悪をなぞる   作:NY15

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刺客

東京某所 ホテルでの外国人一家惨殺事件から数日後

 

 私が想像していたよりも体の馴染み具合は遅かった。やはり一人取り逃がしたのが不味かったか...いや、そうではないな 血はもう十分だろう 馴染むまでには血だけではなくある程度の時間が必要か だが私には体の馴染み具合よりも注視しなければならない問題がある この体の痣のことだ

 

 

 なるほど出来すぎているとは思っていた 運命というやつがあるとするならばやはりこの血脈に刻まれた因縁は あの御方の名前を名乗った時点で どこまでもついて回るということなのだろうか

 

 私は首の付け根の裏の星型の痣を手でなぞる。

 

 いいだろう 宿命ともいうべきか 始末すべき宿命 抹消すべき因縁

 

 

 「DIO様 既に生き残りの小娘が入院している病院を特定してあります、今すぐにでも始末いたしましょうか?」

 

 

 少し思考する しかしそうだな いかにこの痣を持つ一族とはいえ偶然ということもありうる ならば我が運命に立ちふさがる資格があるかどうか 試してみても悪くはない。

 

 私は黙ったまま手で指図をする 

 

 「ウエッへへへッ では奴を差し向けます。なに所詮はただの小娘、DIO様が気にするほどの存在ではございませぬ。我等にお任せを ヒャヒヒヒ」

 

 さてどうなるか 

 

 

 

 

 

   

 

 東京 某病院

 

 

 私は地獄の底に突き落とされた感覚に陥っていた

 

 今でもあの時 何が起こったか正確なことは分からない 警察はパパのことを疑っているみたいだけれどあれはパパじゃなかった

 

 

 ベッドの下から目撃したあれ いきなり家族全員がバタバタとなぎ倒され その後パパの姿をしたあれは私の兄と姉 そして妹の首筋に手を...

 

 

 あれは何をしていたのか その瞬間は分からなかった だが首筋に手をあてられた兄の体が徐々に干からびていく様子から私は全てを察した あれは血を吸っていたのだと

 

 

 私は恐ろしくて 普段私は気が強い方だと言われることもあるけれど 戦おうだなんて考えすら起きなかった 体が凍てつき動かすことが出来なかった ベッドの下でガタガタ震えて ただ見つからないことを祈るしか出来なかったのだ。

 

 自分が情けなかった そして憎かった 家族を目の間で殺されて何もできなかった自分が ただあの時 自分だけが助かりたいと そう祈ってしまった自分が

 

 

 

 

  必ず 必ず奴を見つけ出す 何年かかっても そしてこの私が 必ず奴に報いを受けさせる

 

  

 私は一旦国に戻ることになる だけど直ぐにまたこの日本に戻ってくる まだ私は14歳 来年受験だけど何とか間に合うだろう いや間に合わせる。決して動機としては正しくない だけれど奴を見つけて裁きを受けさせるには私が日本でヒーローになる必要がある それが最善 たとえ誰にこの考えを否定されようが私はやめるつもりはない。

 

  これは私の使命

 

  病院のベッドから窓の外を眺める 嫌に月がキレイで そして嫌にむなしく 悲しくなる夜だった。

 

 

  その時だった 窓に何か液体のようなものが飛び散ったのは それは鮮血 生々しい血液が窓に飛び散り視界を遮断したのだった。

 

 

 「ウッッ!?」

 

 

 私はベッドから立ち上がり急いでドアの方に駆け寄り助けを呼びに行く 部屋の前には警察から委託されたプロヒーローが警護しているはずだったからである。

 

 扉を開けるとそこには壁にもたれかかり血だらけになったヒーローの姿が確認できた 私は脈に手を当てるが既に彼は事切れていた。

 

 だが異様なのはその死に方 傷口が体中に存在していた なにか尖ったもので全身を刺されたかのような傷口

 

 例えるなら中世 拷問道具に使われたというアイアン・メイデンを使えばこのような傷口になるだろうと私は推察した。

 

 「今度は一体何なの...助けを 助けを呼びに行かないと...」

 

  

  その瞬間 私は鋭い殺気を感じた これは...天井になにかいる!?

 

  「ウルルルルイィ!」

 

 

  私は個性を発現させる 茨を手にまとい防御姿勢で回避した。

 

 

  天井から伸びてきた手は私の茨に接触したおかげで腕には触れられなかったが 何か鋭い刃物で切り付けられたような感覚を味わった。

 

 「キイーッ その個性さえなければ 顔の皮をマスクをはぐようにそぎ取ってやったものを イッヒヒ」

 

 

 「お前は!?一体誰!?なんなのッ!?」

 

 

 「俺の名前は鋼線(ワイアード )のベック ズラ DIO様の命令によりお前を始末するズラ」

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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