コンクリートの地面に叩きつけたせいで口田君は意識を失ってしまったようだ...少し出血もしているようだし治療しなければならないだろう。
...しかし今冷静になって考えると不思議なことがある。それはまだ空に太陽が輝いている時間だということだ。
DIOの手下であれば吸血鬼かもしくは彼の血を分け与えられたおぞましい眷属に成り果てているはず...しかしそういった者たちは太陽光の元に姿を現すことが出来ないはずなのだ。と言うことはこの口田君は少なくとも人間のまま自らの意志でDIOの命令に従っているという事だろうか?
...であるならば少々荒っぽいやり方になるだろうけれど情報を吐かせることが出来るかもしれない。
私は個性を解除して口田君の元に近寄り顔を覗き込む...頭部から少し出血しているようだがこの程度なら問題は無いだろう。
「とにかく口田君を連れてシーザー先生の元に行かないと...えっ!?これは...」
それは口田君の額のちょうど真ん中あたりに存在していた...蜘蛛のような形をした肉片...それが口田君の額に張り付いておりうごめいていたのだ。
まさかこれはDIOの細胞の一部か何かなのだろうか?これで口田君を操っているということなのだろうか?
シーザー先生は他の誰も信用するなと言っていた...それはどこにDIOに通じている人間がいるか分からないから...DIOが何かしらの特殊な能力...恐らく個性ではなく吸血鬼としての能力で人を自分の思うがままに操れる可能性があるということはシーザー先生が最も懸念していたことの一つであった。
恐らくシーザー先生も確信が有った訳ではない...ただ吸血鬼が何らかの手段で人を操ることが可能かもしれないと説明を受けたとき私はもしそうならこの世界は簡単にDIOの手に落ちるであろう思った...いやもしかしたら既にもうこの世界はDIOの物になっているのではないだろうか?
もし私がDIOだったらどうするか?まず間違いなく世界中の国家中枢に自らの部下を送り込む...いや国家そのものを洗脳してしまうであろう。
この日本だって...いや日本どころか私の祖国やあのアメリカ合衆国の内部ですらもしかしたら既にDIOに間接的に支配されてしまっているのではないのだろうか?
既にもう手遅れの可能性だってある...しかしそうであっても私たちは諦めるわけにはいかない。
このままDIOの思い通りにしてたまるものか...家族の仇...そして大げさでもなく全人類のために私たちはあの石仮面の吸血鬼と戦わなければならない。
そうでなければ私たちは奴らの食糧と化す...もし私たちが負けたら人類は全て吸血鬼の家畜に成り果ててしまうだろう。
人類を守る為に 人間としての尊厳を守る為に私たちは絶対にDIOに勝たなくてはならないのだ。