鬼の少女のヒーローアカデミア   作:不知火 秋

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更新が遅くなり申し訳ございません。最近VとAPEXにハマりすっかり更新が頭からすっぽ抜けてました...。



では、第3話目どうぞ!


体力テスト

四月、季節は春。雄英高校に無事に合格した私は、1-Aに所属することになった。

 

 

 

そして現在、私は1-Aのドアの前にいた。

というか、扉でかっ...。バリアフリーにしてはデカすぎないかな!?

 

 

そんなこんなは置いといて、ドアを開けると早速話しかけられた。

 

 

 

「お、実技試験の!」

 

開けると直ぐに赤い髪が逆立った少年が話しかけてきた。

はて?私にこんな髪色と髪型した知り合いがいたっけ?

 

いや待て?この声は...。

 

 

「あ、キミ。実技試験の『硬化』君?」

 

「おう!あの時自己紹介し忘れてすまねぇ!俺は切島鋭児郎だ、よろしくな!」

 

おぉ、髪を染めて髪型もキメたのか。いわゆる高校デビューってやつだね。おっと、こちらも自己紹介しないと。

 

 

「私は、鬼藤朱音。よろしくね」

 

 

こうしてあの時出来なかった自己紹介を終えると、私は自分の席に着く。まだ生徒は半分も来てないね。さてさて、どんな人達が来るのやら。

 

 

 

 

 

入学式の時間が近づくにつれ、クラスメイト達が教室にやってきた。とりあえず私は、やってくるクラスメイトに近づきみんなに自己紹介をして回る。やってくるクラスメイトの中には、受験番号7111君がいた。彼も合格してたのか。

彼は自分の席に荷物を置くと、教室内にいた。机に足を乗っけたガラの悪い生徒に向かって抗議をしだした。

 

 

 

それから数分後、未だに抗議は続いていた。

そんな中、またドアが開かれる。そこには髪が緑がかったくせ毛で目の下にそばかすのある少年がいた。

というか、出久くんだった。

 

出久くんも合格したんだね。いやぁ、出久くんとクラスメイトになれるなんて嬉しいなぁ...。出久くんを見るのは11年振りだよ...。

 

 

受験番号7111君もとい、飯田天哉君は出久くんに気づくとそちらの方に向かった。

 

 

 

「おはよう!俺は聡明中学の.....」

 

「き、聞いてたよ!僕、緑谷...よろしく飯田くん!」

 

「君はあの実技試験の構造に気づいていたのだな....」

 

「え?」

 

「俺は気づけなかった...君を見謝っていたよ.....!悔しいが、君の方が上手だったようだ...!」

 

あぁ、レスキューポイントの事か...。出久くんのあの顔的にも多分合格の時に言われたんだろうなぁ...。

 

 

その後、出久くんの後ろからまた新しい女子のクラスメイトがやって来る。彼女が出久くんとちょっと話していると、彼女の後ろに寝袋に入った男性が現れた。

 

 

「お友達ごっこしたいなら他所へいけ...ここはヒーロー科だぞ...」

 

そう言うと寝袋のチャックが少し開き、手をひょこっと出す。その手には某10秒チャージゼリーがあり、それを飲み干す。寝袋の人は飲み干すと、寝袋のまま立ち上がり、寝袋から出てくる。

寝袋のまま立ち上がるとか器用だな...。

 

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね」

 

それにしても、くたびれてるなぁ....。

 

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

あ、担任なんだ...。

相澤先生は寝袋を漁り、中からジャージを取り出す。

 

 

「早速だが、体操着コレ着てグラウンドに出ろ」

 

一体何やるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドに出ると、その内容が伝えられた。

 

 

『個性把握テスト!?』

 

 

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

あ、さっき出久くんと話してた子が私の言いたいこと言ってくれた。ラッキー。

 

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句、それは先生側もまた然り」

 

なるほど。それなら、納得。

 

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?計8つの"個性"使用禁止の体力テスト。

国は未だ、画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ。

確か、実技入試成績のトップは爆豪だったな。中学の時、ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「67m」

