路指導アンケート
総武高等学校 3年F組
蒲生剛健(がもうごうけん)
出席番号9番 男
あなたの信条を教えてください
平穏な毎日
卒業アルバム、将来の夢なんて書いた?
教師
将来のために今努力していることは?
学年首席死守
先生からのコメント
素晴らしい夢ですね、先生として鼻が高いです。
しかし教師とは平穏な日々からもっとも遠い職業です。諦めましょう。