こんな分岐は嫌だ ~ BALDR SKY短編集~ 作:水城悠理
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あなたは佐藤弘光の物語を堪能しましたか?
まだ、見てないのなら予め一読してください。
あれは誰にとってハッピーエンドでしたか?
彼によって知らないうちに運命をねじ曲げられた人たちは誰に文句を言えばいいと思いますか?
プラグインの準備はできましたか?
ここに世界は再構築される
prologue ジルベール・ジルベルトの憂鬱
世界X(ぺけ)
DIVEX prologue
《b》ジルベール・ジルベルトの憂鬱
《/b》
目の前には、金髪の娘。彼女は誰だ? 俺は彼女を知っている。
「桐島レイン?」
彼女は涙を浮かべている。はて、ここはどこだろうう。
「ここは地獄か?」
「え?」
「ジルベルトさん、どうしたんですか」
「ケニッヒス?」
デザイナーズチャイルドの優位性に何も疑わずに育つことができたクズ。
だが、目の前のケニッヒスはえらく腰が低い。
怯える桐島レインと脅す鳳翔の生徒。この組み合わせは俺が見ていたあの日の光景に似ている。
「お前達何をしているんだ!」
思考を辿っている俺を現実に戻したのは、あの白いシュミクラムユーザー。
「・・・門倉甲」
「女の子を囲んで・・・どうして鳳翔の生徒が俺の名前を知っているんだ」
初対面の男、それも星修の天敵と言ってもいい鳳翔の生徒が自分の名前を知っていたら不気味に思えるだろう。
「今日も彼女とデートか。真の姉も彼女のいる男を好きになるとは面倒な」
「千夏とは別に彼女じゃ・・・それより、あんた俺とどこかで会ったのか?」
「ふん、星修のガキは出しゃばらずにそこら辺の草むらで盛ってろ。帰るぞ」
バカらしい。鳳翔の星修もデザイナーズチャイルドもセカンドもあの化け物の前では優位性などない。
清城市の地下に眠り続ける
「まずは金とシュミクラムだな」
「どうしたんですかジルベルトさん、さっきから変ですよ」
俺の知るイメージだと狂犬だったケニッヒスだが俺の前では借りてきた猫のようだ。
「俺達がガキの頃にドミニオンとかいうカルト宗教があったそうだ。この世界は偽りだと宣ったらしいが、誰にとっての偽りだったんだかな」
俺はケニッヒスらに別れを告げて町の中を歩き、無意識にある方向へ足を向けていた。SFに首を突っ込んでいるのに相も変わらず20世紀の雰囲気を出す店。ドアを開けるとベルの音に反応したのかテーブルにうずくまっている男が起き上がった。
「初めて見る顔だな。ここは鳳翔のエリート様が来るような店じゃないぞ。ひやかしなら帰ってくれ」
「・・・ピザトーストと水出しは今の時期だとやってなかったな。ブレンドでいい」
「了解」
いそいそと厨房の方へ行くここのマスター、名前は一度聞いたが、マリオ・マリオで奇妙な名前だったか。もっとも俺の名前も人のことは言えないが、世の中には代わったネーミングセンスを持つものがいるのだろう。あの男にしてみると前世ではもっとも知られている人間の名前らしいが。
待つこと10分、香ばしい匂いと共に甘い匂いが漂ってくる。
「アイスクリームのリキュールがけは頼んでないが」
「ルーキーに対するサービスだ。厄介事さえ持ち込まないなら今後ともごひいきに」
マリオはそれだけ言うとカウンターの中に入っていった。ピザトーストを食べる。残念ながら『俺』の舌はここの味に慣れてしまっていた。そして、無性に居心地がいい。自分が経験したことがないのに安堵する感情。反吐が出る。
注文したものを全て食べ終わると、支払いを済ませて店を出た。それと同時に少し汚れた白衣を着た女が入れ替わりにあの店に入っていった。
「下らない感傷だな」
俺はあの女に関わらない。
welcome to DIVEX
Xはペケと書きます。特に意味はありません。
みんなが地動説を前提としている世界に生まれたはずなのに、ある日突然自分以外が天動説を言い始めたら頭がおかしくなったと感じます。でも周りから見たらそれを主張するあなたがおかしいのです。
私は彼や彼女を知っているけど、彼や彼女は私を知らない。
人間は人生の中で無数の選択を迫られますがそれはある意味無意識です。
でも彼はどうなるか知りながら選択し、切り捨てなければなりません。
ジルベール・ジルベルトは彼ではないのですから。
これプロローグなので0:00に1話投稿しますが、基本1日1話18:00に投稿予定です。
新規追加エピソード(ジルベルトワールド関連)
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白鳥さんから見た本編
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蛇足の蛇足(結婚式)
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蛇足の蛇足(失恋慰め回)
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蛇足(水面下の争奪戦)
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ところで真ルートは?