こんな分岐は嫌だ ~ BALDR SKY短編集~   作:水城悠理

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この物語はスーパージルベルトワールドの後日談、つまりノイEND後となります。

また、arcadia版から話の順序が入れ替わっております。内容的には特に追加の変化はございません。

つまりここからはいつも通り(ギャグコメ)だ


原題 とある電子の超技術


スーパージルベルトワールドafterstory
afterstory1 魂の在り方前編


ミックスジュースは混ざると元に戻せない。

 

某ファンタジーラノベの金字塔のキメラにされた青年も結局元に戻っていない。

 

だが某人類が全て境界を失った世界、どうやら元に戻るらしい。そういえば、また劇場版作るとか言ってたが、チャレンジャーかな?

 

脳内の意味のない自問自答はさて置き、混ざった電子体というのはどうなのだろうか。

 

「要素としては理解してるんですけどね。劣化コピーというか人形を作ることができるならオリジナルが存在しても問題ない」

 

佐藤弘光の見解からすると不可能なのだが、理論としては可能である。もっとも抽出するというのがかなりイメージ的であるという問題はあるので、より具体的に知る人を用意すればいい。これが某7つの球を集める話なら、「魂をこちらに呼んでくれ」→「生き返して」で済むのだが。

 

「それで、私が被験者になるわけか」

 

「NPC制作ができたのなら概念的にもできるはずですし、『彼』も理論的にはできるといいました」

 

レインの父親であり、とある事件で妻を失った桐島准将(この間昇進)に俺は伝える。

 

不可逆的なものを再生するというのは困難なのだが、バルドル内における佐藤弘光は人でありながら高次元の立場として、現世に干渉できる存在であるらしい。

 

場合によっては多次元解釈で、生存している桐島エイダのから要素をコピーし、こちらで揺らぎを発生させてサムチェックをクリアすればいいらしい。

 

らしいの繰り返しではあるのだが、感覚的にはここならできそうと思うので多分できるのだろう。

 

余談だが、そのらしいを後押ししてくれている「彼」に関しては「意見交換」を行ってみれば何てことない知的生命体である。その辺の軸が他者とは違う自分としては使えるなら問題ないのだ。

 

「では、検証を開始します。初めてあったのは」

 

「8歳の頃だ」

 

「その時の印象は・・・」

 

「君はそれを聞くのかね。ここには橘社長も居るんだぞ」

 

「あら、別に他人の惚気なんて八重さんと永二さんで聞き飽きたわ。そうそう、私の甥の甲さんも最近は」

 

「すみません、イメージに余計なの混じるんで」

 

シスコンかつ甥をバカ可愛がりする橘社長を抑えながらデータを再構築していく。

 

ちなみに人物というのは主観と客観的評価によって異なり、今回は客観的評価によって電子体を再構築するという前代未聞の実験をしている。もっとも俺がやっているのは桐島エイダという欠片が埋まっている砂場に桐島勲という磁石を垂らしてかき集めていることである。電子体の定義については脳内チップという核によって構築されていたというのが定説だったのだが、現代では、脳内チップが焼き切れてもすぐに死ぬことはないとされている。極論で述べれば、ネット上に電子体が散逸しない方法さえ確立してしまえばいいというのが、研究者の見解であり、橘社長の提案する方舟計画の骨子でもあった。

 

ちなみに自分は桐島エイダさんを写真でも見ていない。見てしまうと、状況によっては未来の、それも自分が知らない桐島レインを呼び出してしまう可能性もあるからだ。

 

「八重さん、姉さんは無理なのよね?」

 

「彼女の場合は自分の意志で消去しています。残念ですが不可能です」

 

門倉八重という人物は、世界、いや、自分の大切な人を救うために自分の電子体を消滅させた。見えない形で保管されているのと、完全消滅させたのでは意味合いが違うことは権威者である彼女が分からないはずがない。

 

結局サルベージできたのは彼女の最後の記憶だけで、これは後々門倉家に渡すことになるのだろう。

 

 

スーパージルベルトワールド

afterstory1

魂の在り方前編

 

 

その時俺は目を閉じて視覚を遮断していたわけだが気が付けば、桐島准将と、妹魂さん以外にもう一人いた。

 

「・・・エイダ」

 

レインがもう少し大きくなればこんな感じになるであろう女性、年の頃は20代後半だろうか。

 

「あなた?」

 