 

おー爆豪君って、私並に投げるねぇ。

 

 

「んじゃ、個性使って投げてみろ、円から出なければ何してもいい。早よ、思いっきりな」

 

 

それを聞いた爆豪君は、投球のフォームを取るとボールを投げる。投げる瞬間に爆風が起こり、その爆風に乗ったボールは遠くへ飛んでいく。投げた時の爆風はこちらまで届きちょっとビックリ。

というか、投げる時に『死ねぇ!』はどうかと思うよ、爆豪君。

 

 

「まず、自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

相澤先生の持つ端末には705.2mとあった。飛んだねぇ。

それを見た生徒達は爆豪君の記録がすげぇだの、面白そうだの言っていた。

そのうち、「面白そう」という言葉に相澤先生は、ピクリと反応を示した。

 

 

「面白そう...か。ヒーローになるまでの3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?

よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

 

『はぁぁぁぁぁぁ!!!??』

 

クラスのみんなから叫びが聞こえる。初日から除籍処分だなんて聞いたらそりゃそうなるよ!

てゆうか、あの顔と目はマジだよ!あの人マジで除籍する気満々だよ!!ウソって言っても私だけは信じないからな!

 

 

「生徒の移管は、俺たち先生の自由...!ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

これが雄英高校ヒーロー科...。

 

 

 

「最下位除籍って、入学初日ですよ!?初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

先程、出久くんの次に教室に入ってきた女子生徒が言う。確かに理不尽だとは思う。

 

 

「自然災害、大事故、身勝手な敵たち、いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。

放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。

"Plusさらに Ultra向こうへ"さ。全力で乗り越えて来い」

 

 

 

全力でこの体力テストにぶつかろう。ヒーローへの第1歩だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

第1種目50m走──────

 

 

 

 

『位置について.....よーい』

 

事前に鬼化して、私はクラウチングスタートの体勢をとる。

 

 

『ドン!』

 

スタートの合図とともに、スターティングブロックを思いっきり蹴り、飛び出す。足元から、嫌な音が鳴ったが気にせずにゴールまで全力で走り、ゴールを切る。

 

 

『4秒14』

 

 

割といいタイムが出たのではないだろうか。

そう思っていると後ろがザワザワしていたので振り返ると、私が蹴ったスターティングブロックが次の人が使えないレベルで壊れてしまっていたようだ。

 

 

 

「え、えっと、相澤先生。スターティングブロック壊してしまいました...ごめんなさい....」

 

「50m走はお前で最後だ、次に走るヤツはいない。後でこっちの方で直しとくから気にするな」

 

「は、はい...」

 

 

 

 

 

第2種目握力─────

 

 

個性を発動して握力計を全力で握る。すると『ピピッ』と音がする。測定が完了したようだ。

確認してみるか....。おっ、結構出たね。

 

 

「鬼藤ー!握力どうだったー?」

 

私同様、測り終えた切島君がやってきた。

 

 

「こんな感じかな」

 

切島君に握力計を手渡す。すると切島君は驚いた表情をした。

 

 

「あ、握力600kg超えてるじゃねぇか!?」

 

切島君が大声を出すと、それを聞いたクラスメイトがやってくる。

 

 

「すげぇな!障子も540kgだったけど、それ超えるってゴリラか!?」

 

「え?マジで!?....うわマジで600超えてるじゃんか!ゴリラなの!?」

 

 

ゴリラとは失礼な。

 

 

「瀬呂くん、峰田くん。私は気にしないけど女子にはなるべくゴリラ発言はやめようね?」

 

「「は、ハイ....ワカリマシタ....」」

 

 

 

 

ちょっと微笑みながら言うが、何故か瀬呂君と峰田君は顔を青くしてカタカタ震えていた。なんでだろ?笑っただけなんだけどなぁ。

 

 

やべぇよ、目が全く笑ってなかったぞ!?殺されるかと思ったわ!

 

あの笑顔マジで怖ぇよ...笑顔なのに圧がヤベぇよ....

