よろしくお願いします!
筆記試験は無事に終わり、現在私は実技試験の説明会場にいる。いやぁ、こうして受験生全員が集まると圧巻の光景だ。
お、実技試験の説明はボイスヒーロー、プレゼント・マイクみたいだ。時間があれば彼のやっているラジオを聴いてるが割と楽しい。
『今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!』
本来なら「Yokosoー」と言いたいところだが恥ずかしいのでやらない。心の中で言っておくことにする。
『コイツぁシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?YEAHH!!!!!』
うーん、静か。ちょっとプレゼント・マイクが内心しょぼんとしてそうな気もしてならない。だけど流石にちょっと恥ずかしいのでやっぱり反応はしません。
『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!』
ふむふむ、それに持ち込みは自由と。まぁ、私は持ち込むものなんてないですけどもね...。
『演習場には"仮想敵"を三種、多数配置してありそれぞれの攻略難易度に応じてポイントを振り分けてある!!各々なりの"個性"で仮想敵を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達の目的だ!もちろん、他人への攻撃等のアンチヒーローな行為はご法度だぜ!!』
ん?今、3種って言わなかった?
私が内心そこに反応したのと同タイミングで誰かがプレゼント・マイクに質問を投げる。
「このプリントには4種の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は、規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!
ついでにそこの縮れ毛の君!先程からボソボソと気が散る!物見遊山のつもりなら即刻ここから去りたまえ!」
質問者の指さす方向をよーく見ると、言われていたのは出久くんだった。身長も伸びて顔つきも男の子になって色々変わってたけど一目でわかった。出久くんのことを考えているとプレゼント・マイクが先程の質問に対して回答していた。
『オーケー、オーケー。受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!
4種目の敵はいわばお邪魔虫!スーパーマ〇オブラザーズってやったことあるか?アレのドッスンみたいなもんさ!各会場に一体!所狭しと大暴れしている「ギミック」よ!』
質問者君改め、受験番号7111君は質問の回答を聞き納得したようで頭を下げたのち着席した。
さっきの内容も含めると、この試験は、基本的に0Pのお邪魔虫は避けて1〜3Pの仮想敵を行動不能にすれば良いと。なるほど、なるほど。
『俺からは以上だ!!最後にリスナーへ、我が"校訓"をプレゼントしよう!
かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!
それでは皆、良い受難を!!』
というわけで入試要項の説明が終わり、メガネを外しジャージに着替えると私はバスに乗り市街地演習場Gにやってきた。辺りを見渡したが出久くんは別の演習場のようだ。
とりあえず前もって個性を発動して、いつでも動けるようにしとこう。
私が個性を発動すると周囲の人は突然の事にちょっと驚いていた。まぁ、いきなり角生えて目と髪の色が変わったら驚くよね。
『ハイ、スタート!』
そらきた!準備しててよかった!
私はそれを聞いた瞬間、誰よりも先に演習場の中に飛び込む。
プレゼント・マイクが出遅れた他の受験生になにか言ってたけど無視無視。さっさと倒しちゃおう。
演習場へ入ると早速、3P敵が現れたので補足される前にカカト落としを叩き込むとぺしゃんこに潰れた。うん、脆い。後ろから黒髪の少年が『なんだよあのパワー!?とんでもねぇな...』と言う声が聞こえたが、こんなのまだ全力じゃないよ。
その後も、目の届く範囲でだが、危険な目に遭いそうな受験生を助けながら仮想敵を破壊していく。倒した仮想敵カウントしてるけど、今のところは43Pで残り時間はあと3分。巻き返される可能性があるしもっと倒しておこう。
そう考えていると突如、近くの建物が倒壊する音が聞こえた。ビルをも越える大きさのロボットが現れた。あぁ、アレが0P敵か。
0P敵が現れた瞬間、私の周りにいた受験生は一目散に逃げていく。だが、個性で強化された視力はロボットのせいで崩れた瓦礫に腕と足を挟んだオレンジ色のサイドテールの少女を捉えた。
「まずい、救出しないと」
私が救出のために0P敵の方向に走ると、先程の黒髪の少年が話しかけてくる。
「おい!どっちに向かって走ってんだ!」
「向こうに足挟んだ子がいるの、早く助けないと踏み潰される!」
それを聞いた少年は自身の拳を手のひらに打ち付ける。
「そういう事か。なら、俺も手伝う。俺の個性は『硬化』、名前の通り体がガッチガチに硬くなる個性だ」
「それなら、あなたはあの子を助け出してもらっていい?私はあの0Pを足止め.......いや、足止めじゃないや、完璧にぶっ壊す」
「お前の個性は見たとこパワーはとんでもねぇみてぇだし、適材適所ってやつだな。わかった、救助は任せてくれ」
「よし、作戦開始!」
掛け声と同時に黒髪の彼はサイドテールの子に向かって走り出し、私は全力で大ジャンプをしてビルの屋上へ行き、ビルの屋上を足場にまた大ジャンプをすることで0P敵の眼前にまで到着した。
「こんの鉄クズが....ぶっ潰れろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
私は、真正面から顔面を左手で全力で殴りつけ、その勢いを利用して上から右手で全力で殴る。正面から殴られた0P敵の顔面の装甲は陥没し、上から殴りつけられたことで頭と首が胴体にめり込み、0P敵の全身の各部分が爆発を起こす。
殴った際に腕にヒビが入った音がしたけど、着地する頃には治ってるでしょう。
「よし、作戦終了」
『試験!終了ーーー!!!!!』
落下中、試験会場全体にプレゼント・マイクの声が響く。試験は終わっちゃったか...。
そのまま地面に着地すると着地点にクレーターみたいなのができたが周囲に誰もいないし問題は無いだろう。着地して、腕が治ってるのを確認すると私は個性解除する。
「おーい!!!大丈夫かー!」
おっと、この声は黒髪君か。
「はいはい、ここにいるよー」
「よかった、無事だったか。にしてもマジでぶっ壊したんだな...。うっわ、頭と首がえらいことになってら...」
「もっと鍛えればよかったなぁ...多分もっと鍛えてれば一撃で粉砕できた気もするんだよね」
「あれ?てか、髪と目の色さっきと違くねぇか?角もねぇし」
「あぁ、言い忘れてたね。私の個性は『鬼化』。名前の通り鬼になる個性だよ。鬼になるにあたって、身体能力とか、その他もろもろが強化されるの。解除したから、今は角もないし、髪と目の色も違うの」
「なるほどなぁ...」
雄英の入試試験から1週間が経った頃。
「朱音ー!雄英から合否通知届いたよ!」
「やっと来た...!」
私は、自分の部屋で合否通知を開封する。すると中には小型の機械と、折り畳まれた紙が入っていた。
なにこの機械と、思っていると私の部屋の壁に映像が投影された。
『私がぁ、投影されたぁ!』
「オールマイト!?」
なんで雄英の合否通知にオールマイトが!?あ、雄英の教師として赴任したのか!
『鬼藤朱音くん。筆記も、実技も問題ない!文句無しの合格だ!!』
うっし、合格!!
『今回、実技試験で見ていたのは敵ポイントだけにあらず!ヒーローってのは命懸けで綺麗事を実践するお仕事だ!そこで、レスキューポイント!しかもこれは審査制!
鬼藤朱音、33P!合計76ポイント!!!ヒーロー科、次席合格だ!!!』
私がまさかの次席合格!?マジで!?
『来いよ、鬼藤少女。ここが君のヒーローアカデミアだ!』
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