雄英高校
朝から謎の不審者に遭遇したりと初日から何か波乱を予感させるような気もするが無事雄英高校にたどり着くことが出来た。しかしそれにしてもこの学校は広い...校舎そのものもそうだが何より広大な敷地...一体どれくらいあるのだろうか、何でも学校内の移動でバスを使うこともあるというのだからその広さは半端ではない。
「1-A...1-A...広すぎる、あっあった!」
ようやく見つけた自分のクラス1ーA
ちなみに1-Aと1-Bがヒーロー科でありそれ以外には普通科とサポート課や経営科が存在している。最もヒーロー科以外...特に経営科の人たちとは恐らくあまり関わらないだろうけど...
1-Aの前に到着するとそこには見上げるほどに大きいドアが存在した そういえば確かにこの廊下も天井がかなり高いようだ...
「ドアでか...バリアフリーか?」
確かに個性によっては人間の形や大きさとはかなり異なる人達も存在する...このドアはつまりそういった人達でも大丈夫なようにというわけか...流石は雄英、日本トップクラスのヒーロー養成学科...恐らく国内で雄英に匹敵するのは士傑高校くらいであろう。
さあドアを開けよう、この先には他の合格者たちが存在している
「あの受験者数から選ばれたエリートたち...」
僕の頭に例の2人の顔が思い浮かぶ...
「怖い人たち...クラス違うとありがたい」
恐る恐るドアを開けるとそこに飛び込んできた光景は...
「机に脚を掛けるな!」
「あ~?」
「雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねえよ!てめえどこ中だよ、端役が!」
例の今僕が脳内で思い浮かべた2人がまさに目の前で言い争っている光景が目に飛び込んできた...
かっちゃん初日から...言い争ってるあの人も確か受験の時かなりすごい個性だった気がする...あの人から注意を受けたことばかり頭に残っていたけど個性の方も確かすごいスピードを出せる強力なものだったと記憶している。
受験ではいろいろあった...あの巨大ロボとの戦い、レスキューポイントが無ければ間違いなく僕は落ちていたと思うと...しかしそれにしてもあの実技試験は内容的にどうしても戦闘向きの個性の人が有利な内容...たとえレスキューポイントと言う制度があったとしても戦闘向きの個性が有利な事に変わりはない。それでいいのだろうか?例えば戦闘向きではなくても相手を無力化できるような個性だって存在するわけだし...そういう直接の戦闘を行わない(行えない)強力な個性を持った人間を不合格にしてしまうのはどうなんだろうと思う...合格した僕が言うのもなんだけれど。...まあそういう人達は普通科で合格させてから見込みがあればヒーロー科に転入させるっていう考えなのかもしれないけど...まあ僕がそんな雄英の方針を気にしても仕方ないけれど。
「ぼ...俺は私立聡明中学出身 飯田天哉だ」
「聡明~?くそエリートじゃねぇか、ぶっ殺しがいがありそうだな」
そんな会話を聞いているとかっちゃんが僕の方に視線を合わせてきた...僕の存在に気が付いてしまったようだ。
「ん?君は...」
そのせいだろうか、眼鏡の人、飯田くんの方も僕の方を見て話しかけてきた...ていうかクラス中の全員がこっちを見てきたのだ。
「あっ!...えっと...」
「おはよう!俺は私立聡明中学の...」
「聞いてたよ...っと僕、緑谷...よろしく飯田君。」
「緑谷君...君はあの実技試験の構造に気付いていたのだな?」
「えっ...」
「俺は気付けなかった...君を見誤っていたよ...悔しいが君の方がうわてだったようだ...」
ごめん、気付いてなかったよ...ていうかこれ飯田君って怖いんじゃなくてすごい真面目なだけっぽい...なんか安心したようなしないような...このちょっとの会話だけでも飯田君がすごい委員長タイプの人間って僕は実感できた。
「あっ!そのもさもさ頭は!地味めの!」
「あっ!」
いきなり後ろから話しかけられてものすごくびっくりしてしまった 声が裏返ってしまったかもしれない...
「プレゼント・マイクの言ってたとおりに受かったんだね!そりゃそうだ、パンチすごかったもん!」
「いや...あの...ホント...」
何かいろいろ話しかけられたけどそのほとんどが頭に入ってこなかった
「お友達ごっこしたいならよそへ行け」
なんだかとてもやる気のなさそうな声が後ろから聞こえてくる...振り返ると黄色の寝袋に入ったまま廊下に寝そべった無精髭を生やしたままの謎の人物が存在していた...
「ここはヒーロー科だぞ」
その人物はエネルギー補給ゼリーを手に持ちながらなんだかとてもだるそうに寝袋から出てきた
「はい、静かになるまで8秒かかりました 時間は有限、君たちは合理性に欠くね」
この人が先生、と言うことはプロヒーローの筈であるが...でも見たことないぞ...こんなくたびれた人
「担任の相澤消太だ よろしくね...早速だがこれに着替えてグラウンドに出ろ...とその前に初日だが転入生と言うか留学生を紹介する。さあ入っていいぞ」
えっ!?グラウンドに出ろ?留学生?まだ初日だぞ!?一体どういう...
相澤先生に促されて教室に入ってきた女性 嫌でも目立つ肩まで掛かったウェーブしたブロンドヘアー、透き通るようなブルーの瞳...顔立ちからしても間違いなく外国人のようであった。
「すげー!本物のブロンド外国人!お近づきになりてぇ~」
なんだか席の後ろの方から嬉しそうな声が聞こえる...声の主は頭に紫の玉をいくつかつけている...あの玉はあれ個性なのだろうか?一体どんな個性なんだ?
まだクラスメイトの全員の顔を把握していない、それなのにいきなり留学生だなんて...
「イングランドから来ました、ジョディ・ジョンストーンです。」
それにしてもあの留学生の子...なんだか顔つきがちょっと険しいような...何かあったのかな?
...いや初対面なのにそんなこと分かるわけないか