 

いや、あれは流石にお前らの自業自得だろ...。女子にゴリラ発言はねぇよ...

 

 

なんかコソコソ話してるけど気にしないでおこう。

そんなことを考えていると、私は視界の隅に出久くんを捉えた。今から握力を測定するようで、まさに力を入れようとしたタイミングで私は出久くんの顔が一瞬何かに怯えたように見えた。

 

 

 

 

「出久くん。大丈夫?」

 

「わひっ!?あ、えっと.....。あ!その角に赤い目、朱色の髪の毛...まさか鬼藤さん!?」

 

......"鬼藤さん"?昔みたいに朱音ちゃんって呼んでくれないの?

 

 

「朱音ちゃん」

 

「えっ!?鬼「朱音ちゃん」....朱音ちゃん?」

 

うんうん。分かってくれたようでよかった。

 

 

「うん。鬼藤朱音だよ。11年ぶりだね出久くん」

 

出久くんはまさか会えると思っていなかったのか驚いた表情をしていた。

 

 

「久しぶり...だね」

 

突然で悪いけど、出久くんの個性って使ったら大きなデメリットでもあるの?

 

耳打ちで出久くんに聞くと、なぜわかったと言わんばかりの顔をした。わかりやすいなぁ。

 

 

だって、握力計を握った時の顔を見ちゃってね....ちょっと心配になったんだ...

 

「だ、大丈夫だよ...」

 

「出久くんがそう言うならいいけど...。体力テスト、お互いに頑張ろうね!」

 

「う、うん。頑張ろう...!」

 

 

 

 

 

 

その後も私は"個性"を活かして体力テストをこなしていき、次は第5種目ボール投げ。

私の前にボールを投げたのはさっき出久くんと話していた子(確か、麗日お茶子さん)で、∞という記録を叩き出した。あのボールは一体どこまで行ったのやら....。

さぁ、気を取り直してと。次は私の番だ。

 

 

 

 

円内に入り、大きく振りかぶって

 

「ぶっ飛べぇ!!」

 

 

円から出ないように掛け声と共に全力でぶん投げる。

投げたボールは爆豪君の時のような爆風は起こらないものの、似たような挙動で空に飛んでゆく。

少しすると相澤先生の持つ端末から通知が鳴り、結果が発表された。

 

『680.5m』

 

くっそー。爆豪君に負けたなぁ...。記録抜きたかった...!

ちなみに次の記録もほぼ同じだった。うーん、残念。

 

 

 

 

次は出久くんの番。だが出久くんは握力測定後の測定も大記録らしい記録を出しておらず、握力測定の時よりも顔色が悪くなっている。

 

 

何か覚悟を決めたような顔をした出久くんは、助走をつけて投げた。が、記録は46メートル。

ボールを投げた右手を見て絶望のような表情を浮かべていた。

 

「な.....い、今確かに使おうって.....」

 

 

やっぱり出久くんの個性が気になる。

発動に際し、何かを恐れて覚悟を決めて使うような個性...。本来4歳くらいから発現する個性を少なくても10年近く使って生活しているのだから、基本的に自分の思うように使えるようになっているはずだ。だというのに、出久くんは恐れて覚悟を決めていた。

つまり行動不能になるとか、何かしらの危険性がある個性なのだろう。

 

 

そんなことを考えていると、相澤先生が出久くんに向かって言う。

 

 

「"個性"を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ...。お前のようなやつでも入学出来てしまう」

 

相澤先生は首に巻いていた包帯のようなものを解き出久くんを睨む。解けていく包帯のようなものの隙間からはゴーグルが見える。

個性を消した...そして、あのゴーグル...。そうか!相澤先生は相手を視ただけで人の"個性"を抹消する"個性"

 

 

「「抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッド!!」」

 

相澤先生の正体についてクラスがザワついている中、相澤先生は口を開く。

 

 

「見たとこ、個性を制御できてないんだろ?また行動不能になって誰かに助けてもらうつもりだったか?」

 

やっぱり、行動不能になるタイプの個性だったんだ...。

 

