4月 高校生活の始まり
※緑谷出久視点
始まりの日、新しい出会いの始まりであり恐らくはこれから多くの困難にぶつかると思う。だけれど僕は新しい日々に期待に胸を膨らませていた。思えばあのヘドロヴィラン事件でのオールマイトとの出会いから今まで長かったような短かったような...それにしてもまるで夢みたいな話だと思う。あのオールマイトから僕が後継者として指名されるなんて...最初にワン・フォー・オールのことを聞いたときには信じられないような気分だった...でも確かに僕の中にあの力が、個性が宿っているのを実感している。(引継ぎの方法については想像とかなり違ったけど...)そしてあの雄英に合格したんだ...もちろん合格しただけで満足してはいけない。オールマイトみたいなヒーローになるためにはそれだけじゃあ駄目で雄英の中でも...いやヒーローの中でもトップにならなければ到底オールマイトの後継者なんて名乗れないだろう。
家の玄関の扉を開けると太陽の光が差し込んできた。とてもすがすがしい...気持ちの良い光に感じた。
雄英高ヒーロー科への入学倍率が毎年300を超える訳
推薦入学4名を除く一般入試定員は36名
つまり18人ずつでなんと2クラスしかない
僕は雄英高校に向かう並木道を早足で駆け抜けていた。入学の時期と言えば桜のイメージがあるが残念ながらこの時期には既に散っていることが多い...今年も既に桜は散っているので桜並木の中を通学とはならなかった。しかしなぜ入学式には桜のイメージがあるのだろうか?これが関東ではなく東北であるならばもしかしたらまだ咲いているのかもしれないが...
そんなことを考えると横断歩道の真ん中で誰か妙な人が立ち往生しているのが目に入ってきた...
異形型の個性もあるのだから見た目だけで人を判断してはいけないのだろうけど僕はその人物がなぜか奇妙に感じたのだ...と言っても見た目は普通の男性であるようだ...ピンクの長髪に上半身網のような奇抜な服装でなぜか横断歩道の真ん中で立ち尽くしていることを除けば...もしかしたら何か困っているのかもしれない...ヒーロー志望として放っておけない
「あの...大丈夫ですか?ひどく顔色が悪いみたいですけど...」
「ハッ??!今度は何だ?どこから襲ってくるんだ!!?」
「えっ!?誰かに襲われているんですか?直ぐに警察とヒーローを...」
「ひっ く...来るな!!俺に...」
なんだかとてもその人は混乱しているように見受けられた...いくら横断歩道とはいえ道路の真ん中にいるのは危険なので安全な場所に誘導しないと...僕は彼に手を差し伸べたが...
「オレのそばに近寄るなああーーーーーーーッ」
その人は奇声を発しながらこの場から走り去ってしまった...まるで何かを恐れているように...一体あの人に何があったのだろうか?とても普通の精神状態には見えなかった...まあもしかしたらただの不審者なのかもしれないが...どちらにしても後で警察に連絡しておいた方がいいかもしれない。