こんな分岐は嫌だ ~ BALDR SKY短編集~   作:水城悠理

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俺FUTUUだと思っている人間の平凡な毎日を描く物語です。
カップリングが気になる方は気を付けてください。
あと都合上オリキャラとか出てます。


スーパージルベルトワールド
スーパージルベルトワールド1-1


ジルベール・ジルベルトってドイツ語にすると、同じ綴りなのだが、要は某国民的有名なアクションゲームである主人公の名前がマ○オ・マリ○であることを考えるとまあ、それもありなのかなと思う。

 

ああ、申し遅れました。ジルベール・ジルベルトこと、元佐藤弘光です。実は俺一度死んだという認識をもっているんですよ。徹夜が続いてぼんやりしているところを車に引かれたってのが多分死因だと思いまして。まあ、気がつけばジルベール・ジルベルトなる人物として新たに生を受けたのだが、両親は微妙な人たちだったのがケチのはじまり。

 

「お前は優秀な私の遺伝子を継いだのだから歴史に名を残すような人物になるのだ」

 

「でも、この子に私の遺伝子って混ざってるのかしらね。デザイナーズチャイルドってそういうものなんでしょ」

 

どうやら私は遺伝子を弄られて生まれたようだ。コーディネーターとかマシンチャイルドみたいなものだろう。

 

まあカタログスペック的にすごいとは思っていたのだが、物心ついた頃には反射神経や学習能力の分野でその恩恵は十分に発揮されていた。

 

ただ、デザイナーズチャイルドなら当たり前っていうところがあるので別に自慢できることではないだろう。

 

生きる上で多少選択肢が増えた程度に俺は思っている。

 

両親? 

 

何か思い通り性能が出ないのが気にくわなかったのか半ば放置気味。俺が8つの時に普通に生まれた弟をかわいがっている。

 

まあ、西暦2000年代からかなり文明が進んだっぽいなあとは思っていたのだが、よく考えてみると知っている単語がちらほら出てくる。そこで裏付けすべく色々調べて見た結果この世界って。

 

「バルドフォース?」

 

簡単に言うとネットの世界でシュミクラムっていう兵器を使ってドンパチするゲームだ。多分、初見でお兄ちゃん・・・来て!されたプレイヤーが大半だろう。

 

そして脳内チップはこの世界を生きるための基本ツールなので俺の脳内にもチップが入っている。どうやら生まれた初期段階でチップを入れるセカンドジェネレーションという人たちもいるようだ。

 

「でも、フォースの時代じゃないっぽいしなあ」

 

飛刀(フェタオ)

 

V.S.S

 

リヴァイアサン

 

知っている単語を片っ端から入力したらどうやらそれらは一世紀以上の前の歴史的事件として刻まれていた。

 

「それに、誰のエンドの未来なのかも不明だしなあ」

 

あるいは、パラレルワールド的な解釈をすればいいのか。とにかく、この世界はバルドフォースっぽい時系列の世界と解釈しよう。

 

よくネット小説とかで見る、憑依とか転生とかだと原作知識を生かして活躍とかできるけど、こんな時代に生まれて俺にどうしろということに。

 

あれか、シュミクラムを駆使して戦えっていうのか。

 

現状世界は多少のいざこざはあるけど平和で、俺には復讐に走る為の理由はない。

 

まあやることと言えば、普通に学生して、普通に就職して、普通に結婚してという無難な人生を歩みたいわけだ。

 

少なくとも、俺は基本スペックが通常よりいいので、無難に過ごせるだろう。

 

 

 

chapter1

分岐点 turning point

 

 

 

 

「そう思っていた時期が俺にもありました」

 

ついついこの状況を嘆いてしまうわけだが、そもそもあの家に生まれたのが問題だったのか、進学が問題だったのか。

 

自分の入学した鳳翔学園は明日を担う人材を育成するっていう学校なのだが、当然そういう学校にはデザイナーチャイルドが多い。彼ら的には自分は選ばれたエリートなので、結果してこういう身の上となった自分との相性がすこぶる悪かった。

 

「猫だって遺伝子を弄れば立派なデザイナーズチャイルド。親のペットになったつもりはさらさらないね」

 

某種がはじけ飛ぶロボットアニメの世界でもそんなレベルだったんだろうなあ。

 

スペック的に頑張れば銃弾をかわすことはできるだろう。じゃあマシンガンは? ミサイルは?

 

それに耐えるのを目指すなら義体化した方がいいだろう。

 

頭脳が優秀とは言うが、未だかつて最強のコーディネーターのごとく即座でプログラミングとかする人を見たことがない。

 

むしろそっちはセカンドの得意分野だ。

 

ではデザイナーズチャイルドとは何なのかと問われるとスペックの高い人間としか答えようがない。それに気付かないのか、気づきながら目を背けているのかは分からないが、自分たちの優位性を疑わない同級生の方々には心底うんざりしている。

 

そんならお前ら生身でグングニールの直撃耐えてみろや。まあ、そんなこんなでうんざりしながら一年目を過ごし、二年目に入って5月を過ぎた頃のある日の休日。

 

公園で本でも読もうかと向かうと、嫌なものを見つけてしまった。

 

「離してください」

 

「下等なメスをしつけてやるのだ。逆に感謝して貰いたいぐらいだ」

 

何か下劣なセリフを吐いている同窓が複数、同世代の美人なお嬢さんに絡んでいる。

 

しかし、あの子どこかで見たことあるんだよな。

 

「まあ、これ以上自分の学校の評価貶めるのもなあ」

 