 

内容は上手く聞こえなかったが出久くんは相澤先生に何かしらの指導を受け、ボールを受け取る。

 

 

 

出久くんは円内に入り、先程と同じモーションで振りかぶる。だが、先ほどよりも手から離れるタイミングが違っていた。ボールが手から少しずつ離れていき、ボールが人差し指から離れようとしたタイミングで

 

 

「SMASH!!!」

 

出久くんは叫びながらボールをぶっ飛ばす。彼の手から放たれたボールは、私や爆豪くんのような軌道を描いて飛んでゆく。

 

ピピッと端末が鳴り、画面を見た相澤先生は、目を軽く見開く。

 

 

 

「あの痛み...程じゃない!!!先生...!まだ....動けます!」

 

ボールを投げた後の出久くんの指は腫れ上がっていた。

見た感じ、超パワーと引き換えに自身の身体を破壊する"個性"かな。決めつけはあまり良くないが、これで確定だとするのであれば(出久くんの身体の無事的に)危険な個性だ。

 

 

「コイツ....!」

 

なんかすっごいいい笑顔してるんだけど...。

 

 

そんなワンシーンを見ていると、いきなり爆豪くんが手のひらを爆破させながら出久くんに向かって突撃する。

マズイ、このままだと出久くんが爆破される。そう思った私は爆豪くんに速攻で近づき羽交い締めにする。

 

 

「テメェ!離せや!」

 

「いや、いきなり出久くんに攻撃加えようとしてたよね!?誰だって止めるよ!」

 

爆豪くんは私に爆破を浴びせつつバタバタ暴れて抜けようとするが、全く拘束から抜け出せない。完全にキメてもいいけど、あんまやりすぎると肩粉砕しちゃうから大変なんだよね...。

 

そんなことを考えていた次の瞬間、私と爆豪くんの僅かな隙間に謎の布が入り、爆豪くんが捕縛された。

 

 

「よーし。鬼藤もう離していいぞ」

 

「了解です」

 

私が離れた後、爆豪くんは個性や自身の力を使って布を引きちぎろうとするが個性も出ないし布も引きちぎれない。

 

 

「んだこの布...固っ...!」

 

「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ『捕縛武器』だ。ったく、何度も"個性"を使わすなよ...

俺はドライアイなんだ」

 

 

うっわ、個性すごいのにもったいないなぁ....。

 

 

その後他の人もボール投げを終え、そこそこの成績を出しつつ全種目が終了。

相澤先生が言うに、面倒なので一括開示らしい。確かに一人一人言ってくのは時間もったいないもんね。

 

 

「あ、ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

相澤先生はハッと笑いながら言い放つ。おいコラ、それこそウソでしょうが。見込みなくてダメそうな人はガチで落とす気だったクセに。

あ、ちなみに私は4位でした。やったね。

 

 

「「「「はぁーーーーー!!!!??」」」」

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない....ちょっと考えればわかりますわ....」

 

残念ながら、アレは本気でやるつもりだったと伝えたかったが自信満々に言っていたので、多分面倒な事になると思った私は黙っておいた。知らぬが仏ってね。

 

 

 

 

 

時は流れて下校時間。

私は漫画の表現なら『どへ〜』という効果音がなってそうな状態の出久くんと、そんな出久くんに話しかけようとしていた飯田くんを発見した。

 

 

 

「出久くん、指大丈夫?」

 

「わっ!?朱音ちゃん!?う、うん。リカバリーガールのおかげでなんとか...。あれ?朱音ちゃんって眼鏡かけてたっけ?」

 

「あぁ、これ?これ伊達眼鏡だよ。個性使う時だけ外すようにしてるの。それに勉強する時これつけてると集中しやすいし」

 

「眼鏡似合ってるよ、朱音ちゃん」

 

「ふふっ、ありがとう出久くん」

 

 

(個人的に)幸せな会話をしていると、飯田くんは私が出久くんに下の名前で呼ばれてるのを聞くと『むっ?』と言いたそうな顔をしたが、突っ込む気は無いようだ。

 

