死穢八斎會本拠地 組長の屋敷 地下
目の前のこいつは一体何なんだ 少なくともあの英雄症候群の病人どもでは無い こんなたった一人に俺の計画を台無しにされてたまるか
まさかこいつが例のオール・フォー・ワンか?死亡説が流れていたがやはり生きていたのか!?
既にこの屋敷にいた組員の殆どがこいつに殺されている 玄野もやられてしまった...だがあの最後に時計を撃ったのは一体どういうつもりだ...
「なるほど 今のそいつ中々に優秀な奴よ この短時間で我が能力の正体を見破ったのは称賛に値する だが理解したところで我が
「お前が例のオール・フォー・ワンか?」
「フン...そんな奴は知らんな 我が名はDIO、それだけが我が名よ」
DIO...!?オール・フォー・ワンでは無い...
いや名前などどうでもいい 今この場をどうするかである
玄野はあの能力の正体を見破っていた そしてあの最後の行動 まさかこんな時に無意味な行動をするとは思えない 奴の発言からしてもあれは玄野が残した最後のヒント... 直接聞ければいいのだが目の前の奴がおいそれと俺が個性で玄野を回復させるのを待ってくれるとは思えない。
最後の発砲 わざわざ奴を狙わずに時計を狙って撃った...時計を撃ったことで何が言いたかった?
間違いなく何か大切な意味があるはず...
銃で時計を撃った...時計を破壊した...?
時計を破壊...時計を...止める...!?
いや...まさか...そんなことが...
奴の個性 能力の正体が分かりかけたその時 俺は自分の腹に風穴が空いていることに気が付いた その衝撃で扉をぶち破り壊理の部屋まで吹き飛ばされてしまった。
「ウグッッ...馬鹿な お前はまさか時を...」
玄野が残してくれたヒント そして今の攻撃 俺はいつ自分の腹に穴が開いたのか気が付きすらしなかった...がそのおかげで奴の個性の謎が解けた
なるほど、とんでもない能力 個性だ 世界などと言う名を冠しているだけあるという事か...
しかしだからと言って俺の計画は...壊理を奴に渡してなるものか!
何やら外が騒がしかった、だからなのだろうか 幸い今日はあの人は来ていない
逃げ出したい もう嫌だ あの想像を絶する痛み だけど逃げようとすればそのせいで誰かが死ぬ
だから自分が我慢すれば誰も死なずに済むと自分に言い聞かせる そうすれば誰も死なない
ただ私が我慢さえすれば
このいつ終わるとも知れない地獄の日々
もしかしたら永遠に続くのではないかと...自分の死すら許されないこの地獄は...
だが唐突に その終わりは突然やってきた
あいつがいきなりこの部屋に吹き飛ばされてきたのだ 一体何が...
そして部屋に入ってくるもう一人の人影 全身黄色の服装 頭にハートのサークレット
「ほう そいつが例の個性の持ち主か...なるほど、さあこのDIOの元に来るのだ 君をここから解放してあげよう」
その声は恐ろしく私は感じた だけれどそれと同時にその声にはあの人とは違いやさしさも含まれているようでもあった
「ダメ...私が逃げたらまた誰かが死んじゃう あなただってあの人に...」
「そんな心配はない...とは言ってもこのDIOは友情を押し付けるたぐいの輩とは違うのでね...君の自由意志 このDIOについてくるかどうか 君の運命は自分で選ぶんだ だが一つ言っておこう もちろんこのDIOについてきたとしてもこれから誰も死なないということは無い いやむしろ多くなるかもしれんな だがそれは君の責任ではない」
「えっ...?」
「いいかい?もう君は誰の死にも責任を持つ必要はない 運命というやつは自分自身で決めるものだ この私も もちろん君も」
彼が手を差し伸べてくる その時だった 倒れていたあの人が再び起き上がったのは!
「壊理はお前に渡さん!壊理!!お前は人を壊す!そう生まれついた お前の行動一つ一つが人を殺す!それが嫌なら壊理!戻ってくるんだ!」
しかし起き上がったあの人を彼が超能力のようなもので吹き飛ばす 壁にたたきつけられ今度こそ気を失ったか...あるいは...
「フン あのような輩に君の運命は縛ることはできん さあ選択するんだ 君自身の意志で」
なぜだかその声を聴いていると安心感を感じた 体では恐怖を感じているのに 安心してしまっていたのだ だから彼が差し出した手を私は取った
何故だろう...もう体の震えは完全に消え去っていた
彼の手を取った瞬間にこの世の全ての恐怖や不安が私の中から消え去ったような気さえしていた
今まで感じたことのない安心感だけが私を支配していた