うちの評判というのはあまり良くない。高飛車な人たちたくさんいるし。あの制服着ていると商店街の皆さんからいい目で見られなかったが、半年以上掛けて「ジルベルトは鳳翔の生徒なのに変わっている(変わり者だがまともだ)」という評価を獲得できた。まあ、その辺のこともあって面倒なのだが。あの輪に近づくと手をたたいた。

 

「はいはい、お前ら女性を口説くときは1対1でやろうな。ところでお嬢さん今後のご予定は?」

 

「え、あ、あの」

 

腰まで伸びた金髪と、メリハリのついた肉体が魅力的なお嬢さんに向かって偽善的な笑みを浮かべる。

 

「よろしければ、リーズナブルなイタリアンがあるんだけどご一緒しない?」

 

「おい、ジルベルト」

 

空気を読まずに口説き始めることで、周囲が反応できなくなる状況を作ったのだが、残念ながら反応する人物がいた。

 

「ケニッヒス、俺はきれいな女性を口説くのは好きだが、野郎に愛を語る趣味は無いんだ。だから諦めてくれ」

 

ケニッヒス・シュトラウト。同級生で優秀なのだがサディスティックな性格な為、学園でも微妙な立ち位置をしている男だ。まあ、基本的に独りでいる俺も微妙なのだが。

 

「どうやらお前もしつけが必要なようだな。デザイナーズチャイルドの失敗作」

 

予想通りに噛み付いてきたので、目標をずらすという意味では成功と言ったところだろうか。

 

「しょうがない、お嬢さん。俺は野郎とちょっと遊ぶんで食事はまたの機会に」

 

俺の意図を悟ったのか公園の外へ逃げていった。

 

「さて、俺もお暇したいところだが、そういう訳にはいかないよなあ」

 

目が血走ったのが4人。

 

3対1なら何とかなるが、4人はつらい。

 

「多勢に無勢か」

 

そういえば、この体になってからケンカらしいケンカしてないことに気づく。もちろん、ポテンシャル高いから一通りはやってるんだが。別にバイオレンスな前世を生きてきた訳ではない・・・うん普通だよ。

 

「お前は前から気にくわなかったんだよ!」

 

「そうか、俺的にお前はどうでもいいポジションだったよ」

 

そして間髪入れず俺は懐から取りだした物でたたきつけた。

 

「ぐはっ」

 

「俺って落ちこぼれだから身を守る為に武器を携帯しても仕方が無いと思うんだ」

 

特殊警棒的な武器は携帯性がいいので持ち歩くことにしていた。

 

「ぶ、武器とは卑怯だぞ!」

 

よろよろとなりながら立ち上がるケニッヒスに正直驚いた。

 

「さすがはゴキブリの遺伝子を組み込んだデザイナーズチャイルドだけある」

 

「そんなはずがあるか! お前ら取り囲んでやってしまえ!」

 

そしてようやく我に返ったのか、じわじわと俺を取り囲み始める。だが、先ほどと違い隙がないので、少々卑怯な手を使うかと思った矢先だった。

 

「おまわりさん、ケンカです、早く!」

 

「ちっ、運が良かったな」

 

状況4対1、どう考えても印象的な不利を悟ったのか、ケニッヒスと愉快な仲間達は去っていった。

 

さてどう答えたらいいものかと悩んだのだが、現れたのは警察ではなく先ほどのお嬢さんだった。

 

「助かったよ」

 

「お礼を言うのは私の方です。ジルベルトさん」

 

「あれ? 俺の名前知ってるの?」

 

「私も鳳翔の生徒ですから」

 

「じゃあ、君もデザイナーズチャイルド?」

 

「いえ、私はセカンドです」

 

「セカンドなら星修に行けばいいのに。変わってるね、君も」

 

「父が決めたんです。私としてはどうしようもなく」

 

「ああ、親に逆らうって難しいよね。俺なんて望んでないのにデザイナーズチャイルドになって、望み通りにならないから捨てられ気味だよ。まあ、幸いこの体なので肉体労働でもバリバリ生きていく自信はあるけど」

 

「ジルベルトさんってすごいんですね」

 

そんな感心されても前世から数えるとすでに43年生きてるから人生経験だけは積んでいるつもりなだけなのだが。

 

「まあ、知り合ったのも何かの縁。良かったら行くかいイタリアン?」

 

怖い思いをしたお嬢さんと一緒に母校の悪口を言うのも悪くないと思いと、たまには馴染みの奴らに俺だってやれば女性の一人や二人エスコートできることを証明してやろうというどうでもいい理由だったりする。

 

「よろこんで」

 

まあ、見たところいいとこのお嬢様っぽいしこんな誘いには乗らないと思ったのだが返事は意外なことにOKだった。

 

「まあいいけど、今後は俺みたいな変な男に簡単に付いていかないように」

 

「そうですね、気を付けます」

 

何か娘とか年の離れた妹ががいるとこんな感じなのかなと思いつつ、なじみのイタリアンに向かうことにした。

 




ジルベルト憑依もの、フォースの経験はあるが、スカイはやっていないというか、知る前に死んだのである意味原作知識無し。
このジルベルトがお嬢さんを助けたことによってこの世界は大きく変動を迎えるはずです。

千夏がシュミクラムをしない可能性
空or甲が灰色のクリスマスでやられない

ところで世界0における甲ってあの日どうしてあんな所に行ったんでしょうね。
純粋にまこちゃんの陰謀か。

ジルベルトワールド本編終わったらどちらを読みたいですか

  • 番外編→えせ救世主物語(DSクロス)
  • DIVEX(バルドスカイ本編再構成2)
  • ジルベルト系よりニラ小説書けよ
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