1 屍生人について
自らの体内にある吸血鬼のエキスを注入することで人間を屍生人化することが可能 大抵の場合はグロテスクな容姿に変化するが稀に知能や外見を比較的人間時のまま保った状態で屍生人化する場合有り 詳しい条件は不明だが悪人ほど生前の外見を保つようである。
2 石仮面の製作
私は10年以上の潜伏期間中に人間を吸血鬼化させる石仮面の再現を試みた
この世界でも人間を吸血鬼化させることが可能なのかどうか...それは私の疑問点の一つであった。
原理としては人間の脳を直接刺激して未使用領域を活性化させ、人間を不死身の吸血鬼にしてしまうというのは知っていたので人体実験を繰り返し何とかその再現に成功した。
ただしオリジナルの石仮面よりも大型化してしまっておりもはや仮面というよりも装置に近い規模になってしまったが名称は便宜的に石仮面としてある。
東京 某病院
「フンフンフフン♪ フンフンフフン♪」
目の前のこの異様な男は陽気に鼻歌を歌いながらにもこちらとの距離を詰めてくる
一見ふざけた態度をとってはいるがコイツ...一瞬でプロヒーローを惨殺しているのだ 恐らくは強い!
「フフン まだ14のガキにしてはいい女ズラ マブいズラ 抱きしめてその白い肌から血を吸ってやるズラ」
血を吸うだって!? 今のこの状況 そしてこいつがさっき出したDIOとかいう名前 間違いない こいつが特殊性癖の変態という以外にも私は理解したことがある。
家族の仇 その名はDIO! 間違いない そして私が生き残っていることを知ったDIOとかいう奴は こいつを送り込んだのだ!
私は立ち上がり再び個性 Thornを出現させる 今度は防御の為ではない
「出来るものならやってみなさい!もう私は逃げない...あんたみたいなゲス野郎はこの私が地獄に送ってやるわ!」
言葉で自分を奮い立たせる 強い言葉を使ってはいるがそれは自分を奮い立たせるため 本当はあんな出来事があった後だもの 逃げ出したいくらい怖い
「なっ...ふん 小娘のくせに威勢だけはいいズラ フォーフォフォッ!!」
奴が奇声を発すると全身から長い針が一瞬にして出現した まさに全身凶器!
あのヒーローの傷口をつけた正体はこの奴の全身から生えた針!恐らく体毛が変化したらしい
「気の強い女は嫌いじゃねぇズラが...俺は女が俺に対して冗談を言うのは好まねぇズラ そういう場合はお仕置きだズラ」
何と奴はその場で跳躍しながら空中で回転 そのまま私に突っ込んできたのだ!
「ぎゅうっと抱きしめる! 抱きしめのお仕置きズラ!!」
私の想像以上にこの変態は素早かった なるほど ヒーローを簡単に殺しただけはある...でも!
「出ろ!Thorn!」
私の腕から飛び出した茨が的確に奴を捉える
「よし!捕まえた! この最低のド変態!後悔しながら地獄に堕ちろ!くらえ熊胴断波!」
それは兄に勧められて読んだ中で一番気に入ったコミックに出てきた技を私が自分の個性で再現したもの 鋼鉄すら引き裂く茨が奴の胴体を真っ二つに切断した。
「ヒェオォォウルリィィィ!」
おぞましい断末魔 臓物が地面に撒き散らされ 奴は誰が見ても息絶えたかのように見えた。
「ハァ...ハァ....やった!?」
奴を倒した、戦いの後の高揚感を私は感じていた。 しかし直ぐにそのあまりのグロテスクな惨状に私は吐き気と罪悪感でいっぱいになる それがどんなにコイツがクズだとしても...
分かっていたんだ 私の個性はその気になれば簡単に人を殺せる個性だって...
手加減は本当に出来なかったのか...いや、奴はプロヒーローを倒すような相手...そんな余裕はあるはずがない
しかしその私の思いは杞憂に終わることになる 悪い意味で
「!?奴がいない?そんな馬鹿な!!」
目を離した一瞬 その一瞬で奴はこの場から消えていた ありえない 一体何が...
周りを見渡そうとした瞬間 奴の針だらけの蹴りが私に襲い掛かる。
「ウゥグッ!!??」
奴の最初の攻撃は掠っただけだからわからなかった しかし今はわかる コイツのパワーは人間のそれではないと
私は一応ガードはした 茨をまとわせた腕で防御姿勢を取ったから上半身は直撃を受けたわけではない...しかし奴のその一撃は私の全身を砕くかと思うほどの衝撃 私は廊下から自分の病室まで吹き飛ばされてしまった。
体を真っ二つに切断したのになんで...まさかあいつの個性!? いやありえない あいつの個性はあの針なはず...まさか個性を複数持っているとでも言うの?
「フフン!無駄ズラ この俺はDIO様の石仮面によって不死身になっているズラ! さあ!これから徹底的なお仕置きズラ!」
不死身...そうか 今分かった こいつもDIOとかいうやつもあの伝説に出てくる本物の吸血鬼 私はなんてものを相手にしていたんだろう つまりホテルで血を吸っていたあれは個性じゃなくてただ食事をしていただけなんだ...
もう駄目だ... 体に力が入らない たぶん骨が何本か折れていると思う。息が苦しい
みんな...ごめん 仇を取れなかった 私はなんて無力なんだ
あいつの腕がこちらに迫る
私は目を閉じる
暫しの沈黙 いつまでたっても攻撃してこないので私は恐る恐る目を開ける
その光景を目撃したとき まるで幻かと思った 部屋中にシャボン玉が溢れていたのだ あいつと私をまるで隔てるようにシャボン玉の壁が出来上がっていたのだ。
「遅くなってすまないシニョリーナ 後はこのシーザー・ツェペリが引き受ける!」