 

「それにしても、相澤先生にはやれたよ。俺は『これが最高峰!』と思ってしまった!教師がウソで鼓舞をするとは....」

 

まぁ、飯田くんには言っていいかな?真面目なだけだろうし。

 

 

「あー、飯田くん。多分だけど相澤先生はホントに落とす気だったと思う」

 

「なっ!?それは本当かい!?」

 

「うん、見込みのなさそうな人は容赦なく落とす気だったと思うよ。本人も言ってたけど、『生徒の如何は先生の"自由"』らしいからね」

 

「それがホントなら危なかった...ホントに通過出来て良かった....」

 

出久くんは、軽くプルプル震えながら言う。まぁ、あの結果だもんね...そりゃ、そうなるよね...。

 

 

「おーい!お三方ー!駅まで?待ってー!」

 

おっ、あの人は確か麗日さんだったね。

 

 

「君は∞女子」

 

いや、∞女子て...ド直球だな...。

 

 

「麗日お茶子です!飯田天哉くんに、鬼藤朱音ちゃんに緑谷...デクくん!だよね!」

 

「デク!?」

 

「あー...麗日さん。出久くんの名前は『緑谷出久』だよ....」

 

「デクはかっちゃんがバカにして...」

 

「いわゆる蔑称ってやつだね」

 

「そうなんだ!ごめん!!でも、『デク』って...『頑張れ!!』って感じでなんか好きだ私」

 

「デクです」

 

「「緑谷くん!!(出久くん!?)」」

 

それでいいの!?いや、出久くんがいいなら私は構わないけど....

 

 

 

「あれ?『出久くん』?鬼藤さんとデクくんは知り合いなの?」

 

「うん、出久くんは私の恩人なんだ。昔、出久くんに助けてもらったんだから」

 

「なるほど...」

 

 

 

 

 

 

その後4人で話しながら下校し、駅で出久くんと飯田くんと別れると、私とお茶子ちゃん(自然とお互い下の名前で呼ぶようになっていた、麗日さんぱわーすごい)は一緒の電車に乗った。

 

「お茶子ちゃんはどの駅で降りるの?」

 

「えっとね、△△駅!」

 

マジか、私と同じだ。

 

 

「偶然だね、私もその駅なんだー」

 

「おぉ!色んなところから来た中でクラスも同じで、降りる駅も同じ...もしかしたら住んでるところも同じかもね!」

 

 

そんな話をしていると駅に到着したので電車から降り、駅を出る。その後、駅を出てから歩く道はお互い同じだった。

ふむ...一応聞いておこう。もしもがあるかもだし。

 

 

「ねぇねぇ。お茶子ちゃんの家って、マンション?」

 

「お、当たり!」

 

おぉ、お茶子ちゃんもマンションなんだね。まぁ、もしかしてがあるかもだし、これも聞いておこう。

 

 

「お茶子ちゃん、ちょっと耳貸して?」

 

「?」

 

「そのマンションの名前って〇〇〇〇マンションだったりしない?」

 

それを聞くとお茶子ちゃんは『マジか』と言わんばかりの顔をした。あぁ、ビンゴだった...。

 

 

「な、なんでわかったん...?」

 

「私も家族と一緒にそのマンションに住んでるんだ...」

 

「こ、こんな偶然あるんだね....。ちょっと私からも質問...。朱音ちゃんの家って2階にあったりする...?」

 

「え、お茶子ちゃんも?」

私の返しに、お茶子ちゃんは頷く。そういや最近同じ階に誰か引っ越してきたな、とは思ったけどまさかお茶子ちゃんだったなんて...。

 

 

「世間って狭いねぇ....」

 

「せやね....思ったよりも狭いんやね...」

 

 

 

 

 

私たちは、意外な世間の狭さを感じつつ帰宅するのだった。





お茶子ちゃんの住んでる階とお部屋番号は適当です。何階の何号室か分からなかったからね、仕方ないね。



次回も読んでくれると嬉しいです!
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