悪をなぞる   作:NY15

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イタリアから来た男

東京 某病院

 

 「遅くなってすまないシニョリーナ 後はこのシーザー・ツェペリが引き受ける!」

 

 頭にバンダナを巻いたブロンドヘアーの男性がいつの間にかそこに存在した。

 

 窓枠に腰かけ そのグリーンの瞳がとても頼もしく見えた

 

 彼がどこの誰なのか どうやってこの4階にある病室に来れたのか なんで助けに来てくれたのか 今の私にはそんなことを疑問に思う余裕なんてなかった。

 

 「ああ 何?このしゃぼん玉?ヒヤッハー!こんなもんで俺を封じたつもり?笑っちゃうズラ」

 

 「おっと待ちな そのシャボン玉に触らないようお前に警告するぜ お前にはまだいろいろと聞きたいことがあるんでな」

 

 「何を馬鹿なことを!ヘーン こんなもーんズラ!」

 

 確かにそうだ あんなシャボン玉であいつを封じ込めるわけがない そんなことは火を見るより明らか...しかし奴があのシャボン玉に触れた瞬間 目を疑うような出来事が起こったのだ!

 

 

 無数のシャボン玉が奴に触れ破裂!シャボンに触れた個所が破裂するように奴を削り取った!そしてその傷はまるで電撃が流れるように奴の体を駆け巡る!

 

 

 「ウアアア!オオォッ ノオオオオオッッー!!」

 

 

 今 何が起こった?奴は甲高い悲鳴を上げながら体が溶けるように消滅 奴の衣服を残してチリになってしまったようだ。

 

 「全く、折角の警告を無視して まだ奴には聞きたいことがあったが...いやそれよりも無事かい?シニョリーナ おお、なんてことだ 骨が何本か折れているじゃあないか。」

 

 「貴方は一体...」

 

 「それよりも怪我を治さなくては 本当は女性にこんな手荒なことをするのは俺の主義に反するんだが...少し苦しいが我慢してくれ」

 

 そういうと彼は小指を立て私の横隔膜付近に突き刺した

 

 「ングッ!?アッウッ...」

 

 「さあ肺の中の空気を1cc残らず吐き出すんだ しばらくは苦しいが...心配はない」

 

 

 一体何を...しかしそれは直ぐに起こった 体中の折れていた骨が瞬く間に治癒していくのが私には感じられた。ほとんど痛みもなかった。

 

 「今俺は君の横隔膜を突き特別な呼吸法にした...これが波紋エネルギー 波紋呼吸法」

 

 「波紋...呼吸法!?」

 

 「そうだ、そして波紋こそが石仮面が生み出した吸血鬼に対抗する術...いいかいジョディ、いやジョジョ!君は世界すら超えた因縁に既に巻き込まれてしまった 残酷だが逃れる術はない たとえ逃げても運命のほうが君を追いかけてくるだろう!」

 

 「そんな...いきなりそんなこと言われても何が何だか...それに因縁って何のこと!?わからない!分からないわ!あなたの言っていること全てが!!私は知らない...石仮面や吸血鬼...そしてDIOとかいうやつの存在も!」

 

 「DIO!?今君はDIOと言ったのか!?...やはり運命は変わらない たとえ世界が、次元が変わってもそれから逃れることは出来ないということなのか...」

 

 

 このシーザーという人はDIOという名前を聞いた途端顔の表情が変わった 彼はDIOのことを知っているのだろうか?それに世界や次元って一体どういう意味なのだろうか?

 

 「いいかい、よく聞いてくれ 俺の言うことを信じられないだろうが本当の話だ...俺の一族はあの石仮面の呪いと戦ってきた 代々受け継ぎあの石仮面の謎そして呪いと戦ってきた そしてその戦いの中で俺は命を落とした」

 

 「えっ!?それってどういう...」

 

 「そのままの意味だ、そして俺は気が付いたらこの世界で生まれて育っていた。これは前世の記憶...いやそうじゃあないのかもしれないがとにかく3歳の頃にかつての人生の記憶を全て思い出したのだ!流石にこの世界では名前や生い立ちは別人だったが...しかし俺には前の記憶を!人生を忘れることは出来ないのだ!」

 

 

 「そんなことって...いや私は信じる あなたの事を信じます 命の恩人だし...それに吸血鬼は存在する!!」

 

 「ありがとう、話を続ける それでだ...この世界には石仮面も吸血鬼も存在しないと思っていた だから俺はこの世界で新しい人生を送るつもりだった...しかし数年前日本で発見されたという全身から血を抜かれた死体の事件を俺はニュースで見てハッとした まさかと思った 俺の勘違いならどれだけよかったかと思った!実際それから暫くはそのようなニュースは続かなかった...しかし今回の事件を受けて俺は確信を持ったのだ!石仮面の呪いはこの世界に突如としてやってきた!このツェペリ一族の血脈に刻まれた因縁 そして君の一族の因縁に引かれ あの石仮面の呪いはこの世界にまでやってきていたのだ!」

 

 

 「ちょっと待って!私には前世の記憶なんて無いし...それに私の一族はそんな因縁なんて存在しない!」

 

 「いや、残念だが恐らく存在する 君のその名前こそ違うがジョディ・ジョンストーンという名前...俺が元いた世界ではジョースター家呼ばれる一族のその血を引いた者の因縁 そうジョジョと呼ばれる者たちへの因縁が!」

 

 「そういえば確かにさっき私のことをジョジョって...確かに私の名前をそう呼べないこともないけれど...」

 

 「そうだ...そして君はもう既に石仮面が生み出した呪いと戦う運命にある!波紋を学ばなければならない!そうでなければ君は恐らく命を落とす...いや君だけじゃない 君も この俺も そしてこの地球上の生命全てがあの石仮面が生み出した吸血鬼 DIOの手に落ちるだろう!」

 

 

 私は立ち眩みに襲われた もちろんこの話を聞いたという理由もある だけれどそれとは違う理由で私はその場に倒れこんだのだ。

 

 「大丈夫か?ジョジョ!?怪我は治ったはずだが...すごい熱だ!!これは...」

 

 薄れゆく意識の中で見たものは私の体に絡みつく紫の茨 私の個性とは似て非なる 紫の茨が私を覆っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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