Angel Beats! 「死後の世界のあり方」   作:Chelia

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戦線再び

☆屋上☆

 

「ううっ…ここは?」

 

 

夕方の学校の屋上、ここでゆりは目を覚ました。

場所は言うまでもない…そう、戻ってきたんだ。『死後の世界』へ

でも、なぜ?当たり前のように疑問がわく。

成仏して生前の世界に帰ってからは幸せに過ごしていたし、そもそも死んでいない

 

 

「…もしも、私自身に関係がないと仮定すれば… この世界に何かがあったとか!?」

 

 

細かいことは後から考えたいのか、この世界が今どうなっているのか早く知りたいのか… 理由はわからないがゆりはここで考えるのを止めた

 

 

「制服がSSSの制服ってことは前の続きからになってることは間違いないわね…

とにかく誰かいないか探してみるのが最善策かしら」

 

そう判断したゆりは屋上を後に、階段を降りていく。

 

 

☆校長室☆

 

 

「SSSと言えばやっぱりここよね♪」

 

 

懐かしい気持ちで少々浮かれつつも真っ先に来た所はここだった。

だが雰囲気はそのままだが多少変わっている

さすがに以前仕掛けていた野田お手製の巨大ハンマーは取り外され、最初の状態になっていた

本当にそれだけか?

警戒しながらドアに近づくゆり

 

 

「…人の声?」

 

 

人声が聞こえたが残念ながら何を話しているかまでは分からなかった。

何かを感じたゆりは校長室を詮索せず、更に場所を変える。

 

 

☆廊下☆

 

 

「さてと…どうしたものかしらね~」

 

 

いい考えが浮かばずトボトボ歩いていると後ろで声がする。

 

 

「なあ、大山!もしかしてあれ…ゆりっぺじゃねえか!?」

 

 

「ホントだ~ 早く行こうよ!」

 

 

「おーい! ゆりっぺ~!」

 

 

ゆりの心配もいらなかったのか懐かしい声がすぐに聞こえてきた。

いやぁ、あたしってばラッキー!

わざわざ探しに行かなくても向こうから来てくれちゃって…

これで仕事が一つ減ったわね…

などと咄嗟にえぐい考えを頭に浮かべつつも返事をする。

 

 

「日向くんに大山くん!?」

 

「よう 久しぶりだな!」

 

 

「はぁ? いきなりこの世界に戻されて何も感じないわけ?…少しは不安そうな面しろ~っ!」

 

まずは何気ない言葉からと言葉を選んで話しかけたはずの日向だったが、ゆり的に受けは良くなかった?らしく、ゆりの強烈なラリアットが日向の首にがっしりとはまる

 

「痛ってぇぇ~…」

 

悲鳴をあげたと思ったらあっさり失神した。

流石戦線のリーダー。攻撃力が伊達じゃない。

 

 

「あー!スッキリした!!」

 

 

おい、今聞いてはいけない理不尽な一言を聞いた気がするのだが…

 

 

「ねえ、この世界に戻されたってことはやっぱり…ゆりっぺも急に?」

 

 

何事もなかったかのように大山が話しかける。

…このバイオレンスな光景に慣れてしまったのだろう、それはそれでかわいそうな奴だ

 

「あなたたちも!? もしかして、いきなり目の前が真っ暗になったと思ったら急にこの世界に来てたとかってわけじゃ…」

 

 

まさかと思い、ゆりが問い詰める…

 

 

「そうだけど…よくわかったねゆりっぺ? もしかして本当に超能力者!?」

 

 

「ち…なみに…俺もだぞ」

 

 

ふらふらと立ち上がりなんとか復活した日向も言う。

…言っておくが、全然かっこよくないぞ

 

 

「んで?そんな特徴的な聞き方するってことはゆりっぺも同じなんだろ?」

 

 

「ええ………日向くんユイは?」

 

 

「すまねぇ…元の世界に帰ってから会うことはできたんだがここに連れて来られた時は俺は自分の家だったからなぁ…一緒じゃないんだ…外を歩き回って最初に見つけたのが大山でさ…」

 

日向自身としてもこれは後悔なのだろう…

いなくなる直前にユイの傍にいてあげられなかった為、その後を知ることができなかったらしい。

日向は成仏後、無事にユイと出会うことができ、自分の思い描いていた想像通りに幸せに過ごしていたらしい。

ユイと出会い、その母と共に介護を続け、お昼の買い出しに街に出ていたらしい。

真面目に状況説明しようかと口を開こうとする日向にゆりが一言。

 

 

「役立たず」

 

 

「はぁっ!?」

 

 

ゆりの即答に日向が唖然とする

 

 

「なんか俺にだけ冷たくね?」

 

 

「さぁ♪」

 

 

「その笑い方怖いよ~」

 

 

悪魔の微笑み方を見た大山が言い

 

 

「校長室はどうだったの?」

 

 

と、そのまま質問をゆりへ

 

 

「誰かがいる感じだったわ… 元通りになってたし、万が一のことを考えて調査は後回し。あなたたちは?」

 

 

「俺たちはグラウンドと中庭。外中心に見てきたが大山にしか会わなかった」

 

 

「みんなが同じ条件でこの世界に戻ってるってことは他のメンバーもいる可能性が高いわ…とりあえず校長室以外の場所の調査よろしく」

 

 

「『よろしく』ってゆりっぺは? 」

 

 

「お腹空いたからご飯♪…な・に・か?」

 

 

「「いえ…何も」」

 

もういい、もう無理、こいつに何言っても無駄。さっさと諦める日向と後が怖くてとりあえず従っておこうとする大山の意志が言葉になってシンクロした!

 

「見事なハーモニーね…よくできました」

 

 

「んで集合はどうする?」

 

 

「一時間後に屋上にしましょうか…あそこには誰もいなかったわ」

 

 

「了解… そんじゃ大山行こうぜ?」

 

 

「うん!」

 

…いきさつはともかくゆりと日向たちは廊下を離れ、別々の場所を調査?することになる

一方その頃…

 

 


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