電子体の再生は亡くなった時点だったので、多少年の差はあるものの、似合いと言えば似合いだろう。ただ、いい歳した大人達が長時間見つめ合うのは時間の無駄なので話を進めることにした。

 

「すみません、桐島エイダさんで間違いありませんか」

 

「多分、そうだと思います。えっとあなたは? 私はドミニオンに捕まって・・・」

 

「ジルベルトです。お嬢さんとはそれなりに親しくさせてもらっています」

 

「あのレインがあなたくらいの人と親しいということは5年以上経過したのね・・・レインはちゃんと育ってるのかしら。あの子ニンジンが苦手なの。克服できてるといいんだけど」

 

克服というか、つい最近まで料理がある意味壊滅的でした、というのは少なくとも俺の役目ではないので夫であり父親である桐島准将に目で訴えるが、あろうことか逸らしやがった。

 

「ま、まあ、色々と話したいことはあるのですが、今から全員をここから専用の区画に移動します。橘社長」

 

橘社長は頷き、彼女を凍結した状態でバルドル空間からアークで構築中の仮想都市に転送した。

 

「へえ・・・流石はアークインダストリーが制作中の仮想都市。ここまで感覚がリアルだと現実と大差ないな」

 

「そうね・・・エイダさんは、こちらで用意した屋敷で暮らしてもらいます。そこで色々チェックをして・・・こっちは三ヶ月程度を予定しているけど、勲さんの方は?」

 

「ジルベルト君からの提案ということで4ヶ月で回ってくる。その後、リハビリとかあるので日常生活を送れるのは一年後だな」

 

宇宙ステーションとアセンブラ研究ほどではないが、電子体と肉体の因果関係を知るという点ではこの計画も貴重であった。といっても俺が関わるのは鳳翔の卒業くらいまでだが。

 

「ところでご夫妻で決めて欲しいのですが。リアルで会いますか? ネットで先に会いますか?」

 

誰にとは言わない。これは佐藤弘光から頑張り屋の彼女に対するプレゼント代わりだ。

 

「なるべく早く出られるようにがんばるわ。レインだってそれくらい待ってくれると思うし」

 

「そうですか? なら、この一件はお嬢さんに知られないように気を付けてください」

 

サプライズすぎて腰抜かさなきゃいいなとその時は思ったのだが・・・某宗教の創始者だって3日で生き返ったぽいし多目に見てくれるだろう。そう思ったとき、脳裏に危険な考えが浮かんだのだが、敢えて無視した。

 

プログラマーがプログラムに干渉するように上位存在は下位存在に干渉できる。宗教の奇跡って基本的にテコ入れであることが容易に想像できた。特に海を割る奇跡とかやらかした話はマッチポンプもいいとこだし。まあ、世界が神の夢であっても全然構わないのであるが、なるべく死んだ後に目覚めて欲しいところだ。

 

「あなた、キレイな顔なのに眉間にシワを寄せる癖は良くないわよ」

 

「気をつけます」

 

間違いなく美人の彼女にドキマギしつつ当たり障りのない返答を返す。まあ、正統派美人というのはいいものでだと思うし、桐島さんってこんな美人さんが幼なじみとかどれだけ勝ち組だよと突っ込みたくなる。

 

俺にとって家族は遺伝子の提供者に過ぎなかったのだが、ああいうのを見ると家族というのもいいように思えた。

 

「エイダさんには、父娘ともども色々と話してもらいたいですね」

 

「あなたが私たち家族にとってどんな存在なのかも聞きたいわ」

 

「俺なんか通行者あるいは学生Aでいいですよ」

 

レインに関してはこれ以上俺に依存されても困るし、失敗しないようにがんばってもらいたいところである。

 

 




アフターストーリーはじめました。佐藤さんのチートのやばさはこっち側の分野です。
だから、普段は万能の人モードでなんでも解決できないように不具合で制限しているのですが

以下arcadia版読んでいる人用の解説

灰色のクリスマスにならなかった世界

afterstory1(レイン)

afterstory2(クリス)

afterstory3(クリス)

バレンタイン(そんなものはない。ないはず)

afterstory4(真)

afterstory5(レイン)

この順番としました。
オープニングのこれがすごく短いので21:00に予約投稿しています。

新規追加エピソード(ジルベルトワールド関連)

  • 白鳥さんから見た本編
  • 蛇足の蛇足(結婚式)
  • 蛇足の蛇足(失恋慰め回)
  • 蛇足(水面下の争奪戦)
  • ところで真ルートは?
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