「はあ...はぁ....」
私は走っている。重い銃を担いで。逃げるために。生き延びるために。
辺りは激しい爆発の音と乾いた銃声の音。そしてやり場のない悲しみや憎しみのこもったら叫び声が響いていた。しかしそれらをかきけしてしまいそうなほど大きい音で鳴っているのが金属の巨人が放つ自分達のしていることを正当化するような演説だった。
私が廃墟の角を曲がったとき、パンパンパンという3発の銃声が鳴り響いた。敵軍が近づいてきている証拠だ。
「早く逃げなきゃ」
私は駆け出そうとする。だが、思うように足が動かない。力が入らず、私はその場に倒れこむ。
地面に倒れた私は奇妙な脱力感に襲われる。寒い。真っ暗で何も見えない。苦しい。まだ死ねない、そう思い私は手を伸ばす。私は何のために産まれたの?教えてよお母さん。私は意識を失った。意識を失う前の朦朧とした意識のなかで私は思った。
この世界に私たちの思うような神はいない。いるのは欲望にまみれた薄汚い悪魔達だ…
何かを掴もうと伸ばした少女の手は地面にパタリと音をたて落ちていった。
『人類よ。そして人類に味方をする者よ。これは聖戦だ。我が軍が幻想郷をまとめ上げ、再び平和を手に入れる為の名誉ある戦いである!』
#1介入
妖怪の存在が否定されてきた近年、妖怪達は消滅の危機に陥った。
事態を重く見た八雲紫が計画の末、博麗大結界という結界によって完全に外と隔離することに成功した空間、幻想郷を作り上げた。
だが、宗教観や種族の違いから、幻想郷は大きく4つの国家群に集約された。
博麗神社や人里を中心とした博麗大連合。
守矢、河童、天狗を中心とした人妖革新連盟。
八雲紫や冥界、地底による中立派。
そして、新西洋共同体。
最悪の場合、幻想郷が崩壊する危うい状況の中でも、各国家軍は、己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサムゲームを続けていた。
そう。未だに幻想郷は一つになれていないのである。
そして河童達によるモビルスーツの開発成功により、事態は大きく変化していく…
人里支部博麗神社
「霊夢さま!大変です!」
一人の男が慌てて建物に駆け込んでくる。手には一枚の紙が握られていた。
「何よこんなに朝早く。」
「これを!」
眠そうな声で境内に出てきた霊夢に対し、男は紙を差し出した。
「どれどれ…って!?人妖革新のモビルスーツ隊がこっちに来てる!?嘘でしょ?」
「今朝、偵察部隊からの連絡があり、モビルスーツの隊の動きがあったそうです。早ければ後20分程で戦闘開始になるかと。」
「わかったわ。すぐに慧音と妹紅に連絡を入れて頂戴」
人里防衛軍司令部
「妹紅!霊夢から連絡が入りました!どうやらモビルスーツがこっちへ向かって来ているみたいです。早ければあと数分で…」
慧音は慌てた様子で妹紅に駆け寄った。
「はぁ!?あと数分でどうやって対処すれって言うんだ!」
「落ち着いて妹紅。もちろん人里を落とされる訳にも行かないけれど、倒すことは恐らく不可能。あくまでも今回は防衛戦です。」
「…モビルワーカー隊を出せ。戦闘準備だ!」
地球
ELSとの闘いから50年が経過。いよいよ「外宇宙」へと人類が旅に出る段階を迎えていた。
ELSと同化した刹那•F•セイエイは対話を終え、穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、刹那の元にある一人の人物が現れる
『あなたが刹那•F•セイエイね。少しお時間を頂けません?』
何処からともなく聞こえてくる女の声。脳粒子波によるテレパシーである。
「誰だ。脳粒子波を通じて話しかけてくるお前は?」
刹那が声の主に対して返事を返した時、目の前に空間の裂け目が生まれ、中から無数の目のようなものと共に、一人の女が出てきた。
「失礼。会って話した方が良さそうね。私は八雲紫。単刀直入に言うわ。刹那•F•セイエイ、あなたの力を貸して欲しいの」
人里
慧音は攻めてくるモビルスーツ隊に対して、モビルワーカー隊の指揮を取っていた。
「1番隊は各ポイントについて!2番隊は人里の周りに結界を!3番隊はトラップ付近で待機!」
慧音は無線通信で各部隊への指示を出したあと、能力を発動させた。
「これで人里があったという歴史は隠せたはず。後は…」
慧音が次の行動に移ろうとした時、1番隊から連絡が入った。
『ポイント2から敵モビルスーツ隊を確認!直ちに行動っウアアアア!』
「どうした!応答せよ!2番機!応答を!」
何度慧音が応答を求めても、返答は無かった。更に事態は思わぬ方向へと変化してゆく。
『1番隊ポイント3から敵モビルスーツ隊を確認!どうやら人里へ向かっているようです!』
「人里へ!?馬鹿な!能力は効いてるはず!」
『敵モビルスーツ隊が人里の破壊行動を始めました!直ちに戦闘を開始します!』
慧音は無線を切り、考え込む。
(私の能力はしっかりと機能しているはず。となると…)
「慧音!一体どうなってる!?お前の能力が効いてないのはどういう事だ!」
妹紅は司令室に入り、慧音の机に手を叩きつけ叫んだ。
「このままでは滅亡だぞ!」
「落ち着いて。これはあくまで私の仮説ですけど、モビルスーツには能力が効かない可能性が有ります。」
慧音は深く考えた様子で妹紅に考えを述べた。それに対し妹紅は、
「わかった。私が出る」
「私の話を聞いていました?もし私の仮説が本当なら死んでしまうかも知れませんよ!」
「モビルスーツを食い止めるには弾幕を使える私が行くべきだ!こうしている間にも人は死ぬ!」
「それでも!」
慧音が再び反論しようとした時、無線通信が入った。
『慧…ザザ所属ザザ…モビルザザ…』
「何だって?聞こえないぞ」
慧音が無線機に応答している時、妹紅はある物を発見していた。
「何だ…あれは」
妹紅は装備一式を背負い、司令室から飛び出していった。
それに気づいた慧音は手元の双眼鏡を目に当てた。
「あれは…モビルスーツ?」
空中
刹那•F•セイエイはガンダムエクシアに乗り紛争地帯へ急行していた。
「モビルスーツを確認。刹那•F•セイエイ!目標を駆逐する!」